「水星逆行」という言葉は、トラブルの起きやすい時期として注目されています。
以前は西洋占星術に詳しい人々の間でしか使われていなかった言葉ですが、最近は一般の人の耳にも入るようになりました。
レーガン元大統領が月のボイドタイムには会議を避けていたことなどから、月や星の動きを読む西洋占星術に対して、活用できるものだという見方が広まったことも理由のひとつです。
西洋占星術は、いわゆる「星占い」です。日本では、雑誌の巻末に「今月の運勢」として星座別の運勢やラッキーカラー、ラッキーアイテムが書かれているというイメージしかありませんでした。
しかし、奥の深いその意味を知っていくと、星の動きや月の動きは確かに人々の行動に影響を与えていて、ある行動に対して積極的に行った方が良い時期と、注意すべき時期があることがわかります。
「水星逆行」についての基礎知識から解説しますので、まるで知らないという方はどうぞ1章から、ある程度知っている、という方は2章から読み始めてくださいね。
「水星逆行」の時期に起きやすいトラブルの事例と、どのように行動すればうまく乗り切れるか、また、水星逆行の時期に起きやすいことは、見方を変えれば悪いことばかりではないということについて解説していきます。
目次
1. 水星逆行の基礎知識
2. 水星逆行時期に起きやすい出来事
3. 水星逆行は悪いことばかりではない!?
4. 水星逆行時期をのりきるために
5. まとめ
1. 水星逆行の基礎知識
1-1. 2021年 水星逆行が起こる時期
・1月31日~2月21日
・5月30日~6月23日
・9月27日~10月19日
の3回です。
水星は、地球同様に太陽のまわりに楕円状に軌道を持つ「惑星」です。常に同じ場所で光っている「恒星」は地球から見た並び方を変えませんが、「惑星」は地球から見ると様々に動きます。ある時期は「逆行」するように見えることもある、つまり「人を惑わす星」なので惑星と呼ばれるのです。
そして、水星が地球から見て「逆行」している時期を「水星逆行」といいます。
1-2. 水星逆行とは?
『水星逆行』の『逆行』とは、本来の惑星の動きではなく、地球から見た他の惑星の動きに対して使われています。つまり『逆行』は逆方向へ動いているわけではなく、「地球から見る錯覚とも言える状態のこと」と言えます。
太陽系の惑星は、太陽のまわりを一定の速度で楕円を描くように回っています。
地球も、その太陽系の惑星のひとつです。
水星は、地球、金星の内側、もっとも太陽の近くを周回しています。その速度が地球と違うために、同じ方向へ進んでいるのに、『地球から見ると』まるで逆の方向へ進んでいるように見える時期が起こります。
平行して走る車や列車に乗ったとき、どちらもが同じ方向へ進んでいるのに、自分から見たもうひとつの車や列車が、後ろにさがっていくように見えるという経験は、多くの人にあるのではないでしょうか。
あの不思議な感じ、それが地球と水星との間に起こる期間のことを『水星が逆行(しているように見える)』ため『水星逆行』と呼んでいます。
1-3. 水星逆行の時期にトラブルが多い理由
「水星逆行の時期にトラブルが多い」というのは、ある側面からその物事を捉えているからで、「起こりやすい出来事がある」と言った方が正しいかもしれません。
しかし、その「起こりやすい出来事」は、後に書いていくように、「情報伝達、コミュニケーションがうまくできなくなる」「計画が遅れる」「機械類が壊れる」など現代生活では困った側面を多く持っていることから、「水星逆行の時期にトラブルが多い」と考えられています。
同様に、はじめに書いた「レーガン元大統領は月のボイドタイムには会議を避けていた」という『月のボイドタイム』もトラブルが起こりやすいと考えられています。
(詳しく知りたい方はこちらをどうぞ)
満月や新月が、株価の動きと関連していることは証明されていますが、水星の動きが地球に与えている影響をグラフや数字で読み取れるものは、今のところありません。
星の位置を知る『ホロスコープ』も、その読み取り方、解釈は、西洋占星術において誰を師とするかによって変わります。その解釈によって、占い師は「当たる」「当たらない」と言われるのですね。
2. 水星逆行時期に起きやすい出来事
2-1. 水星逆行の期間に起きやすいトラブル
水星逆行の時期には、このようなトラブルが起きやすいと言われています。
・仕事や計画の遅延
・「返事」がなかなか来ない(メールや手紙、打診など)
・カンチガイや誤解が多くなる
・やり直し、見直しを迫られる
・機械類の不調、故障が多くなる
・旅行の間トラブルが多くなる
進む速度の違う列車が並んで走ると、相手の列車が後ろに進んでいるように感じる、あの不思議な感覚と同じ動きを水星がしているので、地球上の出来事も、ものごとがゆっくり進んだり、逆になったりと、水星とよく似た動きをするようです。
2-2. 芸能ゴシップと水星逆行
2016年のはじめ、水星逆行の時期に、スマップの解散騒動がありました。
2019年の7月の水星逆行の時期には、吉本の闇営業の騒動がありました。
水星逆行中には、いままで隠していた事実が露呈したり、溜まった不満が爆発したりといったことも起きがちとなり、芸能ゴシップが盛んな時期でもあるのです。
2-3. 水星逆行中に起きたトラブル事例
仕事上での水星逆行中トラブル
Mさんはフラワーショップのオーナーです。
住宅地にある今の店舗が順調に売り上げを伸ばしているため、駅近くのオフィスビルに小さなスペースを借りて二店舗目の営業をする予定でいました。
賃貸契約からすぐにオープンしようと決めていましたが、契約後、水の使用に関して様々な取り決めを要求され、一週間もの間オープンできないことになってしまいました。
後で調べてみると、契約の日が水星逆行の時期に入っていたことがわかったといいます。
人間関係での水星逆行中トラブル
Fさんは5歳の幼稚園児の子育て中。
バザーの日が決まり、販売する手作り品をFさんの得意な手芸で作ることになりました。
型紙をFさんが作り、他の役員ママ5人はFさんに作り方を教えてもらって制作することに。
全員に一度に教えたかったのですが、急に仕事の都合が変わったり、下の子が発熱したりとなかなか全員集まることができず、ひとりひとりに別々に教えるという、効率の悪い結果になってしまいました。
ちょうど、この計画がもたもたとうまく進まなかった時期、水星逆行の時期だったのです。
3. 水星逆行は悪いことばかりではない!?
3-1. 水星逆行中はリベンジや復活には向いている時期
水星逆行中は、これまで挫折したことにもう一度チャレンジする、停滞していたプロジェクトを進める、などには向いている時期です。
これまでとは違った流れになっていますから、「どうせうまくいかない」という先入観を捨てて、一度失敗していることにも再度トライしてみてください。
今までの経過をもう一度見直すということにも向いていますから、前回の失敗の原因が明らかになるかもしれません。
Tさんは、工務店を経営しています。いつもなら、棟梁に任せている建築現場ですが、水星逆行の時期ということが気にかかり、自分が出向いて確認作業をしたところ、設計通りに進んでいなかった箇所を発見しました。そのまま進めていたら後にやり直すのは大変な場所だったので、見直して良かったと胸をなでおろしたといいます。
3-2. 水星逆行中は懐かしい人に出会えたり復縁も
水星逆行の時期に、旧友や元恋人、恩師など、以前つきあいがあった人に出会えたり、連絡が来たりすることもあります。
懐かしい昔話に花を咲かせているうちに、思いがけなく役立つ情報を得ることもあるかもしれません。また、過去の自分を振り返って、自分を褒めたくなることもあるでしょう。
普段は忙しく前ばかり向いている人も、この時期はすこし立ち止まって、自分の来た道を振り返ると良い時期です。
U子さんは、高校卒業後上京し、地元の友人たちとは疎遠になっていました。
水星逆行に入ったある日、風邪をこじらせて病院へ行くと、高校のときの友人が看護師をしていました。友人は、夫の転勤で引っ越してきたといいます。U子さんの問診をしようとして、名前と生年月日を見て気づきました。
地方から引っ越ししてきて友人もいなかったため、U子さんに出会えて、とても喜んでいたそうです。
3-3. 水星逆行はこれまでを振り返る最適の時期
水星逆行中は、自分がこれまでしてきたことや、仕事などのこれまでの流れを振り返るのに最適の時期です。
行動をゆっくりめのペースにするとともに、今まであまり振り返らなかったことをじっくり考えるための時間を取ると良いでしょう。
例えば恋愛がいまひとつうまくいかない人は、次の恋愛を求める気持ちは一休みさせ、これまでの恋愛を振り返って、感謝や反省をしておくと、逆行期間が終わったとき、新しい流れができるはずです。
ずっと恋人が欲しいと思っていたSさんですが、水星逆行の時期はゆっくり過ごすことに決め、会社の休憩室で同僚に誘われた合コンの誘いも断りました。
週末は家でのんびり過ごそうと、読みたかった本を買うために会社帰りに立ち寄った本屋さんで、高校時代の同級生と久しぶりに顔を合わせます。メールアドレスを交換してその場は別れましたが、水星逆行が終わった頃、食事に誘われ、告白されてつきあうことに。
無理に合コンに行ったりしなくてよかったと、Sさんは話してくれました。
3-4. 水星逆行中にミスの修正や物の修理をしておく
水星が逆行している時期は、仕事上のミスが目立ったり、ものが壊れやすかったりします。
この時期、そうしたことを放置せず、ミスは丁寧に修正する、ものが壊れそうなら早めのメンテナンスをする、壊れてしまったらきちんと修理をする、ということを心がけましょう。
逆行期間が終わって、元の流れになったとき、スムーズに良い方向へ行けるようにするための、準備期間と考えると焦らずに済むと思います。
会社員のRさんは、以前からデジタルカメラの表示が時折トラブルを起こすことが気になっていました。普段はスマートフォンで写真を撮ることが多いため、カメラの修理はついつい後回しになっていたといいます。
水星逆行のことを知り、逆行の時期に入る前にカメラを修理に出しておきました。すると、水星逆行にあたる時期に、仕事でデジカメが必要になることがわかったのです。
修理に出さずにそのまま仕事のために持ち出していたら、きっと大きなトラブルになったのではないかと、Rさんは考えています。
4. 水星逆行時期を乗り切るために
4-1. 水星逆行期間中にしない方が良いこと
水星が逆行している期間には、大切な約束や契約は、なるべく避けた方が良さそうです。大きなプロジェクトなどのスタートも、調整できるならこの時期を避けた方が良いでしょう。
また、以前から調子が悪いと感じていた通信機器などはこの時期壊れやすいので、水星逆行の時期に入る前に、パソコン、スマホ、携帯、電話、ファックスなどの修理やメンテナンスを済ませておくと安心です。
4-2. 水星逆行を意識するだけで結果は変わります
「今は水星が逆行している」と意識するだけでも、起こる出来事に対する気持ちの持ち方が違いますから、結果が変わってきます。
例えば、恋人と話がしたいのに、電話できるタイミングがお互いになかなか合わなかったとしても、「今は水星が逆行しているから仕方ないな」と落ちついて過ごしていれば、用件や伝えたいことをまとめておくなどの行動につながりますから、話ができたときには良いコミュニケーションがとれるはずです。
ところが、何も意識せずに過ごしてしまうと、「どうしてすぐに折り返してくれないの?」とイライラ過ごすことになり、やっと電話がつながってもけんか腰になってしまうでしょう。
4-3. 水星逆行中は「旅行」「コミュニケーション」「テクノロジー」に注意!
水星は「旅行」「コミュニケーション」「テクノロジー」を司るといわれるため、水星逆行中はその3つに関わることに注意しましょう。
旅行
・できれば別の日程に変更する
(どうしても水星逆行の時期に旅行する場合は)
・ゆとりを持ったプランを立てる
・懐かしい場所を訪ねる旅にする
コミュニケーション
・ゆっくり話し、相手のことも理解しようと務める
・難しい話しはこの時期避ける
・決定的なことを口にしない
テクノロジー
・パソコン、スマホは必要ならバックアップを取っておく
・壊れそうになっている機械類は早めに修理を
・車やバイクのメンテナンスを怠らない
4-4. 水星逆行中にどうしてもしなくてはいけないことがあるとき
そうは言っても、仕事上、どうしてもこの時期に契約をしなくてはいけないということもあるでしょうし、時期をずらすことでまわりの人に迷惑をかけてしまうということもあるでしょう。
水星逆行の時期は年に3~4回、約3週間ずつ訪れますから、しなければならないこともあるはずです。
どうしても、大きな決断、約束、契約などをしなくてはならない場合、普段の自分よりも時間をかけて、丁寧に書類などの見直しをするようにしてください。
また、とにかく「紙に書く」ことも効果があります。自分が書いたものの読者となって「読む」という行為が、水星逆行中の流れと相性が良いためです。
5. まとめ
水星逆行の時期にはどのようなトラブルが起こりやすいのかを知っておくことで、前もって点検をする、メンテナンスをする、予定を変更しておくなどの行動を起こしますから、トラブルを回避できます。
水星逆行の期間は約3週間もあります。しかも、年に3~4回もやってきますから、普通に仕事をしている大人であれば、大切なことを決めなければならないときも、プロジェクトをスタートしなければならないこともあるでしょう。
そんなときも、時間をかけて紙に書いてから決断する、仕事の連絡を電話だけで済ませずに書面にして手渡すなど、意識して丁寧にすることでトラブルにまで発展しないはず。
なにもかもがうまくいかないと、否定的に考えるのではなく、この時期だから丁寧に作業しておこう、もう一度確認しておこうという態度で臨めば、水星逆行の時期も上手に乗り切れるでしょう。