「顔ヨガ」がどういうものか、知りたいと思っている人は多いですよね?
「小顔になりたい」「明るい顔になりたい」「幸せそうな顔になりたい」といった願望をもつ人にとって、特別な道具もウェアも必要ない「顔ヨガ」は魅力的です。
また、老化によって起こる顔のたるみやむくみ、目立つほうれい線などを消したいと思うのは、すべての女性の願望でもあります。
明るく健康的な顔は、自分の心も明るくし、周囲の人たちにまで好影響を及ぼすので、顔を変えることで運命まで変えられるともいわれます。
「顔ヨガ」には、そうした願望を実現するパワーが秘められています。
ここでは、「顔ヨガ」がもたらす効果を解説し、12のポーズからなる、1日10分の基礎コースを紹介します。
誰にでも簡単にできる内容ですが、1週間で効果を実感できることでしょう。
目次
1. 顔ヨガのメリット
1-1. 表情筋は動かすほどひきしまる
1-2. 血行がよくなって美肌になる
1-3. リンパの流れがよくなってむくみがなくなる
1-4. 左右の差が改善される
1-5. 表情が豊かになってイメージアップ
2. 顔ヨガの基本コース
2-1. くちゅくちゅ
2-2. くちばしのポーズ
2-3. 舌回し
2-4. ハニワ顔
2-5. 眠るハニワ
2-6. ふうせんのポーズ
2-7. 魚の口
2-8. ハニワの涙
2-9. 首のストレッチ
2-10. あっかんべー
2-11. 目玉パッチリキープ
2-12. 目玉グリグリ
2-13. リラックス
1. 顔ヨガのメリット
「ヨーガ」とは、もともと「結びつける」という意味のサンスクリット語で、呼吸を整えて精神統一を図る、古代インド発祥の修行法です。
現代では、心と体を整える健康法として、世界中で行われています。
「顔ヨガ」は、ヨガの呼吸法やゆっくりとした動きを取り入れ、顔の筋肉を刺激することによって血液やリンパの流れを改善し、新陳代謝を促進するものです。
本格的なヨガとは違い、「ポーズ」をつくることは「表情」をつくることになるので、誰にでも簡単に行うことができます。
しかも、顔の筋肉は小さいので効果が出やすいことが特徴で、1日10分の基礎コースを1週間続けるだけで、顔の変化を実感することができる即効性をもっています。
1-1. 表情筋は動かすほどひきしまる
顔ヨガは、「顔の筋トレ」、もしくは「表情筋ストレッチ」といいかえることができます。
顔には、左右あわせて20数種の筋肉があり、その総称を「表情筋」といいます。
表情筋は、文字通り、心の状態を反映して笑ったり、怒ったり、悲しんだりする様々な表情をつくり出します。
表情筋もほかの筋肉と同じように、使わなければどんどん衰えていきます。
同じ表情ばかりしていると、表情筋が固まってしまい、その表情がクセになります。
人は、無意識のときは顔の筋肉をほとんど使っていません。
体のストレッチと同じように顔もストレッチすることによって、伸びきった筋肉や緊張して固まった筋肉をほぐして弾力を取り戻すことができます。
表情筋も動かせば動かすほど、弾力をもちながらひきしまっていきますから、シャープなフェイスラインをつくることができるのです。
表情筋を動かすのは、まったく難しいことではなく、言葉を発することでも表情筋のトレーニングになるのです。
しかし、日本語はほかの言語に比べて、表情筋をあまり使わなくても発声できてしまいます。
ですから、意識していろいろな表情をつくるようにしましょう。
口角を上げて笑顔をつくるだけでも効果はありますし、目玉をギョロギョロ回すだけでも効果はあります。
1-2. 血行がよくなって美肌になる
表情筋を動かして筋肉周辺の血行がよくなると、顔全体の皮膚に酸素や栄養素がしっかりいきわたるようになり、その結果、顔のクスミが消えて肌の色ツヤがよくなります。
老廃物の排出が促されるので、肌の新陳代謝が活性化し、ほうれい線やシワが薄くなっていくのを実感できます。
肌のクスミは、血行不良によって肌が本来もっている健康的な赤みがなくなってしまうものと、ターンオーバー(代謝)が低下して、本来はがれ落ちるはずの角質が溜まってしまっているものとの2種類が、代表的なものです。
血行を改善することによって、どちらの原因も取り除くことができるので、クスミを改善
します。
また、「青グマ」と呼ばれる目の下のクマは、毛細血管や静脈の血液の色が黒ずんで流れなくなっていることが原因ですから、血流が改善されればこれも解消していきます。
1-3. リンパの流れがよくなってむくみがなくなる
顔のむくみは、リンパの流れが悪くなって、顔に水分が溜まってしまっている状態です。
リンパとは、血液が取り込み残した毒素や老廃物が毛細リンパ管に回収された体液です。手の先、足の先、顔などからじょじょにリンパ管が集まって、最終的には左右の鎖骨の下で静脈と合流します。
血液は心臓というポンプによって血圧がかかって流れていますが、リンパにはポンプがありません。
どのようにして流れるかというと、筋肉が動くことによってリンパ管が刺激されて少しずつ流されているのです。
ですから、リンパ管周辺の筋肉が動かないと、リンパの流れが悪くなってしまいます。
表情筋を動かすことで、顔のリンパ管が刺激されて、むくみの原因となるリンパの停滞は解消されます。
顔のリンパの停滞解消については、「すぐできる小顔マッサージで顔の悩みを解消」という記事の中のリンパケアでも紹介していますので、こちらも参考にしてみてくださいね。
1-4. 左右の差が改善される
まったく左右対称の顔は存在しませんが、ゆがみやこわばりによる左右の差はなくしたいものです。
顔の片側の筋肉だけ発達したり、衰えたりすると、ゆがみの原因になります。
食事のときに片方の歯ばかりで噛んでいても顔はゆがむので、顔の肌肉は左右均等に使うよう意識することが大事です。
まず、毎日、鏡をよく見て自分の顔の現状を把握しましょう。
そして、なりたい顔を具体的にイメージしながら顔ヨガを続けます。
さらに、どこの筋肉を使っているのか意識することによって、効果を上げることができます。
ゆがみやこわばりは、必ずしも1週間で改善するものではありませんが、確実によくなっていくのが実感できるでしょう。
1-5. 表情が豊かになってイメージアップ
顔ヨガを続けると、自分の顔をよく観察するようになるので、表情のクセに気づくことができます。
すると、パソコンのモニターを見ているときや、考え事をしているときなどに、顔の筋肉に入っている余計な力に気づいてゆるめたり、人前でほんの少し口角を上げることによって、周囲の人によいイメージを与えたりすることができるようになります。
表情を豊かにすることで、心が明るくなることを実感できるようになります。
笑顔が、自分はもちろんのこと、周囲の人たちまでも明るくすることがわかるのです。
表情筋が柔軟になって豊かな表情がつくれるようになると、悲しいことやつらいことがあって心が塞ぎがちなときに、顔の緊張を解放することによって、自分の心を救うこともできるようになります。
誰でも簡単にできる顔ヨガは、ポジティブな人間に変わることもできる、優れた美顔健康法だということがおわかりいただけましたね。
2. 顔ヨガの基本コース
顔ヨガは、全身を使うヨガと違って、顔の表情筋を柔軟にするものですから、全身のウォーミングアップは必須ではありません。
しかし、顔ヨガの効果を最大限に発揮させるためには、体を温めて血行をよくした状態で行うことが推奨されます。
可能であれば、軽く上半身だけでもストレッチを行って、血流の状態をアップしてからはじめましょう。
ここで解説する基礎コースは、10分程度で終了します。
ベストな時間帯は、朝の洗顔後で、顔になにもつけない状態で行い、終了後にスキンケアをするようにします。
なれるまでは鏡を見て、ひとつひとつのポーズ(表情)を確認しながら進めてください。
ここで紹介するポーズは、必ずしもシーケンス(連続)で行わなければいけないものではありませんから、仕事の合間やテレビを観ながらひとつふたつを行っても効果はあります。
こちらの12のポーズとリラックスは、朝晩の2回行えば効果的です。
気楽に生活の中に取り入れて、柔軟な表情筋をつくりましょう。
2-1. くちゅくちゅ
頬からアゴにかけての筋肉をストレッチします。
たったこれだけのことでも、小顔効果があります。
● 鼻から大きく息を吸って、両頬にもたっぷり空気を入れます。頬の空気を左側に全部入れて左頬をふくらまして3秒間静止。
● 右側の頬に空気を移動して3秒間静止。
● 息をとめたまま、空気を左右の頬で3往復させたら鼻から息をはきます。この動作を5セット行います。
2-2. くちばしのポーズ
口から息を出し入れして、頬の筋肉と口角を引き上げる筋肉を伸ばし、口元とアゴのラインをスッキリさせます。
● 唇を前に出しながらすぼめて、口からゆっくり息を吸います。頬の筋肉を耳から口に向けて引っ張るイメージで行ってください。
● いっぱいまで大きく息を吸い込んだら、そのままの表情で息を吐き切ります。この動作を5セット行います。
2-3. 舌回し
口の周りの筋肉をストレッチします。
頭をリラックスさせる効果もあります。
● 顔をリラックスさせたら、舌を上唇の内側に差し込んで押し付けるようにしながら、上下の唇を押し出すようなイメージで上から下へと回します。
● 舌の先に意識を集中させながら、右回りに5回転、続けて左回りに5回転させます。
2-4. ハニワ顔
多くの表情筋がつながる口の周りの口輪筋を動かして、アゴ周りを軽くします。肩や首に力が入らないようにリラックスして行ってください。
● 口を大きめに開いて、上下の唇は歯を包み込むように内側に入れます。鼻の下とアゴをタテに伸ばすようにして、呼吸をしながら3秒間静止。
● その状態から、下アゴだけをゆっくり動かして口を閉じたり開いたりを繰り返します。この動作を5セット行います。
2-5. 眠るハニワ
頬の中央あたりの筋肉を動かして、こわばっている表情を明るく変えます。
クマやたるみなど、目の下の肌トラブルに即効性があるポーズです。
● ハニワ顔の表情から、両方の頬骨の上に両手の人差し指、中指、薬指の3本の指先を置き、軽く下方向に引っ張ります。両目は真上を見るようにします。
● その状態から、下まぶたを上げて目を閉じたら5秒間静止。下に軽く力を加える指先と、下まぶたの間を広げるイメージです。
● 5秒経ったら指先を置いたまま力を抜いてリラックス。一休みしたら、また同じ動作を繰り返して5セット行います。
2-6. ふうせんのポーズ
ほかのポーズよりも大きく息を吸って、顔はもちろん耳や頭皮にまで酸素をたっぷり巡らせ、頭皮をやわらかくして顔のたるみを改善します。
体をリラックスさせて行う頭部全体のヨガで、顔に赤みが戻る即効性があります。
● 目を閉じて手のひらを合わせ、両方の親指で鼻を塞ぎます。
● 顔全体から頭皮まで酸素をいきわたらせるイメージで、口から大きく息を吸って頬を膨らまします。
● 口を閉じてそのまま15秒間静止したら、口から大きく息を吐きます。この動作を5セット行います。
2-7. 魚の口
ここまでで伸ばした筋肉を内側に引っ張って、フェイスラインのたるみを取ります。
顔のツヤも回復します。
● リラックスして、鼻から自然に息を吐き切ります。
● 息を止めて、強めに頬と唇の両端を吸い、口をすぼめて15秒間静止。
えくぼをつくるイメージで。
● 口元をゆるめて自然に息を吸います。この動作を5セット行います。
2-8. ハニワの涙
上下のまぶたを支えている眼輪筋をストレッチして、パッチリな目元をつくります。
目の疲労や乾燥を感じたときにも有効なポーズです。
● ハニワ顔をつくり、頬骨より少し上に3本の指先を置いて軽く押し下げながら、目を大きく見開きます。
● そのまま5秒間静止したら、指先の力を抜いてリラックスします。この動作を5セット行います。
2-9. 首のストレッチ
顔の筋肉がほぐれたら、首から肩、胸に至る筋肉をほぐして顔のリンパをしっかり流してやりましょう。
上半身全体が軽くなります。
● 下の前歯を少し前に出して、上の前歯と位置を合わせるような噛み合わせを意識します。
● 首と頭をゆっくり右に傾けて、右耳をできるだけ右肩に近づけるようにし、左側の首筋をしっかり伸ばします。
● その状態から、ゆっくりと首を後ろまで回します。首が後ろに来たときは、首の前の筋がしっかり伸びていることを感じ取ります。
● その状態から首を左側に傾けて、左耳をできるだけ左肩に近づけるようにし、右側の首筋をしっかり伸ばします。
● その状態から首を前に回して、後ろの筋を伸ばします。
● 再度首を右に傾けて、同じ動作を5回繰り返し、反対回りも5回行います。
2-10. あっかんべー
舌を伸ばすストレッチと大きな呼吸を組み合わせて、顔全体のこりを解消し、額から頭皮まで刺激します。
● 舌を下に伸ばして先端に力を入れてとがらせ、目は大きく見開いたまま大きく息を吸って、大きく吐きます。
吐くときは「ハー」と声を出しながら、体内の空気をすべて吐き切ります。
● 息を吐き切ったら顔をリラックスさせて呼吸を整えます。この動作を5セット行います。
2-11. 目玉パッチリキープ
伸ばした目の周りの筋肉をほぐします。
目を見開いて静止するだけですが、目の疲れを癒す効果があり、リラックスもできます。
気持ちを落ち着けたいときに行うと、とても効果的なポーズです。
● 背中と首をまっすぐ伸ばして、目線と水平な1点を見つめます。
● そのまま自然な呼吸で、上下のまぶたを引っ張るイメージで目を見開いたまま30秒間静止します。
● まばたきをがまんして、涙が出てきたらそこで終わりにしましょう。
2-12. 目玉グリグリ
眼球周りの筋肉をストレッチして、目の周辺の疲れを取ります。
目元の疲労に効くので視界がスッキリするだけでなく、アンチエイジングの効果があります。
● 首と肩をリラックスさせてまっすぐにし、目を見開きます。首を動かさずに、目だけを真上に向けて5秒間静止。
● 目を見開いたまま視線を右に移動させて、自分の右耳を見るイメージで5秒間静止。
● 視線を下に移動させて、自分のおへそを見るイメージで5秒間静止。
● 視線を左に移動させて、自分の左耳を見るイメージで5秒間静止。この流れを5回繰り返したら、反対回りも5回繰り返します。
2-13. リラックス
最後に、12のポーズで伸ばした筋肉をリラックスさせます。
ヨガでは「月の瞑想」と呼ばれるポーズです。
本来は、片方の足首を反対の脚の股関節の上に乗せてヒザを曲げ、もう片方の脚を曲げた脚の上に乗せて組む、「ロータスポーズ」と呼ばれる姿勢で瞑想しますが、顔ヨガではイスに座ったままでかまいません。
● 全身をリラックスさせたら目を閉じて、少しアゴを上げて夜空に浮かぶ満月をイメージします。
● 月明かりを全身に浴びているイメージで、2~3分間、鼻でゆっくり呼吸します。
● 心地よさを感じ取り、ゆっくりと目を開いて鏡で自分の顔を確認しながら、やさしい笑顔をつくります。
まとめ
ここで紹介した顔ヨガを実践する前に、基本の12のポーズと瞑想を済ませてからはじまる1日を想像してみてください。
顔の筋肉はやわらかくほぐれ、血行がよくなって、心も落ち着いている状態でスタートを切ることができるのです。
想像しただけでも、幸せオーラが感じられませんか?
ここでは「1週間で効果を出す顔ヨガ」をひとつの目標にしましたが、幸せオーラを発しながら1日1日を積み重ねていくと、自分の5年後、10年後が楽しみになることでしょう。
大切なことは、なりたい顔、なりたい自分をしっかりイメージして続けることです。
顔ヨガ同様に、特別な道具を使わずとも小顔美人になる方法については「顔痩せグッズは効果がない!?-小顔美人をつくる10の真実とは」の記事でもご紹介していますので、こちらもぜひ読んでみてください。
【参考資料】
・『「顔ヨガ」で驚かれるほど小顔になれる本』 三笠書房 2014年
・『美顔ヨガ』 小学館 2012年
・日経ウーマンオンライン
・顔ヨガ協会インターナショナル web site