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  2019.10.17



人間に必要な16種類のミネラルとは?―体内でつくれない栄養素

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ミネラルはバランスよく摂ることが大切だということは知っていても、何種類あるか知っている人は少ないのではないでしょうか。

現在、必須ミネラルと呼ばれる生命維持に必要なミネラルは16種類あります。
ここでは、この16種類の必須ミネラルを解説しますが、まず最初に、ミネラルとは何かということを簡単に説明しておきましょう。

三大栄養素の「糖質」「脂質」「タンパク質」は、体内でエネルギーとなったり、必要な物質に分解・合成されたりします。
こうした体内における化学反応を「代謝」と呼び、化学反応を進めるのが「酵素」と呼ばれるタンパク質。

ビタミンとミネラルは、酵素の働きを助けるために微量を必要とされる栄養素で、生物に由来する有機物であるビタミンに対して、ミネラルは金属や岩石などに由来する無機物です。
ビタミンの中には体内でつくられるものがありますが、ミネラルは体内でつくることができないので、すべて外から摂取しなければいけません。

その中でも栄養素として欠かせないものが16種類の必須ミネラルで、厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準では、イオウ、コバルト、塩素の3つについては通常の食生活における摂取で問題ないことから外され、比較的多量が必要とされる5種の多量ミネラルと、8種の微量ミネラルが指定されています。

ミネラルには、「酵素の働きを助ける」以外に、「骨や歯など身体の構成成分になる」「体液に溶けて酸とアルカリのバランス(pH)や浸透圧を調節する」「神経や筋肉の機能を調節する」といった働きもあります。
それでは、16種類の必須ミネラルを紹介していきましょう。

目次

1. 多量ミネラル
① カルシウム
② リン
③ カリウム
④ イオウ
⑤ ナトリウム
⑥ 塩素
⑦ マグネシウム

2. 微量ミネラル
⑧ 鉄
⑨ 亜鉛
⑩ 銅
⑪ ヨウ素
⑫ セレン
⑬ マンガン
⑭ モリブデン
⑮ クロム
⑯ コバルト

まとめ

1. 多量ミネラル

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人体に必須とされるミネラルは16種類あり、1日の摂取量がおよそ100mg以上の「主要ミネラル(多量ミネラル)」と、100mp未満の「微量ミネラル」に分類されています。

以下からは、比較的多量が必要とされる多量ミネラルをご紹介していきます。

人体の存在量については、体重70kgの人の概算値としています。
また、摂取基準量や上限量に幅があるのものは、年齢層によって指定が違うもの。
各年齢層における詳細は、厚生労働省のサイトを参照してください。

① カルシウム

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化学記号:Ca
人体の存在量:1000g
食事摂取基準:0.65~0.8g/日(成人男性)、0.65g/日(成人女性)
摂取量の上限:2.5g

体内にもっとも多く存在するミネラルであるカルシウムは、体重の1~2%を占めており、そのうち99%は骨や歯の硬い部分に存在します。
骨は内部で「骨形成」と「骨吸収」を繰り返し、約3カ月のサイクルで常に生まれ変わっていますが、この主要構成成分になっているのがカルシウム。

残りの1%は、血液や筋肉、神経など体内の全ての細胞に分布して、血液の凝固、筋肉の収縮、神経の興奮を抑えるといった働きをし、細胞の内側と外側のカルシウム濃度の差を利用して機能調節を行う、血圧上昇を防ぐといった作用もあります。

慢性的な不足が起こると、骨量が減少して骨折や骨粗しょう症を発症する可能性が高まり、過剰になると泌尿器系結石を起こし、鉄、亜鉛、マグネシウムなどの吸収を阻害するので単体での摂取は危険です。

② リン

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化学記号:P
人体の存在量:780g
食事摂取基準:1g/日(成人男性)、0.8g/日(成人女性)
摂取量の上限:3g/日

カルシウムに次いで体内に多く存在するリンは、体重の約1%を占め、そのうち約85%はカルシウムやマグネシウムと結合して骨や歯を形成しています。

残りの15%は、タンパク質、脂質、糖質などと結合して、あらゆる細胞でDNAなどの構成成分となり、細胞膜のリン脂質として存在します。
さらに、ATP(アデノシン三リン酸)を構成する物質となって、エネルギー代謝で重要な役割を果たしています。

不足すれば骨や歯が弱くなりますが、通常の食事で不足することはあまりありません。
過剰になるとカルシウムとのバランスが崩れることによって、骨から血液中にカルシウムが放出されてしまうので、やはり骨が弱くなり、腎機能の低下も引き起こします。

③ カリウム

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化学記号:K
人体の存在量:140g
食事摂取基準:2.5 g/日(成人男性)、2g/日(成人女性)
摂取の目標量:3g/日以上(成人男性)、2.6g/日以上(成人女性)

体内に体重の約0.2%が存在するカリウムは、ほとんどが細胞内液にあって、細胞外液に多いナトリウムと作用し合いながら細胞の浸透圧を調整し、水分を保持しています。
また、脂肪内で酵素の働きを調節して、エネルギー代謝を助けています。
カリウムが通常の食事で不足することはありませんが、下痢や嘔吐で多量に排泄されてしまうと、脱力感や食欲不振を起こします。
尿が正常に出ていれば摂りすぎても排出されるので、過剰摂取になることはありません。

④ イオウ

shutterstock_454672345

化学記号:S
人体の存在量:140g
食事摂取基準:指定なし
摂取量の上限:指定なし

イオウは、ビタミンB1、ビオチン(ビタミンB7)などのビタミン、必須アミノ酸のメチオニン、非必須アミノ酸のシステインなどに含まれ、皮膚、爪、髪などをつくるタンパク質の重要な成分となり、代謝の活性化や殺菌作用といった働きもあります。

通常、不足することも過剰になることもないので、食事摂取基準には示されていません。

⑤ ナトリウム

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化学記号:Na
人体の存在量:100g
食事摂取基準: ↓
摂取量の上限:食塩相当量で 8g/日(成人男性)、7g/日(成人女性)

体内に存在するナトリウムは体重の約0.15%で、ほとんどは細胞外の体液に含まれており、水分を保持しながら血液循環を調節しています。

細胞内のナトリウムは細胞外へと汲み出され、細胞外のカリウムは細胞内に取り込まれることで、細胞外液の浸透圧が一定に保たれ、酸やアルカリのバランス(pH)が調節されています。

日本人は塩分摂取量が多いので、不足することはあまりありませんが、激しい下痢や多量に汗をかいてナトリウムが多量に排出されると、倦怠感や食欲不振を起こします。
塩分を摂りすぎると、細胞内外のミネラルバランスが崩れてむくみ、高血圧や胃がんの原因になります。

⑥ 塩素

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化学記号:Cl
人体の存在量:95g
食事摂取基準:指定なし
摂取量の上限:指定なし

胃液に含まれている塩素には、消化酵素を活性化させる働きがあります。
ナトリウムと強い結合性をもち、血液のpH調節にも関与しています。
通常、過不足することはないので、食事摂取基準には示されていません。

⑦ マグネシウム

shutterstock_292906613

化学記号:Mg
人体の存在量:20g
食事摂取基準:340~370mg/日(成人男性)、270~290mg/日(成人女性)
摂取量の上限:指定なし

成人では体内に20~25gが存在するマグネシウムは、その60~65%が骨に含まれ、残りは肝臓、筋肉、血液などにタンパク質と結合して存在します。

カルシウムやリンとともに骨を形成する重要な成分であり、300以上もの酵素の働きを助けてエネルギー代謝をサポート、神経の興奮を抑えたり、血管を拡張させて血圧を下げたりする働きもあります。

マグネシウムはカルシウムの摂取量が増えると排出量が増えるのでバランスが重要。
マグネシウム:カルシウムは、1:2が望ましいとされています。
日本人には不足しがちなミネラルで、不足が慢性化すると、不整脈や虚血性心疾患のリスクが高まるので注意が必要です。
通常の食事で過剰になることはありません。

 

2. 微量ミネラル

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以下からは、16種類のミネラルのなかから、微量ミネラルをご紹介します。

わずかな量でも、私たちの体の機能を正常に働かせるのに大きな役割を担っているため、体に必須なものとされています。

⑧ 鉄

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化学記号:Fe
人体の存在量:4.2g
食事摂取基準:7.0~7.5mg/日(成人男性)、10.5 mg/日(成人女性)
摂取量の上限:40mg/日(妊娠初期は55mg/日)

体内に存在する鉄分の約70%は「機能鉄」として、赤血球の赤い色素であるヘモグロビンや、筋肉中のミオグロビンというタンパク質の構成成分になっています。

機能鉄は、酸素を全身の組織に届ける重要な存在。
残りの30%は「貯蔵鉄」として肝臓、骨髄、脾臓、筋肉などに保存されており、機能鉄が不足すると使われるしくみになっています。
また、酵素の構成成分としてエネルギー代謝にも関与しています。

鉄が不足すると起こる鉄欠乏性貧血は、月経のある女性や妊産婦に起こりやすいので注意が必要。
通常の食事で過剰摂取になることはありませんが、サプリなどで過剰摂取になると身体を酸化させてしまい、鉄沈着症を引き起こします。

⑨ 亜鉛

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化学記号:Zn
人体の存在量:2.3g
食事摂取基準:10mg/日(成人男性)、8mg/日(成人女性)
摂取量の上限:40~45mg/日(成人男性)、35mg/日(成人女性)

体内に存在する亜鉛は、多くが酵素の成分となっており、タンパク質やDNAの合成、糖質の代謝、インスリンの合成、免疫機能などをサポートしています。
前立腺や精子に多く存在して、生殖機能の維持にも重要な役割を果たしています。

偏食や加工食品の摂りすぎで亜鉛が不足すると、子どもは成長障害を起こし、成人では味覚障害、貧血、皮膚炎、うつ状態、免疫機能の低下などが現れ、男性は精子を減少させてしまいます。
通常の食事で過剰になることはありませんが、サプリなどで過剰摂取すると急性中毒を起こす毒性をもっています。

⑩ 銅

化学記号:Cu
人体の存在量:0.072g
食事摂取基準:0.9~1mg/日(成人男性)、0.8mg/日(成人女性)
摂取量の上限:10mg/日

銅は赤血球のヘモグロビンの合成には欠かせない成分で、鉄の吸収をよくしたり、多くの酵素の成分となって糖質や脂質の代謝、メラニン色素の生成に関与しています。
血管壁や骨を強くする働きもあります。

銅が不足すると、貧血、髪の毛の色が抜ける、白血球の減少、骨や血管がもろくなる、身体の酸化が進むといった症状が現れます。
過剰になることは特殊な急性中毒や遺伝的な病気以外は、ほとんどありません。

⑪ ヨウ素

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化学記号:I
人体の存在量:0.013g
食事摂取基準:130µg/日(成人)
摂取量の上限:3000µg/日(=1mg/日)

体内に存在する微量のヨウ素は、ほとんどが成長や代謝を促す甲状腺ホルモンの成分となっており、交感神経を刺激して三大栄養素の代謝を促進し、酸素の消費量を高める働きがあります。

欠乏しても過剰になっても甲状腺が肥大して機能が低下、甲状腺腫になります。
海産物を多く食べる日本人が不足することは稀で、昆布の摂りすぎなどで過剰になるケースがあります。

⑫ セレン

化学記号:Se
人体の存在量:0.012g
食事摂取基準:30µg/日(成人男性)、25µg/日(成人女性)
摂取量の上限:420~460µg/日(成人男性)、330~350µg/日(成人女性)

体内のセレンは、活性酸素の害から身体を守る抗酸化作用をもたらし、老化予防、がんの抑制、動脈硬化の予防といった働きがあります。
ビタミンEとともに、細胞膜などに含まれる過酸化脂質を分解する酵素の成分となります。

通常の食事で過不足が起こることはありません。
セレンは毒性が強いので、サプリなどで摂取すると中毒を起こすことがあり、脱毛、爪の変形、嘔吐や下痢、しびれや頭痛などを引き起こします。

⑬ マンガン

化学記号:Mn
人体の存在量:0.012g
食事摂取基準:4mg/日(成人男性)、3.5mg/日(成人女性)
摂取量の上限:11mg/日

マンガンも、カルシウムやリンなどとともに、骨の発育に重要な成分です。
三大栄養素の代謝を促す酵素や、抗酸化作用を促す酵素の成分としても不可欠。

マンガンは、必要量が少ない上、いろいろな植物性食品に多く含まれているので、通常の食事で過不足することはありません。
マンガンを取り扱う作業をする人が、中毒症を起こす場合があります。

⑭ モリブデン

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化学記号:Mo
人体の存在量:0.0093g未満
食事摂取基準:25~30µg/日(成人男性)、20~25µg/日(成人女性)
摂取量の上限:550µg/日(成人男性)、450µg/日(成人女性)

成人でも体内にわずか9mg程度しか存在しないモリブデンには、体内で発生した物質を最終老廃物である尿酸に変えるための不可欠な存在という重要な役割があります。
肝臓や腎臓に存在して、糖質と脂質の代謝を助け、鉄の働きも助けるので鉄欠乏性貧血の人には大切なミネラルですが、欠乏することは稀。

通常の食事で過不足することはまずありませんが、過剰摂取した場合には尿中に銅の排出を増やしてしまい、銅欠乏症を起こす場合があります。

⑮ クロム

化学記号:Cr
人体の存在量:0.0018g未満
食事摂取基準:10µg/日(成人)
摂取量の上限:指定なし

モリブデンよりさらに少ない2mg程度しか体内に存在しないクロムは、糖質や脂質の代謝を促す重要なミネラルです。
糖質が体内で分解されて血液中にブドウ糖が増えると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されて血糖値を下げようとしますが、このインスリンの働きを助けるのもクロム。

クロムがなければ、筋肉や肝臓にブドウ糖を送り込むことができず、インスリンが活性化しなければ血糖値が下がらなくなります。

クロムの必要量は極めて微量なので、通常の食事で過不足することはありません。
病気などで不足すると、高血圧、高血糖、動脈硬化、糖尿病などのリスクが高まります。
クロムを扱う作業に従事している人が過剰になって、呼吸器障害を起こす場合があります。

⑯ コバルト

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化学記号:Co
人体の存在量:0.0015g
食事摂取基準:指定なし
摂取量の上限:指定なし

コバルトはビタミンB12の構成元素で、タンパク質の代謝にかかわるとともに、同じくビタミンB群の葉酸と協力して赤血球が正常に合成されるのを助けます。

ですから、ビタミンB12と葉酸は、どちらが不足しても造血がうまくいかなくなり、悪性貧血の原因になります。
また、ビタミンB12には、脳の神経細胞に入り込んで修復や合成を助けるという働きもあります。

肝臓には半年分のビタミンB12が蓄えられていて、腸内細菌によって体内でも微量が生成され、しかも熱に強いため、不足しにくい栄養素です。
過剰になっても吸収されないので、ミネラルのコバルトも過不足することはまずありません。

病気などで不足した場合には、頭痛、めまい、吐き気などが現れ、悪化すると悪性貧血を引き起こし、神経が過敏になって、気分が落ち込むといった症状が出ます。

 

まとめ

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ビタミンとともに、三大栄養素の代謝を助け、身体の様々な機能にかかわる必須ミネラルの働きは理解できましたか。

カルシウムとマグネシウムやリン、ナトリウムとカリウム、鉄と銅、というようにミネラルは相関関係にあるものが多いので、バランスが重要とされるのです。

ビタミンやミネラルは、サプリメントによる摂取が普及していますが、「糖質」「脂質」「タンパク質」にこの2つを加えた五大栄養素、さらには食物繊維を加えた六大栄養素や、抗酸化作用などが注目されているフィトケミカルなどは、それぞれ影響しあって働くものですから、やはりバランスよく食事で摂取するのが効率的。

サプリメントは、女性が欠乏しやすい鉄分のように、食事だけでは足りないものを補強する目的で正しい量を摂取するようにしましょう。

 

【参考資料】

・『栄養の基本がわかる図解事典』 中村丁次 監修  成美堂出版 2015年
・『ビタミン・ミネラルの本』 吉川敏一 著  滋慶出版/土屋書店 2012年
厚生労働省サイト

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