レイキヒーリングとは、レイキ(霊気)と呼ばれる、万物を生かす宇宙の根源エネルギーを使って自分や人に対して、手を通じてヒーリング(癒し)を行う技術です。このレイキヒーリングによって、心身の痛みや症状が和らいだり、自然治癒力を高めたり、心と体を本来あるべき状態に整えてくれます。
宇宙エネルギーを流すというレイキのハンドヒーリングは、レイキの創始者である臼井甕男(うすいみかお)先生が考案したものですが、手によるヒーリングは実は石器時代の壁画にも残っています。
太古の時代より、世界各地で手によるヒーリングは行われてきたようです。手は、体のなかでも伝統的に神聖なものとされてきました。過去も現在も「手は神の通り道」という言葉があり、清らかなエネルギーが通りやすい場所とされています。
レイキヒーリングでは、自分や他人を癒したり、環境ヒーリングといって身の回りのモノや自然環境などへのヒーリング、そのほか、願いを実現するための願望実現ヒーリングといったものができますが、ここでは自分の手で自分に行うセルフヒーリングについてご紹介していきます。
またレイキについて、もっと知りたい方は『レイキの歴史と効果・体感するための基本のやり方を解説』も参考にしてみてください。
目次
1 レイキヒーリングの基本
1-1 レイキヒーリングの基本1 姿勢
1-2 レイキヒーリングの基本2 光の呼吸
1-3 レイキヒーリングの基本3 レイキハンド
2 レイキヒーリングで自分を整える
1-1 レイキヒーリング | 頭部
1-2 レイキヒーリング | 心(ハート)
1-3 レイキヒーリング | 体
3 まとめ
1 レイキヒーリングの基本
レイキヒーリングの基本1 姿勢
レイキをはじめる時の姿勢は、イスに座っていても立っていても、足の裏がしっかり床や地面に触れている姿勢をつくりましょう。
そのうえで、次の5つのポイントに注意してください。
ポイント1 骨盤
骨盤は、座面(立っていれば地面)に対して平行になるようにします。
ポイント2 背骨
背骨は、尾てい骨から上にまっすぐにひとつずつ積み上げていくようにします。
ポイント3 首
首は、背骨の延長線上にゆるやかに骨を積み上げていくようにします。
ポイント4 肩
肩は、巻き肩になりがちなので3回ほど肩の上げ下げをして力を抜き、肩の先が耳より後ろにくるようにします。デコルテが開いたようになり、左右の肩甲骨が寄った感覚があればベストです。
ポイント5 手
手は、丹田(おへそから指3本分下の位置)に重ねておきます。丹田は湖のようにエネルギーがたまるスポットで意識するとよい場所とされています。
レイキヒーリングの基本2 光の呼吸
姿勢が整ったら、光の呼吸をします。これはまぶしく温かい、愛にあふれた光のエネルギーを頭頂から取り入れる呼吸法です。
息を吐く(呼気)
口を薄く開いて息が下にたらたらと漏れ出るように、体の力を抜きながら、息を吐きます。できれば7~8秒かけて吐きましょう。
息を吸う(吸気)
鼻と頭のてっぺんから、愛にあふれた光のエネルギーが頭頂から入ってくるイメージで、清らかなエネルギーだけを取り込み、丹田まで満たすようにします。息を吐くのと同じように、7~8秒かけて吸いましょう。
息を吐くのと吸うのを3回くらい繰り返し、古いものをたくさん吐いて、きれいなエネルギーをたくさん吸ったなと思えたら自然な呼吸に戻していきます。
レイキヒーリングの基本3 レイキハンド
次に、光の呼吸の延長で、レイキハンドをつくります。自分でセルフヒーリングをする時も、人にヒーリングをする時も、このレイキハンドの手を当てます。
レイキハンドのつくり方
まず、胸より少し高い位置で合掌します。光の呼吸を続けながら、だんだん心が温かくなり、手そのものが温かくなるまでその姿勢を続けていきます。手があまりにも冷たいときは、手をこすり合わせて少し温めてからはじめます。
そして、「ありがとうございます」という言葉を小声で5回ゆっくり優しくていねいに唱えます。「ありがとうございます」という言葉は、宇宙エネルギーとつないでくれる一つのきっかけになる言葉です。
コツは、「ありがとうございます」と唱えたら、その音の余韻が全細胞に響き渡るのを感じることです。手がじんわりと温かく、心が優しく穏やかに感じられるようになったら、レイキハンドの完成です。
宇宙エネルギーの本質は、無条件で全肯定の愛です。条件付きではなくすべてを肯定する愛の状態に近づくことで、宇宙のエネルギーと共鳴しやすくなるのです。
宇宙の愛のエネルギーを「ありがとうございます」と感謝で受け取るのが、レイキの基本スタンスとなります。
レイキハンドでレイキを体感
レイキハンドが完成したら、合掌していた手をゆっくりと開いてみましょう。ピリピリしたり、ほわっとしたり、手に何か小さな感覚を感じられたら、それがレイキです。
感じ方には個人差がありますので、最初は感覚を実感しにくいかもしれませんが、繰り返し行うことで、だんだん慣れてきますので何度かチャレンジしてみてください。お風呂上がりや寝起き、気分のよい時にためすと、より実感しやすいでしょう。
このレイキハンドは、自分の肌や体に当てればヒーリングになり、食べ物や飲み物、お財布、携帯電話などに当てたりかざしたりすると、対象のエネルギーが浄化され、味がよくなったり、ラッキーアイテムになったりします。
2 レイキヒーリングで自分を整える
ここまで、レイキヒーリングを行うための土台となるものをお伝えしていきましたが、ここからは、実際に自分の手(レイキハンド)で自分をヒーリングする方法をご紹介します。
2-1 レイキヒーリング | 頭部
やる気が出なかったり、集中力が散漫だったり、前向きにならないようなときには、頭が疲れて気がめぐりにくくなっているかもしれません。
頭部の緊張で気が滞ると、頭頂からレイキが入りにくくなるだけではなく、全身にレイキが巡りにくくなります。そのような状態では、新しいアイデアが浮かびにくいし、物事をポジティブに考えるのも難しくなるもの。
頭をよく使ったときや、頭が冴えて眠れないときに、ぜひ頭部のヒーリングをしましょう。
頭部のレイキヒーリングのやり方
【1】頭頂とおでこをそれぞれ右手と左手でおおうようにしてヒーリングします。
腕を上げるのが難しければ、壁やソファにもたれたりして行うとよいでしょう。無理のない姿勢で、手のひらが「頭頂」と「おでこ」にぴったりと触れるようにしてください。
できれば、頭のてっぺんから美しいエネルギーが入ってくるイメージをしながら呼吸するとよりよいです。
【2】頭部を前後から挟むように、おでこと眉間と、少しへこんだ後頭部(盆の窪)に手を当てます。
このポジションを「コズミックプラグ」と呼び、脳の松果体に当たるところへレイキを送ることになり、思考が前向きになりやすく、スッキリします。
このほか、パソコンなどのデスクワークで目に疲れを感じたときは、まぶたの上から両目を軽く覆ってレイキヒーリングするのも効果的です。落ちていた視力が回復し、視界が明るくクリアになります。
2-1 レイキヒーリング | 心(ハート)
イライラや怒り、不安の感情に心のバランスが崩れているなと感じるときは、心(ハート)をヒーリングして、本来のバランスを取り戻すのに最適なタイミングです。
自分をもっと大切にしたい、自分に自信を持ちたいと感じたり、恋愛で人を愛することができない、信じられない。
また仕事で人に心を開くことができない、信頼関係を築くことができないといった人間関係のつまずきがあるなら、ハートのレイキヒーリングをしましょう。
心(ハート)のレイキヒーリングのやり方
【1】胸のまん中に位置するハートチャクラに手を当て、ゆっくり呼吸をします。
人の体にはチャクラという7つのエネルギーの通り道があり、ハートチャクラは4番目に当たります。ここは愛を司る場所で、心の癒しといえば、だいたいここに手を当てます。
手を当てる場所は、気持ちが落ち着いたり、安らぐ場所を探して、途中で動かしてもOK。
チャクラについては、『チャクラの状態を知り、エネルギーバランスを整える実践方法』でも詳しく述べていますので、ぜひ参考にしてみてください。
【2】心が激しく動揺しているときは、呼吸だけを意識して、3分でも10分でも続けます。
だんだんと深い呼吸になっていくように心がけます。吐くときには不安や心配の気持ちが息と一緒に出ていくイメージをするとよいでしょう。
私たちは、自分の愛が受け取ってもらえなかったと感じたとき、あるいは、愛されていないと感じたときに、ハートチャクラのエネルギーが滞り、ハートが閉じてしまいます。
レイキでハートヒーリングをしていくと、閉じていたハートチャクラが活性化して、まわりの人からの愛情を素直に受け取ることができたり、好きな人にも自然に愛情をあらわすことができたりします。
ハートを癒すと、一人でいるとしても、人とちゃんとつながっているし、大きな愛に守ってもらっていると感じるようになり、安心感を得られるようになります。
レイキヒーリングで嫌な感情が出てきたら
ハートヒーリングをしていると、過去の嫌な出来事を思い出したり、ネガティブな気持ちがわいてきて、辛くなるかもしれませんが、それらは解放されたくて心の奥底から出てきてくれたものなのです。
そんなときは、胸に手を当てたまま、「そう思っていたんだ」「辛かったね」「よく我慢したね」「もう大丈夫」と優しい気持ちで過去の出来事や感情を眺め、深い呼吸をしながら、それらの不要なエネルギーが自分の内側から出ていくイメージをしましょう。
そして、地球がその不要なエネルギーを受け取って、キラキラとした美しいエネルギーに変えてくれるイメージをしたり、口や胸から黒いものが出てきて天に立ち上り、キラキラ光るエネルギーへと変わっていくとイメージをします。
あせらず、少しずつでも不要なものを流していくことで、自分の内面と客観的に向き合えるようになり、だんだんとハートが穏やかになっていきます。「なんとかなるさ」という気持ちになれたり、「あの人も精一杯なのだろう」とイライラした相手を思いやる余裕さえ生まれてきます。
2-1 レイキヒーリング | 体
レイキでは、痛みや違和感は「気の滞りを知らせてくれるサイン」ととらえます。ヒーリングは体からのメッセージを聴く恰好の手段です。それに気づいた途端、不調がみるみる改善してしまう場合もあるのです。
レイキを流して不調が治るか、治らないかは本人次第です。けれども、その人にとって最善の運びとなるのがレイキのおもしろく奥深いところです。たとえば、レイキを流すことで、とてもよい養生法や素晴らしい医師に巡り合って病気が改善したりということもたくさんあります。
いろいろな情報や人との出会いといったものも、宇宙のエネルギーの一部なのです。ですから、「レイキだけでなんとかしよう」「レイキさえしていればよくなる」という考えに、こだわりすぎないことも大事です。
体のレイキヒーリングのやり方
心身が宇宙との調和を取り戻すためには、下の図のように痛みや違和感のあるところに手を当てながら、以下の3つのことを考えると、気づきを得やすいといわれています。
【1】愛
最近、自分は十分愛を感じていただろうか、愛のある行為から離れていなかっただろうかと考えてみましょう。
【2】自然
太陽の陽も浴びず、季節の変化を感じることもなく過ごしているようなことはないでしょうか。自然のエネルギーをチャージしているか確認しましょう。
【3】感謝
本当はありがたいことがたくさんあるのに、感謝の気持ちを持つことから離れていなかったかと振り返ってみましょう。
宇宙の視点で見ると、個人の病気やケガは大きなスパンの中で起こっていますから、そのことが最善かどうかすぐにはわかりにくいものです。でも、レイキを使っている中で起こってくることは、最善の方向に導かれているととらえて信頼してみましょう。
それでも、レイキヒーリングを実践し、自分なりに努力や内省もしているのになかなか改善しない場合、焦りや不安も出てきてしまうかもしれません。
お伝えしたように、レイキを使う中で起こることは最善の方向に運ばれていくのですが、不調が長引いたりして、なかなかそのように思えないときは、スピリチュアルな視点から自分に質問してみるのもよいでしょう。たとえば、
その病気やケガになることで誰かに何かを訴えようとしているとしたら?
一例をあげれば、会社が自分を労わないことに対して、鬱(うつ)になることで苦しみを訴えていたといったことがあります。人間とは不思議なもので、肉体の言語として何らかの症状が出る場合があるのです。
また、その痛みが体のどの部位に出ているのかで、その意味を探ることもできます。
あくまで参考程度ですが、足の不調には人生の「歩み」に関する問題が、喉の不調には「コミュニケーション」に関しての懸念があるかもしれません。目の不調は、何か背けたいことがあったり、耳の不調は、これ以上聞きたくないという思いのあらわれなのかもしれません。
まとめ
自分の手で自分に対してレイキヒーリングをしていくと、宇宙のエネルギーを受け取るため、気の流れがよくなります。自分自身と向き合うことができ、どんどん癒され、余計な思考や古い感情から解放されていきます。
そして、「こうありたい」と思う最善の状態をイメージし、それを妨げる不安や恐れといった感情もヒーリングをしていくことにより、自分にとって最善の選択ができるようになり、取り巻く状況も確実に変えていくことができます。
まわりを変えようとしないで、まずは自分を整えて癒しましょう。
そうすることで、人に優しくなれて、穏やかな人生になっていくのです。ぜひここで紹介したレイキヒーリングを活用していってください。
【参考図書】
『聴くだけで心と体が整うレイキヒーリングCDブック』(矢尾こと葉・フォレスト出版刊)
『1分間瞑想法』(吉田昌生著・フォレスト出版刊)
『心と体が元気になるレイキヒーリング』(矢尾こと葉・長岡書店)