合格祈願・恋愛成就・金運上昇などなど、自分で授かったお守りも大切な人からプレゼントも、お守りは良縁を引き寄せてくれるご利益や思いがこもったアイテムです。
そんなお守りは、できればずっと持っていたくなるものですよね。
しかし、お守りには「有効期限」があり、その時が来たら新しいお守りと交換しないとご利益を授かることができないと言われています。
有効期限の過ぎたお守りは「返納」するのが正しい処分方法なのですが、返納の仕方が分からなかったり、間違った処分をしてしまってバチが当たらないか心配になってしまうことも。
そこでこの記事では、ご利益の期限が過ぎたお守りの返納方法と、返納する時に誰もが悩む返納場所やお金に関する疑問を、すべて解説していきます。
神様への最後の感謝を伝えるために、お守りの適切な返納方法をチェックしましょう!
目次
1. お守りはいつ返納すればいい?
1-1. お守りを購入してから1年が過ぎた時
1-1-1. 1年を過ぎたらすぐ返納しなければいけない?
1-2. 願い事が叶った時
2. お守りの返納場所と返納方法
2-1. お守りを神社で購入した場合
2-1-1. 古札納所に返納する際の注意点
2-2. 遠方の神社は郵送で返納可能
2-2-1. 感謝の手紙を添えて郵送しよう
2-3. 他の神社で返納できる?
2-4. お守りをお寺で購入した場合
2-4-1. 神社もお寺も「どこでもいい」はNG!
2-5. どんど焼きでお守りを返納しよう
2-5-1. お守りを自分で供養する方法
2-6. 自宅で処分することも可能
3. お守りの返納にお金はかかる?
まとめ
1. お守りはいつ返納すればいい?
そもそも、お守りはいつ返納すれば良いのでしょうか?
お守りを返納するタイミングは、主に以下の2パターンがあります。
①お守りを授かってから1年が過ぎた時
②願い事が叶った時
この2パターンについて、それぞれ詳しく解説していきます。
1-1. お守りを授かってから1年が過ぎた時
冒頭でもお話した通り、お守りには有効期限があります。
そのお守りに特別な期限が設けられていない限り、一般的なお守りのご利益は「1年間」です。
お守りを購入してから1年を過ぎてしまうと、そのお守りからはご利益を授かることができなくなってしまいます。
また、期限内であってもお守りは徐々に穢れをもつようになると言われているため、1年を目安に早めに交換することが望ましいとされています。
返納という形で適切に処分することは、ご利益を授けてくれた神様への最後の感謝のしるしであり、次のご利益を授かるためのきっかけでもあります。
1-1-1. 1年を過ぎたらすぐ返納しなければいけない?
有効期限を過ぎたお守りは、すぐに返納しなければいけないというわけではありません。
お守りを返納するタイミングとしては1年後が推奨されていますが、それ以降の返納時期は厳密には定められておらず、「有効期限が過ぎたお守りを持っているとバチが当たる」といったこともありません。
また、思い出のお守りでどうしても捨てられない・返納したくない時もあるでしょう。
そうしたお守りは、無理に処分する必要はありません。
お守りを引き続き肌見放さず大切に持っていたい場合は、そのお守りに対する感謝の気持ちとして、購入した神社やお寺にお賽銭を入れるのが望ましいとされています。
この時のお賽銭の金額も特に決められておらず「自分の感謝の気持ち次第」ではありますが、実際の相場はお守りの購入金額と同額程度のようです。
一方で、ご利益が切れて特に持っておく理由もないお守りをいつまでも放置しておくことは、神様に対する感謝の気持ちが薄れてしまうことにつながるため、必ずしも良いこととは言えません。
また神道には、常に新しく清い物事を尊重する「常若(とこわか)」という考え方があり、このしきたりからもお守りは1年を目安に新しいものに換えることが推奨されています。
神社の作法に適切に従うのであれば、1年が過ぎた段階で早めに返納することを心がけましょう。
1-2. 願い事が叶った時
・恋愛成就のお守りは、その恋が実った時
・合格祈願のお守りは、受験に合格した時
・安産祈願のお守りは、子供を授かったり子供が産まれた時
などなど、お守りによっては願い事が叶う時期が決まっているものがあります。
こうしたお守りは、ご利益を授かってから1年以内に願い事が叶うこともあるでしょう。
このような場合は「自分の願い事が叶った時」が、お守りを返納する最適なタイミングです。
その願いは、お守りの力や神様を信じ、また自分が努力を怠らなかったからこそ叶えられたものです。
そんな自分の姿を神様にお見せしたり、願いが成就したことを神様に感謝するためにも、お守りを正しい方法で返納しましょう。
2. お守りの返納場所と返納方法
ここからは、お守りを返納できる主な場所と、その神社やお寺の作法に従った正しい返納方法を解説していきます。
まずは、神社でお守りを授かった場合の返納方法から見ていきましょう。
2-1. お守りを神社で購入した場合
神社で授かったお守りは、原則としてそのお守りを購入した神社に返納しましょう。
ご利益を授けてもらった神様の元に感謝の気持ちとともに直接お返しをすることで、神様も喜ばれ、次の良縁をつなぐことができます。
神社に返納する最もシンプルな方法は、境内に設置されている「古札納所(ふるふだおさめじょ)」にお守りを持って行く方法です。
古札納所にはお守りを入れるための箱が設置されていて、この箱にお守りを入れるだけで正式に返納することができます。
また神社によってはお賽銭箱も一緒に設置されているため、感謝のしるしとしてお賽銭を入れることも気持ちの良い返納方法となります。
この古札納所は、有名な神社であれば1年中設置されていますが、中には年末年始しか設置されない神社もあります。
お守りを確実に返納する場合は、
・古札納所は置かれているか?
・返納はいつでもできるのか?
・いつ返納するのが最適なのか?
といったことをその神社の公式ホームページ、もしくは電話で事前に確認しましょう。
2-1-1. 古札納所に返納する際の注意点
古札納所に返納する際の注意点として、御札が入っている小さなお守りではなく「だるま」や「正月飾り」のようなサイズが大きかったり特別なお守りは、返納を受け付けていない場合があります。
一般的でないお守りを返納する場合は、必ずその神社に事前に問い合わせをして、正しい返納方法を確認しましょう。
2−2. 遠方の神社は郵送で返納可能
お守りを旅行先で購入したり、遠方のお守りをプレゼントとして頂いたり、転勤や引っ越しなどの諸事情でその神社に直接お参りできない場合は、お守りを郵送して返納してもらうことができます。
お守りを入れた封筒や箱に「お焚き上げ希望」と書いて郵送することで、購入した神社でお守りを適切に返納・処分してくれます。
郵送で返納する際のルールはその神社によりますが、基本的に料金はかからず、1年中いつでも郵送が可能です。
こちらの注意点も先ほどお伝えしたことと同様に、すべての神社が郵送での返納を受け付けているわけではないため、郵送可能かどうか事前に確認するのがマナーです。
郵送不可の神社にお守りを送ってしまった場合、そのまま返送されてしまうこともあります。
お守りに対する最後の感謝と作法として、自分も神社の方も気持ちのいい返納を行いましょう。
2-2-1. 感謝の手紙を添えて郵送しよう
ご利益を授かった場合も、残念ながら望むご利益を感じられなかった場合も、お守りに宿る神様は常にそばであなたのことを見守ってくれていました。
その感謝のしるしとして、神社に直接お参りができない場合は、自分の気持ちをしたためた手紙を一緒に郵送することもおすすめです。
手紙を送ることは作法というほど厳格なものではありませんが、仲のいい友人から手紙が来たら嬉しいように、神様もまた感謝の手紙をもらったら嬉しいものです。
そうした気持ちを伝えてくれる人に尽くしたいと思う心は、人間も神様も同じなのです。
その神社に直接返納し、神様にご報告することが難しい場合は、お守りと一緒に手紙を添えて郵送してみましょう。
2-3. 他の神社で返納できる?
神社で購入したお守りは、基本的には他の神社のお守りでも返納を受け付けてくれることが多いです。
郵送ができない神社のお守りを今すぐ返納したい時などは、地元の神社に赴き社務所の方に問い合わせてみましょう。
他の神社で返納する際は特に、事前の確認が重要です。
「神社ならどこでも返納を受け付けてくれる」
と間違って覚えてしまい、社殿や社務所など境内に勝手にお守りを置いて帰ってしまう行為は、不法投棄であり違法です。
仮に罪に問われなかったとしても、その神社で通常の家庭ごみとして処分されてしまう可能性が高く、お守りが廃棄処分されることになってしまいます。
最後の感謝の気持ちとして返納したつもりが、ゴミとして雑に捨てられてしまう可能性があるため、神社内に勝手にお守りを置くことは絶対に避けましょう。
他の神社に返納する場合や、古札納所が見つからなかった場合は、必ずその神社の方に問い合わせた上で、適切に返納をしましょう。
2-4. お守りをお寺で購入した場合
今持っているお守りをお寺で購入した場合は、そのお守りに「◯◯寺院」と記載されています。
お寺で頂いたお守りもまた、神社と同じように購入したお寺に直接返納するのが原則です。
・直接返納することはできるか?
・いつでも返納可能か?
・郵送は受け付けているか?
といった疑問も、先ほど解説した神社と同じように、そのお寺の公式ホームページや電話で事前にしっかりと確認をしましょう。
なお、お寺にお守りを返納する場合は、神社と異なる注意点があります。
その注意点とは、お寺には「宗派」があり、その宗派以外のお守りは受け付けていないことです。
宗派の異なるお寺にお守りを持って行くと、返納を断られるばかりかお寺のマナーやモラルに反する行為であり、大変な失礼に当たります。
2-4-1. 神社もお寺も「どこでもいい」はNG!
日本では神社やお寺があちこちに点在していたり、「八百万の神」と言われる通り他の国や宗教と比べて神様がたくさんいて、とっても身近な存在でもあります。
そのような文化が根付いていることから、
「お守りの返納はどの神社でもいい」
「神社でもお寺でもどこでも返納できる」
といった感覚を安易に抱いてしまうこともあるでしょう。
しかしながら、お守りは原則として「購入した神社・お寺に返納する」ことが望ましい処分方法です。
特に、お寺の宗派は普段なかなか意識しませんが、返納する際には事前に確認をしましょう。
また神社に返納する場合も、基本的にはどこでも返納を受け付けてはいますが、「どこでも捨てられる」といったないがしろな気持ちで処分しないように。
返納で一番大切なことは、お守りに対する感謝の気持ちです。
そのお守りに対して最後の感謝を示す意味でも、きちんとした形で自分の元から手放しましょう。
2-5. どんど焼きでお守りを返納しよう
地元の神社や年末年始にお参りする予定の神社で「どんど焼き」が行われる場合は、このタイミングでお守りを焼却して正しく返納を済ませることもできます。
どんど焼きとは、主に1月8日〜15日頃に行われる、正月飾りやしめ縄などを燃やす行事のこと。
火と満月の神聖な力によって災いを浄化し、その1年間の無病息災や商売繁盛を願います。
全国の神社で行われる恒例行事のため、地元の神社でも正月飾りなどを燃やしている光景を一度は見かけたことがあると思います。
このどんど焼きに合わせてお守りを燃やすことも、正式な返納方法の1つです。
どんど焼きで返納する際の注意点は、主に以下の2つ。
①プラスチック類はすべて外すこと
②できれば自分で供養してから焼却すること
正しく返納するためにも、この2点を押さえておきましょう。
【プラスチック類はすべて外す】
お守りにビニールやプラスチック製のカバーがついている場合は、燃やす前にそれらをすべて外しましょう。
プラスチック製品を燃やすとダイオキシンなどの有毒ガスが発生してしまうため、焼却前に燃やしていい物かどうか神社に確認するのが最も安全です。
【自分で供養してから焼却する】
どんど焼きは、神社で行われるお焚き上げとは異なり「供養」がされません。
ご自身で供養をしてからどんど焼きに持ち込むことで、感謝の気持ちを神様に伝えられる正式な返納となります。
2-5-1. お守りを自分で供養する方法
自分でお守りを供養する方法は、以下の通りです。
①お守りを包める大きさの白い紙を用意して、その上にお守りを乗せる
②感謝の気持ち込めながら、お守りに塩を振りかける
③そのお守りを、下に敷いた白い紙で優しく包む
このように、お守りの供養は自宅にあるものだけで簡単にできます。
どんど焼きに出す前に、前に1年間の感謝をお守りに伝えましょう。
2-6. 自宅で処分することも可能
例えば海外に長期出張している時など、神社への持参も郵送も困難な場合は、自宅で処分することも可能です。
この場合は、上で紹介した『お守りを自分で供養する方法』に従ってお守りを適切に供養したのち、燃えるごみに出しましょう。
その際は、生ゴミやホコリなどの生活ゴミと一緒の袋に入れず、個別にゴミに出すのが丁寧です。
また自宅の庭などで焼却処分をすると、隣家とのトラブルにつながったり火の粉が舞って火事を引き起こすことがあるため、自宅では焼却しないほうが無難です。
3. お守りの返納にお金はかかる?
返納したお守りは、神社やお寺で「お焚き上げ」という儀式によって処分されます。
このお焚き上げ自体は、他の神社であってもお金がかからないことがほとんどです。
お焚き上げをお願いした際は、義務ではありませんがお気持ちとしてお賽銭を入れることが多いようです。
ただし神社によっては、1個◯円・まとめて◯円といった処分費用を頂戴するところもあります。
「無料だと思っていたらお金を請求された!」といったトラブルにならないよう、こちらも事前に確認しておきましょう。
まとめ
お守りの適切な返納方法について、誰もが悩む点について解説をしてきました。
・お守りの有効期限は通常1年間であり、それ以降はご利益が期待できないこと
・原則として、お守りを頂いた神社やお寺に返納することが望ましいこと
・神社のしきたりを守ったり、お寺の宗派を確認して失礼のないようにすること
この3点を押さえておけば、作法に則った返納ができるでしょう。
また返納する時に最も大切なことが、この記事で何度もお伝えしてきた「感謝の気持ちを持つこと」です。
ご利益を感じてもそうでなくても、神様はいつも自分のことを見守ってくれていて、そのお守りがあったからこそ今の自分がいるのです。
ルールや作法を守り、感謝の気持ちを込めてお守りを返納しましょう!