パワーストーンの中でも、もっとも古くからその効果を知られていて、世界中で特別なものとして扱われてきた水晶。水晶は含まれる成分によって色が違い、それぞれに効果も違います。
占い師が大きな丸い水晶の中をのぞいて何かを見ている姿は誰もがイメージできると思います。水晶はそれほど強く不思議なパワーがあるのでしょう。
わたしたちが購入するのはそれほど大きな水晶ではありませんが、十分にパワーが備わっているようですよ。また、水晶のブレスレットを右手と左手どちらにつけたほうが良いのか迷っている方にも、明確な答えとその理由をご用意しています。
さらに、普段わたしたちが扱っているスマートフォンなどの精密機器の製造にも水晶は欠かせないことなど、パワーストーン以外の切り口からも水晶を紹介しますね。
パワーストーンの代表格である水晶の効果について詳しくご紹介していきますので、パワーストーンを購入する際や身につける際にお役立てください。
目次
1 水晶の効果について
1-1 万能のプラス効果
1-2 あらゆる邪気を浄化
1-3 他のパワーストーンとの組み合わせ
1-4 水晶の種類とその効果
1-5 水晶とチャクラの関係
1-6 水晶にまつわる「左右」
2 天然水晶と人工水晶
2-1 天然水晶の見分け方
2-2 水晶の形状による効果の違い
2-3 日本は世界一の人工水晶生産国です
3 鉱物としての水晶
3-1 水晶には強いパワーがある理由
3-2 世界中で産出される水晶
3-3 ハーキマー・ダイヤモンドとは
3-4 トルマリンを含む水晶
4 まとめ: パワーストーンの代表・水晶の効果
1 水晶の効果について
1-1 万能のプラス効果
水晶には万能のプラス効果があります。
・エネルギー(気)を活性化させる
・自信を強める
・落ち着きが増す
・インスピレーションが強まる
・コミュニケーション能力が高まる
・自己表現力が高まり思考や意思を伝えられるようになる
・愛情を信じることができるようになり愛情深い人になる
・知性が高まり気づきや意識の高まりを感じられる
このように「水晶の効果はオールマイティ」と言われると「なんだか嘘っぽい」と感じる方もいるかもしれません。なぜこれほど様々な効果があると言われているかというと、水晶は「その人の本質を輝かせる」効果があるからです。
水晶を持つ人の本質となる良い面をさらに強めてくれるため、人によってその効果が違ってくるというわけです。
1-2 あらゆる邪気を浄化
水晶にはあらゆる邪気を浄化する力があります。
・他人から向けられる嫉妬など
・自分自身のなまけ心など
・日常的に感じるストレス
・悪霊やマイナスエネルギーなど
・知らずに抱いてしまう罪悪感
こうしたあらゆる「邪気」を浄化してエネルギーバランスを整えてくれるのが水晶です。
1-3 他のパワーストーンとの組み合わせ
水晶はどのパワーストーンとの相性が良いため、組み合わせに悩まずにすみます。
また、相性があまり良くないパワーストーンどうしの間に入ってつなぐということもしてくれます。これは、強く純粋なパワーを持つ水晶だからできることです。
ブレスレットなどのアクセサリーをつくるとき、組み合わせに自信がなかったら無色透明の水晶を入れることですべてのパワーストーンが活きるようになりますよ。
1-4 水晶の「呼び名」「種類」とその効果
水晶の呼び名
・水晶
・ロッククリスタル
・クリスタル
・クオーツ
・石英(せきえい)
・結晶(けっしょう)
・水玉(すいぎょく)
・水精(すいしょう)
水晶の種類とその効果
クリアクオーツ(水晶)
透明でガラス光沢のある水晶は、安らぎをもたらし、オーラを強化する石です。全チャクラの調和、オーラの調整をおこなうオールマイティな働きをします。
スモーキークオーツ(煙水晶)
スモーキーブラウンから黒褐色の水晶は、ストレスを鎮め、安定をもたらす石です。全チャクラを安定させ、エネルギーを集中させます。ストレスを鎮めて穏やかにグラウンディングングさせます。ネガティブなエネルギーを除去します。
シトリン(黄水晶)
金褐色からオレンジブラウンの水晶は、太陽のような温かいパワーをもたらします。全チャクラを活性化し、肉体とその機能を司ります。濃い色の黄水晶は人生の霊的な側面を司り、強力な浄化作用があります。すべてのプロセスを自然な状態に維持します。
アメシスト(紫水晶)
紫色でガラス光沢のある水晶は、肉体、魂、精神を調和に導くヒーラーの役目を果たします。全チャクラの霊性の調整をおこないます。セルフコントロールを促し、感情を鎮静化させ安定をもたらします。
ローズクオーツ(紅水晶)
ピンク色でガラス光沢のある水晶は、無条件の愛と信頼を引き寄せます。全チャクラを癒し、美に対する正しい認識を育て、愛と友情を呼び覚まします。感情面のストレスを素早く開放し、問題の背後に隠された原因を明らかにします。
1-5 水晶とチャクラの関係
水晶はパワーストーンの中で唯一、すべてのチャクラに働きかける効果があります。パワーストーンはそれぞれに対応するチャクラがありますが、水晶はどのチャクラに対しても影響するほどパワーが強いといえるでしょう。
水晶を手にもって瞑想すると、それぞれのチャクラにエネルギーを注入することができます。瞑想の習慣がなかったり忙しくて特別な行動が取れない人は、お風呂に水晶のさざれ石を入れたり(ネットや布袋に入れます)、眠るときに枕元に水晶を置いたりすると良いでしょう。
チャクラについて、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
1-6 水晶にまつわる「右・左」
水晶のブレスレットは右手につける?左手につける?
古くからエネルギーは左手から入って(吸収)右手から出ていく(放出)と言われています。
ですので、水晶に限らずパワーストーンのエネルギーを自分の中に取り入れたいとき、疲れていてエネルギーをチャージしたいと感じているときには、ブレスレットを左手にすると良いでしょう。
また、パワーストーンの力を借りて自分から放出するオーラを強めたいときは右手にすると良いですよ。仕事の商談やデートなど、勝負のときにはブレスレットを右手につけかえると良い結果になります。
水晶には「右巻き」「左巻き」があります
自然に結晶した天然水晶には、左巻きと右巻きがあります。
水晶は世界中の土にある二酸化ケイ素でできているもっともありふれた鉱物といえるのですが、鉱物の中に結晶の仕方が右巻きと左巻きに分かれているものはほとんどありません。見分けるためには結晶の構造を見るか、水晶に透過させた光を変光板で見る必要があります。
右巻きの水晶は毒素や悪気を放出するデトックス効果があり、左巻きの水晶は安定をもたらして良いエネルギーを取り入れる効果があります。
ちなみに人口水晶が量産されるようになった時、製造する各社で話し合い「右巻き」に結晶させるように決めたのだそうです。右巻きの水晶の中に左巻きが混じっていると、製品の性能に異常が出てしまうためどちらかに統一する必要があったのです。
2 天然水晶と人工水晶
2-1 天然水晶の見分け方
天然水晶か人工水晶かを見分けるのは、形成する前の結晶の状態であれば可能ですが、球体などに形成してしまうと簡単には見分けがつきません。
天然水晶の結晶は六角柱状をしていますが、人口の水晶は工業製品として扱いやすいように板状や四角柱状になっています。こうした結晶の状態なら素人にでも見分けがつきます。
球体に形成されている天然水晶を見分ける方法として、天然水晶の場合、髪の毛のような細い線を、水晶を通して見たときに「ダブリング」という線が二重に見える現象が起きるといわれています。また、球体の天然水晶にモノを移すと天地が逆さまになるという説もあるようです。
しかし鉱物化学研究所を設立した堀秀通さんによると、これらはどちらもあてにならないようです。唯一判別できるのが「赤外線吸収スペクトル測定」なのだとか。
人工水晶は大量生産されていますが、ハイグレードの人工水晶なら数値的には天然水晶と差異がないのだそうです。人工水晶も結晶させてつくっていますので、「ダブリング」は起こり得ます。
水晶の場合、ダイヤモンドやルビーのように高価ではないため、本物か偽物かを検査する費用の方がかかってしまいます。そのため、人工物も含めてパワーストーンとして販売されているというのが現状です。
2-2 水晶の形態とその使い方・効果
鉱物標本
母岩に付着したままの状態、または発見されたまま手を加えられていない状態の水晶です。標本として学術的に研究される他、インテリアとしても用いられます。置かれた場のエネルギーをポジティブな状態に保ち、他のパワーストーンの浄化用としても役立ちます。
クラスター(群晶)
複数の水晶の結晶が集まっているものです。主にインテリア、浄化用として用いられます。鉱物標本同様強いパワーがあるので、空間の浄化だけでなく他のパワーストーンを浄化することができます。
単結晶
母岩から切り離された水晶の結晶です。ポイントとも呼ばれます。根元は母岩から切り離されたままのゴツゴツした状態のものが多いです。主にお守りやヒーリングなどに用いられます。
タンブル
小石のように丸くなっている状態の水晶です。磨かれているため色も鮮やかで美しい状態です。主にヒーリングに用いられます。身体の上に置くなどしてつかいます。占いなどでも用いられます。
加工されたクリスタル
塊から切り出され、いろいろな形に加工されたもの。きれいに磨かれて球体やビーズ状などに加工されています。パワーストーンのお店の取り扱いでもっとも多いのがこうした加工された水晶です。
2-3 日本は世界一の人工水晶生産国
あまり知られてはいませんが、日本は世界一の人工水晶生産国です。次いで中国、ロシアの順で4位のアメリカは一ケタ少ない生産量となります。生産率が低下しているロシア、生産の技術レベルの低い中国と比べると日本の水晶生産技術は世界をリードしているといえるのだそうです。
水晶は一定の波動を持つきわめて規則正しい物質です。そのため現代ではほとんどのデジタル機器に水晶が使われています。もしも今、世の中にある水晶がすべてメタミクト状態(非品質の状態)になったとすると、自動車は止まり、時計は動かず、携帯やスマートフォンを含むすべての通信機能は失われ、電波を使ったテレビやラジオも不能となります。
水晶の二酸化ケイ素は世界中にある豊富な鉱物ですが、結晶した水晶を採取することができる日本の水晶鉱山はすべて閉山されています。世界一の水晶産地であったブラジルも、第二次大戦中の乱獲のために今ではあまり良質の水晶は産出されなくなっています。
人工といっても二酸化ケイ素を結晶させていますので、「オートクレーブ」という圧力のかかった容器の中で数十日から100日を超える時間をかけてつくられています。パワーストーンとしての効果も天然の水晶と違いはないので安心してくださいね。
3 鉱物としての水晶
3-1 水晶には強いパワーがある理由
水晶は地中の二酸化ケイ素が結晶したものです。二酸化ケイ素は地球上のほとんどの土壌に含まれている、珍しくないものです。
しかしその二酸化ケイ素が自然に結晶するには一定の条件や時間を必要とします。つまり、地球のどこにでもある二酸化ケイ素ですが、美しく透明な水晶に結晶するためには様々な偶然が重なったからだといえるでしょう。
たとえば日本名「紅水晶」として知られる「ローズクオーツ」ですが、天然のローズクオーツの産出は非常に珍しく、ほとんどブラジル産に限られていて量も少なく、大型の結晶は見られません。
一方、「紅石英」は日本にもあり、マダガスカルでは大量に産出するため珍しいものではありません。「紅石英」の色の原因はほとんどの場合チタンの鉱物ルチルが混じっていることで、他にジュモチエル石の混入が原因の場合もあります。
一方、産出量が少ないブラジルの珍品である「紅水晶」の色の原因はなかなか解明されなかったのだそうです。後にロシアの研究室でわかったのですが、紅水晶の着色原因は「燐(P)」の混入でした。ブラジルのペグマタイト産地では燐酸塩鉱物の産出が多いのが特色なので、元来鉱物学者で「水晶合成の大家」と呼ばれるロシアのバリツキー教授は燐に着目して研究を進めたのだとか。
このように、大地の成分がたまたま混合されながら美しい結晶となった水晶ですから、そこには大地のパワーが凝縮されているのですね。
3-2 世界中で産出される水晶
水晶はある一定の産地に偏って産出されるのではなく、世界中のあらゆるところで産出されます。世界中の土壌に含まれる二酸化ケイ素が結晶したものが水晶ですから、条件さえ整えば世界中のどこでも水晶ができるというわけです。
「アメシスト(紫水晶)」「シトリン(黄水晶)」「ローズクオーツ(紅水晶)」を代表とする色のついた水晶は、天然ものであれば産出したその土地にある他の鉱物が混じることで美しく発色します。
しかし水晶は様々な工業製品にも活用されて需要が多いため、人工水晶が多くつくられています。比較的簡単に高品質の水晶が量産できるため、ローズクオーツのような本来の天然石でいう珍品はほとんどが人工着色された人工水晶といえます。
3-3 ハーキマー・ダイヤモンドとは
ハーキマー・ダイヤモンドとは「ダイヤより美しい」ともいわれる水晶です。
私たち日本人はニューヨークというと、高層ビルが立ち並ぶ都会をイメージしますよね。そのニューヨークのマンハッタン島は巨大な一枚岩なのだそうで、水晶も産出されます。
そのマンハッタン島よりずっと北、ニューヨーク州内の一角に「ハーキマー」という土地があり、そこで産出される美しい水晶が「ハーキマー水晶」とも呼ばれる「ハーキマー・ダイヤモンド」です。
ハーキマーの苦灰岩(くかいがん・ドロマイト)と呼ばれる灰色の岩石には大小の空孔があり、その中でハーキマー水晶は結晶していきます。
ダイヤモンドの原石とハーキマー水晶を並べておくと、普通の人は水晶の方をダイヤモンドと判別するということです。人の手によってカットされ美しく輝くダイヤモンドと、自然の結晶ですでに美しい水晶の違いがよくわかりますね。
3-4 トルマリンを含む水晶
トルマリンを含むクリスタルを「トルマリン・イン・クオーツ」と呼び、そのトルマリンが多数含有されるものを「トルマライズド・クオーツ」と呼びます。
トルマリン(電気石)には多彩な色合いがあり、色によってそれぞれ別の名前がつけられています。
トルマリンの種類
・アクローアイト(無色)
・ルーベライト(赤・ピンク色)
・シベライト(赤紫色)
・インディゴライト(青色)
・トラバイト(褐色または黄色)
・ショール(黒色)
・バライバ(ネオンブルー・ネオングリーン)
・バイカラー(ふたつの色が混在)
・パーティカラー(3つ以上の色が混在)
・ウォーターメロン(赤・ピンク+緑色・バイカラーの一種)
4 まとめ: パワーストーンの代表・水晶の効果
パワーストーンの代表格といわれる水晶の効果については、あらゆる分野でオールマイティにマイナスエネルギーを浄化し、そのときに必要なパワーをチャージできるということがわかりました。
「何にでも効く」といわれるとかえってその効果を疑ってしまいますが、水晶の場合は「その人の本質を輝かせる」ということですから、ひとりひとりに対して現れる効果は違うということなのですね。
今回の記事を書くにあたって、いわゆるスピリチュアル的な「パワーストーン」だけでなく「水晶」という鉱物に対して工業製品の素材としてもかなり本格的に調べました。なぜなら、「天然水晶と人工水晶」についてネットでパワーストーンを販売している業者ですらずいぶんといい加減なことを書いているように思えたからです。
たとえば、あるパワーストーン販売業者のサイトでは「水晶は世界中で大量に産出されるので、出回っているものはたいていが天然と考えて良い」としていますが、実際はそんなことはなく恋愛のパワーストーンとして人気の「ローズクオーツ」は鉱物ファンにとってはあこがれの珍品です。
しかも、天然か人工品かを判別するには費用がかかるためほとんどの水晶は天然か人工かを記載せずに販売されているということでした。
また、腕時計や携帯電話、スマートフォンといった精密機械に水晶が使われていて、私たちが普通に生活していれば、パワーストーンに興味のある人もない人も、知らずに水晶を身につけているのだということも興味深いことでした。
工業製品、しかも精密機器の素材にもなるような安定した石、水晶はそれが天然か人工かにかかわらず私たちをより良い方向へ向かわせてくれているのだと感じます。母岩の穴の中で、低温で結晶したハーキマー・ダイヤモンドの美しさが、ダイヤモンドのようにカットされて生まれる美しさとは違うということにも、自然のパワーを感じました。
この記事でパワーストーンの代表格「水晶」の魅力をお伝えできたら嬉しいです。
【参考書籍】
「水晶の本」堀秀通 (草思社)
「あなたを守り幸せにする水晶の本」松下仁美(アルマット)
「パワーストーンの教科書」結城モイラ (新星出版社)
「天然石パワーストーン組み合わせバイブル」豊原匠志 (河出書房新社)
「パワーストーン使いこなし辞典」パワーストーンカウンセラー協会(主婦の友社)
「パワーストーン・石が伝える地球の真実」巽好幸 (幻冬舎)
「誰も書かなかったパワーストーンブック」塚田真弘 (コスモトゥーワン)