パワーストーンにはたくさんの種類があります。専門店に行っても種類の多さに驚くと思います。 また、購入した際にはその名前や効果を覚えていて意識していたパワーストーンも、長い間使わずにしまっておくと、後から見てもどの種類で何に効果があったのかすっかり忘れていることもあるでしょう。
これから、パワーストーンの種類を色別にわけてご紹介していきます。パワーストーンを購入する際の参考になればと思います。さらに、それぞれの石の効果についても簡単に触れていきますので、しまいこんだまま忘れてしまったパワーストーンがあればぜひ照らし合わせ、目的に合わせて浄化してからまた身につけてみてください。パワーストーンの浄化の方法はこちらを参考にしてください。
また、後半では地球の地質学を研究しているマグマ学者から見たパワーストーンという他にはない切り口でパワーストーンの種類について紹介していきます。こちらは本格的にパワーストーンに興味のあるに方とって、きっと満足できる記事になっていると思います。
目次
1 色別パワーストーンの種類とその効果
1-1 透明・白色系のパワーストーン
1-2 黒・茶色系のパワーストーン
1-3 青色系のパワーストーン
1-4 緑色系のパワーストーン
1-5 赤・ピンク系のパワーストーン
1-6 紫色系のパワーストーン
1-7 オレンジ色・黄色・ゴールド系のパワーストーン
2 鉱物としてのパワーストーン
2-1 鉱物名と宝石名は違います
2-2 パワーストーンの色について
2-3 アレクサンドライトの色が変わる理由
2-4 鉱石と呼ばれるパワーストーン
2-5 隕石パワーストーン
3 古来より重宝されていたパワーストーン
3-1 顔料としてのパワーストーン
3-2 魔除けやお守りとしてのパワーストーン
3-3 武器や装飾品としてのパワーストーン
3-4 医療に使われているパワーストーン
4 まとめ: 地球の営みの中で生まれたパワーストーン
1 色別パワーストーンの種類とその効果
お手持ちのパワーストーンを色から判別できるように代表的なパワーストーンの効果と特徴をご紹介していきます。
1-1 透明・白色系のパワーストーン
純粋さを表す白は神の色であり「神聖」「正義」「清浄」「浄化」を促すパワーを持っています。透明・白色系は、魂を清めて万能の力を与えるパワーストーンたちの色です。
【ダイアモンド】不変の価値と霊性を持ち成功を約束してくれます
宝石の中の宝石、鉱物としても単一元素で生成された最強の硬度を持つダイアモンドは代表的な透明色のほか、ピンク、ブルー、イエロー、ブラウン、ブラックもあります。
【アポフィライト】冷静を高めインスピレーションを強めてくれます
結晶の表面が魚の目の輝きに似ていることから和名で「魚眼石」と呼ばれています。結晶の構造が脆いためビーズなどの加工には向きませんが、原石はとても美しく人気があります。
【ムーンストーン】健康、若さと魅力を生み出す女性のお守りになります
透明、乳白色が圧倒的に多いのですが、グレー、オレンジ、グリーン、イエローなどの色を持つものもあります。月の満ち欠けによって表情を変えるという繊細な石です。
【セレナイト】悩みや焦りを取り除き、安定と平和をもたらしてくれます
セレナイトはジプサムとも呼ばれ、和名を「透石膏」といいます。柔らかな透明感は磨りガラスのような印象で、中には白いバラのように結晶するものもあります。
【ミルキークオーツ】調和の作用で心身を安定させてくれます
和名を「乳石英」というように、水晶の中に細かい気泡が混じることで白濁し、乳白色がか った水晶です。
【クリスタルクオーツ】潜在能力の開発、危険回避、霊視、恋愛成就と幅広く効きます
透明な水晶です。聖石と呼ばれるパワーストーンの中でも、最も浄化作用に優れた高度で霊 的な石として古くから愛されてきました。
【マグネサイト】浄化と平和。心穏やかになれます
「ハウライト」と見た目が似ているため代わりに用いられるほか、染色してターコイズやラ ピスラズリのイミテーションになることもあります。
1-2 黒・茶色系のパワーストーン
夜の色を持つ黒いパワーストーンたちは、深い静けさや安らぎを与えてくれます。光の中にない黒という色の神秘性は人の霊性を高め、インスピレーションを与えてくれます。
【ブラックオニキス】健康的ダメージの回復や魂の守護として役立ちます
水晶の仲間であるブラックオニキスはブレスレットなどにも用いられるポピュラーなパワーストーンです。悪意にさらされている、目立ちたくない人を守ってくれます。
【スモーキークオーツ】孤独を癒し精神的安定をもたらします
煙のように濃淡のある茶色の水晶です。黒水晶をモリオンといいますが、スモーキークオーツの濃い色のものをモリオンということもあります。
【ブラックトルマリン】健康への効果が高くストレス減少に効果があります
電気石と呼ばれるものの中で黒色のものをさします。「ショール」とも呼ばれ和名を「鉄電気石」といい、環境改善に使われるほど強い浄化作用を持ちます。
【ジェット】精神的な混乱を鎮め、パニックなどの症状緩和に役立ちます
植物の化石で石炭の一種です。非常に軽く研磨するとつやが出るためビーズに加工されブレスレットなどに活用されます。
【オブシディアン】人間関係の改善や土地の守りを得ることができます
和名を黒曜石といい、溶岩が結晶する前に急速に冷却された非結晶質でガラスのような光沢が特徴です。古代より儀式に用いられてきました。
1-3 青色系のパワーストーン
地球の色、海の色を持つパワーストーンは成熟、理性、知性を高めるパワーがあるとされます。学業、試験のお守りとしても活躍します。薄い水色のパワーストーンはハイヤーセルフとつながるなどスピリチュアルな側面を促してくれます。心の扉を開き新しい世界を見せてくれるでしょう。
【ラピスラズリ】オールマイティに効き目を持つ願望効果の高い石です
深い群青色のラピスラズリには白色や金色が混じることもあります。顔料や革の染料など実際に役立ってきた石です。イミテーションも多く注意が必要です。
【ソーダライト】緊張緩和、頭の整理に役立ち集中力をもたらしてくれます
深みのある青には石らしいまだらな模様のあるものも多く、ラピスラズリと同様に邪悪なものを祓う力があります。手ごろな価格なので子供のお守りなどにできます。
【ラブラドライト】シンクロや気づきが多くもたらされるスピリチュアル効果があります
表面が青く、オーロラや蝶の羽のように虹色に光るタイプが人気です。通常は無職から黄色の長石ですがカナダで発見されたこの青色の変種の石にはファンが多くいます。
【セレスタイト】頭脳活性や愛、調和、希望の願いに適しています
他の色の石もありますが、清々しい淡い青色が代表的です。硬度が低くアクセサリーなどの加工には向かないので原石を持つことをおすすめします。
【ブルーフローライト】転職を知り自分の才能を引き出すことに適しています
様々な色を持つフローライトの中でブルーに発色したものです。透明感のある美しい石で、ビーズに加工されアクセサリーとして利用されています。
【クリソコラ】女性性を高めホルモンバランスを良くする効果があります
純粋なものは青一色ですが、鮮やかなブルーグリーンと深い青のまだら模様なども多くみられます。宇宙に浮かぶ地球を思わせるビーズのアクセサリーが人気です。
【アイオライト】多面的思考や柔軟な発想を可能にし、老廃物を除去してくれます
すみれ色の透明感のあるすっきりした色が特徴で、角度によっては無職に見えます。強い欲求を抑えてくれることからダイエット効果も期待できる石です。
【カイヤナイト】直観や洞察力を高めて決断力を発揮してくれます
和名を「藍昌石」というように和風の藍色が特徴的な石です。繊維の方向に白色や金色の筋が見えることもあります。繊維方向に割れやすいので注意が必要です。
【アズライト】冷静、洞察力、予知能力を高め内なる才能を引き出してくれます
マラカイトと共に産出され、マラカイトと自然に混ざり合った「アズロマラカイト」もある。明るいコバルトブルーが特徴で古代より壁画などの彩色に用いられました。
【ブルートパーズ】不眠や精神疾患に効果がありスピリチュアルな目的に適しています
宝石として流通しているものは青く着色したもので天然のものは淡く優しい水色をしています。ネガティブな思考を排斥して前向きな考えができるようになります。
【ブルーレースアゲート】高いリラックス効果でくつろぎを得ることができます
めのうの一種で水色と白のレースのような美しい縞模様を持ちます。和名を「空色縞瑪瑙」 といい、日本でも古代の勾玉が発見されています。
【ターコイズ】インスピレーションを高め身の危険を察知してくれます
独特な深い青色が特徴で、最古の宝石とも言われています。メディテーション(瞑想)に用いられるなど邪気払いの効果があり、旅のお守りとしても有名です。
【ピーターサイト】アイデアやインスピレーションを得るのに役立ちます
テンペストストーンとも呼ばれ、渦巻く雲のような模様にタイガーアイとホークスアイが石英により再結晶化したもの。深い青緑色に渦巻く模様が特徴です。
【アマゾナイト】時流に乗る、目標達成と浄化作用を兼ね備えます
明るい青緑色が特徴の美しい石で、まだらに白色がはいることもあります。よく似た「ブル ークオーツァイト」が「アマゾナイト」として流通しているが成分も構造も異なる石です。
【ラリマー】周囲との意思の疎通をスムーズにしてくれます
明るい青と乳白色のような白色が混じった美しい石です。世界三大ヒーリングストーンの一つで、強い癒し効果があります。
【アクアマリン】心の深い部分から癒される浄化パワーがあります
文字通り海の水のような透き通った美しい水色が特徴です。表現力に力を貸してくれるので言葉を仕事にする人やボイストレーニングの際のお守りとして人気があります。
1-4 緑色系のパワーストーン
植物の色を持つ緑色のパワーストーンは人間に癒しと豊かな心をもたらします。苦痛や悲しみをやわらげ、再生を促す力があるので健康のお守りとしても活躍します。
【マラカイト】苦痛を取り除きデトックスしてくれます
同を主成分とする美しい緑色の石です。濃淡の緑色で縞模様が目立つものもあります。古代エジプトではクレオパトラが化粧品として目元を飾ったという逸話のある石です。
【アベンチュリン】調和と人間関係改善に役立ちます。
アベンチュリンとは石自体の呼び方ではなく「アベンチュレッセンス」という「キラキラ輝く」現象のことです。現代では緑色の水晶を総称しアベンチュリンと呼んでいます。
【グリーンフローライト】対人関係の改善、コミュニケーションに役立ちます
様々な色があるフローライトの中で緑色のものです。透明感のある淡い緑色が特徴で、ビーズに加工されアクセサリーとして人気があります。
【ジェダイト】オールマイティに役立ち、合格のお守りとしても効果があります
クロムと鉄でエメラルドグリーンに発色したものは「インペリアル」と呼ばれて希少性があります。メロンミルクのような色はアクセサリーとして人気です。
【クリソプレーズ】自己実現、不安解消に役立ち未来へのビジョンを示します
青リンゴのような明るい半透明の緑色が特徴です。直射日光にも強いので普段身につけるペンダントやブレスレットなどのアクセサリーとして人気があります。
【モルダバイト】宇宙起源の神聖なパワーを持ち生命力を強めます
隕石の衝突によりできたテクタイト(天然ガラス)という希少価値のある石です。深緑色の美しいガラス質ですが模造品も多く出回っています。
【プレナイト】疲労回復や人間関係の修復、深く考えるときに役立ちます
和名を「葡萄石」といい、マスカット色の半透明な緑色をした石です。繊維状の結晶はキャッツアイが現れるようにカットされ希少価値があります。
【ペリドット】自らの過ちに気づきを与え新たな行動力を与えてくれます
鉱石名を「オリビン」といいますが、これはオリーブ色をしていることに由来します。瑞々しいオリーブグリーンが暗闇の中のわずかな光も捉えて光るので「イブニングエメラルド」 とも呼ばれます。
1-5 赤・ピンク系のパワーストーン
赤は情熱の色です。赤いパワーストーンも古代から気力を高めるための石としてつかわれてきました。赤いパワーストーンは生命力の源となり、勝利や生きる喜びを与えてくれます。 ピンク色は見た目の通り愛と調和と母性の色ですので、恋愛成就のお守りになるパワーストーンが多くあります。好みの色や質感のものを選びましょう。
【カーネリアン】勇気を与える石。ポジティブな未来を選択できます
鉱物的には「カルセドニー」グループで赤く発色したものです。装飾品の中には酸化鉄につけ置いて炉で加熱し赤く発色させている「レッドアゲート」もあります。産出量が多いので良質の石が比較的安価で手に入ります。
【ロードクロサイト】愛を叶える他過去の傷を癒す働きもあります
インカローズとも呼ばれ、鮮やかなサーモンピンクが特徴です。赤に近いものから白色がまだらに混じったピンク色のものもあります。ひし形に結晶をつくるので和名は「菱マンガン鉱(りょうまんがんこう)」といいます。ほとんどのロードクロサイト鉱山が閉山しているため美しいものはとても少なく、効果で貴重な石です。
【ブラッドストーン】血流を整えて傷を癒し困難を克服する力を与えてくれます
ジャスパーの一種で、緑色の表面に赤が混じった様子が血のように見えることからこうした名前になっています。男性の性力増強、仕事での成功や名誉をもたらす力があり、女性の妊娠をサポートする力があります。
【ロードナイト】復活愛に効果があり、ストレスで弱った神経を癒してくれます
和名を「薔薇輝石」というように、バラの花のような深い赤色の石です。ごくまれに透明感の高い赤の宝石質のものが産出され「インペリアル・ロードナイト」と呼ばれます。
【ガーネット】血流を安定させて穏やかにしてくれます
和名を「柘榴石(ざくろいし)」というように、黒に近いような深い紅色の石です。鉱物学的には 14 種類の類質同像の鉱物グループの総称を「ガーネット」と呼んでいます。
【ピンクカルサイト】悲しいトラウマを消し去り新しい愛へ向かう勇気をくれます
カルサイトの中でピンク色に発色したものです。カルサイトは必要なタイミングで必要な人のところへ現れるので、ピンクカルサイトが気になったり購入したり、以前購入したもの がみつかったのなら過去と決別して新しい恋愛へ向かう時期かもしれません。
【ピンクカルセドニー】若々しさを保つアンチエイジング効果があります
優しく淡い乳白色がかったピンク色をしたカルセドニーです。ビーズに加工されアクセサリーとして身につけられるので女性らしさを保ちたい人に人気があります。
【ローズクオーツ】理想の恋に向けて前向きになれるようサポートしてくれます
乳白色がかった透明感のある愛らしいピンク色の石です。恋愛成就のお守りとして人気です。過去に恋愛の傷がある人にはより力のあるロードクロサイトを組み合わせると過去を 気にせず新しい恋へ向かうことができます。
1-6 紫色系のパワーストーン
神と霊性の色、高貴の色として知られる紫色のパワーストーンは落ち着きとインスピレーションを与えてくれます。創造性や勝利に関する望みを叶える力もあり、芸術系の仕事をする人のお守りにもなります。
【アメシスト】浄化パワーが強く心身を深く癒してくれます
透明で気品あふれる紫色の石です。人気の高さから合成品、模造品も多く出回っています。あまりに安価なものには注意したほうが良いでしょう。
【スギライト】絶望や怒りを鎮めて情緒を安定させます
日本で発見されたうぐいす色の石です。高い霊性と強いパワーを持ち、世界三大パワーストーンのひとつになりました。愛の石として永遠不滅の愛を約束するともいわれています。
【レピドライト】チャンスをとらえて次のステージへ連れて行ってくれます
雲母(マイカ)の一種で「トリシオナイト」と「ポリシオナイト」の総称です。透明から半透明で鱗片状のきらきらとした結晶が特徴です。
【タンザナイト】守護霊のようなパワーがあり進むべき道を示してくれます
タンザニアで発見された透明感のあるすみれ色の石です。宝石ブランドのティファニーがこの名前をコマーシャルネームとしてつけました。
1-7 オレンジ色・黄色・ゴールド系のパワーストーン
オレンジ色はあたたかな炎の色として人の心をなごませます。オレンジ色のパワーストーンは健康や表現力、劣等感の克服や自分に自信を持ちたい人をサポートしてくれます。黄色のパワーストーンには強いパワーがあり、執着する心をなだめて石を所有する人に夢と希望を与えます。ゴールド系のパワーストーンは見た目の通り金運によく聞きます。自分の力を高めたいときにも身につけると効果があります。
【オレンジカルサイト】マイナスの作用を排斥してプラスのエネルギーに変えてくれます
様々な色を持つカルサイトの中でオレンジ色に発色したものです。明るいミカン色の石はアクセサリーとして身につけることで自信と明るさを与えてくれます。
【タンジェリンクオーツ】魅力と自信を与えてくれます
水晶の表面に被膜した鉄分が酸化してオレンジ色に発色した石です。内部は透明の水晶となっています。透明感のある明るいオレンジ色が特徴です。
【レモンクオーツ・シトリン】財運と事業運を高めてくれます
水晶の表面に被膜した鉄分の酸化具合によって、淡いレモン色から濃い黄色までに発色したものです。色合いや品質を安定させるためにほとんどのシトリンは加熱処理されています。他の石を染色した模造品も多く出回っています。
【サンストーン】実力以上の力を発揮でき成功をサポートしてくれます
ムーンストーンと同じ「長石」のグループです。透明感のある鮮やかなオレンジ色が太陽のようにキラキラ輝きを見せるのは、石の中に内包された他の鉱物の結晶が光を反射するためです。
【トパーズ】洞察力を高めて本質を見極められるようになります
黄色のほか、ホワイト、ブルー、ピンクなどに発色するトパーズ。古代より霊的な効果を持つ聖石として聖書や伝説に登場します。オレンジ色に近い明る色のトパーズは「インペリアルトパーズ」として人気があります。
【ルチルクオーツ】迷わず目標へ向かう力を与えてくれ、財運をアップします
水晶の中に二酸化チタン鉱物である針状のルチルを内包したものです。透明な水晶の中に細い針のようなゴールドがきらめき、見るからに金運、財運に効きそうな石です。
【アンバー】思考と循環を穏やかに活性化します
和名「琥珀(こはく)」として良く知られる石です。透明感のある飴色の石は子孫繁栄にかかわる強い力を持ちます。エネルギー自体を活性化させるパワーも持っています。
2 鉱物としてのパワーストーン
2-1 鉱物名と宝石名は違います
パワーストーンには「宝石名」といわれる「呼び名」がありますが、「鉱物名」と「宝石名」 は違うことがほとんどです。
鉱物名:クオーツ
宝石名:クリスタルクオーツ・アメシスト・ローズクオーツ・シトリン・アゲート・タイガ ーアイ・クリソプレイス・アベンチュリン・カーネリアン
鉱物名:コランダム
宝石名:コランダム・ルビー・サファイア
鉱物名:ベリル
宝石名:エメラルド・アクアマリン
このように鉱物名が同じでもパワーストーンの色、質感などは異なるために宝石名で分類 されているのですね。
1-2 パワーストーンの色について
パワーストーンには様々な色があります。
ヘマタイト、マラカイト、ターコイズ、アズライトのように石全体が同じ色をしている単一色のものもありますし、同じパワーストーンでも自然の条件下によって発色が違うものもあります。水晶やカルサイトには様々な色があり、それぞれに宝石名がつけられています。
また、オパールやムーンストーン、ラブラドライトのように表面が虹色を示すものもあります。トルマリンのようにひとつのパワーストーンに緑色から赤色まで虹のように色づいているものもあります。
人気の高いパワーストーンがあると、他の石を染色したり着色したり加熱処理したりして模造品が作られることも多いので購入する際には信頼できる店舗を選びましょう。
1-3 アレクサンドライトの色が変わる理由
パワーストーンの色が私たちに見えるのは、光の波長によります。
アレクサンドライトは一つの石で赤と緑の光の波長を持っているため、太陽光と電気光で目に見える色がまったく 違う色になります。アレクサンドライトというパワーストーンは、太陽光のもとでは緑色に、電気の光のもとでは紫色に変色します。
アレクサンドライトはクリソベルの一種です。宝石「キャッツアイ」もクリソベルで、削って加工する際に一条の光を持たせるようにすることで猫の瞳のような宝石になります。ルビーの赤やエメラルドのグリーンの色のもとはクロムで、クロムが光を吸収する率によって目に見える色が赤やグリーンになります。
アレクサンドライトは光を吸収する性質がちょうどルビーとエメラルドの中間なので、光の波長によって見える色がまったく違う緑色と紫色になるのだそうです。
1-4 鉱石と呼ばれるパワーストーン
パワーストーンは「鉱物」です。その鉱物の中でも一つの元素だけでできているものを「元素鉱物」と呼び、ダイヤモンドや金など有用なものが多いことで知られています。
また、元素鉱物ではなくても、有用な元素を多く含む鉱物を「鉱石」と呼びます。元素とは、すべてのものを作っている元になるものです。
私たちの体も、海も空も、机も椅子も、窓も建物全体も、大本は元素の組み合わせでできています。中学校の科学で習った「スイヘーリーベーボクノオフネ…」で知られる90種類の元素にはそれだけで鉱物として存在するものがあるのですね。
【元素鉱物:一つの元素だけでできている鉱物】
・ダイヤモンド(C:炭素)
・アイロン(Fe:鉄)
・カッパー(Cu:銅)
・シルバー(Ag:銀)
・プラチナ(Pt:白金)
・ゴールド(Au:金)
【鉱石:有用な元素が多く含まれている鉱物】
・スポデュメン(Li:リチウムの鉱石)
・ベリル(Be:ベリリウムの鉱石)
・フローライト(F:フッ素の鉱石)
・アパタイト(P:リンの鉱石)
・ヘマタイト(Fe:鉄の鉱石)
・カルコパイライト(Cu:銅の鉱石)
・バライト(Ba:バリウムの鉱石)
2-5 隕石パワーストーン
パワーストーン界では、隕石は相生して「メテオライト」と呼ばれ、含まれる成分の割合によって、「石質隕石」「鉄隕石(隕鉄)」「石鉄隕石」の3種類に分けられます。
メテオライトの神秘的なパワーと強いエネルギーは、新しいことを始めるときなどの力になると考えられており、健康にもよい影響を与えるとされています。
石質隕石
地球で見つかる隕石の中でも最も多いのが「石質隕石」で、隕石の90%以上を占めています。石だけでできており、おもな成分はマグネシウム鉄ケイ酸塩鉱物です。パワーストーンでいうと、コンドライトがこれにあてはまります。コンドライトは生命力を高め、眠っている潜在能力を開花させる力があるとされます。
鉄隕石(隕鉄)
鉄隕石は、隕鉄とも呼ばれていて、隕石全体の5%程度を占めています。金属鉄がおもな成分で、数%のニッケルを含んでいます。パワーストーンでいうと、ギベオンがこれにあてはまります。ギベオンは価値観の変化を促す力があるとされており、仕事や人付き合いでもっと上昇したいと考えている人に向いています。ギベオン隕石はアクセサリーにもなっています。
巨大なエネルギーと100万年以上かけて変化し続けたギベオンは、文字通り持つ人の「変革への確固たる意志」と「変革の確実な実行」そしてその結果生まれる「美しさ」を表わし、変革し続ける力の源として持主を後押ししてくれます。
石鉄隕石
隕石の中で、一番少ないのが、石鉄隕石です。成分は石(ケイ酸塩鉱物)と鉄が混じり合っています。とても珍しい隕石で、日本では、高知県香美市に落ちた「在所隕石(ざいしょいんせき)」ぐらいしかありません。パワーストーンでいうと、パラサイトがこれにあてはまります。強い精神力と粘り強い行動力を育て、夢を実現へと導いてくれる石と言われています。
3 古来より重宝されていたパワーストーン
3-1 顔料としてのパワーストーン
パワーストーンのあまり知られていない一面として、絵を描くための顔料の素材になると いうことが挙げられます。人は文字を書く前から絵を描いてきました。そのために必要な顔料として19世紀に合成顔料が開発されるまでは、天然のものからつくる必要があったのですね。
パワーストーンは昔から宝石として高価なものでした。その宝石を砕き、顔料にするためには高い技術も必要ですから顔料も当然高価なものです。
たとえば、アズライトは日本の顔料では「群青」と呼ばれる深く美しい青色の顔料の原料として用いられました。 現在でも奥深い自然の色を求めて、自然素材の顔料は使われ続けています。
赤色の顔料の元:シナバー・リアルガー・ヘマタイト
黄色の顔料の元:オーピメント
緑色の顔料の元:マラカイト
青色の顔料の元:アズライト・ラピスラズリ
3-2 魔除けやお守りとしてのパワーストーン
パワーストーンは昔から、魔よけやお守りとしてつかわれてきました。
たとえばラピスラズリですが、ツタンカーメンのマスクを彩る顔料として金と共に使われています。これはただの彩色のためだけでないことは当時の人々がラピスラズリの粉末を目の上に魔よけのために塗ったり、指輪やネックレスにして身につけたりしていたことからもわかります。
また、古代ローマ時代にヴィクトリア神殿に祀られていた立方体の黒い石は隕石だったと言われており、イスラム教のメッカの中心の聖石についても、隕石ではないかと言われていました。
他にもアメシスト(紫水晶)は聖職者の指輪に使われるほか、酩酊予防の効果があるとされて古代ギリシアでは酒宴の際に身につけたり、アメシストのグラスでワインを飲んだりしたとされます。
3-3 武器や装飾品としてのパワーストーン
パワーストーンは武器や装飾品などの石器としても使われてきました。
テクタイト(黒曜石)はクオーツ成分の多いマグマが急激に冷やされて結晶化せずに非結晶のガラス質になったものです。そのためテクタイトを割ると鋭い破断面が現れます。
古代の人々は、その破断面に刃の役割を持たせて武器として使ったのですね。日本でも、旧石器時代や縄文時代の遺跡からテクタイト(黒曜石)の石器が発見されていま す。
4 まとめ:地球の営みの中で生まれたパワーストーン
現代の私たちが「美しさに惹かれて」あるいは「願いを叶える」ために身につけている宝石、パワーストーンは古代より人を惹きつけ、魔よけや祈りのために用いられていました。
京都大学理学部を卒業し、東京大学の大学院で地質学を修めた巽好幸さんは「宝石だけでなく、決して美しいとはいえない鉱物も、路傍の石さえも私に話しかけてくる」といいます。 「地球の内部が融けて生まれたマグマ。それが地表で冷えて固まった石や鉱物を調べて、4 6億年の地球の進化を知りたいのだ。だから、石のつぶやきが聞こえるようになってしまった」そんなふうに著書に記しておられます。
私たちには鉱物に対してそれほどの思い入れはありませんが、たくさんの美しいパワーストーンを目にすると必ず「理由もなく」惹かれるものがあるように感じます。パワーストーンについて語るどの専門家も「つながっている石」「ご縁があった石」というように、人とパワーストーンの出会いには必然性があるような表現をしています。きっと私たちひとりひとりが、直感で自分に今必要な石を選んでいるのでしょう。
ここでは代表的なパワーストーンの種類と効果を簡単にご紹介してきましたが、専門家になるのでなければ知識を増やすことにそれほど意味はないように感じました。目的がないニュートラルな気持ちでパワーストーンたちに会いに行き、そのときに気になる石をなんとなく選んでもそれは必然的に出会ったあなたをサポートしてくれるパワーストーンであるはずです。
【参考書籍】
「医師がすすめるパワーストーン」(堀田忠弘・マキノ出版)
「パワーストーンの教科書」(結城モイラ・新星出版社)
「天然石パワーストーン組み合わせバイブル」(豊原匠志・河出書房新社)
「パワーストーン使いこなし辞典」(パワーストーンカウンセラー協会・主婦の友社)
「パワーストーン・石が伝える地球の真実」(巽好幸・幻冬舎)
「誰も書かなかったパワーストーンブック」(塚田真弘・コスモトゥーワン)