いつも寂しかったり、自己否定で自分を責めてしまったりして苦しんでいませんか?暗いトンネルの中を這うような日々を送っていませんか?
そんなあなたは「自分のインナーチャイルドに問題があるのではないか」と考え、この記事にたどり着いたのかもしれません。
幼い頃からインナーチャイルドが傷ついた状態で成長すると、心の土台が不安定なまま大人になってしまいます。
傷ついたインナーチャイルドを持ったまま生きるということは、心の中に重荷を負ったまま生きるということです。つまり、ただ生きているだけで、人の何倍も精神的にも肉体的にも疲労困憊してしまうのです。
傷ついたインナーチャイルドは、放置していても決して癒えることはありません。もし、インナーチャイルドが傷ついているなら、今すぐ原因を突き止め、癒してあげる必要があります。これから、あなたのインナーチャイルドが傷ついた原因を突き止め、具体的に癒す方法をお伝えします。
目次
1. インナーチャイルドが傷ついている人の特長と原因
1-1 インナーチャイルドが傷つく原因
1-2 インナーチャイルドが傷ついてる人の特長
2. 自分でできるインナーチャイルドの癒し方
2-1 事前準備:インナーチャイルドの見つけ方
2-2 ステップ1: 傷を認め、ショック、悲しみを感じる
2-3 ステップ2: 否認のプロセスを乗り越える
2-4 ステップ3: 怒りを解放する
3. 合わせて実践すると、より効果的な方法
3-1 インナーチャイルドに手紙を書く
3-2 瞑想によりインナーチャイルドに話しかけ、抱きしめる
4. インナーチャイルドを癒した後、新しいあなたへさらなる飛躍へのステップ
4-1 新しいルールに従う
4-2 新しい自分を掘り起こすための3つの行動リストをつくる
まとめ
1.インナーチャイルドが傷ついている人の特長と原因
インナーチャイルドを癒す方法をお伝えする前に、まず、インナーチャイルドが傷つく主な原因とインナーチャイルドが傷ついている人の特徴について紹介します。
もし、当てはまる場合は、ぜひその後のインナーチャイルドを癒す方法を実践することをおすすめします。
1-1 インナーチャイルドが傷つく原因
インナーチャイルドが傷つく原因は、幼少期から思春期にかけて、十分愛情をかけられるべき時に愛されなかったり、本来満たされるべきであった基本欲求が満たされなかった時に起こります。
虐待など深刻なものから、学校でかけられたちょっとした心無い言葉など、様々なことが原因となります。
ここでは、主にインナーチャイルドが傷つくポイントについてご紹介します。
ありのままでいることが許されなかった家庭環境
まず、親が心身ともに子供の世話を十分に出来る状態でなく、子供がありのままの自分でいるために本来必要としている、愛情やケアを十分に与えられなかった場合です。
例えば、親がアルコール依存症であったり、情緒不安定で態度が激変したりする場合、子供はありのままでいることは許されません。
なぜなら、親の機嫌を損ねて見捨てられるようなことになれば、社会的に弱い立場である子供は生きてはいけないからです。
そうして、子供は常に親の顔色を伺って行動したり、子供が本来やらなくてもよい役割を演じさせられたりすることで、本来子供が得るべき欲求が心の奥底に封じ込められしまい、インナーチャイルドが傷ついてしまうのです。
その他にも、100点を取らないと認められない、評価されないなど条件付きでしか認められなかったり、兄弟において、上の子ばかりで下の子はあまり手をかけられなかったりする場合なども承認欲求や愛情が十分に満たされず、インナーチャイルドが傷ついていることがあります。
あなたが幼かった頃、親はあなたに十分に愛情をかけ、世話を出来る状態だったでしょうか?
【原因となる主な例】
親が、アルコール依存症、情緒不安定、アダルトチルドレン、病気、虐待など。 長期にわたる親の不在・死など。
※上記にあげた以外でも、夫婦仲の不和など、機能不全の家庭環境で育った場合はインナーチャイルドが傷つく原因になります。
※虐待を受けたなど深刻なものは、ここでご紹介するワークを行う前に、心理カウンセラーなど専門家の治療を受けることをおすすめします。
学校でのいじめや恥
学校にも多くの原因が潜んでいます。まず一つ目は、いじめです。
いじめの対象にされた場合も、インナーチャイルドは深く傷付きます。
ありのままの自分に対して強烈な否定が入ってしまい、それが自分の価値観の土台として植えつけられたまま大人になってしまいます。
インナーチャイルドが傷つついたまま成長すると、大人になってもうまく社会に適合できず、ひきこもりがちになってしまうケースなどもあると良います。
二つ目は、恥を欠かされることによる傷です。
集団の前で恥をかくという経験は、多かれ少なかれ誰にでもあるのではないでしょうか。
大人になるとどうでもよいことでも、子供の心にとって、大衆の前で恥をかかされた経験は、深く傷付きます
。他人からはみ出ないよう、言いたいことも言えず、泣きたい時にも泣けずにいた経験も、消化不良の感情を生み、インナーチャイルドが傷ついてしまいます。
上記にあげた主なもの以外でも、他人に身体的特徴をからかわれたり、学校や集団生活の場では、インナーチャイルドが傷つく原因が潜んでいます。
【原因となる主な例】
いじめ、恥をかかされた経験、周囲に過度に合わせる行動、からかわれた経験
1-2 インナーチャイルドが傷ついてる人の特長
では、インナーチャイルドが傷ついてしまうと、大人になってどういった弊害が出てくるのか、ここに一例を紹介します。
・自分の価値をお金や地位などに見出す
・人間関係について失望している
・完全な恋人をいつも追いかけている
・感情を爆発させてしまう
・完璧主義、潔癖主義、過度のコントロール欲
・アルコール依存など何かに依存症
・すべてかなしかという極端な考えしかできない
・うつ病
・摂食障害
・子供に自分の理想を押し付ける
・不安感、空虚感を常に持っている
・ひきこもり
・熱狂的な傾向がある(恋愛などにおぼれやすいなど)
すべては、自分に向けられるはずだった愛が欠如し、それを埋めるために出てくる弊害です。
あなたが大人になってから、いくらわがままを聞いてもらっても、他人からの愛情を受けても、あなたの心の土台になっているインナーチャイルドと向き合わない限り、上記の傾向を食い止めることはできません。
「こんなに恵まれているのにどうして?」という状況になっても、心の空虚感は満たされず、心からの満足、幸せは感じられません。
なぜなら、満たされていないのは、今のあなたではなく、幼少期のあなただからです。
それでは、いよいよインナーチャイルドの癒し方を見ていきましょう。
2.自分でできるインナーチャイルドの癒し方
インナーチャイルドを癒すことは、まさに幸せな人生を選択することです。
それでは、早速インナーチャイルドを癒すプロセスをご紹介します。
2-1 事前準備:インナーチャイルドの見つけ方
まずは、自分の幼少期の状態についてできるだけ詳しく調べて、紙に書き出しましょう。
私が傷ついたのはこの経験だな!とすぐに思い当たる場合もありますが、今はもう思い出せない出来事が、傷になっている場合が多々あります。
幼少期の写真を見たり、親にその頃、どのような生活環境だったかを聞き出したりして、できるだけ具体的に、その時の状況を把握しましょう。
そうすることで、あなたの奥底に潜むインナーチャイルドを掘り起こすことができます。
実例の一つに、幼少期にさかのぼりリサーチするにつれ、赤ちゃんの頃、「この子が生まれたせいで、人生が台無しになった」と望まぬ妊娠により出産した親に、罵声を浴びせられいたという記憶を蘇らせた人もいます。
これはとても大切なプロセスですので、できるだけ事細かく、記録するようにしてください。
2-2 ステップ1:傷を認め、ショック、悲しみを感じる
これだなという幼少期を突き止めたら、まずは、その頃の状況を事細かに思い出してください。
あなたはどんな部屋にいるでしょうか。
そこには誰がいますか。
あなたにどんな言葉をかけているでしょうか。
そこで、幼いあなたはどのような感情を抱いているでしょうか。
目を閉じて、じっとその時の状況を思い出し、その時の「感情」を思い出してください。
すると、幼いあなたが、そこで辛い思いや窮屈な思い、我慢をしている姿が目に浮かぶように見えてきます。
それはフラッシュバックのように断片的なものかもしれません。
しかし、ただただそのイメージにとどまり続けてください。
今、あなたは、もう子供でなく大人です。幼い自分を、まるで映写機を通したように、第三者的に見ることができます。
そこで、どんな感情が現在のあなたに湧いてくるでしょうか。
まずは、かわいそう、悲しいという感情が湧いてくるのではないでしょうか。
悲しい、辛いという感情が出てきたら、十分にその感情に浸ってください。
それが癒しの最初のステップです。泣きたければ、自然に気が済むまで涙を流しましょう。それがとても重要な癒しとなります。
もし、あなたが「親が虐待したり、心無い言葉をかけたのは、自分が悪かったからだ」と思ったなら、それは、自己防衛の鎧を身につけてしまっている可能性があります。
子供は本来、十分な愛情をかけられ、ありのままの姿を認められる環境で育つべきです。
まずは、親の理想化をやめ、あなた自身に虐待という事実があったということを認める必要があります。それは、辛いものかもしれませんが、インナーチャイルドを癒すには、どんなにつらくてもまずはその傷と真正面から向き合う必要があります。
ショックな感情が出てきたら、あなたは正常な癒しのプロセスを進んでいるので、そのままその感情と向き合っていてください。
2-3 ステップ2:否認のプロセスを乗り越える
ショックと悲しみを感じた後に来るのが、「否認」というプロセスです。
「そんなに悪くなかった」などと、事実を曖昧にしたり、別の解釈をつけて開き直ったりしようと心が働きかけます。
しかし、ここでも重要なのは、両親や大人が、あなたがあなたであることを禁じたという事実は、最悪の現実であったということを強く認識することです。
開き直ったり、否認せず、ただその時の状況を、向き合い認めましょう。
2-4 ステップ3:怒りを解放する
次に押し寄せるのが、「怒り」という感情です。
これは、精神的な傷に対する反応として、自然と湧き上がってくる感情です。
ここであなたの両親の意図や責任は関係ありません。
あなたの両親自身も、心身が満たされていないアダルトチルドレンだったかもしれません。そこは全く問題ではありません。
大切なのは、あなたに起こった事実にフォーカスすることだけです。
怒りの感情が出たら、安全な場所に吐き出し、解放させましょう。
人に話すのも良いですし、紙に書きだすのも効果的です。
そうすることによって、あなたの消化不全の感情は次第に、解き放たれます。
効果には個人差があり、即座にインナーチャイルドが癒される場合もありますし、時間が必要な場合もあります。
また行きつ戻りつもします。
怒りを消化したと思っても、数日後、また悲しみやショック状態に陥ることもありますので、繰り返し行いましょう。
3.合わせて実践すると、より効果的な方法
上記では、最もベーシックなインナーチャイルドの癒し方をお伝えしましたが、ここでは合わせて実践すると、より効果的な方法を2点ご紹介します。
3-1 インナーチャイルドに手紙を書く
一つ目の方法は、インナーチャイルドに対して、手紙を書くという方法です。
大人のあなたからインナーチャイルドへ
まずは、現在の大人のあなたからインナーチャイルドに、利き手で、手書きの手紙を書きましょう。
インナーチャイルドが、その時本当はかけてもらいたかった言葉を、大人のあなたがかけてあげてください。
長い手紙である必要はなく、インナーチャイルド(幼いあなた)を愛していること、ありのままで素晴らしいこと、あなたがあなたであるだけで私はうれしいことなど、を伝えてあげてください。
また何が欲しいのか、どうしてもらいたいのかを聞いてあげるのも良いでしょう。
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(例1)かなり幼少期の場合
幼い陽子へ
私は、あなたが生まれてきたことをとても喜んでいます。
私はあなたがとても愛おしいし、いつもそばにいてほしいと感じています。
あなたが女の子でよかった。
私は、あなたが幸せに大きくなれるように手伝ってあげたい。
私にとって、あなたがどんなに大事が教えてあげたいです。
大人の陽子より
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(例2)子供の場合
幼い陽子へ
一人ぼっちでとても寂しい思いをしているね。
あなたが本当の自分や感情を表に出せたことはなかったね。
怒ったり、悲しんだりすると、親もがっかりすると思っているよね。
あなたが本当に素晴らしい子供であるということも、あなたが感じていることも本当は誰も知らないんだ。
私は、あなたの未来から来たの。
だから、あなたが今体験したことを誰よりも知っているよ。
そして私はあなたが大好きだよ。
いつも一緒にいたい。
あるがままのあなたでいていいよ。
怒りたい時には怒って、悲しみたい時には、思いっきり悲んでいいんだよ。
だから、いつも一緒に居させて欲しいの。
大人の陽子より
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インナーチャイルドから大人のあなたへ
次に、利き手でない方の手で、インナーチャイルドの声を手紙に書いてください。子供なのであまり長い文ではないはずです。断片的で不完全な文章でもOKです。
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(例1)かなり幼少期の場合
おとなのようこへ
ここにきて。つれってって。だいじにして。
ひとりぼっちはいやだよ。おねがい。
おさないようこより
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(例2)子供の場合
大人の陽子へ
私は40年間ずっと押入れの中にいるの。
今すぐここに来て、私をたすけだして。私はこわい。あなたにここに来て欲しい。
幼い陽子より
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3-2 瞑想によりインナーチャイルドに話しかける
そのほか、瞑想により、インナーチャイルドに直接話しかけるという方法があります。
あなたが一番落ち着く静かな部屋で、リラックスできる椅子に座り、できれば部屋を暗くして、目を閉じて、第二章で行ったように幼い頃の自分を思い出します。
そして、辛い思いをしている幼いあなたに対し、「どうしたの?」と声をかけてあげてください。「何が欲しいのか」についても合わせて聞いてあげてください。
まずは、インナーチャイルドがどのような感情を持っていて、何を欲しているのかをじっくりと聞いてあげてください。
そして、その後、もうあなたがいつもそばにいること、安全であること、あなたはありのままで愛されていることを、自分がしっくりくる言い回しで、相手が安心するように話しかけてあげてください。
インナーチャイルドを優しく抱きしめてあげるイメージです。
最初の方は、あまり問いかけても、なんの反応もなかったり、答えがなかったりしますが、定期的に会いにいくことで、次第に心を開いてもらえるので、是非根気強く向き合ってみてください。
4.インナーチャイルドを癒した後、新しいあなたへさらなる飛躍へのステップ
最後に、ありのままのあなたが、さらにスムーズに人生お次のステップへ進むためのヒントをいくつかお伝えします。
4-1 新しいルールに従う
もうあなたは、インナーチャイルドが癒されたので、新しいルールで自由にありのままの自分で生きることができる状態になりました。
そこで、あなたがありのままの自分でい続けられるためのルールをここにいくつか書いておきますので、是非忘れないように心に留めておいてください。
- ルール1 感じるままに感じて良い。感情について話すことは、良いことであり、必要なことだ。
- ルール2 自分が欲しいものを欲求することは悪いことではなく、必要なことだ。
- ルール3 真実を語ることは重要で、人生の苦痛を和らげる。
- ルール4 いっぱい楽しみ、遊ぶことは、良いことで必要です。
4-2 新しい自分を掘り起こすための3つの行動リストをつくる
今まで、あるべき姿、与えられた役割を演じてきたあなた。
例えば、良い子である必要があった人は、その役から降り、新たな自分を発掘するために、今までやらなかった世界に飛び込んでみましょう。
そのために3つの行動指針を立ててください。
例えば、誰も知り合いがいないワークショップやセミナーに参加する、行ったことのない国に初めての一人旅に行くなどです。
新しい環境に身を置くことで、新たな自分の才能を発見したり、気づきを得たりすることができます。
是非3つ、今まで自分がしてこなかった世界に飛び込む具体的な行動を3つ上げて、実践してみてください。
まとめ
インナーチャイルドを癒すのに必要な時間は人それぞれ異なります。一回のワークで癒される人もいますし、何年もかかる人もいます。
インナーチャイルドを癒すには、根気よく向き合うことが一番大切です。通常行きつ戻りつして、一定期間を経て、やっと癒されます。是非、ここでご紹介した方法を繰り返しおこなってみてください。
また、インナーチャイルドの癒し方に関する本を参考してみたり、専門家に相談してみたりするのも良いでしょう。
カウンセラーや心理セラピストなどでインナーチャイルドセラピーを行っている人もいますので、もし自分だけでは不安だ、傷が深くて手に負えなさそうだという場合は、つらい状態を我慢をせず頼ってみてくださいね。
【参考文献】
『インナーチャイルド―本当のあなたを取り戻す方法』(日本放送出版協会)
『インナーチャイルドと仲直りする方法』(ソフトバンククリエイティブ)