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15分で理解する亜鉛サプリメント―すべての細胞に必要な栄養素

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数あるサプリメントの中でも、亜鉛が「効果が出た」という声をよく聞きませんか?

亜鉛が注目されるようになったのは、味覚障害の治療に有効であることがわかったことがきっかけでした。
現在は、男性にとっても女性にとっても性機能を低下させないために、サプリメントで摂取する人が増えています。

しかし、亜鉛がもつパワーはそれだけではありません。
体の健康に必須であるとともに、心の健康にも欠かせない物質であることがわかっています。

ここでは、サプリメントとして人気がある亜鉛とはどのようなものなのか、人体にもたらす効果、副作用や飲み合わせの問題などを解説します。

目次

1. 五大栄養素のミネラルとは?
1-1. 人体で96%を占める4元素を除いた元素
1-2. 三大栄養素が機能するために必要な微量栄養素
1-3. バランスが大切なミネラル

2. 亜鉛がもたらす6つの効果
2-1. 細胞分裂と新陳代謝
2-2. 性機能の維持
2-3. 味覚の維持
2-4. 免疫力の維持と向上
2-5. 脳機能の活性化
2-6. 血糖値の安定化

3. 亜鉛サプリの副作用や飲み合わせの問題
3-1. 吸収を促進する物質
3-2. 吸収を阻害する物質
3-2. 銅の働きを抑える亜鉛

4. 亜鉛を多く含む食材ランキング

まとめ

1. 五大栄養素のミネラルとは?

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亜鉛が、ミネラルのひとつだということは知っていますよね。
栄養関連のことでよく耳にする、この「ミネラル」とは、どのようなものなのでしょう。
「ビタミン」とはどこが違うのでしょう。

まず最初に、栄養素としてミネラルの概要をわかりやすく解説します。

1-1. 人体で96%を占める4元素を除いた元素

「糖質」「脂質」「タンパク質」は三大栄養素ですが、これにビタミンとミネラルを加えて五大栄養素と呼ぶことが多くなっています。

糖質とは食物繊維以外の炭水化物、脂質とは文字通り、水に溶けない「脂肪」のこと、タンパク質とはアミノ酸が数十~数百個連結して合成された物質です。

ビタミンとミネラルの違いをはっきりさせておきましょう。

ビタミンは、生物に起源を有する「有機化合物」であり、三大栄養素が働くために必要な酵素を活性化させる「補酵素」として働く物質。
ビタミンB群とビタミンCからなる水溶性ビタミンと、ビタミンA、D、E、Kの脂溶性ビタミンがあります。

一方のミネラルは、有機化合物以外の化合物で、「無機質」と呼ばれ、有機化合物のほとんどが炭素を含むのに対して、炭素を含まない無機化合物です。

人間の体は、水、タンパク質、脂質、炭水化物などの分子でできており、これらの分子は約60種類の元素が結合しています。
それらの元素は、酸素、炭素、水素、窒素の4元素が全体の96%を占めているのですが、この4元素を除いた4%の元素を「ミネラル」と呼ぶのです。

1-2. 三大栄養素が機能するために必要な微量栄養素

生物が生命を維持するためには、摂取した栄養分を体内で必要な物質につくり変える「代謝」が行われなければいけません。
代謝に必要とされるのが「酵素」。
酵素とは、細胞内でつくられて体内で化学反応を促すタンパク質のことです。

ビタミンは酵素の働きを補助する「補酵素」として働きますが、ミネラルは酵素の化学的な変化を助けるので「補因子」と呼ばれます。
三大栄養素が体内で十分に機能するためには、ビタミンとともにミネラルも欠かせない微量栄養素なのです。

ミネラルは、骨や歯などの構成成分として重要であるばかりでなく、体中のすべて組織をつくる上で必須とされる栄養素であり、体の調節機能にも大きく関与するので、不足すれば酵素がしっかりと働くことができなくなって体調を崩すことになります。

1-3. バランスが大切なミネラル

有機物であるビタミンは、動物や植物の中に存在していますが、人間の体内ではほとんど合成できないので、食べ物から摂取しなければいけません。
無機物であるミネラルは体内で合成できませんから、100%食べ物から摂取するしかありません。

ビタミンもミネラルも三大栄養素が機能するために重要な役割を果たしていますから、不足すると欠乏症を起こして、いろいろな病気につながります。
しかし、摂りすぎても過剰症を起こして、これもまた重大な病気の引き金となってしまいます。

ここで扱う亜鉛をはじめとして鉄、銅、マンガンなどは、必要量の数倍でいろいろな中毒症状を招き、ナトリウムの過剰摂取は高血圧や脳卒中の原因として知られています。

ミネラルには相対するものがあって、特定のミネラルだけを考えるのではなく、ほかのミネラルとのバランスを考えなければいけません。

リンを多く摂るとカルシウムの吸収が悪くなり、カルシウムとマグネシウムのバランスが崩れると心疾患の原因となり、カリウムとナトリウムのバランスが崩れると高血圧の原因になるといった相対関係があり、亜鉛は銅と密接な関係にあります。

 

2. 亜鉛がもたらす6つの効果

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人間の体内には3000以上の酵素があるのですが、亜鉛はそのうち300以上もの酵素と深くかかわって三大栄養素の代謝を助けています。
これだけ体中の酵素と大きなかかわりをもっているミネラルですから、亜鉛が不足すると様々な障害を起こすことになります。

亜鉛がもたらす主な効果を6項目に分けて紹介しましょう。

2-1. 細胞分裂と新陳代謝

細胞分裂によって体内で新しい細胞をつくるためには、遺伝子の情報を伝達する、アミノ酸からタンパク質を合成する、といった化学作用が必要とされますが、この作用を促す酵素は亜鉛が成分となっています。

亜鉛が、細胞分裂と新陳代謝が盛んな皮膚や毛髪に与える影響はとくに大きく、不足すると皮膚の乾燥や脱毛を引き起こします。

肝臓は、タンパク質の合成や解毒作用(デトックス)、脂肪の消化を助ける胆汁の生成などを行っており、唯一、再生機能をもっている臓器。
体内には約2gという微量しか存在しない亜鉛ですが、肝臓には亜鉛が多く含まれており、細胞分裂を助けることによってその再生を促進します。

2-2. 性機能の維持

毛髪や肝臓と並んで亜鉛を多く含んでいるのが、細胞分裂の盛んな生殖器。
成人男性の場合、体内でもっとも亜鉛を必要としている器官は、前立腺と睾丸です。

さらに亜鉛は、脳下垂体の性腺刺激ホルモンを活性化して、男性ホルモンの分泌と精子の製造に大きく関与しています。

女性の場合も性腺刺激ホルモンを活性化して、子宮機能の活性を高め、妊娠期の安定に深く関与します。
さらに授乳初期には母乳の亜鉛濃度が高くなり、乳児にとっても必要な亜鉛を補給できるようにします。

性機能の低下や性成熟の遅れは、亜鉛の不足が原因となっているケースが多いのです。

2-3. 味覚の維持

高齢になって味覚が衰えるというのは、舌で味覚の入り口となる味蕾という器官が減少してしまうことに加え、食事量が減って亜鉛が不足するためです。

ところが、近年は若い女性に味覚障害が増えています。
これは食事の量を減らす極端なダイエットによって、亜鉛が欠乏しているケースがほとんど。

若い層に増えている加工食品中心の食事も、味覚障害の原因となります。
加工食品に品質改良剤として配合されている成分に、亜鉛を体内から排出してしまう働きがあるためです。

さらに、アルコールの過剰摂取も亜鉛の消費量が増大するので、味覚障害の原因になることがあります。
亜鉛は、味蕾細胞の生成にも必須なミネラルなので、味覚障害の治療には、味蕾細胞の生成を促すために亜鉛が投与されるのです。

2-4. 免疫力の維持と向上

人間の体内で自然治癒力を支えているのは「免疫細胞」と呼ばれる細胞で、侵入してきた細菌やウイルスから体を守っています。

細胞分裂や新陳代謝を促す亜鉛は、この免疫細胞の働きを維持し、適量を摂取すれば免疫力を高める効果が期待できます。

人間の体がもつ免疫力は、20代にピークとなり、50代になると半分以下にまで低下するといわれます。
これは、免疫細胞の活性を低下させてしてしまうことが原因。

適量の亜鉛を摂取することによって、病気にかかりにくい体を維持することが可能になり、それはまた、健全な精神の維持にもつながります。

2-5. 脳機能の活性化

亜鉛が細胞分裂と新陳代謝を促す働きによって、脳細胞が活性化することもわかっています。

脳の深部、大脳辺縁系にある「海馬」は、新しい記憶が長期記憶として大脳皮質に刻まれるまでの間、記憶の貯蔵装置として働く部位と考えられています。
この海馬には、亜鉛が多く含まれているのです。

ですから、酸素や亜鉛が不足して海馬の働きが低下すると、古いことは覚えていても新しいことが覚えられないという状態になります。
適量の亜鉛を摂取することによって、海馬の働きを活性化し、学習能力を高めることが可能。

さらに亜鉛は、中枢神経に作用することや、脳内神経伝達物質に関与することもわかっており、うつ病やアルツハイマー病との関連性が認められています。

2-6. 血糖値の安定化

亜鉛には、膵臓でインスリンの合成と分泌に関与して、糖代謝の異常を防ぐ働きがあります。

血糖の調整を行うホルモンであるインスリンは、血糖値が上昇すると分泌されて血糖値を下げるのですが、亜鉛が不足するとこの調節機能に障害が出て、低血糖状態になることがあります。

糖尿病とは、インスリン分泌の調節がうまくいかなくて、血糖のコントロールができなくなる病気ですが、全身の血管や神経に大きなダメージを与える高血糖とともに怖いのが低血糖症なのです。

血液に含まれるブドウ糖は生命維持に欠かせないエネルギー源ですから、不足すれば重大なダメージをもたらします。
低血糖の症状は、発汗、動悸、震え、不安感などにはじまり、さらに血糖値が下がると中枢神経に影響して意識障害から昏睡状態へと至ります。

血糖値の安定は、精神衛生にも大きな影響をもたらします。

 

3. 亜鉛サプリの副作用や飲み合わせの問題

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亜鉛は肉類、魚介類、穀類に広く含まれているミネラルですから、一般的な日本人の食生活では、極端に不足することはあまりありません。

性機能や味覚の低下を感じている人や、低血糖ぎみの人、糖質制限をしている人、ベジタリアン以外に、加工食品を多く食べる人は亜鉛が排出されやすくなり、アルコールを多く飲む人は亜鉛の消費が増大するので、不足しがちです。

こうした症状を改善するために亜鉛をサプリメントで摂取する場合、通常は1日に10mg程度の摂取量になります。
亜鉛は、過剰摂取しても比較的副作用が起きにくい栄養といわれていますが、特別に医師の指定がない限りは、サプリメントの規定量を守りましょう。

3-1. 吸収を促進する物質

亜鉛は吸収がよいミネラルではありませんから、サプリメントで摂取する際は効率よく吸収されるように、食べ合わせや飲み合わせを考えましょう。

亜鉛の吸収を促進するものには、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸、ビタミンC、アミノ酸などがあります。

亜鉛が豊富な食べ物の代表が、貝の「カキ」。
生ガキや焼きガキにレモンを絞って食べるのは、亜鉛の吸収を高める食べ方です。
また、亜鉛やアミノ酸が豊富な納豆にお酢を加えるのも、理にかなった食べ方。

乳酸、ビタミンC、アミノ酸などのサプリメントと組み合わせてもいいでしょう。

3-2. 吸収を阻害する物質

亜鉛の吸収を阻害するのは、お茶などに含まれるタンニン、抗酸化物質として知られるポリフェノール、卵白を構成する卵アルブミン、リン酸、フィチン酸、リグニン、タンパク質などです。

亜鉛を効率よく吸収させたいときは、タンニンが豊富なお茶や、ポリフェノールが豊富なコーヒーを控える、卵を食べすぎない、といった配慮が効果的。

フィチン酸はリンの主な貯蔵形態で、玄米に多く含まれています。
ですから、亜鉛が豊富なウナギを食べるときは、亜鉛の排出を促してしまう玄米ではなくて白米と食べるのが理にかなっているのです。

3-2. 銅の働きを抑える亜鉛

ミネラルには、カルシウムとマグネシウム、ナトリウムとカリウムというように相対して働く組み合わせがあります。

マグネシウムがカルシウムの働きを調整するように、亜鉛は銅の働きを抑制します。
また、鉄の吸収を阻害する働きもあります。

脳内では、快楽や意欲、食欲、性欲などをつかさどっている神経伝達物質ドーパミンが、ノルアドレナリンに変換されて集中力や意欲を高めます。
この変換に欠かせない酵素を助けるのが銅です。

ノルアドレナリンは過剰になるとうつ症状を引き起こすので、銅が体内に過剰になってしまう「産後のうつ」の治療には、亜鉛を100mg以下の量で投与して銅の働きを抑制します。

逆に亜鉛が過剰になると、銅や鉄の吸収を妨げて、貧血、免疫力低下、善玉コレステロール値低下、不安感やうつ、といった症状を引き起こします。

 

4. 亜鉛を多く含む食材ランキング

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サプリメントは、食事で摂り切れない栄養素を補助するものですから、できるだけ必要な栄養は食事のバランスを考えて摂れるようにすることが大事。
厚生労働省は、亜鉛の摂取上限量を男性が40~45mg、女性が35mgと規定しています。

亜鉛が豊富な食材ランキングは以下のようになっています。
食材は産地や時期によって栄養に違いが出てきますし、料理は調理方法や調味料の使い方によっても栄養素のバランスは変わってきますから、一般的な例として考えてください。

・1位  カキ          1人分50gに6.6mg
・2位  豚レバー        1人分80gに5.5mg
・3位  牛カタ肉、モモ肉(赤身)1人分100gに5.1mg 
・4位  牛ランプ肉(赤身)   1人分100gに4.4mg
・5位  タラバガニ(水煮缶)  1人分60gに3.8mg
・6位  牛レバー        1人分80gに3.0mg
・7位  ウナギ(蒲焼)     1人分100gに2.7mg
・8位  鶏レバー        1人分80gに2.6mg
・9位  レンズ豆(乾燥)    1人分50gに2.4mg
・10位  ソラ豆(乾燥)     1人分50gに2.3mg

料理のランキングもあげておきましょう。
やはり、かきを使った料理は亜鉛の量が圧倒的に多くなっています。

・1位  カキフライ       1食分に10.8mg
・2位  ビーフステーキ     1食分に4.4mg
・3位  牛のたたき       1食分に3.7mg
・4位  チリコンカン      1食分に3.6mg
・5位  ハンバーグ       1食分に3.6mg
・6位  餃子          1食分に2.8mg

また、南米ペルーの植物である「マカ」の根は、古代から滋養食として用いられてきた食材ですが、カルシウムや鉄分、必須アミノ酸とともに亜鉛も豊富なことから、現在ではサプリメントとして使う人も多く、中には亜鉛を増量したものも販売されています。

 

まとめ

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全身の細胞内で、生命維持に欠かせない働きをしている亜鉛。
食事で足りない分は、サプリメントで摂取することがとても有効だということがおわかりいただけたことでしょう。

味覚障害や性機能の低下を改善するために用いられることが多かった亜鉛サプリメントですが、現在ではイライラを抑える、情緒を安定させるといった、精神にもたらす作用も注目されています。

心の健康と体の健康は分けて考えられるものではありませんから、すべての栄養素は体の健康維持に必要であると同時に心の健康にも必要なもの。
その中でも、全身の細胞が必要としている亜鉛は、心を安定させる効果が高いといえるのです。

 

 

【参考資料】
・『医者が教える「あなたのサプリが効かない理由」』 宮澤賢史 著  イースト・プレス 2018年
・『これは効く!食べて治す 最新栄養成分事典』 中嶋洋子 監修 主婦の友社 2017年
・『サプリメント大図鑑』 佐藤務 監修 総合法令出版 2018年
・『もっとキレイに、ずーっと健康 栄養素図鑑と食べ方テク』 中村丁次 監修  朝日新聞出版 2017年
エバラ食品 サイト

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