アメリカのセレブリティが美と健康のために食生活にも気を遣っていることは、日本でもよく知られています。
古くはジョン・レノンから、俳優のトム・クルーズ、ニコール・キッドマン、歌手のマドンナ、元アメリカ大統領のジミー・カーターなどが実践していた食生活として、「マクロビ」という言葉を耳にすることも多いでしょう。
「マクロビ」は「マクロビオティック」の略語で、一般的には菜食主義として理解されているようです。マクロビオティックは一般の人にも実践できる食生活なのでしょうか。栄養学やスピリチュアルとの関連も知りたいところです。
日本発と言われるマクロビオティック食について、詳しく解説していきます。
目次
1. マクロビとは
2. 日本発のマクロビオティック
2-1. 各国の有識者・セレブリティに取り入れられた理由
2-2. ベジタリアンとの違い
2-3. 栄養学の視点から見たマクロビオティック
3. マクロビオティック食の基本
3-1. 身土不二とは
3-2. 一物全体とは
3-3. 玄米食
4. マクロビオティック食を始めると決めたら
4-1. 今の食生活との比較をする
4-2. できることから始めると長続きする
4-3. マクロビ料理を普段の食事に取り入れてみる
4-4. ダイエット=健康維持と理解する
4-5. マクロビオティックの問題点
6. スピリチュアルとマクロビオティック
6-1. 宇宙とのつながり
6-2. 陰陽のバランス
6-3. 男女の法則
7. まとめ・創始者桜沢如一は教祖的だったのか
7-1. 桜沢如一と正食の家
7-2. アメリカでマクロビオティックを広めた久司道夫
7-3. 本当の健康食とは何か
1. マクロビオティックとは
マクロビは基本的には玄米菜食の食事で、肉・魚・卵・乳製品は摂取しません。主食の玄米を一食の食事量の50%~60%にし、豆や野菜、海藻類と共に食べます。体調によっては白身魚を少量加えることもあります。
具体的な食事方法と内容は、3章「マクロビオティック食の基本」にまとめましたので参考にしてください。
「マクロビオティック」というのは造語で、「マクロ(大きい・長い)」「ビオ(生命)」「ティック(術・方法)」つまり「長く生きる方法」という意味と、「大きく地球の生命を見る方法」という意味を兼ね備えています。
また、ソクラテス以前にギリシャの哲学者や医学者が使用した言葉に「マクロビオス」という言葉があり、「自然に即した生活、健康と長寿と平和な心を確立するための生き方」という意味があったといいます。
「マクロビオティック」という呼び名はフランス由来のもので、アメリカでは「マクロバイオティックス」や「マクロバイオティック・ダイエット」「ゼン(禅)・マクロバイオティック」などと呼ばれています。
現在、日本の医師の間では、マクロビオティックの起源は医師の石塚左玄ということになっています。医師の石塚の食養法によって自身の健康を回復した桜沢如一がマクロビオティックを提唱したというのです。
ところが、一般的には、桜沢如一が提唱した「正食」がマクロビオティック食として広まったという説ばかりが目立ちます。その理由には、食養指導家・思想家としての桜沢如一(さくらざわ・ゆきかず)は世界を股にかけてマクロビオティックを広め、アメリカでは(ジョージ・オーサワ)として有名になったことがあります。
また、桜沢如一の考えに賛同した人々の中に、アメリカでマクロビオティックを広めた久司道夫がいたことも、桜沢如一がマクロビオティックの提唱者であるという由来になっています。
正確に言えば、医師である石塚左玄の食養法が、桜沢如一のような思想家グループと、二木健三のような医師グループに分かれ、それぞれの流れでマクロビオティックが広まっていったということになります。
このようなマクロビオティックの歴史は、4章の「マクロビオティックの問題点」に関連しますので参考にしてください。
2. 日本発のマクロビオティック
2-1. 各国の有識者・セレブリティに取り入れられた理由
マクロビオティック食がセレブリティに取り入れられた理由は、その思想が彼らの大切にしている「イメージ」をアップさせるものだからだと考えられます。
自分のことばかり考えている「エゴ」ではなく、地球環境にも配慮している「エコ」であるイメージが、マクロビオティックにはあるのです。
マクロビオティック食は、各国で広まりましたが、とくにアメリカでは俳優や歌手などのセレブリティが実践して話題になっています。これは、マクロビオティック食が単なる菜食主義者ではなく、その思想が環境と食物への具体的な対処法になっていることに関係しているため。
つまり、単に自分の健康のために行うというエゴからの食事療法ではなく、地球環境への配慮も含んでいるということが、セレブリティには広く受け入れられたのだと言えるでしょう。
2-2. ベジタリアンとの違い
「ベジタリアン」と「マクロビオティック実践者」の違いは、マクロビには東洋医学を元にした、思想があるということです。
鳥獣肉を食さないという共通点はありますが、マクロビオティックは東洋医学に基づき、食にも陰陽のバランスがあると考えます。ですから、ベジタリアンと違い、体調に合わせて陰陽バランスを調整することがあります。
ちなみに、「ベジタリアン」という言葉は日本では「ベジタブル」を連想させるため、「菜食主義者」つまり野菜しか食べない人、という印象を持つ人が多いようです。
しかし「ベジタリアン」は「ベジタブル」の語尾が変化したものではなく、ラテン語で「完全な、健全な、生き生きした、活発な」という意味の「ヴェゲトゥス」に由来しています。
つまり「野菜人」という意味ではない「ベジタリアン」には、卵を摂るベジタリアン、乳製品を摂るベジタリアンなど様々なベジタリアンが存在し、基本的に鳥獣肉を食べないということがベジタリアンの共通点です。
さらに、英語で「ベジタブル」という言葉には、「元気がない、退屈な」という意味がありますから、ベジタリアンの語源とは正反対の意味を持つということも知っておくと良いでしょう。
ベジタリアンについては「完全菜食主義のビーガンを楽しんで実践するために」の記事もぜひ参考にしてみてください。
2-3. 栄養学の視点から見たマクロビオティック
“メリット”
マクロビオティック食の中心となる玄米は複合炭水化物。複合炭水化物は、パスタや白米・パンなどの単純炭水化物に比べ、血糖値を急激に上昇させないことで、高血圧や肥満を防ぐことができる。
「狂牛病」「鳥インフルエンザ」「ダイオキシン汚染」「抗生物質の蓄積」などの動物性食品が原因のリスクがなくなる。
有機野菜や米を選ぶことにより、農薬や化学物質を取り入れずに済む。正しく実践すれば、食品添加物などの化学物質も一切体内に入らない。
“デメリット” ビタミンB12、ビタミンD、カルシウムの不足が懸念される。
幼児期からのマクロビオティック食によって、身体の成長が遅くなる傾向が見られる。
摂取する食物を限定することにより、現代では「食べられるものがないから食事を抜く」という選択をしてしまうことがあり、そうなると摂取エネルギー(カロリー)不足、栄養素不足につながることがある。
3. マクロビオティック食の基本
3-1. 身土不二とは
身土不二とは身(身体)と土(環境)は不二(バラバラにはできない)という意味です。 つまりマクロビオティックでは、自分が暮らしている環境で、その季節の旬に採れる作物を食べる、という意味になります。
野菜のビタミンは、収穫後急激に減少していきます。ですから、輸送されたものよりも近くで採れたものの方が、栄養価が高いのです。さらに、旬の野菜はハウス栽培で無理に育てた野菜より栄養価は高くなります。
具体的には半径150㎞以内で採れるもの、という指標があります。地消地産ということですね。
3-2. 一物全体とは
一物全体とは、「ひとつのものを丸ごと食べる」ということです。
野菜は皮をむかずに良く洗ってすべて調理して食べます。大根やにんじんなどの根菜類も、葉まで一緒に丸ごと食べます。
また、調理方法も、アクを抜いたりゆでこぼしたりせず、そのまま蒸したり茹でたりして調理します。こうした調理法からも、野菜はできるだけ無農薬、できれば有機野菜が良いと言えるでしょう。
3-3. 玄米食
玄米も、食物を丸ごと食べるという、一物全体の原理に即しています。
玄米には白米に比べてビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれ、よく噛んで食べるようになるために満腹感を得られます。さらに、発芽前の玄米にはフィチン酸という物質が含まれ、このフィチン酸が重金属や化学物質を体外に排出するという解毒作用を持つことがわかっています。
一物全体の原理で言うとパンや麺では全粒粉を使ったものが良く、玄米と同じようにビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれます。
玄米や全粒粉を使ったパンや麺は、血糖値を急激に上げることのない複合炭水化物なので、高血圧や肥満になりにくいとも言えます。
4. マクロビオティック食を始めると決めたら
4-1. 今の食生活との比較をする
「マクロビオティック食を始めてみよう」と決めたらまず、今の自分の食生活と比較することから始めてください。
現在口にしているものにどれだけ気を配っていますか?食品添加物が含まれているものを気にせずに食べているという段階ならば、いきなりマクロビ食を始めてもうまくいかないと思います。
食生活の改善の段階があるとすれば
①ファストフード、インスタント食品、スナック菓子、コーラなどの清涼飲料水をやめる。
②コンビニ弁当、コンビニやスーパーの調理パン、出来合いの総菜などをやめる。
③毎日一度は調理する時間を取る。
④新鮮な野菜や米を手に入れるようにする。
この段階までできていれば、さらに玄米食にして、鳥獣肉を食べないマクロビオティック食にチャレンジできるでしょう。
4-2. できることから始めると長続きする
マクロビオティックに興味を持ったなら、長続きさせて自分の身体の変化を感じて欲しいと思います。
マクロビオティックに限らずどんな健康法にも言えることですが、科学的な薬を使った治療と異なり、始めたらすぐに効果が出るというものではありません。
習慣としてある程度続けてみないことには、自分の体調が良くなったかどうか、また、良くなったのはマクロビオティック食のおかげなのかどうかはわからないはずです。
栄養学に詳しい医師の蒲原聖司先生は様々なベジタリアン食について、エビデンス(科学的根拠)があるかどうかを判断基準に本を書かれていますが、「ときどきベジタリアン食のすすめ」では「完全にベジタリアン食にしなくても健康への効果はある」とされています。
栄養士の長澤池早子さんも著書「はじめてのマクロビオティック」のなかで、「はじめは週末だけでも」と書かれています。
まずは自分にできることから始めることで、長続きするのですね。
4-3. マクロビ料理を普段の食事に取り入れてみる
できることから始めるには、全部の食事をマクロビに切り替えるのではなく、普段の食事にマクロビ料理を組み込んでみるのがおすすめです。
ここで簡単できるマクロビのレシピをご紹介します。
・ごはんとお味噌汁
玄米ごはんと味噌汁、漬物はマクロビオティックの基本ともいえる献立です。
味噌汁が腸内に溜まった老廃物をゆるめ、玄米がお掃除してくれる。
玄米と味噌汁は、最強のコンビです。
■基本のお味噌汁
【レシピ】
1.だし汁360ccを用意する。
2.煮立ったら季節の野菜、油揚げ、豆腐などお好みで加える。
具が柔らかくなったら弱火にして味噌小さじ2~5を煮汁で溶いて加える。
3. 具材に火が通って数分煮て出来上がり。(味噌を加えたら煮立たせない)
季節の具の組み合わせ次第で様々な味が楽しめます。
・マクロビおやつ
■マクロビクッキー
(材料 約50枚分)
薄力粉・・・60g
アーモンドパウダー・・・30g
塩・・・ひとつまみ
植物油・・・30g
豆乳・・・20g
てんさい糖・・・20g
【レシピ】
1.オーブンを160℃に温めておく。
2.植物油と豆乳をボールに入れてよく混ぜ、てんさい糖も加えてさらに混ぜる。
3.薄力粉とアーモンドパウダーを良く混ぜ合わせ、そこに2を加えて生地をひとまとめにする。
4.出来た生地をオーブンシートの上にのせて、生地をラップで覆いめん棒で約3~5ミリの厚さに伸ばす。
5.伸ばした生地を5センチ程度の正方形になるように切り、フォークで中央に穴をあける。
6.オーブンシートにのせたまま、160℃のオーブンに入れて、焼き色がつくまで、20分ほど焼いてできあがり。
また、最近は、コンビニでもマクロビのお弁当やスイーツを扱っているところが多くあります。
森永製菓では、「マクロビ派」というマクロビ素材のビスケットを販売しており、女性に人気の商品です。
市販品で、手軽にマクロビ食を普段の生活に取り入れることができるのは嬉しいですね。
4-4. ダイエット=健康維持と理解する
ダイエットという言葉からは、「痩身」「美」などのイメージを強く連想してしまいがちですが、本来ダイエットは「健康な状態を保つ」ことにあります。
「マクロビオティックはダイエットに良い」というのは、「マクロビオティック食で痩せた!!」ということではないと理解してください。
りんごダイエットやバナナダイエットなど、単食ダイエットに挑戦する女性に多い傾向に「これならいくら食べてもいい」という食物を求めることがありますが、マクロビオティックに対しても「鳥獣肉を食べないで玄米食にしたらいくら食べてもいいの?」と考えるのは間違いです。
4-5. マクロビオティックの問題点
マクロビオティックの問題点は、マクロビオティックの考え方によって違います。
例えば、桜沢如一のように生の野菜や果物を一切摂らないというマクロビは、ビタミンCや酵素が不足するという問題点があります。水分摂取の制限も、自己流ではかなり危険と言えるでしょう。塩分の多さも問題ですが、桜沢如一や久司道夫は「塩分は動物性の食品と一緒に摂るから血圧が上がる。野菜食ならば問題ない」と言います。
1章の「マクロビオティックとは」でなぜマクロビオティックの起源と、思想家と医師の流れがあると説明したかといいますと、マクロビオティックの問題点は、桜沢如一や久司道夫のように、医師ではない人たちが伝えたものに多く見られるためです。
先ほど、エビデンス(科学的根拠、証拠)のあるものだけを医学的に取り上げていると紹介した蒲原聖司先生によると、桜沢如一の提唱するマクロビオティックには入門から10段階の段階があるものの、一般に塩気が多く、副食は少なめ、果物や酢の物を避け、水分摂取を制限しています。
それに対し、医師である二木謙三は副食や酢の物、水分の制限はみられないといいます。
当時帝国大学医学部教授という立場だった二木謙三は、栄養学を無視した提唱に疑問を感じていたのかも知れません。
5. スピリチュアルとマクロビオティック
5-1. 宇宙とのつながり
「もともと私たちの身体は、宇宙から下降する陽のエネルギーと、地球から上昇する陰のエネルギーが交錯してできたものなのです。このふたつのエネルギーは(中略)目に見えない霊的な細胞を作ります」
これは久司道夫が「マクロビオティック入門」の冒頭に書いている文です。
久司道夫の「マクロビオティック入門」の見出しには、「宇宙それ自体が天国」「無限なるものとの一体化」「エゴを捨てた祈りが奇跡を呼ぶ」「天体からの影響」など、食事療法とはまるで関係のないことがたくさんあり、これがマクロビの本なのかと驚かされます。
私たちがベジタリアンの一種と捉えているマクロビオティック食ですが、桜沢如一の流れでは、食べるものを整えるのはすべての中のごく一部のことで、陰陽のバランスを整え、エゴを持たずに明るくリラックスして生き、地球を汚さないといった思想が中心となっています。
マクロビオティックは、一般の人が捉えている「健康的な食生活」よりももっと広い意味を持っています。
興味のある方は「松岡四郎が語るマクロビオティック・桜沢如一先生とMI塾」松岡四郎著や「マクロビオティック入門」久司道夫著など、桜沢如一の流れにある本をご一読ください。
5-2. 陰陽のバランス
桜沢如一の流れによるマクロビオティック食は、陰陽のバランスが重要だと言われています。
肉類、チーズ、焼き魚などは「陽」、砂糖、果物、白米、アルコールなどは「陰」、それ以外の玄米、雑穀、野菜、海藻、大豆などはバランスの取れた中庸な食品となっていますが、おなじ食物でも調理方法によって陰に傾いたり陽になったりすることもあり、すべてを理解するのはとても難しいと言えます。
この陰陽のバランスを無視してマクロビオティック食を続けても、間違えていれば健康効果がないどころか、逆に不健康になることもあるというのです。
医師の流れによるマクロビオティックより、実践が難しい食事療法と言えるでしょう。
5-3. 男女の法則
マクロビオティックでは、男性は陽のエネルギー、女性は陰のエネルギーを持っていると考えます。
現代では、女性的な男性、男性的な女性、様々な傾向の人がいるのは、陰陽のバランスを無視した食生活をし、エゴ中心の生き方をしているために、本来の正しい生き方ができなくなっていると考えることもできるようです。
こうしてまとめてしまうと、少々乱暴な考え方のように感じますが、スピリチュアルに興味のある方は、是非「レディガイアのやまとなでしこ講座」木津コウ著を読んでみてください。
この本ではマクロビオティックの玄米食についてはほんの少ししか触れていませんが、陰陽の考え方、宇宙とのつながりなどがわかりやすくユーモラスに書かれています。
広く優しい気持ちで女性の役割や、このような男女の法則の考え方を受け入れられるようになるかも知れません。
6. まとめ・創始者桜沢如一は教祖的だったのか
6-1. 桜沢如一と正食の家
桜沢如一は「正食の家」という、マクロビオティックに基づいた食事や生活をする道場のようなものを開いていました。
これまで書いてきたように、桜沢如一の流れを汲むマクロビオティックは、東洋医学の陰陽の考え方を元に食生活を指導していますから、理解するためにも修行のようなものが必要だと考えたのでしょう。
しかしこの「正食の家」で育った子供たちは平均して身体の成長が遅いなどの問題も見られているようです。
マクロビオティックを「思想」として捉えた場合には、ある種の宗教のように禁忌を守る必要があり、それが子ども達の身体だけでなく精神の状態にも影響を与えていると考えられます。
6-2. アメリカでマクロビオティックを広めた久司道夫
久司道夫は、第二次世界大戦後、アメリカ・ボストンに渡りマクロビオティックを広めました。久司道夫は、桜沢如一同様、医師ではありません。
当時のアメリカがヒッピーや知的階級の若者たちを中心にオーガニック、自然食や菜食、東洋医学へ関心を寄せていた時代ですから、学生の街ボストンでの普及は効果的だったのかも知れません。
アメリカ人の夫人との間に生まれた長男は医師になりましたから、後年は医学的なエビデンスを得ることもあったのですが、やはりスタートは桜沢如一のように「思想」が中心でマクロビオティックを広めたのだと思います。
著書の中では、エビデンスなしに「ハゲもいびきも、ガンも、人相も、みんな食事が悪い」という極端なことを書いていますから、どこまで信じるかは人それぞれだと思います。
6-3. 本当の健康食とは何か
桜沢如一や久司道夫が広めた、思想も含めてのマクロビオティックを完全に実践することができたら、彼らが言うように本当に健康になるのかも知れませんが、陰陽のバランスのところで触れたように、それは一般人にとってはとても難しいことです。
西洋医学では治らなかった病気に対して東洋医学が効果を示すこともあるように、科学的な根拠、証拠がすべてとは言えないかもしれません。
しかし科学的な知識があることで、鳥獣肉、動物性のタンパク質を摂取しなくても、大豆などから摂取できるタンパク質で充分に人は健康を保てることがわかりますし、菜食によって不足する栄養素がわかれば上手に補うこともできます。
結局のところ、食で健康を維持しようと決めたなら、ある程度の期間はその食生活をおくってみて、自分の身体の調子を自分がしっかりと判断することに尽きるのではないでしょうか。