風水というと「西に黄色で金運アップ」のように方位と色を使って運気アップを図る印象があるかと思います。
女性の場合、小さな子供の頃からこうした「おまじない」的なことが大好きという人が大半ですよね。
例えば小学生時代、好きな人の名前を消しゴムに緑色のペンで書いてケースに戻し、誰にも気付かれないまま使い切ったら好きな人と結ばれる、というようなおまじないにみんなで夢中になったことを思い出します。
そうした「おまじない」を子供の頃から楽しんできた家庭の主婦が、大人になってから工夫できる住居のインテリアで色を使って開運できるという楽しさで、風水が流行したのでしょうね。
風水では方位と相性の良い色やその年のラッキーカラーというように、色を用いた行動が用いられます。これらの色は、風水師が「陰陽バランス」や「五行思想」の考え方などから導き出したものですので、風水師によって違いがあります。
※「陰陽バランス」「五行思想」など風水の考え方については2章をご覧ください
理屈で物事を判断する男性や理系女子の中には「西に黄色いモノを置いただけで金運がアップするわけがない」と考える人もいるでしょう。ましてや、風水師によって違う色を「ラッキーカラー」として示していれば、ますます信憑性はなくなりそうです。
そこで、色という光が人に対してどのような影響を与えるかについて、一般的に言われていることが医学的にどの程度理解されているのかという、少々難しいお話もコラムでご紹介しようと思います。
風水で用いられる色の効果は、臨床心理学や医学で解明されているものととても似ている部分があるので興味深いですよ。
風水に興味がある方はさらに楽しめると思いますし、風水って本当に効果があるのかなと考えている方も、きっと風水を始めたくなると思います。
方位別のラッキーカラーの使い方、その色が風水ではどのような考え方で導き出されているのかを知ることで、望みの目的別風水カラーの使い方を理解できるはずです。そして、色という「光」の医学について知ることで色の効果を実感すればきっと、色を扱うことで望みを引き寄せることに対してワクワクしてきますよ!
目次
1. 方位別カラー風水
2. 風水における色の役割とは
3. 目的別開運カラーの使い方
4. 持ち物の色選びで開運するなら
5. まとめ:風水の基本と色使いをマスターして望みを引き寄せよう
1. 方位別カラー風水
風水には、方位と相性の良い色があるとされています。
風水師の先生によって若干色は違うのですが、それは五行の読み取り方や陰陽バランスの考え方の違いですので、どちらの先生が示した色でも効果はあるといえます。その際は、自分が信じている風水師の先生が示した色でも、自分が色として好きな色でも大丈夫です。
なぜなら「この方位にこの色を使えば開運!」と自分が思うことが大切だからです。
色を使った開運風水はインテリア好きもそうでない人も楽しめますよ!!
1-1. 方位別のラッキーカラー
方位別のラッキーカラーは、導入でお話ししたように風水師によって導き出す色が違います。
例えば、このように方位と相性の良い色が示されていますが、色はまったく違うこともあります。
引用元:http://know-space.net/wp-content/themes/web/img/292.png
引用元:https://encrypted-tbn2.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcQr4emXQVLEpYqg0-iGsD7RPz4i_WZqbTxNA6Z9jzHJkhCCY6P3rw
風水における色の役割と、どのような背景で導き出されているかは2章で説明していますので興味のある方はご一読くださいね。
風水で色を使うとき、自分が好きだなと思う風水師の先生が示す色を選んでも良いですし、単純にこうしたチャートをいくつか見て、自分が好きな色を選んでも良いですよ。
なぜなら、風水は楽しんで実践して「これで開運できる」と思う気持ちが実際に良いことを引き寄せるという仕組みだからです。自分が「この方位にはこの色!」というようにピンときたものがもっとも効果があると言えます。
1-2. 方位別ラッキーカラーの使い方
方位別のラッキーカラーは主に自分が住む家のインテリアに使います。
例えば、ソファを購入する際、家の中心から見て西の方位に置くとしたら、金運をアップしたいなら黄色、無駄遣いを抑えたいなら青。ソファを置く場所が東なら、活発な気を呼び込む赤や青の原色といったように、望みに合わせて色を決めていきます。
なぜ望みが叶ったり開運したりするのかというと、風水でいう「方位と相性の良い色」というのは「その方位にその色を使うことでバランスが取れて気の状態が整う」のが理由です。
例えば陰の気が強い北側には、温かさをイメージさせて陽の気を持つ暖色系を用いることで気のバランスが整うということ。
陰陽だけではなく、五行思想や環境学などの面から見てその方位のラッキーカラーを風水師が判断しますので、風水師によって若干ラッキーカラーの色は違いますが、大きく違うことはないようです。
日本で風水のラッキーカラーが一般的になったのは、風水師のDr.コパ氏が「金運をアップしたいなら西に黄色」というフレーズを広めたことからです。
方位別にしても、その年のラッキーカラーにしても、風水師によって選ぶ色は違うと言いましたよね。それを「インチキでは?」と捉えてしまうか、「私は○○先生のカラーでやってみよう」と試してみるかはあなた次第です。
40代後半のMさんの体験談
これまで20年以上風水を実践してきた私は、「引き寄せの法則」を知ったときに「風水で運気がアップすることとつながっている」と感じました。
風水で運気をアップしたいときには、「最近健康に不安があるから健康運をアップしよう」「子どもの教育にお金がかかるようになるから金運をアップしておこう」といったように、現実的な自分の今の生活と、自分が望むことに目を向けることになります。
すると、風水的に良いとされる行為である片付けや掃除をする度に、また、自分が飾ったラッキーカラーのものを見る度に、その願いを意識していることに気付きます。
忙しいときは意識していることにすら気付いていないけれど、風水は毎日することなので無意識でも潜在意識には働きかけてくれるのだと思います。
そうした状態が望むことを「引き寄せる」のではないかと感じたのです。
だとしたら、風水師がどんな色をラッキーカラーだと判断したとしても関係なく、自分の潜在意識に働きかけてくれれば良いわけなので、私はこれからも今まで実行してきた風水を中心に他の風水師のラッキーカラーも取り入れて、楽しみながら「引き寄せの法則」につながる風水をしていこうと思います。
いろいろな風水師が違ったラッキーカラーを発表することを私は良いことだと思っています。同じ方位でも、同じ年でも、ラッキーカラーが多ければ自分が好きな色を選べますしね!!
【コラム】住居の方位を正確に計るには
住居の方位を正確に計るなら、こちらのコラムをご覧ください。
2. 風水における色の役割とは
風水では「開運カラー」「ラッキーカラー」という言葉がよく使われます。
しかし、風水師によって同じ方位でも違う色を「ラッキーカラー」としていることや、年ごとに発表されるその年のラッキーカラーも風水師によって違うことも知られていて、そのことが風水の信憑性を低くしているようにも思えます。
なぜそのようなことが起こるのかというと、中国風水の基本を元に今日本で広まっている風水ができあがっているのですが、これから紹介するように考え方の基本がいくつかあるため、その読み取り方や何を重要視するかでラッキーカラーが違ってくるからです。
風水で使われる色の役割は、このような考え方を元に決まってきたようですよ。
2-1. 陰陽のバランスについて
中国風水ではすべてのものは「陰」と「陽」の気を持つと考えます。
どういうことかといいますと、中国風水では宇宙の始まりはカオス(混沌)の状態としていて、これを「太極(たいきょく)」と呼びます。この太極から「陰」と「陽」のふたつのエネルギーに分かれ、すべてのものが生まれたと考えるため、すべてのものに「陰」か「陽」の気があるとするのが中国風水ということです。
色でいえば暖色系は「陽」寒色系は「陰」となり、色によって方位の陰陽や物の陰陽とバランスを取ることで気を安定させるという考え方があります。
すべての物が「陰」「陽」の気を持っていますが、はっきりとふたつに分けられるわけではありません。例えば、夏は「陽」冬は「陰」ですが、春や秋もあり、これらは「陰を含む陽」などとしてさらに分かれます。
つまり、「陽の陽」「陽の陰」「陰の陽」「陰の陰」という4つに分けられ、これを「四象(ししょう)」と呼びます。そしてそれをさらに陰陽に分けたものを「八卦(はっけ)」と呼び、方位で言う八方位に当てはめられます。
風水では各方位と相性の良い色があるというのは、この方位の陰陽とバランスを取るためです。
2-2. 五行思想について
五行思想といって、すべてのものを「木・火・土・金・水」の5つの気に分ける考え方があり、こちらも中国風水からの考え方のベースになっています。
五行は身体や五感にも関係していて、中国学問と言われる漢方や鍼灸もこの考え方がベースとなっています。
色との関係は、「木」は「青」、「火」は「赤」、「土」は「黄」、「金」は「白」、「水」は「黒」となっています。
五行思想が八卦と違うところは、お互いに関係し合っていること。お互いを活かすことを「相性(そうじょう)」といい、お互いを殺し合うことを「相剋(そうこく)」といいます。
○「相性」
「木は擦れると火になる」「火は燃え尽きると土になる」「土から金が生まれる」「金(金属)を冷やすと水(露)ができる」「水は木を育てる」という循環
○「相剋」
「木は土の養分を奪う」「土は水を吸収する」「水は火を消す」「火は熱で金を溶かす」「金(斧)は木を切り倒すことができる」という対立
このような「相性」「相剋」の関係性を先ほどの色もお互いに持っていると考えて風水に活かします。
2-3. 環境学について
「陰陽」の考え方や「五行思想」といった中国風水の基本から、住まいの間取りやインテリアを環境学として捉えているのが今日本で言われるところの「風水」となります。
「風水」に「風」の字が使われているように、「気」つまりエネルギーは風のように流れていると考え、家の中へ良い気(エネルギー)を取りこむこと、悪い気(エネルギー)を浄化したり追い出したりすることを中心にして開運していくのが「風水」です。
色との関係は、前述の「陰陽」「五行思想」のどちらの考え方も取り入れています。陰陽のバランスを取るために色を使うこともあれば、五行思想においてバランスを取るために色を使うこともあります。
風水師によって方位やその年のラッキーカラーが違うというのも、こうした風水の基礎からの読み取り方の違いと言えるでしょう。
2-4. 九星について
九星というのは、生まれた年によって割り出される、9つの星のことです。
それは古代中国の「洛書(らくしょ)」という図柄にある星で、「一白(いっぱく)」「二黒(じこく)」「三碧(さんぺき)」「四緑(しろく)」「五黄(ごおう)」「六白(ろっぱく)」「七赤(しちせき)」「八白(はっぱく)」「九紫(きゅうし)」と、数字と色を組み合わせた名前で呼ばれています。
一般的にはこの九星に五行思想を組み合わせたものが風水では用いられ、「一白水星」「二黒土星」「三碧木星」「四緑木星」「五黄土星」「六白金星」「七赤金星」「八白土星」「九紫火星」の9つの星となります。
九星と色との関係
「一白水星」(ウォープ) 黒・白
「二黒土星」(テクニー) 黄・黒
「三碧木星」(ェスカル) 赤・青
「四緑木星」(フォーリー) 緑・黄
「五黄土星」(ドラゴ) 黄
「六白金星」(ネッガー) 白・水色
「七赤金星」(クリスティー)白・赤
「八白土星」(モーリー) 茶・黄
「九紫火星」(ファープ) 赤・紫
このように九星にもそれぞれ相性の良い色があり、生まれ年に合わせて使います。生まれ年が違うと同じ方位でもラッキーカラーが違ってくるということがあるのはこうした理由です。
3. 目的別開運カラーの使い方
風水では色を使って自分が開運したいこと、叶えたいことを呼び込みます。色には風水的な意味があり、それを理解することで目的に応じて色を活用できるようになります。
風水の色とその意味のほとんどは、色の見た目のイメージと同じですから覚えやすいと思います。
3-1. 金運アップしたいなら
金運をアップしたいなら「ゴールド」「黄色」「白」と覚えておきましょう。
また、ギャンブルのようにここ一番という瞬発力が必要なときは「赤」、無駄な出費を抑えるという意味では「青」も役立ちます。
金運アップに効果のある色は、その見た目通り「お金」「金(純金)」をイメージさせる色ですね。白はもっとも純潔で高貴な色なので金運アップには効果があります。
Dr.コパ氏の風水で有名になった「西に黄色」は、住んでいる家や部屋の西側に黄色いものを置く、飾ることで金運をアップさせるという開運法です。
なぜ西に黄色で金運がアップするかというと、ふたつの意味があります。
そのひとつは、2章で説明した「五行思想」において、「金」に対応する方位が「西」であること。ふたつ目は、古代中国で都の西側に砂金が取れる山脈があり、黄河が氾濫するとその山脈から流れた土で肥沃な農地ができあがったということです。
日本の風水も中国風水を基本にしているため、「西に黄色」ということになったのですね。
3-2. 恋愛運アップしたいなら
恋愛運をアップしたいなら、「ピンク」「白」「淡いピンク」「シャーベットオレンジ」などの優しい暖色系が役立ちます。
なぜピンク系の色が恋愛運に効くのかというと、風水では良縁は東南からやってくると言われており、東南と相性の良い色のピンク系が良縁を引き寄せるからです。
臨床心理学では、ピンク色は女性ホルモンの分泌を促すと言われていますが、風水でのピンク色も同様に、目にすることで女性らしい行動やしぐさ、優しさなどを引き出すのではないでしょうか。
それが結果的に「恋愛運」をアップさせるのだと思います。
色という光の医学的な考え方は後にコラムでご紹介しますので興味のある方はご一読くださいね。
3-3. 仕事運アップしたいなら
仕事運をアップしたいときは、「濃紺」「青」などブルー系の落ちついた色を使います。プレゼンなど勝負の日には「シルバー」も効果があります。
使い方としては、住んでいる家の方位を正確に計ってあるなら仕事運に関係する方位である「北西」や「東」にブルー系のものを置いたり飾ったりします。
性格に方位を割り出していないなら、デスクまわりの小物や持ち歩く手帳などを濃紺や青など自分の好きなブルー系の色にしてみましょう。ここ一番という勝負の日には、ネクタイや持ち物にシルバーを取り入れてみてください。
風水でいうラッキーカラーは、人に与えるイメージどおりのものが多いのですが、仕事運に関してはとくにそうですね。濃紺、青などのブルー系は知的で仕事ができる印象がありますし、シルバーも頭の切れる賢い人というイメージですよね。
仕事ができる人の雰囲気を、色で取り入れることでの自己暗示効果もあって仕事運をアップすることができるということのようです。
3-4. 健康運アップしたいなら
風水で健康運をアップさせたいときは、緑色や黄緑色といった森や植物をイメージした色や、ベージュ、アイボリー、茶色といったアースカラーをよく用います。
こうした自然にまつわる色が風水で健康運を上げると言われる理由は、やはり人間は自然のパワーを得ることで健康になることができるからでしょう。森林や海などの自然を目の前にすると誰もが良い気分になることからも、人間の身体が自然を求めていることがわかります。
方位でいうとDr.コパ氏は東を健康にまつわる方位と示されていて、李家幽竹氏は南西が健康にまつわる方位と示されています。
自宅の方位を正確に計っているなら、東や南西に観葉植物などのグリーンを置いたり、その方位の窓のカーテンを緑色にしたりすることで健康運をアップすることができます。
4. 持ち物の色選びで開運するなら
家の方位を正確に計っていなくても、風水の色の効果を実感することができる方法が、持ち物の色を選ぶことです。
普段よく使う持ち物を選ぶとき、風水的に目的に適った色にすることで開運できますよ。
4-1. 手帳や携帯電話
手帳や携帯電話の色を選ぶことで人間関係を良くしたり仕事運をアップさせたりすることができます。
今の人間関係に満足していて、仕事運を安定させたいのなら手帳や携帯電話を黄色にします。黄色は五行では「土」の気を持ち、安定を表すからです。
しかし黄色は「浮ついた」「軽い」「嘘つき」という印象で西洋ではあまり良い印象を持たれないそうです。そうしたことが気になるなら、茶系のオレンジや茶色、山吹色などでも同じ効果ですからお好みの色合いを選んでくださいね。
今よりもっと人間関係を良くして仕事運をアップさせたい場合は、五行で仕事運を司る「木」を表す色、青やグリーンにします。「木」が持つ気は発展運、勉強運も良くするので仕事や勉強の面で発展が見られるでしょう。
人からの信頼を得て仕事運をアップさせたいなら、手帳や携帯電話は黒が最適です。黒は五行では「水」を表し、信頼を得ることができる色とされています。色彩心理学でも同様の効果が認められるため、大人の男性なら無難だからということではなく、自主的に黒を選んで開運効果を実感して欲しいと思います。
4-2. バッグ
Dr.コパ氏は「かばんは幸福の容れ物」と言って大きなバッグを勧めています。そのバッグの色選びでどのような幸福がバッグに入ってくるか選ぶことができます。
恋愛運アップならもちろんピンクです。邪気を祓うことのできる白はダメな男を寄せ付けないという働きもあるので白×ピンクのバッグは良いでしょう。
仕事運を上げたければ五行で「木」を表すグリーンやブルーのバッグを。グリーンやブルーといった寒色系は、色彩心理学でも知性をイメージさせる色と言えますから風水効果だけでなく印象も良くなります。
金運をアップしたければ、「白」「黄色」「オレンジ」「山吹色」「茶色」のバッグを。五行で白は「金」が示す色ですから、確実に金運がアップします。バッグの「白」は汚れやすいので敬遠したい人は他の色にしましょう。黄色やオレンジは「土」を示し、蓄えるという働きがありますから入ってきたお金を蓄えることができますよ。
4-3. 財布
普段持ち歩くお財布の色でも風水的に開運できます。お財布はいくつかを使い分けることも風水では良いとされますから、その日大切なことがある日は色を選んでお財布を使い分けるのも良いですよ。
○黒
黒は格が高く、信頼を得ることができる色です。安定の意味もあるので今の状況に満足していてその状態を維持したいという人に向いています。
○茶色・茶系の黄色・オレンジ・ベージュ
土を表すこれらの色の財布は、富を蓄えたい人に向いています。地に足が付いた行動を取れるようになり、無駄な出費が減るでしょう。
○ピンク・パープル
ピンク色の財布は女性向きで、他の人に守ってもらえる、養ってもらえる財布となります。パープルはパステル系ならピンクに近い「棚ぼた財布」となりますが、深い紫色は高貴な色とされますので出世運のように人に認めてもらえる運をアップさせます。
○白
白の財布はこれまでの流れをすっかり変えてしまいたいときにうってつけです。職場が変わった、引っ越しをしたなどの出来事をきっかけに運気アップしたいときには財布の色も白にしてみましょう。
【コラム】医学から見る色の意味と風水
色というのは科学的に見ると「光」が当たることで人間の視覚が捉えることができるようになる可視域のスペクトル(光の波長)のことです。
ニュートンがプリズムを通した太陽光が虹の色に分かれることを発見し、この可視域をスペクトルと名付けたのですが、今では目に見えない赤外線、紫外線などにも用いられています。
この光スペクトルは人間の視床下部に届きます。視床下部は神経系、内分泌系を統制し、人間の生物学的な機能全般の調節に影響を与えます。
視床下部は光に関する情報をモニターして松果体に送ります。
今日、松果体は人間の機能のあらゆる面で大きな役割を担っていることが認められています。生殖機能、成長、体温、血圧、筋肉運動、睡眠、腫瘍の成長、気分、免疫系に与える影響が実証されているほか、長寿の因子でもあることがわかってきています。松果体は視床下部からのメッセージを受け取ってホルモンを分泌する時期を調節する調節者として働きます。
かなり以前から臨床学的に、「黄疸の赤ちゃんに青い光を照射することで治療できる」「偏頭痛の患者には赤い光を見せることで痛みが緩和する」ことがわかっていて治療に使われてきましたが、その仕組みがわかってきているのです。
近年、こうした仕組みを様々な眼科の治療や精神面の治療に用いるようになっています。治療についてはここでは言及しませんが、実際に活用されている色の効果をご紹介します。
米国の刑務所や少年院、その他の更正施設で、「ベーカー・ミラー・ピンク」「バブルガム・ピンク」色の独房で試用したところ、収監者の筋肉の強さが2.7秒で減少したという。
このピンク色は心理的に、というより身体的に効果を発揮し、とてもいら立った神経を数分で鎮めることがわかっている。これまでは体罰や鎮静剤の投与によって鎮めるしかなかったが、今では小さなピンク色の独房が使われるようになり、暴力行為や攻撃的な行為の発生が激減した。
もともとワシントン州タコマの臨床心理学者であるアレキサンダー・シャウスが使い始めた「ベーカー・ミラー・ピンク」色は、今では世界中の何百という刑務所で採用されている。
また、赤と青の光は運動選手の能力を向上させるために利用されている。テキサス大学の最近の研究によると、赤い光を見ると他の色の光りに比べ活力が13.5%増した。この研究によると、短時間赤い光を見ると運動選手の瞬発力が高まり、一方青い光を見ると持久力が高まるという。
特定の色は心の状態や行動だけでなく、生体の機能にも影響を与えることがわかる。
(「光の医学」ジェイコブ・リバーマン 日本教文社 より一部抜粋)
※「ベーカー・ミラー・ピンク」温かみのある優しいピンク色
「バブルガム・ピンク」明るくビビッドなピンク色
色が人に与える影響については、臨床心理学でも取り上げられています。例えば臨床実験で「ピンク色を見ると女性ホルモンの分泌が活発になった」と認められてきたような、その仕組みが医学的にも解明されてきているということになりますね。
風水ではインテリアや持ち物など、視覚で捉えるモノにラッキーカラー、開運カラーを使います。今現在すべての色が松果体にどのようなメッセージを運び、どのような働きをしているのかは解明されていません。
しかし、風水でも使われるこれらの色はおそらく、細胞レベルでも私たち人間に何らかの影響を与えているのだと思います。
「風水なんておまじないみたいなこと、女子供のやることだ」と考えている理屈っぽい男性の方も、こう考えれば「風水やってみようかな」と思えるのではないでしょうか。
5. まとめ:風水の基本と色使いをマスターして望みを引き寄せよう
風水における「色」は、五行思想や陰陽バランス、九星などを基に導き出されています。
それらを用いて住居のインテリアの色を決めていくことは、風水の開運効果を意識しなかったとしても居心地の良い住まいづくりに役立つことがわかりますね。
例えば、日当たりの悪い北側に寒々しいブルーやシルバーがあれば暗く寒く居心地悪く感じるけれど、温かみのある暖色系のものがあればほっとしてリラックスするといったようなことです。
理屈はわかっていなくても、古代中国から伝わる風水はそのように人の心を落ちつかせるという効果はわかっていて、受け継がれてきたのだと思います。
調べてみると医学でも同じように、黄疸の症状がある赤ちゃんに青い光を照射することで症状を良くすることができるという効果は臨床的にわかっていたため、治療に使われてきました。
「なぜ黄疸の赤ちゃんに青い光を当てると良くなるのか」という理屈はまだわかっていなくても、それが良い結果をもたらすことがわかれば人は活用するのですよね。
風水は、自分の工夫次第で簡単にできます。とくにお金がかかるわけでもないですし、時間を取られるということもありません。
だとしたら風水のラッキーカラーについても、いちいち「それはなぜ?」とこだわることにあまり意味はないでしょう。風水を研究した人々が「こうしたら開運した」と言っているのなら、やってみて損はないはずです。
実践してみるとわかりますが、風水はとても楽しいものです。何もしていないで「こうなったらいいのになあ」と言っているときよりも、風水をしているときの方が確実に望みを引き寄せているという実感があります。
部屋を片付けたり掃除したりすることが苦手な人も、風水をすれば願いごとが叶いやすくなると思えば楽しくなってくると思いますよ。
【参考書籍】
「幸せを呼ぶインテリア風水」李家幽竹 (ワニブックス)
「風水の間取りとインテリア」直居由美里 (成美堂出版)
「幸せグセがつくきらめきのルール」西谷泰人 (学研パブリッシング)
「風水の教科書」紫月香帆 (ナツメ社)
「幸せになる色の魔法」西川真智子 (プレジデント社)
「間取りを気にせずできるやった方がイイ風水」愛新覚羅ゆうはん (日本文芸社)
「Dr.コパの玄関、寝室、LDの風水が効く」小林祥晃 (主婦の友社)
「光の医学」ジェイコブ・リバーマン (日本教文社)