「長時間椅子に座ると健康に悪い」とよく言われますが、分かっていてもついつい座り続けてしまったり、首を前に傾けながらスマホを触ったりしてしまいますよね。
次のチェックリストに当てはまる方は、座る姿勢が悪く知らずしらずのうちに体に負担をかけてしまっているかもしれません。
□椅子に座ると猫背になる
□片肘をつきながらスマホを触る
□PCを使う時首が前に倒れる
□脚を組みながら座ることが多い
□お尻が椅子の前の方にあり深く腰掛けていない
このうちの1つでも当てはまる座り方をしている方は、首筋・肩・腰に負担がかかり、肩こりや腰痛の原因となります。
この記事では、肩こりや腰痛を予防・改善するための姿勢正しい椅子の座り方や、リモートワークにおすすめの姿勢矯正用の椅子をご紹介していきます。
デスクワークの方や座る時間が長い方は、座る姿勢を今日から改善して体への負担を和らげましょう。
目次
1. 姿勢正しい椅子の座り方
1-1. ポイント①頭を前傾も後傾もせずまっすぐにする
1-2. ポイント②坐骨に体重をかけて骨盤を立てる
1-3. タオルを使って骨盤を立てる方法
2. 姿勢の悪い座り方をすると起こる3つの健康被害
2-1. 悪影響①骨盤や背骨が歪む
2-2. 悪影響②太りやすくなる
2-3. 悪影響③頭が働かなくなる
3. 座りすぎによる健康被害を予防する方法
3-1. 座りすぎで病気にかかりやすくなる理由
3-1. 30分以上座り続けない
3-2. その場で脚の運動を行う
4. リモートワークで使える姿勢矯正におすすめの椅子3選
4-1. 選び方①高さ調整機能のあるものを選ぼう
4-2. 選び方②デザインより機能性を重視しよう
4-3. おすすめの姿勢矯正椅子①サカモトハウスバランスイージー
4-4. おすすめの姿勢矯正椅子②オリバックチェア
4-5. おすすめの姿勢矯正椅子③ボディメイクシートスタイル
1. 姿勢正しい椅子の座り方
姿勢を正して、体に無理なく椅子に座るには、次の2つのポイントを押さえましょう。
【姿勢の良い椅子の座り方】
①頭を前傾も後傾もせずまっすぐにする
②坐骨に体重をかけて骨盤を立てる
この2つのポイントさえ普段から心がけることができれば、首や腰へのピンポイントの負担を大きく軽減させられます。
これらのポイントを守った姿勢を習慣化できるように、毎日少しでも体に良い座り方を意識してみましょう。
1-1. ポイント①頭を前傾も後傾もせずまっすぐにする
姿勢正しく椅子に座る1つ目のコツは、頭を前にも後ろにも倒さず、頭頂部を天井からの糸で釣られているように頭の位置をまっすぐに保つことです。
頭が体にしっかりと乗っている状態を保つことで、首と肩への負担を和らげることができます。
人の頭部の重さは、約5kgといわれています。
つまり人間は、寝ている時以外は常に5kgの重りを首や肩で支えているということ。
この重りが前や後ろに倒れると、頭の重さを支えるために骨や筋肉・関節に毎日少しずつ負担をかけてしまいます。
これが、無意識のうちに肩こりや首筋の痛みを引き起こす原因です。
まずは、頭を体に乗せるようにまっすぐに立てることから意識してみましょう。
これだけでも背すじが伸び、正しい姿勢をキープできることもあります。
1-2. ポイント②坐骨に体重をかけて骨盤を立てる
2つ目のポイントである「坐骨に体重をかけて骨盤を立てる」ことを守れれば、腰への負担を大きく軽減させられます。
坐骨とは、骨盤の一番下にある骨のこと。
背すじを伸ばして椅子に深く腰掛けながら、腰を前後左右に揺らしてみてください。
椅子の座面に当たっている骨が、坐骨です。
姿勢正しく負担を少なくするためには、お尻全体ではなく、坐骨に体重をかけて座ることが重要です。
坐骨に重心が乗ったら、背すじを伸ばしたまま上半身が楽になる位置を探してみましょう。
最も楽に感じる姿勢を取れれば、自然と骨盤が立つ状態を作ることができます。
「骨盤を立てる」とは、骨盤を正しい位置に置くことです。
骨盤が前傾している人は反り腰になりやすく、お腹が前に出て太って見えたり、前ももが張って脚に脂肪がつきやすくなってしまいます。
その反対に、骨盤が後傾している人は猫背になり、下腹が出てやはり太っているように見えたり、お尻が下がって締まりのない下半身に見えてしまいます。
骨盤を立てることさえできれば、それだけで美しい姿勢が作られます。
普段から反り腰や猫背の人は、座った時もその癖が抜けず姿勢の悪い座り方を無意識にしてしまっている可能性があります。
デスクワーク中も食事中もカフェでまったりしている時も、
・坐骨に重心を乗せる
・骨盤をまっすぐ立てる
この2点を意識して美しい姿勢をキープしましょう。
1-3. タオルを使って骨盤を立てる方法
骨盤を立てる(正しい位置に置く)イメージが難しい方は、バスタオルを1枚使って骨盤を立てる感覚を掴みましょう。
骨盤を立てる時のバスタオルの使い方は、次の通りです。
【バスタオルを使って骨盤を立てる3ステップ】
ステップ①バスタオルをロール状に巻く
ステップ②椅子に深く腰掛ける
ステップ③腰と椅子の背もたれにバスタオルを置く
バスタオルを太く巻きすぎると反り腰になってしまうため、楽に座れるように太さを調節してみてください。
また、座布団やクッションでは腰を支えられるほどの固さがないため、必ず巻いたバスタオルを使うこと。
反り腰になりすぎず適度に胸を張り、頭をまっすぐにした姿勢を作れれば、あなたは椅子に正しく座ることができているはずです。
2. 姿勢の悪い座り方をすると起こる3つの健康被害
骨盤を立てず猫背や反り腰のまま椅子に長時間座り続けると、体に様々な悪影響を及ぼします。
ここからは、椅子に正しい姿勢で座らないことによる体への悪影響を3つご紹介します。
【姿勢の悪い座り方による健康への悪影響】
①骨盤や背骨が歪む
②太りやすくなる
③頭が働かなくなる
2-1. 悪影響①骨盤や背骨が歪む
デスクワークの方は、1日の大半を椅子に座った姿勢で過ごすことになります。
その時の姿勢が悪く、反り腰や猫背が当たり前になってしまうと、骨盤や背骨が歪んで立った時の姿勢も悪くなってしまいます。
骨盤や背骨の歪みは放置するほど矯正が難しくなり、綺麗な姿勢を保ちたくてもキープできなくなります。
椅子に座った時の姿勢が良くない自覚のある方は、正しい座り方を意識したり姿勢矯正用の椅子に座るなど、普段から良い姿勢を心がけましょう。
リモートワークなどに使える姿勢矯正に適したおすすめの椅子は、第4章でご紹介しています。
2-2. 悪影響②太りやすくなる
骨盤を立てず椅子に座り続けることで、太りやすい体質になってしまいます。
「骨盤が前傾・後傾しているとお腹が出て見える」ということは先ほど解説しましたが、骨盤が歪んだ姿勢は見た目だけでなく、血流や代謝の悪化によって脂肪のつきやすい体になってしまうのです。
骨盤が立っている状態では、胃や腸などの内臓が骨盤に乗っていて正しい位置にあります。
しかし骨盤が歪んだ姿勢では、内臓を骨盤で支えることができずお腹のほうに密集し、満員の通勤電車のように内臓が圧迫されます。
内臓の圧迫は、全身の血流悪化や胃腸の機能の低下につながり、食事の消化吸収が悪くなったり代謝の悪化によって老廃物が体に溜まりやすくなり、太りやすい体質が無意識にできあがってしまうのです。
下半身太りや浮き輪肉がついている方は、椅子に座った時の姿勢が悪いことが原因かもしれません。
2-3. 悪影響③頭が働かなくなる
先ほど、椅子に長時間座り続けることで血流が悪くなるとお伝えしました。
全身の血流が悪くなるということは、脳への血流量も減るということ。
脳に栄養がしっかりと届かなくなることで、昼間の眠気や集中力の低下など、頭がスッキリと働かなくなることもあります。
正しい姿勢で椅子に座り、適度に立って全身の血流を促すことで、かえって集中力が増し仕事の効率が上がることも多々あります。
30分以上座り続けた時は、一度その場で立って脚を動かし、下半身に溜まった血液を脳に送ってあげましょう。
座りすぎの状態を改善する方法は、次の第3章にて分かりやすく解説しています。
3. 座りすぎによる健康被害を予防する方法
「座りすぎ」と一言で言っても、厳密には何分からが座りすぎなのでしょうか?
厚生労働省では、運動習慣のある人を次のように定義しています。
【週2回以上、1回30分以上の運動を1年以上続けている人。】
この運動習慣のある人でも、デスクワークなどで1日の大半を座りながら過ごしている場合、心臓病や糖尿病にかかる確率が高まるほか、上で解説した肥満などにもつながります。
3-1. 座りすぎで病気にかかりやすくなる理由
座りすぎによって心臓や血管系の病気にかかりやすくなる理由は、下半身の血流の悪化です。
椅子に座っている間は、人間の筋肉の約70%を占める下半身の活動が停止しています。
太ももやお尻、「第二の心臓と」言われるふくらはぎの筋肉が働かなくなることで、血流が悪くなって老廃物が溜まり、命に関わる血管系の病気を引き起こしやすくなるのです。
この座りすぎによる健康被害を防ぐためには、次の2つの行動を心がけることが大切です。
①30分以上座り続けない
②その場で脚の運動を行う
3-1. 30分以上座り続けない
普段デスクワークをされている方やリモートワークで座る時間が増えた方は、1回の座る時間を30分以内に収めることで座りすぎの状態を防ぐことができます。
30分ごとに2?3分程度の小休憩をとり、その場で全身をストレッチしたり近くを散歩したりその場で足踏みをするなど、太ももやふくらはぎを働かせるようにしましょう。
最も大切なことは、同じ姿勢で長時間い続けないことです。
適度に体を動かすことで頭がさえて作業効率も上がるため、30分ごとの小休憩は積極的にとるよう心がけましょう。
3-2. その場で脚の運動を行う
長時間の会議などでどうしても小休憩をとれない時は、座ったままの姿勢で脚の血流を促す運動を行ってみましょう。
椅子に座ったままできるおすすめの脚の運動は、次の3つです。
①つま先を床に固定して、ふくらはぎに力を入れながらかかとをゆっくり上げ下げする
②膝を伸ばして足を持ち上げ、かかとをぐるぐる回す
③足の指をギュッと縮めてゆっくりと緩めることを数回繰り返す
この3つの運動で、脚の血流を促して代謝の低下を防ぐことができます。
ただしこれらの運動は、どうしても座り続けなければいけない場合の応急的な対策です。
立ったり席を移動できる状況であれば、先ほど紹介した30分に1回、2?3分ほどの軽い運動を取り入れて、下半身の血液をしっかりと上半身に流してあげましょう。
4. リモートワークで使える姿勢矯正におすすめの椅子3選
コロナウイルスの影響でリモートワークの機会が増えた今、座りすぎによる肩こりや腰痛を感じる方も増えてきているようです。
会社では仕事用の机と椅子があり正しい姿勢を作ることができても、家には作業場がなく、床に座って作業をしている方もいることでしょう。
床に座りっぱなしの状態は、椅子に座った時以上に体への負担が強まり、悪影響も増大します。
そこでここからは、リモートワークで座りながら姿勢を矯正できる椅子の選び方と、具体的なおすすめの椅子をご紹介します。
まずは、正しい姿勢で座れる椅子を見つける2つのポイントから見ていきましょう。
4-1. 選び方①高さ調整機能のあるものを選ぼう
せっかく買った椅子も、家の机の高さと合わないとただの宝の持ち腐れです。
自分の安楽に感じる高さが分からない方は、高さ調整機能の付いた椅子を選びましょう。
一般的な椅子と姿勢矯正用の椅子は座面の角度や座り方・高さの規格が異なることもあり、普段使っている机と合わせにくい場合もあります。
どの机でも適切な姿勢を保つことができるように、高さ調節機能付きを条件にお気に入りの椅子を探してみましょう。
4-2. 選び方②デザインより機能性を重視しよう
姿勢矯正用の椅子を選ぶ際は、デザインより機能性を重視しましょう。
・座るだけで骨盤を立てられる形状になっているか?
・滑りにくい素材が使われているか?
・椅子のサイズは合っているか?
こうした機能面を満たしていないと、骨盤を正しく立てたり背すじを伸ばせず、体への負担を充分に減らすことができなくなります。
お店で直接座り心地を確かめられない場合は、レビューをチェックしたり返金保証のあるショップから購入して、自分の体にフィットする椅子を選びましょう。
さてここからは、上記の2つの選び方を考慮したおすすめの椅子を3種類ご紹介します。
「姿勢に気をつけながら座りたい!」「でもどんな椅子を選んだらいいか分からない…」という方は、以下の3つを参考にご自身に合う椅子を探してみてくださいね。
4-3. おすすめの姿勢矯正椅子①サカモトハウスバランスイージー
サカモトハウスバランスイージーは、取扱説明書通りに座るだけで背すじをピンと伸ばすことができる、姿勢矯正に最適な椅子です。
座るだけで背骨が自然と骨格に従ってS字を描くように設計されているため、坐骨の位置や骨盤を立てることを気にせず、誰でも簡単に正しい姿勢を保つことができます。
シンプルなデザインで悪目立ちせず、インテリアに馴染みやすい点も魅力です。
姿勢矯正効果を一番に考えるなら、サカモトハウスバランスイージーがおすすめです。
4-4. おすすめの姿勢矯正椅子②オリバックチェア
オリバックチェアは、作業用の机がない方や収納できる椅子を探している方におすすめの、座椅子タイプの骨盤サポートチェアです。
オリバックチェアの座椅子は、座面が適度にしなるためどんな人の骨盤にもフィットしやすい特徴があります。
また、重さ1.2kgと軽量コンパクトで折りたためるため持ち運びやすく、使う時以外は押し入れなどに簡単に収納することもできます。
床に座ることの多い方は、オリバックチェアのような座椅子タイプの姿勢矯正チェアも検討してみましょう。
4-5. おすすめの姿勢矯正椅子③ボディメイクシートスタイル
ボディメイクシートスタイルは、今使っている椅子にセットするだけで座る姿勢を矯正できる骨盤サポートグッズです。
新たに椅子を買い替える必要がないため、手軽に骨盤サポートを実感したい方におすすめです。
リモートワークでの使用はもちろん、座椅子の代わりとしても使えるため食事やリラックス中にも骨盤矯正効果を得られます。
まとめ
これまで運動習慣のなかった方が、新たに運動を始めるのは難しいものです。
しかし、今のままの姿勢で座り仕事を続けていては、健康状態は悪化する一方。
この記事で紹介した姿勢正しい座り方や座りすぎを防ぐ運動のうち、できることから実践して美しい姿勢を身につけましょう。