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  2019.10.17



8種のビタミンBが心と体にもたらす効果-代謝を助ける栄養素

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ビタミンBについてどのくらいご存知ですか?ビタミンBは、ほかのビタミンのように1種類ではなく覚えるのが大変かもしれません。

サプリメントでは「ビタミンBミックス」や「ビタミンB群」として販売されているものが多く、ひとつひとつのビタミンがどういう効果をもっているのか、なかなか知ることができません。

ビタミンBは、8種類のビタミンから構成されています。
それぞれのビタミンが、どのような効果をもたらすのか理解すれば、健康に役立てることができますよね。

ビタミンB群は、どれも生命維持に欠かせない必須栄養素です。
それぞれが健康の維持に重要な働きをしています。
そして最近、注目されているのが、心の健康にもたらす効果。

ここでは、8種のビタミンBが、心と体にもたらす効果を紹介します。
前半は、ビタミンがどういうもので、ビタミンB群がその中でどのような存在であるのか、栄養学の基本をわかりやすく解説し、後半には効果的な摂取方法なども紹介しますので、健康維持に役立ててください。

目次

1. ビタミンの働きとは?
1-1. 三大栄養素の働きを助ける有機化合物
1-2. 「代謝」に必要な「酵素」を補う
1-3. 水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの特徴
1-4. 協力し合って働くビタミンB

2. 8種のビタミンBがもたらす効果
2-1. ビタミンB1
2-2. ビタミンB2
2-3. ビタミンB6
2-4. ビタミンB12
2-5. ナイアシン
2-6. 葉酸
2-7. パントテン酸
2-8. ビオチン

まとめ

1. ビタミンの働きとは?

shutterstock_322101443ビタミンは栄養素のひとつ。
栄養素とは、生命維持のために外から取り入れなければいけない物質のことです。

人間の体は、骨も筋肉も血も臓器も、すべて栄養素からつくられていて、生きている限り栄養素をバランスよく摂り続ける必要があります。

栄養素には、体をつくる材料となり、活動するためのエネルギーとなって、いろいろな機能を調整する、という3つの働きがあります。
その栄養素のひとつであるビタミンの基礎知識を理解しておきましょう。

1-1. 三大栄養素の働きを助ける有機化合物

「糖質」「脂質」「タンパク質」は三大栄養素と呼ばれ、生きている限り、大量に摂取し続ける必要があります。

これら三大栄養素がうまく働くために、必要とされる微量の栄養素が「ビタミン」と「ミネラル」。
三大栄養素の潤滑油であったり、サポーターであったり、微量であってもそれぞれ重要な役割をもっています。

ビタミンは、生物に起源をもつ物質「有機物」の化合物であるのに対し、ミネラルは無機物の元素で、「無機質」とも呼ばれます。

ビタミンの中には体内で合成されるものもありますが、少量なので、基本的にはミネラルと同じように食事で摂取する必要があります。

1-2. 「代謝」に必要な「酵素」を補う

ビタミンやミネラルは、三大栄養素の「代謝」に必要とされる「酵素」の働きを助けるので、「補酵素」とか「補因子」と呼ばれます。

代謝とは、エネルギーを得るためや、全身で必要とされるいろいろな物質を合成するために体内で起こる化学反応のことで、「新陳代謝」も同じ意味の言葉。
その化学反応を促す物質が「酵素」で、細胞内でつくられるタンパク質の一種です。

酵素はビタミンやミネラルがなければ、うまく化学反応を促すことができません。
ビタミンもミネラルも、どのような代謝に必要とされるどのような酵素を助けるかということがそれぞれ決められており、ひとつでも不足すると、健康に問題が生じることになります。

1-3. 水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの特徴

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有機化合物であるビタミンは、水に溶けやすく脂に溶けにくい「水溶性ビタミン」と、脂に溶けやすく水には溶けにくい「脂溶性ビタミン」に分類されます。

水溶性ビタミンは、8種のビタミンBとビタミンCを合わせた9種のビタミン。
脂溶性ビタミンは、ビタミンA、E、D、Kの4種で、合計13種類のビタミンが存在します。
また、ビタミンに似た作用をもつ「ビタミン様物質」には、イノシトール、コリン、リポ酸、カルニチン、ユビキノン(ビタミンQ)、必須脂肪酸(ビタミンF)などがあります。

ビタミンB以外の5種のビタミンの働きを簡単にまとめておきましょう。

・コラーゲンをつくって老化を防ぐ「ビタミンC」
・目と皮膚を丈夫にする「ビタミンA」
・骨や歯を強くする「ビタミンD」
・体内の酸化を軽減して老化を防ぐ「ビタミンE」
・ケガをしたときなどの出血を止める「ビタミンK」

水溶性ビタミンは、摂りすぎても尿で排出されてしまうので過剰摂取はあまりありませんが、体内に蓄積されにくいので毎日摂取する必要があります。

脂溶性ビタミンは、尿で排出されにくく体内に蓄積するので、摂りすぎると頭痛、倦怠感、食欲不振といった症状を起こすことがあります。

1-4. 協力し合って働くビタミンB

水溶性ビタミンであるビタミンB群の多くは、協力し合って酵素の働きを助けています。

ビタミンB6が働くためにはビタミンB2を必要とし、ナイアシン(ビタミンB3)の合成にはビタミンB6が必要なので、B2が不足すればナイアシンもしっかりと働くことができなくなります。

また、ビタミンB12は葉酸と協力しあってヘモグロビンの合成を助けるので、どちらが不足しても造血に障害が出ることに。

こうした特性から、ビタミンBはバランスよく摂取する必要があり、「ビタミンBミックス」や「ビタミンB群」といったサプリメントが多く販売されているのです。

 

2. 8種のビタミンBがもたらす効果

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「ビタミンB1」「ビタミンB2」「ビタミンB6」「ビタミンB12」「ナイアシン」「葉酸」「パントテン酸」「ビオチン」という8種のビタミンから構成されるビタミンB群は、主に、三大栄養素がエネルギーを生み出す代謝に必要な酵素を助けます。

それぞれのビタミンBがもたらす効果と、効果的な摂取方法を紹介していきましょう。

2-1. ビタミンB1

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ビタミンB1は、糖質からエネルギーがつくられるのを助けます。
糖質は体内で分解されてブドウ糖になりますが、この過程で働く酵素の補酵素となります。

2-1-1. ビタミンB1の働きと過不足の影響

ビタミンB1はエネルギーを生んで疲労を回復するという働きがありますから、不足すると乳酸などの老廃物が溜まって倦怠感や集中力の低下、頭痛やめまいを起こします。

もうひとつビタミンB1には、脳と神経を正常に保つという大事な働きがあります。
脳神経や中枢神経が使うエネルギーはほとんどがブドウ糖ですから、脳や神経の機能を維持するためにはビタミンB1が欠かせません。

不足が慢性化すると肝臓や腎臓の機能低下や胃腸障害の原因にもなり、多発性神経炎「脚気」を発症します。
ビタミンB1の推奨摂取量は1日に、男性は1.4mg、女性は1.1mgで、サプリメントなどで摂りすぎると、イライラや不眠などの原因になります。

2-1-2. ビタミンB1の効果的な摂取方法

ビタミンB1を多く含む食品は、ヒレ肉、モモ肉、ロース肉などの豚肉、タラコ、ウナギ、落花生などがあります。

ビタミンB1は、ニンニクやネギ類に含まれるアリシンと一緒に摂ると、結合して血液中に長時間とどまります。
ですから、豚肉とタマネギやニンニクを一緒に摂取すれば効果的。

ただし、水溶性であることに加えて、熱にも弱いので調理すると30~50%が失われてしまいます。
糖質を多く摂る人、インスタント食品やレトルト食品を多く食べる人は、積極的に摂取しましょう。

2-2. ビタミンB2

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ビタミンB2は、三大栄養素を燃焼させて、エネルギー代謝や細胞の新陳代謝を促します。
とくに脂質の代謝を助けるので、肥満や生活習慣病を防ぎます。

2-2-1. ビタミンB2の働きと過不足の影響

ビタミンB2は皮脂の分泌を調節する働きもあることから、「皮膚のビタミン」とか「美容のビタミン」などと呼ばれ、胎児や子どもの成長を促すので「成長ホルモン」と呼ばれることもあります。

脂質を使って皮膚、髪、爪などの細胞をつくり変え、くちびる、口中、ノド、眼といった粘膜を再生します。

不足すると、細胞をつくる材料が足りなくなるので、肌荒れや口内炎、眼の充血などを起こし、慢性化すると生活習慣病や老化を進める原因になります。

推奨摂取量は、1日に男性が1.6mg、女性が1.2 mgで、摂りすぎても尿で排出されてしまうので、問題となることはまずありません。

2-2-2. ビタミンB2の効果的な摂取方法

ビタミンB2は、水に比較的溶けにくくて熱にも強いので、どのような調理法でも効率よく摂取可能。
豚、牛、鶏のレバー、干しシイタケ、アーモンド、アユなどに豊富です。

海苔やワカメなどの海藻、チーズ、納豆などにも多く含まれており、いろいろな食材から摂取することができます。

ビタミンB2とパントテン酸の組み合わせは脂肪燃焼のベストコンビといわれ、肉類にアボカドを合わせると効果的。
また、ビタミンB6と協力し合って効果がアップするので、ビタミンB2の豊富な牛乳と、ビタミンB6が豊富なバナナを組み合わせたバナナジュースは、効果的な摂取方法です。

ベジタリアンやダイエット中の人は、積極的に摂取しましょう。

2-3. ビタミンB6

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ビタミンB6は、主にタンパク質の代謝で必要な酵素を助けています。
食生活の欧米化でタンパク質を多量に摂取するようになった日本人にとって、必要性が高まっている栄養素。

腸内細菌によって体内でも合成され、肝臓や脳、筋肉などに蓄えられています。

ビタミンB6はビタミンB2によって活性化され、アミノ酸のトリプトファンがナイアシン(ビタミンB3)に合成されるときにも必要とされます。

2-3-1. ビタミンB6の働きと過不足の影響

タンパク質の分解、再合成に働くビタミンB6は、皮膚、髪、粘膜などの代謝を活性化して成長を促します。

もうひとつの大きな働きが、神経伝達物質の合成を助けることで、脳の神経伝達を正常に保ちます。
また、妊娠中のつわりや月経前後のイライラ、落ち込みなど、女性特有の症状を軽減します。

1日の推奨摂取量は男性が1.4mg、女性が1.2mgで、上限値は男性が55~60mg、女性が45mg。
体内でも合成されるので不足することはあまりありませんが、妊娠中や抗生物質を長く服用したときに欠乏症が出ることがあります。
不足すると代謝異常が起こり、皮膚や粘膜の疾患、神経障害、貧血などが現れます。

サプリメントなどで過剰摂取になると、手足のしびれや腎臓結石になることがあるので、上限値を守りましょう。

2-3-2. ビタミンB6の効果的な摂取方法

ビタミンB6を効率よく摂取するには、ビタミンB2の多い食品と一緒に摂りましょう。

ビタミンB6が豊富なのは、ニンニク芽、ピスタチオ、マグロ、牛レバーや豚レバー、牛乳などで、牛レバーはビタミンB2も豊富ですから高効率な食材です。

妊娠中の女性は、不足しても過剰になってもいけないので、意識的にバランスをとるようにしてください。

2-4. ビタミンB12

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ビタミンB12は、葉酸と協力してヘモグロビンの合成を助け、赤血球をつくります。
タンパク質の代謝にも関与して、細胞内にあるDNAの合成を助けます。

認知症との関連が研究され、脳の細胞を再生するのにビタミンB12が役立っていると考えられています。

2-4-1. ビタミンB12の働きと過不足の影響

ビタミンB12は、赤血球をつくる働きを助けて貧血を防ぎ、血液の健康を維持します。
水溶性ですが脂質となじみやすい性質があり、脳の神経細胞の細胞膜に入り込んで神経細胞を正常に保ちます。

ビタミンB12は肝臓に蓄えられ、体内でも合成されます。
しかも熱に強いので、不足しにくい栄養素。
ですが、植物性食品には含まれないので、ベジタリアンは積極的に摂取する必要があります。

1日の推奨摂取量は、男女ともに2.4µg(マイクログラム)で、妊娠期は+0.4µg、授乳期は+0.8µgとされています。
過剰になっても吸収されないため、上限値は設定されていません。

ビタミンB12と葉酸のどちらが不足しても造血障害が起こり、頭痛、めまい、吐き気などが現れ、悪化すると悪性貧血を引き起こします。
さらに、神経伝達系の異常が起こって神経が過敏になり、気分が落ち込むといった症状が出ます。

2-4-2. ビタミンB12の効果的な摂取方法

ビタミンB12は葉酸と一緒に摂取すると効果的。
シジミ、牛豚鶏のレバー、イワシなどはビタミンB12が豊富な食材ですが、とくに牛豚鶏のレバーは葉酸も豊富なので、血液の健康維持には効果的な食材です。

ビタミンB12が細胞膜を透過するためにはリチウムが必要とされるので、リチウムと一緒に摂取するのも効果的。

ベジタリアンや妊娠中の女性、抗生物質を服用している人は、積極的に摂りましょう。

2-5. ナイアシン

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ナイアシンは、化学名「ニコチン酸」と「ニコチン酸アミド」の総称で、ビタミンB3とも呼ばれます。

三大栄養素の代謝に補酵素として働き、全身に広く分布し、肝臓に多く存在してアルコールを分解します。

2-5-1. ナイアシンの働きと過不足の影響

ナイアシンは、糖質や脂質をエネルギーに変えるときに必要な酵素を助け、アルコールを無毒化する働きに加えて、皮膚や粘膜の代謝を促す酵素を助けて健康に保ちます。

1日の推奨摂取量は男性は15mgNE、女性は12 mgNE。
「mgNE」は、ニコチン酸(mg)+ニコチンアミド(mg)+トリプトファン量(mg)の1/60で表す値です。

上限値はニコチン酸の量で表され、男性が80~85mg、女性が65mgとされていますが、通常、摂りすぎることはありません。
過度の飲酒などで不足すると、稀に「ペラグラ」という皮膚病を発症することがあります。

2-5-2. ナイアシンの効果的な摂取方法

ナイアシンが豊富な食材は、タラコ、カツオ、鶏ムネ肉、バターピーナッツ、干しシイタケなど。

水溶性ですが熱に強いので、鶏ムネ肉の唐揚げがおすすめ。
ピーナッツや焼きタラコをお酒のおつまみにすると、二日酔いの予防になります。

2-6. 葉酸

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葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球をつくる「造血ビタミン」であり、DNAが正常につくられるときに働く酵素を助けます。

「葉酸」の名称は、ホウレンソウから発見されたことからつけられました。

2-6-1. 葉酸の働きと過不足の影響

葉酸は、タンパク質やDNAの合成に欠かせません。
タンパク質は体内でアミノ酸に分解され、全身で各部位が必要とする10万種類ものタンパク質に再合成されますが、その設計図はすべてDNAに保存されています。

ですから、葉酸が不足してDNAに異常が起きると、タンパク質が正常に合成されなくなり、健康は維持できません。

ビタミンB12と協力して赤血球をつくるだけでなく、ビタミンB12、B6と協力して動脈硬化の原因になる物質ができるのを防ぎます。
不足すると、悪性貧血の原因となり、動脈硬化を引き起こすことも。

1日の推奨摂取量は、男女ともに240µgで、上限値は男女とも90~1000µg。
サプリの摂りすぎ以外で過剰になることはまずありません。

2-6-2. 葉酸の効果的な摂取方法

葉酸は熱に弱く、ホウレンソウやモロヘイヤをゆでた場合、40%減少します。
サラダやジュースで摂取するのが効果的。

葉酸を多く含む食材は、鶏牛豚のレバー、モロヘイヤ、ホウレンソウなど。
ほかのビタミンBを含む食材と組み合わせると、効果的に摂取できます。

妊娠中の女性、透析を受けている人、アルコール依存症の人などは、積極的に摂りましょう。

2-7. パントテン酸

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パントテン酸は、三大栄養素の代謝に欠かせない補酵素で、ビタミンB5とも呼ばれます。ストレスを緩和する「ストレスビタミン」として知られます。

2-7-1. パントテン酸の働きと過不足の影響

パントテン酸は、体内で「コエンザイムA」という補酵素に変化して、ビタミンB1とともに糖質を、ビタミンB2とともに脂質を、それぞれエネルギーに変換する酵素を助けます。

また、副腎に働いて副腎ホルモンの分泌を促進し、ストレスをやわらげます。
さらに、ビタミンCの働きを助けて、皮膚や髪の健康を維持します。

1日の推奨摂取量は男性が5mg、女性が4mgで、摂りすぎても尿で排出されてしまいます。普通の食生活で不足することはありませんが、極端なダイエットなどで不足すると、手足のしびれ、頭痛、不眠、食欲不振、疲労感などが現れ、免疫力が低下します。

2-7-2. パントテン酸の効果的な摂取方法

パントテン酸は、水に溶けやすく、熱に弱いのが特徴。
カリフラワーなどをゆでると、60%が失われてしまいます。

パントテン酸が豊富な食材は、鶏豚牛レバー、卵黄、鶏ササミ、カラスミなど。
溶け出したものも摂取できるように、スープで食べると効果的。
鶏肉やシイタケなどで出汁を摂ると、さらに効率アップします。

ダイエット中の人以外に、妊娠、授乳期の女性、アルコールやコーヒーを多く飲む人、抗生物質を服用している人も、積極的に摂取してください。

2-8. ビオチン

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ビオチンは、皮膚炎予防の物質として発見されました。
三大栄養素のエネルギー代謝を助け、とくにタンパク質の合成を促進します。

2-8-1. ビオチンの働きと過不足の影響

ビオチンは、タンパク質をはじめ、糖質と脂質のエネルギー代謝に大きく関与するので、新陳代謝が活発な皮膚や髪の健康維持に欠かせません。

皮膚の炎症やかゆみを起こす「ヒスタミン」のもとになる「ヒスチジン」を体外に排出する働きがあるので、アトピー性皮膚炎の治療薬として用いられます。

1日の推奨摂取量は、男女ともに50µgで、摂りすぎても排出されるので過剰摂取の心配はありません。

動物性食品と植物性食品のどちらにも幅広く含まれており、体内でも合成されるので不足することもあまりありませんが、抗生物質の服用などで不足した場合には、皮膚炎、脱毛、白髪などが現れることもあります。

2-8-2. ビオチンの効果的な摂取方法

ビオチンは水溶性ですが、食品ではタンパク質と結合した形で存在するので分解されにくく、調理によって損失しないのが特徴。
ただし、生の卵白は吸収を阻害します。

ですから、どのような調理法でも問題なく、卵は加熱して食べるのが効率的です。
ビオチンが豊富な食材は、鶏豚牛レバー、卵黄、バターピーナッツ、湯葉など。

生卵を毎日食べる人や、抗生物質を服用している人は、積極的に摂りましょう。

 

まとめ

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8種のビタミンB、それぞれの効果がわかったところで、自分なりの健康に役立てる方法を考えてみましょう。

サプリメントは、あくまでも食事で摂り切れない栄養素の補助と考えて、まずは食事の内容を見直すことをおすすめします。

最近、ビタミンB群の働きで注目されているのが、筋トレの効果アップ。
筋肉の材料となるタンパク質と一緒に、ビタミンB群をしっかり摂ることの重要性が指摘されています。

 

【参考資料】
・『正しく知れば体が変わる! 栄養素の摂り方便利帳』 中村丁次 監修  PHP研究所 2017年
・『もっとキレイに、ずーっと健康 栄養素図鑑と食べ方テク』 中村丁次 監修  朝日新聞出版 2017年
・『医者が教える「あなたのサプリが効かない理由」』 宮澤賢史 著  イースト・プレス 2018年
・『これは効く!食べて治す 最新栄養成分事典』 中嶋 洋子 監修 主婦の友社 2017年

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