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  2018.08.14



10分でわかる「角質」-肌のバリアをつくる無核化した表皮細胞

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「角質」が、「皮膚の一番外側にある硬い部分」ということは知っていますよね?

ヒザやヒジ、かかとなどの角質をクリームなどで取り除く「角質ケア」は、一般的に普及しているボディケアのひとつです。

美容関連の本や記事を見たことがある人だったら、スキンケアの分野でも、角質や角質層という言葉がよく使われていることを知っているはずです。

でも、顔にはヒザやかかとのような硬い皮膚はありませんよね?
角質とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

その答えは、実はタイトルにあります。
角質とは、「肌のバリアをつくる無核化した表皮細胞」のことなのです。

「バリア(防御壁)?」「無核化?」「表皮細胞?」
よくわからない言葉が並んでいると思った人も、10分あれば理解できます。
ここでは、角質のできるしくみや役割、関連するトラブルやケア方法などの基本的な事柄をわかりやすく解説します。

目次

1. 肌の構造と角質の役割
1-1. 3層構造の肌
1-2. 表皮の構造と役割
1-3. 真皮の構造と役割
1-4. 皮下組織の構造と役割

2. 角質ができるしくみ
2-1. 細胞分裂するケラチノサイト
2-2. 無核化して角質層を構成
2-3. ターンオーバーの役割

3. 角質層のトラブル
3-1. 角質の破壊
3-2. 乾燥肌
3-3. 角質肥厚とニキビ
3-4. シミ

4. 角質層のケア
4-1. 保湿ケア
4-2. UVケア
4-3. ターンオーバーの正常化
4-4. 手足の角質ケア

まとめ

1. 肌の構造と角質の役割

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肌は、人間の体全体を覆っている臓器です。
その大きさは、平面に広げると畳1枚分にもなり、重さは体重の6分の1にも及び、人体で最大の臓器といわれます。

1-1.  3層構造の肌

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肌は外側から、厚さ0.2ミリ程度しかない「表皮」、厚さ2ミリ程度の「真皮」、皮下脂肪が大部分を占める「皮下組織」の3層からできています。

人体の表面を覆っている3層構造の肌には、次のような働きがあります。

① 細菌やウイルスなどの侵入を防ぎ、紫外線をブロックする「保護機能」
② 体内から蒸発する水分を保持する「保湿機能」
③ 外部の温度の影響を受けにくくして体温を一定に保つ「体温調節機能」
④ 痛覚、触覚、温冷覚、圧覚などの感覚点から得た情報を脳に伝える「感覚機能」
⑤ 汗や皮脂を分泌して老廃物を排出する「排出機能」

1-2. 表皮の構造と役割

肌の一番外側の層である表皮は、さらに4つの層に分けられます。
もっとも外側で外気と接しているのが「角質層(角層とも)」で、「顆粒層」「有棘層」「基底層」と続いて真皮に達します。

角質層は、体の部位によって差はありますが、わずか0.02ミリ程度の厚さしかなく、15~20層ほどの薄い角質がレンガのように重なっています。
その角質の間を細胞間脂質が埋めてセメントのような役割を果たし、強固な壁を作っています。

この防御壁は、外側からは異物の侵入を防いで紫外線をブロックする保護機能や、内側からは蒸発する水分をつなぎとめる保湿機能があり、「角質層のバリア」と呼ばれます。

1-3. 真皮の構造と役割

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表皮の内側にある真皮は、タンパク質の線維であるコラーゲンがネット状の構造をつくり、やはりタンパク質の線維であるエラスチンがところどころを束ねて固定し、その周りをゼリー状のヒアルロン酸が埋め尽くしています。

健康な肌では、コラーゲンの量が真皮の70%を占めていますが、加齢とともに減っていきます。

真皮はこの構造によってハリや弾力を与えて肌を支え、毛細血管によって、栄養や酸素を受け取り、老廃物や二酸化炭素を排出し、体温調節にもかかわっています。

1-4. 皮下組織の構造と役割

真皮の内側にある皮下組織は、大部分を占める皮下脂肪でエネルギーを蓄え、クッションの役割をして体を守り、断熱材のように体温を維持する役目があります。

また、血管やリンパ管が通っていて、真皮上部にネット状に広がる毛細血管へと枝分かれしているので、栄養や酸素、老廃物の受け渡しの場にもなっています。

体内に脂肪は少ないほうがいいと考える人が多いのですが、皮下脂肪はある程度の厚みがないと肌や体を健康な状態に保つことができません。

 

2. 角質ができるしくみ

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表皮の一番外側で、外気と接している角質層をつくっているのが角質で、とても薄いのに重要な機能をもつことがわかりましたね。

それでは、角質がどのようにしてできるのか、そのしくみを解説しましょう。
ここにも、肌がもつ重要な機能が関与しています。

2-1. 細胞分裂するケラチノサイト

表皮のもっとも内側に位置する基底層では、「ケラチノサイト」と呼ばれる細胞が細胞分裂を繰り返しています。

ケラチノサイトは2つに分裂して、そのひとつが「表皮細胞」となって押し上げられていき、残りのひとつは基底層に残って、また分裂をします。

基底層から押し出されたケラチノサイトは、角がゴツゴツした形の表皮細胞となり、その形からこの層は有棘層と呼ばれます。

さらに押し上げられた表皮細胞は、形が扁平して重なるようになり、その形からこの層は顆粒層と呼ばれるのです。

2-2. 無核化して角質層を構成

基底層で細胞分裂をして顆粒層まで押し上げられた表皮細胞は、死んで核のない状態になり、さらに押しつぶされて平べったくなって、角質層を構成します。

この核のない細胞を「角質細胞」、または単に「角質」と呼ぶのです。
ケラチノサイトから変化した角質は、ケラチンという繊維状のタンパク質のかたまりになっています。

角質は15~20層にも重なっており、細胞分裂が繰り返されて押し上げられてくる表皮細胞によって、外側から順にはがれ落ちていきます。

この、基底層での細胞分裂から角質の剥離までのサイクルを「ターンオーバー」と呼びます。

2-3. ターンオーバーの役割

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表皮のターンオーバーがあるおかげで、肌が傷ついたり日焼けをしたりしても、美しさを取り戻すことができるのです。

ターンオーバーは、20代の若い肌でも30日程度かかり、加齢とともに代謝機能が落ちて、40代では60日以上かかることもあります。

ターンオーバーが長くなると、剥離するはずの角質が残ってしまうので、角質層が厚くなって肌は透明感を失ってくすんだ印象になり、ゴワつきやシミの原因になります。

ターンオーバーは早まっても肌トラブルの原因になります。
未成熟な表皮細胞が表面に出てきてしまうので、バリア機能が低下して肌が大きなダメージを受けることになるのです。

 

3. 角質層のトラブル

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角質が多重構造になっている角質層は、外界と接しているのでダメージを受けやすく、いろいろな肌トラブルを引き起こす部位でもあります。

この項では、角質に関連する主な肌トラブルを解説しましょう。

3-1. 角質の破壊

角質を破壊してしまう要因は、紫外線や乾燥、ほとんどの化粧品に含まれていて、顔料やクレンジング剤に多く含まれる界面活性剤などの刺激物です。

界面活性剤には、本来は混ざることのない水と油をなじませる乳化という作用があり、クレンジング剤には油溶性のメイクを肌から浮かび上がらせて流すために用いられます。

クレンジング剤は、角質の層を破壊して、肌の水分を保っている細胞間脂質を溶かしてしまうほど強い界面活性剤が配合されているものが多いので、注意が必要です。

クレンジングや洗顔で、こすってはいけないといわれるのはこのためで、洗顔は泡をクッションにすることによって、肌への摩擦を抑えるのです。

角質が破壊されてしまった肌は、バリアがなくなった無防備な状態になりますから、乾燥肌になったり、ヒリヒリやかゆみなどの肌荒れを起こしたりします。

3-2. 乾燥肌

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角質層の細胞間脂質には「セラミド」という保水物質があります。
セラミドは細胞間脂質の半分近くを占め、角質層の水分の80%を保持しています。

そのほかに角質層の水分を保持しているのは、毛穴にある皮脂腺から分泌された皮脂が肌に広がった「皮脂膜」と、角質のなかにある「ケラチン」と「天然保湿因子(NMF)」です。

肌のうるおいにもっとも影響を与えるのがセラミドであり、角質が破壊されてセラミドが減ってしまうと、肌は乾燥した状態になります。

セラミドは、基底層で生まれた表皮細胞の中で熟成し、合成されていきます。
そして、表皮細胞が核を失って角質細胞へと変わるときに、細胞の外へ放出されて角質の周りを埋めるのです。

ですから、ターンオーバーが長くなると、セラミドの合成力も低下します。
若い人の乾燥肌は、クレンジングなどでセラミドを溶かしてしまうことに主な原因がありますが、高齢になると肌が乾燥しやすくなるのは、このためなのです。

感想肌についての詳しい説明と正しいスキンケア方法についてはこちら→「乾燥肌の正しいスキンケア-4つのステップでカサカサ肌を改善

3-3. 角質肥厚とニキビ

ターンオーバーが長くなることによって、本来ははがれ落ちるはずの角質が残ってしまい、角質が厚くなってしまった状態を「角質肥厚」といいます。

角質肥厚は、黒ずみなど毛穴のトラブルを招きやすく、ニキビの原因にもなります。
ニキビといえば、過剰な皮脂分泌が原因で若い人が悩むものと思われがちですが、皮脂分泌が少なくなる30代~40代になってもできることがあります。

吹き出物とも呼ばれる「大人ニキビ」は、角質肥厚で毛穴の出口がふさがれてしまい、少しずつ毛穴の中に溜まった皮脂をエサとするアクネ菌が異常繁殖することでできます。

白くプツっと膨らんだこの状態は「白ニキビ」と呼ばれ、この段階で直せば痕が残りません。
ところが、異常繁殖したアクネ菌を白血球が攻撃しだすと、毛穴が炎症を起こした状態になり、赤くはれて「赤ニキビ」になってしまいます。
炎症は毛穴の壁を壊して周囲の皮膚組織まで広がり、ニキビがつぶれると膿が出てきます。

ここまで進行してしまうと陥没した痕が残るので、ニキビは早いうちに直さなければいけません。
なんといっても重要なのは、角質層を健全な状態に保って予防することです。

角質肥厚によるニキビについては「大人のニキビには1日2回の洗顔-原因は毛穴まわりの角質肥厚」でも詳しく解説しています。

3-4. シミ

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肌への色素沈着であるシミには種類がいくつかありますが、もっとも多い日光性色素班(老人性色素班とも)は、「メラニン」という色素が原因になっています。

基底層にはケラチノサイトのほかに「メラノサイト」という細胞もあります。
紫外線を浴びると、表皮細胞から情報伝達物質が分泌されてメラノサイトを刺激し、メラノサイトはメラニンを生成して、その色素で肌を守ろうとします。

メラニンは紫外線から肌を守り、通常は、角質と一緒に肌からはがれ落ちます。
ところが、ターンオーバーが長くなり過ぎたり、メラノサイトが暴走して過剰にメラニンを生成し続けたりすると、メラニンが色素沈着を起こしてしまい、シミになるのです。

肌の老化の原因の8割は紫外線にあるといわれるほど、紫外線が肌に与えるダメージは大きく、日焼けで角質層をボロボロに壊してしまうこと以外にも、真皮まで届いてシワやたるみの原因をつくります。

 シミ対策についてはこちらの記事をご覧ください→「6種類のシミを消す方法-美白化粧品から最新レーザー治療まで

4. 角質層のケア

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角質層のケアは、バリア機能や保湿機能を健全な状態に保つことと、ターンオーバーの乱れを正常化することが中心になります。

間違ったスキンケアで角質層を傷めてしまっているケースが多いので、まず、クレンジングや洗顔で肌へ与えるダメージを最小限に抑えることが重要です。

クレンジング剤は、洗い流すクリームタイプや、オイルフリーのジェルタイプなどに、比較的刺激が少ないものがあります。

できればクレンジングをしなくて済むメイクをするべきですが、使わざるを得ない場合は、クレンジング剤を肌にのせている時間を最小限にしましょう。
40秒から、長くても1分以内で済ませるようにします。

洗顔は、余計な添加物が入っていない固形タイプの石けんで、朝晩2回、しっかり角質層の油分を落とします。
寝ている間も皮脂は分泌されていますから、朝も石けんを使わなければいけません。
皮脂は時間が経つと酸化脂質になって、角質層や毛穴トラブルの原因になります。

4-1. 保湿ケア

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スキンケアの要である保湿ケアは、角質層のセラミドを補給することがカギとなります。
セラミドは油溶性なので、化粧水に配合することは難しく、高濃度で配合されている美容液がマストアイテムとなります。

化粧水はほとんどが水分ですから、いくら肌につけても蒸発してしまい、保湿することはできません。
それどころか、肌がもっていた水分まで一緒に蒸発させてしまい、かえって乾燥させてしまうことになります。

肌の保湿に必要なのは、水分ではなく、角質層で保水するセラミドなのです。

化粧品に配合されているセラミドには、いろいろな種類があります。
安心して使えて保湿効果が高い美容液は、「セラミド2」や「セラミド3」のように番号がついた「ヒト型セラミド」を数種類配合したものが多くなっています。

4-2. UVケア

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美肌の大敵である紫外線の対策には、日焼け止めが用いられます。
しかし、日焼け止めにも角質層を傷める添加物が多量に使われています。

塗らなければ紫外線で角質を傷つけ、塗っても傷つけるのでは、いったいどうすればいいのか悩んでしまいますね。
日焼け止めは、クレンジングと同様に、スキンケアの「必要悪」と考えるべきです。

スポーツやレジャーで長時間紫外線を浴びることがわかっている日は、十分な量の日焼け止めを使い、2時間ごとに塗り直します。
そして夜は、しっかり洗い流すようにします。

しかし、日常の紫外線対策は、できるだけ日焼け止めを使わずに、日傘や帽子、日陰などをうまく活用しましょう。
最近流行のパウダータイプファンデーションには、日常使いする日焼け止めと同等のUVカット効果があり、しかもクレンジングの必要がないものがあります。

紫外線は体にとって必要なものでもあり、手のひら程度の面積に、紫外線を1日20分浴びることによって、骨をつくるのに欠かせないビタミンDが体内で生成されることも、忘れないようにしましょう。

4-3. ターンオーバーの正常化

角質層のケアで大事なのは、保湿ケア、UVケアと、もうひとつはターンオーバーの正常化です。

具体的には、古くなった角質を除去する「ピーリング」や「スクラブ洗顔」、余計な油分を与えないスキンケア、肌の新陳代謝を高める生活習慣などが中心になります。

ピーリングは、酸のパワーで古い角質を溶かすもので、クリニックで受けるものと、自宅でできるものがあります。
セルフピーリング用のピーリング剤は、クリニックで使用するものよりだいぶ効果がマイルドになっていますから、用法を守れば安心して使うことができます。

スクラブ洗顔は、細かい粒子で肌の表面を研磨するようなイメージで、古い角質を除去するものです。
天然系と合成系があり、一般的にはピーリングよりも肌の負担が少ないといわれますが、洗顔料ですから界面活性剤の影響は少なくありません。

美容液で保湿ケアをした後に、クリームや乳液でフタをするという考え方は、もう過去のものです。
余計な油分は毛穴トラブルや角質層を傷める原因になりますから、皮脂腺の少ない目元や口元の乾燥が気になるときに限って、クリームを少量使うくらいにしましょう。

4-4. 手足の角質ケア

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ヒジやヒザの黒ずみは、衣服でこすれる摩擦によって角質が厚くなることが原因です。
入浴時によく洗ってから、週に1~2回はピーリングかスクラブを行い、入浴後はボディクリームで保湿しましょう。

かかとのザラザラやガサガサは、体重がかかって角質が厚くなり、かかとには皮脂腺がほとんどないために乾燥してしまうことが原因です。

入浴してかかとがやわらかくなってから、軽石などで固くなった角質を削り、入浴後はボディクリームで保湿します。
かかとがやわらかくなってきても、入浴後のボディクリームは欠かさないようにしましょう。

 

まとめ

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角質層は、乾燥してしまうと悪循環に陥り、様々なトラブルへと発展してしまいます。

乾燥する
 ↓
バリア機能が低下
 ↓
角質層が急いでつくられる
 ↓
未成熟な表皮細胞が角質層に出てきてしまう
 ↓
乾燥がひどくなる

角質層を健全な状態に保つために必要なケアをいくつか紹介しましたが、本格的にこの悪循環を断ち切るためには、肌が本来もっている保湿機能や再生機能を復活させなければいけません。

そのためには、化粧品にたよるスキンケアだけでなく、食事、運動、睡眠といった生活習慣の見直しが必要です。

【参考資料】
・『素肌美人をつくる トータルスキンケアBOOK』 幻冬舎 千堂 純子 2015年
・『いちばん正しいスキンケアの教科書 吉木メソッドで美肌になる!』 西東社 吉木伸子 2014年
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