最近スマホの文字がぼやけて見えたり、食品のカロリーや成分表示が見にくくなったという経験はありませんか?
目は疲れていないはずなのに近い物にピントが合わなくなるその症状は、もしかしたら「老眼」かもしれません。
今回は「老眼かもしれない…」と感じている方に向けて、老眼が起こる仕組み・セルフチェック方法・予防法や対策について詳しく解説していきます。
疲れ目や視力の低下に悩んでいる方にも役立つ情報をまとめていますので、ぜひこの記事を参考にして、目の健康を保つ方法をチェックしましょう。
目次
1. 老眼とはどんな症状?
1-1. 老眼が起こる仕組み
1-2. 視力低下は若い頃から始まっている
2. 見え方の種類と老眼の違い
2-1. 近視と老眼
2-2. 遠視と老眼
2-3. 乱視と老眼
2-4. 白内障と老眼の関係
2-5. スマホ老眼とは?
3. 老眼を自覚するタイミング(初期症状)3選
3-1. スマホを顔から離して見るようになった
3−2. お店のメニューが読みにくくなった
3-3. ふと見た景色がぼやけた
4. 老眼と言われる距離は何センチから?
4-1. 老眼(近点距離)のセルフチェック方法
5. 老眼の予防法3選
5-1. 目をストレッチする
5-2. 目に優しい栄養をとる
5−3. 紫外線やブルーライトをカットする
6. 老眼になってからできること・対策
6−1. 眼鏡(老眼鏡)をかける
6−2. 遠近両用のコンタクトレンズを使う
6-3. 老眼鏡で老眼が進行することはない
まとめ
1. 老眼とはどんな症状?
老眼とは、加齢によって近くの物が見えにくくなる、老化現象のことです。
歳をとるほど筋力や記憶力が衰えることと同じように、視力も年齢とともに下がっていきます。
老眼の主な症状は「遠視」と似ていますが、ただ視力が下がるだけでなく、眼精疲労を起こしたり頭痛や肩こりにつながったりと、様々な体調不良を引き起こすこともあります。
1-1. 老眼が起こる仕組み
目のピントは、目の中にある筋肉(毛様体筋)がレンズ(水晶体)の厚みを変えることで調節しています。
老眼の主な原因は、このレンズの厚みを調節するための筋力が年齢とともに衰えることです。
老眼は筋力の低下によるものであり、誰でも起こる老化現象です。
視力の低下がただの老眼であれば病気を心配する必要はありませんが、老眼=老いたというイメージもあり、できれば自覚はしたくないですよね。
1-2. 視力低下は若い頃から始まっている
老眼=老化というイメージがありますが、実は視力は10代の頃から徐々に下がっています。
そして40代以降になると、目のピント調節機能の低下、すなわち老眼を自覚しやすくなります。
また老眼の発症のしやすさは、元々の視力とは関係ありません。
視力がいい人でも早くから老眼を自覚する方もいますし、反対に視力が悪くてもピント調節機能は同年代よりしっかりしている方もいます。
2. 見え方の種類と老眼の違い
視力の衰えには、主に以下の3種類があります。
①近視
②遠視
③乱視
これに加えて、加齢によって起こりやすい「白内障」と、近年急増している「スマホ老眼」も、加齢による老眼と関係のある目の症状です。
ここからは、この5種類の見え方と老眼の共通点や違いについて見ていきましょう。
2-1. 近視と老眼
近視とは、近くの物にピントが合いやすく、遠くの物がぼやけて見える見え方のことです。
老眼は近くの物にピントが合いにくくなる症状であり、近視とは反対ですよね。
そのため、近視の方は老眼を自覚しにくいと言われています。
2-2. 遠視と老眼
遠視とは、遠くの物が見えやすく、近くの物にピントが合いにくい見え方のことです。
近視とは真逆の症状ですね。
元々遠視の方が老眼になると、近くの物がさらに見えにくくなります。
遠視も老眼も「近くの物がぼやける」という症状は同じですが、見えにくくなる仕組みが異なるため、この2つはまったくの別物です。
2-3. 乱視と老眼
乱視とは、物の輪郭が重なって見える見え方のことです。
乱視でも近くの物にピントを合わせることはできますが、乱視と老眼を一緒に持っていると、視力矯正なしでは物をくっきりと見ることは難しくなります。
2-4. 白内障と老眼の関係
白内障とは、加齢によって目の中のレンズ(水晶体)が濁り、視力低下や視界のかすみ・光を眩しく感じるなどの症状が現れる老化現象です。
白内障も老眼も「老化によって起こる」という原因は共通していますが、視力が低下する仕組みは異なるため、白内障と老眼が併発することもあります。
白内障は進行が遅く、50代頃から徐々に自覚し始めると言われています。
そのため、人によって個人差はありますが「老眼を感じて老眼鏡をかけた後で白内障になる」という順序が一般的です。
2-5. スマホ老眼とは?
通常の老眼は40代頃から自覚し始める老化現象ですが、近年はスマホを長時間使うことで目の疲労が溜まりやすく、若い世代でも老眼のような症状を引き起こす「スマホ老眼」が増えています。
スマホ老眼は「老眼」と名付けられていますが、一般的な老眼と違い一時的なピント調節機能の低下を引き起こす症状です。
パソコンを使って長時間仕事をした後や、スマホを見続けた後に一時的に視界がぼやけるのは、スマホ老眼の典型的な症状です。
スマホ老眼は目の筋肉の一時的なこわばりであり、目を休めることで症状は軽快しますが、目を酷使していたり目に疲れを与えていることに変わりはありません。
スマホやPCをよく見る方や、一時的な目のぼやけを経験したことがある方は、こまめに目を休めたり目のストレッチをして、定期的に目の疲れを癒やしましょう。
第5章では「老眼の予防法」として、目に優しい栄養やストレッチを解説しています。
こちらも併せてチェックしてみてくださいね。
3. 老眼を自覚するタイミング(初期症状)3選
近くの物が見えにくくなる老眼は、どういう時に自覚することが多いのでしょうか?
そのタイミング(初期症状)を知っておくと、老眼にいち早く対処できたり、これからの老眼の進行を遅らせることもできます。
老眼を自覚しやすいタイミングは、主に以下の3パターンです。
①スマホを顔から離して見るようになった時
②お店のメニューを読みにくく感じた時
③ふと見た景色がぼやけた時
それぞれ簡単に見ていき、身に覚えがないかを確認してみましょう。
3-1. スマホを顔から離して見るようになった
老眼を最も自覚しやすいタイミングは、以前は「新聞や雑誌を読んでいる時」でしたが、近年ではスマホを見ている時に老眼を実感する方が増えています。
・スマホの画面を顔から離して見ることが増えた
・スマホの文字サイズの設定が人より大きい
・記事の大事な部分を拡大して見ることが多い
上記に当てはまっていて、スマホ老眼のように視力低下が一時的ではない方は、その症状は老眼の初期状態かもしれません。
3−2. お店のメニューが読みにくくなった
スマホの他に日常で小さな文字を読む機会といえば、外食店のメニュー表やスーパーの商品の成分表示などが挙げられます。
メニューや商品を顔から遠ざけて読んだ時、はじめて老眼を自覚する方も少なくありません。
また、レストランのディナーやおしゃれな居酒屋などの薄暗い店内では、老眼は特に文字を読みにくくなります。
3-3. ふと見た景色がぼやけた
自宅やカフェで読書に集中していて、ふと窓の外に目を向けると景色がぼやけて見えた経験はありませんか?
老眼によって目の筋力が衰えるとピントを調節する速度が遅くなるため、急に遠い物を見ようとした時にピントの調節が一瞬遅れてしまうのです。
このように老眼は「文字や視界のぼやけ」によって初期症状を自覚することが多いようです。
4. 老眼と言われる距離は何センチから?
自分の視界のぼやけは、ただの視力低下なのか?それとも老眼なのか?
「老眼」と言われる具体的な距離は気になるところですよね。
一般的に老眼鏡が必要とされる距離は、「近点が30cm以上離れた時」と言われています。
近点とは、目のピントが合う最短距離のこと。
人差し指の指紋を見ながら顔から徐々に離していくことで、いつでも簡単に測ることができます。
近点の距離と平均年齢の目安は、以下の通りです。
40〜45歳…30cm
46〜50歳…40cm
51〜55歳…60cm
56〜60歳…80cm
61歳以上…80cm以上
この年齢はあくまで目安であり、視力には個人差もあるため参考程度にお考えください。
4-1. 老眼(近点距離)のセルフチェック方法
この近点距離は、「自分の人差し指の指紋がくっきり見える(ピントが合う)距離が何センチか?」を知ることで判断できます。
近点距離の測り方は、以下の通りです。
①人差し指の腹が見えるように、目の前にかざす
②人差し指を手前からゆっくりと遠ざけていく
③人差し指の指紋がくっきり見える(ピントが合う)ところから目の距離を測る
このセルフチェックで測った距離がご自身の近点で、30cm以上ある場合は老眼鏡が必要とされています。
自分の目が老眼かどうか、今すぐ簡単にセルフチェックしてみましょう。
5. 老眼の予防法3選
老眼はいずれ誰でも起こるものですが、その進行を遅らせたり症状を和らげることはできます。
ここからは、老眼の予防と症状改善の3つの方法を解説していきます。
5-1. 目をストレッチする
仕事でパソコンを使う人や長時間スマホを見続けている人は、目が画面の一点をずっと見つめ続けるため眼球が動かず、筋肉が凝り固まってしまいます。
使われない筋肉は当然筋力が衰えていくため、老眼の進行を早めてしまいます。
そこで意識したい老眼対策は、定期的に目をストレッチして毛様体筋を動かすことです。
目の疲れを感じる前に、例えば1時間に1回など時間を決めて、定期的に目のストレッチを行いましょう。
【老眼に効く目のストレッチのやり方】
①目をつむる
②視界の上、下、右、左の端っこを3秒ずつ見る
③目を右回り、左回りに3回ずつまわす
④目をギュッと閉じてゆっくり力を抜く(3回繰り返す)
⑤ゆっくりと目を開ける
このストレッチで、毛様体筋をしっかりと動かすことができます。
ストレッチをする際は、視界の端を無理に見たり目を勢いよく回そうとせず、気持ちよく感じる程度にとどめましょう。
5-2. 目に優しい栄養をとる
目に優しい栄養を日頃から摂取すると、目の機能が高まったり目の疲れが溜まりにくくなり、老眼の進行を遅らせることができます。
老眼に効く代表的な栄養素と食品を、以下に3種類ご紹介します。
①たんぱく質
たんぱく質は、肌や筋肉などの体を作ったり細胞の老化を防ぐなど、健康な体を作るために必須の栄養素です。
毛様体筋の衰えを防ぎ、老眼になりにくくしてくれます。
【たんぱく質を多く含む食品】
鶏肉、大豆類、チーズ、卵、乳製品など。
②ビタミンA
ビタミンAは、目の粘膜を形成して乾燥や疲れ目を防いでくれます。
特に、スマホやPCを見続けることによる「ドライアイ」を感じている方におすすめです。
【ビタミンAが多く含まれている食品】
緑黄色野菜(ほうれん草、にんじん)、卵黄、レバーなど。
③ビタミンB群
ビタミンB群の中でも、特にビタミンB2は目の疲れに効果的です。
目がゴロゴロする方や、翌朝も目の疲れがとれていない方は、ビタミンBが多く含まれている食品を摂取しましょう。
【ビタミンB群を多く含まれている食品】
豚肉、納豆、レバーなど。
目の健康を保ったり傷ついた目を修復するためには、栄養の摂取が欠かせません。
目の疲れがなかなか取れなかったり視界のぼやけを感じる方は、毎日の食事を見直してみてはいかがでしょうか。
また目に効果的なサプリメントもおすすめですが、サプリはあくまで栄養補助食品です。
まずは生鮮食品から栄養をとることを心がけて、不足した分をサプリメントで代用しましょう。
5−3. 紫外線やブルーライトをカットする
目の角膜を傷つける原因となる紫外線や、PCやスマホの画面から出ていて疲れ目やドライアイの原因となるブルーライトは、目に入れてもいいことはありません。
外出する時はサングラスをしたり、PCやスマホを使う時はブルーライトをカットしてくれるメガネをかけて目を外部刺激から守ることも、老眼の予防に効果的です。
目の疲れを自覚している方や普段PCを使って仕事をしている方は、専用のメガネを用意して目を刺激から守りましょう。
6. 老眼になってからできること・対策
いずれ来るかもしれない地震に備えて防災グッズを用意することと同じように、老眼になってしまった時の対策を知っておくことで、老眼に悩んだり過度に落ち込むこともなくなります。
老眼になってしまった時は、主に「老眼鏡」もしくは「遠近両用のコンタクトレンズ」による視力矯正を行います。
それぞれの特徴や違いを知り、自分が老眼になったらどうするのがよいか、将来のことを少し考えてみましょう。
6−1. 眼鏡(老眼鏡)をかける
老眼を矯正する方法というと、まず「老眼鏡」が思い浮かぶのではないでしょうか。
最近は「リーディンググラス」というおしゃれな名前で呼ばれることもあり、老眼鏡=老いというイメージは徐々に少なくなってきています。
老眼鏡はスーパーや書店などで簡単に買うことができますが、そうした簡易的なレンズは自分の視力に合わせて作られていないため、老眼鏡をかけることでより疲れ目を感じてしまう可能性もあります。
老眼の初期症状では簡易的な老眼鏡もおすすめですが、心配な方は眼科や眼鏡店で目を検査してもらいましょう。
眼鏡店であれば、そのまま自分の目に合うオーダーメイドの老眼鏡を作ってもらうこともできるため手間が省けるほか、自分の好みのデザインを選ぶこともできます。
メガネをかけることに抵抗のない方は、つけ外しも管理も簡単な老眼鏡(リーディンググラス)がおすすめです。
6−2. 遠近両用のコンタクトレンズを使う
「外見が変わるから」「老眼をバレたくないから」という理由で老眼鏡に抵抗を感じる方は、遠近両用のコンタクトレンズをつけることで悩みを解消できます。
コンタクトレンズは老眼バレを防げるほか、老眼鏡のようにかけたり外したりする手間がかからないというメリットもあります。
ただし、コンタクトレンズに慣れていないと目がゴロゴロしたり目の乾燥が気になってしまうため、慣れるまではコンタクトレンズ特有の違和感を我慢しなくてはいけません。
老眼鏡をかけるか、コンタクトレンズをつけるか。
老眼になっても心配しすぎなくて済むように、将来の目のことを少しだけでもイメージをしておきましょう。
6-3. 老眼鏡で老眼が進行することはない
「老眼鏡で老眼が進行するのでは…?」と心配される方もいますが、老眼鏡で老眼がひどくなることはありません。
むしろ老眼なのに頑張ってピントを合わせようとすることで、かえって目に疲れが溜まり悪影響となります。
老眼鏡を早めに使用することは、老眼特有の見え方に早く順応できるというメリットにもつながります。
そのため老眼鏡の準備は、症状が進行してからではなく初期状態の時から早めに行っておくことが大切です。
老眼の程度や見え方は人によって異なるため、視力が気になる方は眼科を受診して、老眼かどうか、目の病気がないかなどを検査してもらいましょう。
まとめ
今回は、いずれ誰にでも訪れる「老眼」について解説をしてきました。
疲れ目を感じていたりスマホを毎日よく使っている方は、今日から目をしっかりと労ってあげましょう。
老眼に正しく対処して、今の自分にできることを最大限に楽しみましょう!