自分の前世がわかるという「アカシックレコード」のことを知りたいですよね?
2014年に羊太郎のライトノベルとして出版され、翌年にはコミック、2017年にはテレビアニメとなって「ロクアカ」ブームを巻き起こした『ロクでなし魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード) 』の影響で、今また、アカシックレコードが注目されています。
アカシックレコードという概念をはじめて世に出したのは、旧ロシア帝国の神秘思想家ヘレナ・P・ブラヴァツキー夫人(1831~1891年)だといわれています。
その後、ドイツ人の神秘思想家であるルドルフ・シュタイナー(1861~1925年)が、アカシックレコードの概念を体系化し、アカシックレコードにアクセスして得た、宇宙や人類の過去から未来に至る壮大な情報をまとめた『アカシャ年代記より』を著しました。
アカシックレコードの概念は19世紀後半から現れますが、これと同じような概念が、太古の時代から存在していたことがわかっています。
ここでは、そうしたアカシックレコードの概念や、その情報にアクセスする意味などを、10項目にまとめました。
目次
1. 地球外生命体によってつくられた「アカシャ」
アカシックレコードは、「人類の魂は地球外の宇宙からやってきて転生をはじめた」とする考えが根底にあります。
数百万年前、いろいろな惑星から地球に転生しようとする魂がありました。
このときに先行して地球にやってきて、状況を調査し、受け入れ準備をした魂たちを「ロゴス」と呼びます。
ロゴスは、類人猿の肉体に4回の遺伝子的な操作をして突然変異を起こさせ、今の人間のものへと変化させたので、魂が地球で転生できるようになったのですが、このときに新しい想念エネルギーもつくる必要がありました。
地球の周りに、蜘蛛の巣のようなエネルギーのネットワークをつくって、情報の貯蔵庫としたのです。
これが「アカシャ」と呼ばれる意識の集合体で、こうしたネットワークは、どの惑星系でも存在していると考えられています。
アカシャには、地球で起こったすべての出来事が記録されており、すべての魂がその情報を共有できる、データベースのような役割を果たしています。
2. ソウルグループとツインソウルの関係
地球にやってきた魂は、ロゴスたちが開拓した12のどれかの道を通って地球に転生しました。
出身の惑星系には、太陽系以外に、オリオン系、ベガ系、アンドロメダ系、カシオペア系、プレアデス系などがあって、それぞれ特徴があります。
これだけ違う惑星系からやってきた魂が地球で転生して共生するのですから、何かお互いの体験を共有できるようなシステムが必要とされたのです。
アカシャがつくられた最大の理由はここにあります。
そして、同じ惑星系からやってきた魂は、ソウルグループと呼ばれるエネルギー体を構成しており、肉体が死んで次の転生をするまでの間、魂が戻るようになっています。
魂には、2つで一組のバディシステムがあり、これをツインソウルと呼びます。
ツインソウルのどちらかが先に肉体を失うと、もう片方の魂のところへ行き、その魂が肉体を失ったとき、一緒にソウルグループへと戻ります。
時折、ツインソウルの存在がわからなくなって迷う魂があるのですが、ソウルグループはツインソウルでなければ受け入れない体制になっているので、もう片方の魂を呼びこむケースもあります。
3. 個々の魂の記録「アカシックレコード」
広大な図書館のごとく記録の集合体であるアカシャには、2億600万年前から、魂が地球での転生をやめると考えられている西暦6732年までに、人類史上で起こったすべてのことが記録されています。
そのアカシャの中で、個々の魂が転生したすべての体験を記録したものが、「アカシックレコード」です。
すべての魂にはひとつのアカシックレコードがあり、自分自身のアカシックレコードをとおして、アカシャにあるすべての情報にアクセスすることができます。
アカシックレコードには、日々、魂の体験が記録されていくので、アカシャにはすべての魂の体験が永続的に貯蔵され、体験してすぐに誰もがその情報を共有できるだけでなく、過去の体験もすべて共有できるのです。
未来の情報にもアクセスすることが可能なので、地球上で起こることや、自分や他人の将来に起こるであろう出来事を知ることができますが、自分がそのときにどう反応するかということはわかりません。
ですから、未来の情報に対してどう反応するかということが、人類の創造であり、反応した時点で記録は書き換えられていきます。
4. 常にアクセスしているインターネットのようなもの
実は、すべての人が、常にアカシックレコードにアクセスしています。
常につながっているために、日々の体験(反応)が記録されていくのです。
アカシャはインターネットで、アカシックレコードはそのネットワークに存在する個人のホームページやブログと考えれば、システムがわかりやすいでしょう。
アカシックレコードは日々の体験をアップロードするだけでなく、いろいろな情報のダウンロードも行っています。
これは無意識のうちに行われているので、多くの人はアカシックレコードから情報を受け取っていても気づきません。
夢に現れたり、デジャビュ体験として感じられたりすることがあり、「虫の知らせ」や「第六感」などと呼ばれることもあります。
アカシックレコードの情報を意識的に受け取って読み取ることができる人は、「アカシックリーダー」と呼ばれます。
アカシックレコードのリーディングは、練習すればほとんどの人ができるようになるといいます。
5. 根底にある輪廻転生の思想とは
アカシャの根底には、宇宙からやってきた魂が地球で転生をしているという考えがあります。
人間が死んだら生まれ変わるという考えは、東洋にも西洋にも古代からありましたが、古代インドの転生観が「輪廻」と呼ばれるものです。
古代インドでは、命あるものが死ぬと生前の行為によって、いろいろなものに生まれ変わるとされ、やがて、仏教では限りなく繰り返されるこのサイクル(輪廻)を「苦」と考えるようになります。
「アカシャ」の語源も、古代インドで使われていたサンスクリット語です。
古代インド思想の「五大」とは、宇宙を構成している「地、水、火、風、空」を指し、その中の「空」を意味する言葉が「アカシャ」です。
アカシャには、「天空」や「空間」という意味もあります。
アカシックレコードの提唱者とされるレナ・P・ブラヴァツキー夫人がニューヨークに設立した神智学協会は、いまだ解明されない自然の法則と人間に潜在する能力を調査研究することなどを目的とし、ヒンズー教や仏教などの東洋思想を西洋に普及させました。
アカシャの概念は、古代インド思想がルーツにあり、その後、いくつかに分裂した神智学協会の本部は現在もインドに置かれています。
6. 高い次元にいる地球生まれの魂
地球上に存在する魂は、出身惑星によって分類できるといいましたが、地球で生まれた魂もごく少数ですが存在します。
スピリチュアルでは「アセンション」という言葉がよく使われます。
アセンションとは、意識や運気が地球のエネルギーによって変化し、高い次元へと行けるようになることです。
アカシャの概念では、人間は「魂」と、肉体を構成しているエネルギーであり潜在意識とも呼ばれる「身体感覚意識」から成り立っており、身体感覚意識が宿っている肉体に魂が入ると考えます。
そして、魂と身体感覚意識の組み合わせによって、いろいろなキャラクターが出来上がります。
この身体感覚意識が、アセンションを起こして魂になったものが地球生まれの魂で、東洋思想では菩薩、西洋思想では天使などと呼ばれ、イエスや釈迦の魂は地球生まれの魂だったと考えられています。
地球生まれの魂は、転生を繰り返しても地球にずっと留まり、宇宙からやってきた多くの魂のガイド役をします。
7. 記録を読み解く「アカシックリーディング」
アカシックレコードの情報を読み解くことを「アカシックリーディング」といいます。
アカシャの一部であるアカシックレコードには、地球上に存在するすべての魂の、過去から未来に至る全情報が記録されています。
ですから、自らの意思でアカシックレコードの情報を得ることができるようになると、自分の魂が過去の転生で体験したことや、これからの転生で体験するであろう現象を知ることができます。
ただし、文字や映像イメージとして現れるアカシックレコードの情報をどう解釈するかで、その意味合いが変わってしまうので、同じ情報を得ても誰もが同じ見解をもつわけではありません。
受け取る人間の思考回路によって、情報の意味するところが変わってしまうのです。
アカシックレコードの情報を自然に解釈するためには、自分の中の願望や感情が影響しない「無私の境地」が必要とされます。
アカシックリーディングでは、自分だけでなく他人の魂の記録も見ることができるので、占いや易経などに利用する人もいるのですが、利益を得ることを考えたり、何かを判断しようとする意識があったりすると、自然な解釈はできません。
アカシックレコードの情報は、無心でただ受け取るのみ、誰かに伝える場合は無意識のうちに脚色をしていないことが重要なのです。
8. 解釈できないこともあるアカシックレコードの情報
たとえば、自分の過去の転生の記録を読み解く場合には、その時点で魂が置かれていた状況や、時代的背景を理解していなければ、自然な解釈ができません。
ですから、アカシックリーディングを試みようとするのであれば、あらかじめそうした情報をもっておくことが大切。
とくに、歴史を学ぶことは重要です。
アカシックレコードには、受け取っても理解不能な情報があります。
何だかわからない、何を意味しているのかわからない、といったことも多く、読み取りを繰り返してわかることもあれば、最後までわからないこともあります。
これは、その出来事の背景が理解できていないという理由もありますが、忘れていけないのが、「歴史は勝者の記録」であるという事実です。
王朝や政権の交代があると、過去を否定することによって、自分たちを正当化するという策が、よくとられてきました。
歴史上の出来事や有名人の情報は、現在残されている書物などの記録によって形成されているので、アカシックリーディングによって得た情報が、出来事の裏面や、まったく違う人物像を伝えることがあるのです。
こうした情報は自分で解釈できたとしても、世の中では信じてもらえず、オカルト扱いで終わってしまうケースが多いのです。
9. 歴史上に存在するアカシックリーダーたち
アカシックレコードの概念は、19世紀にブラヴァツキー夫人やルドルフ・シュタイナーによって基盤がつくられましたが、同じような概念が、紀元前5000年頃のチベット文明や、紀元前4000年頃の初期エジプト文明、その後のヒンズー文明などにもあったことがわかっています。
世界各地の古代文明には、占星術とともにアカシャが深くかかわっていました。
古代ローマや古代ギリシャでも、神託を受ける巫女たちがアカシックレコードの情報を利用していたと考えられています。
日本では、神道の中で過去や未来を解釈するリーダーが出現しており、現在でもイタコやユタとして各地にその伝統が残っています。
歴史上の有名人は、アカシックレコードにかかわっているケースが多く、紀元前4世紀にアレクサンダー大王が生まれたときは、両親に「この子は世界を支配するだろう」と、アカシックリーダーが長い旅をして伝えに来たといいます。
自分とフランスの未来を見たジャンヌダルク、アカシャから世の中の流れを見極めたノストラダムス、アカシックレコードの情報を正確に解釈して人類の未来を描いたレオナルド・ダ・ビンチなどは、代表的な例です。
10. 現代にもいるアカシックマスター
イエスが生まれるときに、3人のマギ(学者)がマリアを訪ねています。
この3人は、アカシックマスターだったと考えられています。
アカシックマスターとは、地球で長い間転生し、すでにすべての体験をしていて宇宙に戻る存在でありながら、地球にとどまって人類に奉仕しながら「真のパワーは力ではなく慈愛である」ことを表現している魂です。
仏教の思想では、菩薩がこれにあたります。
アカシックマスターには、肉体をもたない存在でありながら、必要に応じて肉体をもつことができる存在もあるといいます。
マリアのもとに現れた3人のマギの存在を恐れたヘロデ王は、イエスが生まれた日の前後に近隣で生まれた第一子の男の子を全員殺してしまいます。
3人のマギは、ヘロデ王のこともリーディングしていましたから、イエスが生まれたらすぐにこの場所から逃げろとマリアに伝えたので、マリアとヨセフはイエスを連れてエジプトに逃れることができました。
マスターたちは現代にも転生しており、マザー・テレサがそのひとり。
マザー・テレサの魂は長い間地球にいて転生を卒業し、本来なら地球にとどまる必要がないのに、奉仕のためにマザー・テレサとして転生し、天寿をまっとうしました。
聖人と呼ばれる人には、マザー・テレサのような「無私のマスター」がいて、女性の肉体に宿っているケースが多いといいます。
まとめ
アカシックレコードの概念を10の項目から簡単に解説しました。
19世紀に、ブラヴァツキー夫人やルドルフ・シュタイナーによって基盤がつくられたアカシックレコードの研究は、20世紀最大の予言者と呼ばれたエドガー・ケイシーに引き継がれます。
アメリカ生まれのユダヤ人であるエドガー・ケイシーは、23歳のときに患った失声症の催眠療法がきっかけとなってアカシックリーディングに目覚めました。
ケイシーは1945年に亡くなるまでに、アカシックレコードから14000件以上の個人の記録を読み取って病気の治療や予言を行っており、これらの記録は、精神、身体、環境の調和を重視する現代のホリスティック医学に活用されています。
21世紀になった現在、アカシックリーダーの第一人者とされるのは、アメリカ人の心理学者ゲリー・ボーネルです。
1958年からアカシックレコードにアクセスできるようになったというボーネルは、起業コンサルタントに従事するかたわら、欧米を中心にアカシャにかんするセミナーや講演会を行い、日本ではアカシックレコードを学ぶ「ノウイングスクール」や、個人の質問に答える「個人セッション」などを行っています。
この記事におけるアカシックレコードの概念は、ゲリー・ボーネルが示す最新の情報をもとに作成しています。
【参考資料】
・『超入門アカシックレコード』 ゲリー・ボーネル 著 / 大野百合子 訳 徳間書房 2009年
・『未来を知って幸せになる本』 如月マヤ 著 マキノ出版 2009年