あなたは今、何か不調を感じる部分がありますか?もしかするとそれは、鉄分不足が原因かもでしれません。
鉄分は私たちの体が存在するためになくてはならない栄養素です。鉄分が不足すると、人の心身にはさまざまな影響がでてきます。
今回は鉄分不足により私たちに現れる不調と、その対策などについてお伝えしていきます。
目次
1. 鉄分が不足すると、どんな症状が起こる?
1-1. めまいや立ちくらみ
1-2. 吐き気
1-3. むくみ
1-4. 疲れやすくなる
1-5. 疲れが取れない
1-6. やる気が起こらない
1-7. イライラする
1-8. 息が切れる
1-9. 爪が弱くすぐに割れる
1-10. 舌炎・口内炎・口角炎になる
1-11. 肌ツヤや顔色の悪化
1-12. 体温調節ができなくなる
2. 鉄分不足の3つの原因
① 食べ物からの鉄分の摂取不足
② 鉄分の必要量の増加
③ 鉄分の排出量の増加
3. 鉄分不足の対策は食事改善
3-1. 鉄分が豊富な食材は?
● 動物由来の鉄「ヘム鉄」が豊富な食材
● 植物由来の「非ヘム鉄」が豊富な食材
3-2. ビタミンCで吸収率アップ
1. 鉄分が不足すると、どんな症状が起こる?
体内の鉄分が不足すると起こるのが鉄欠乏性貧血です。その具体的な内容や、そのほかに起こりやすい症状をみていきましょう。あなたも次のようなことに心当たりがあれば、鉄分が不足している可能性があります。
1-1. めまいや立ちくらみ
鉄不足による貧血によって、脳に十分な酸素が送られなくなると、めまいや立ちくらみがおこります。ふらふらと宙に浮いているような感覚になることがあれば、鉄分不足の可能性があるといわれています。
1-2. 吐き気
鉄分が不足することにより貧血となり、酸素を必要とする脳が影響を受け、吐き気が起こることがあります。鉄分は全身に酸素を送る役目を果たしている、ヘモグロビンや赤血球の生成に欠かせない栄養素です。そのため、吐き気がする場合は、体内の鉄分が不足している可能性があるのです。
1-3. むくみ
鉄分が不足すると、手足のむくみなどが起こります。これは、鉄分が足りなくなることで、血液のヘモグロビンの生成が滞り、体への酸素の供給量が減ってしまうためです。手足のむくみがある場合は、鉄分の摂取が足りていない可能性があります。
1-4. 疲れやすくなる
少しの運動や動きで、すぐに疲れてしまう症状は、鉄分不足の代表的な症状です。貧血のため体内の酸素が不足すると、筋肉の代謝が低下し、だるさや体のコリなどが起こり、すぐに疲れてしまいます。鉄分を摂取することで、疲れやすさが改善することがあります。
1-5. 疲れが取れない
疲れがなかなか取れない場合も、鉄不足が関係していることがあります。鉄不足により体内の酸素が減ると、疲労物質である乳酸を分解できません。そのため、疲れた体が回復できない状態になっている可能性があります。
1-6. やる気が起こらない
やる気が起こらない日々が続くときも、鉄分の不足が原因の場合があります。体内の鉄分が減少することで酸素が減少し、脳や体の働きが低下します。すると、「なにもやりたくない」「やらなきゃいけないのに体が動かない」などと、行動する力が湧かなくなってしまうのです。
1-7. イライラする
鉄分が不足すると、精神的に不安定になり、イライラすることが多くなります。やる気を高めるノルアドレナリンやドーパミン、感情や気分をコントロールするセロトニンなどの脳内神経伝達物質が作られる際に必要なのが、鉄分であるからです。
1-8. 息が切れる
すぐに息が切れる場合も、鉄不足による可能性があります。鉄不足により血液中の酸素が少なくなると、体がより多くの酸素を全身に送ろうと過剰にエネルギーを消費するため、呼吸が増えたりや心拍が上がったりし、息切れや動悸を感じることがあるのです。
1-9. 爪が弱くすぐに割れる
鉄分が不足すると、爪がデコボコになったり、薄く割れやすくなったりします。また、さじ状爪やスプーン爪と呼ばれる、スプーン状に中央が凹んだまま爪が伸びるのも、鉄不足が原因で起こるといわれています。これは、特に女性によくみられる症状だといいます。
1-10. 舌炎・口内炎・口角炎になる
鉄分が不足し貧血になると、粘膜の炎症の症状が起こることがあります。口の中の粘膜が白っぽくなったり、口角が白っぽくなったりする、舌炎や口内炎、口角炎などの症状は、鉄不足が原因の可能性があります。
1-11. 肌ツヤや顔色の悪化
鉄分が不足すると体内のヘモグロビンの数の減少や色の悪化が起こり、顔色が悪くなります。鉄分は体内で酸素を運ぶヘモグロビンの材料になる栄養素です。鉄分が不足することで、ヘモグロビンの数と色が変化し、血色や肌ツヤが悪い、青白い顔になってしまうのです。
1-12. 体温調節ができなくなる
鉄分不足の一つの症状に、アイスコーヒーやジュースなどに入っている氷をガリガリと噛んで食べてしまう「氷食症」というものがあります。鉄分が足りず、体内の酸素の供給が滞ることで、自律神経に狂いが生じ体温がコントロールできなくなることが原因だと言われています。
2. 鉄分不足の3つの原因
鉄分が不足するのには、主に3つの原因が考えられます。原因を知ることで、対策をしていくことができます。ですので、まずはその原因についてみていきましょう。
① 食べ物からの鉄分の摂取不足
偏食や過度のダイエットなどで食事の栄養が偏ると、鉄分不足が起こりやすくなります。食べ物から鉄分を摂取できないと、体内でヘモグロビンを生成できなくなり、貧血の症状があらわれるようになってしまうのです。
② 鉄分の必要量の増加
人は体の状態によって、鉄分の必要量が変化します。例えば、成長期や女性の妊娠時は、いつもより多くの鉄分が必要となります。そのときに、摂取量が増やせていないと、必要量に対して鉄分が不足し、貧血を起こしてしまいます。
③ 鉄分の排出量の増加
人は、体内から血が排出されると、同時に鉄分も排出されてしまいます。その出血の代表的なものが、女性の月経、子宮筋腫、胃潰瘍、痔などです。それによって血液が体外に排出されてしまうと、鉄分が不足状態になってしまうのです。
3. 鉄分不足の対策は食事改善
鉄分は、人にとってなくてはならない栄養素です。海外には、日常生活で鉄を摂取するよう指導のある国があるのに対し、日本はそれほどいわれることがありません。鉄分不足からの不調は、想像以上に多いといわれています。日頃から鉄分の豊富な食事を摂るようにこころがけましょう。
3-1. 鉄分が豊富な食材は?
鉄分が豊富な食材を意識して摂るようにしましょう。鉄分には大きく分けて「ヘム鉄」「非ヘム鉄」の2種類があります。吸収スピードが速いのは前者ですが、両方とも摂取することでより効果が高まります。その2種類それぞれが多く含まれる食材は次の通りです。
●動物由来の鉄「ヘム鉄」が豊富な食材
牛・豚・まぐろ・レバー・まいわし・カツオ
●植物由来の「非ヘム鉄」が豊富な食材
小松菜、のり、ひじき、納豆、大豆、パセリ
これらの食材を、普段の食事の中で摂取するよう心がけましょう。摂取できない場合は、市販の鉄サプリメントなどで補給する方法でも大丈夫です。
なお、鉄分の過剰摂取は心配しなくてもよいといいます。鉄は十分供給されれば、吸収されなくなるだけだからです。健康のために、鉄分の摂取と同時に、食事全体の栄養バランスもかたよらないように意識していきましょう。
3-2. ビタミンCで吸収率アップ
ビタミンCは、体内に取り込んだ鉄分の吸収率を上げてくれます。せっかく鉄分を摂取するのですから、しっかりと体内に吸収されるよう、ビタミンCも一緒に摂取しましょう。
ビタミンCが多く含まれる食材は、ピーマン、パプリカ、ブロッコリー、豆苗、ゴーヤ、菜の花、オレンジ、キウイ、柿、いちごなどです。
4. 特に女性は気をつけたい鉄不足
女性は月経や妊娠がある分、男性よりも貧血になる可能性がとても高いといいます。実際に20〜40代の女性の約半数は、貧血または貧血の予備軍であるといわれています。
また、妊娠出産時には、母体の組織の肥大と胎児に必要な血液を作るために、より多くの鉄分が必要になります。妊娠後期は、血液量が35〜40%程度増加するため、鉄分の供給が不足し貧血の頻度が高くなるといいます。
そのため、普段の食事や妊娠中の食事で、鉄分の多い食材を摂るのを意識することが重要です。
まとめ
鉄分不足の症状や、原因、対策などについておわかりいただけましたか?
鉄分は、私たちの体必要な酸素の供給のために欠かせない栄養素です。鉄分不足すると、体の状態にさまざまな悪影響が出てきます。
日常生活を元気に気持ちよく生活するためにも、いつもの食事で鉄分を供給できるように心がけていきましょう。