海外でも人気の手作り美白パックを試してみたいと思いませんか?
市販のフェイスパックは、高級なものになると1回で数千円もかかる場合があります。
しかし、同じような効果を得られるパックが自宅で手作りできるとしたら、試すべきですよね。
人間は太古からいろいろな食材を美容に利用してきました。
ここで紹介する美白パックも、身近な食材を使ってキッチンで作れるものばかりです。
手作り化粧品に限らず、正しいスキンケアをするときには、まず自分の肌タイプを知らなければいけません。
スキンケアの基本を知り、手作りパックを取り入れたナチュラルスキンケアで、美白を目指しましょう。
目次
1. スキンケアの基本
1-1. シンプルスキンケアの4つのポイント
1-2. 肌タイプ別のケアポイント
1-2-1. 乾燥肌
1-2-2. 普通肌
1-2-3. 脂性肌
1-2-4. 乾燥脂性肌
2. 手作り美白パックでナチュラルスキンケア
2-1. 手作りパックの8つの魅力
2-2. 手作りパックの基本的な使い方
2-3. パッチテストの行い方
3. キッチンで作る美白パック10選
3-1. 酒かすパック
3-2. 黒糖パック
3-3. イチゴヨーグルトパック
3-4. リンゴとオートミールのパック
3-5. キウイパック
3-6. ニンジンパック
3-7. カボチャパック
3-8. トマトマスク
3-9. アボカドパック
3-10. 米ぬかのパック
まとめ
1. スキンケアの基本
「スキンケア」とは、肌を健康な状態に保つために行うものです。
本来の目的は、肌を美しく見せようとするものではありません。
乾燥や紫外線などに負けないよう肌のケアを続けた結果、美白や美肌がついてくるのです。
美白や美肌は、スキンケアの副産物といってもいいでしょう。
毎日のデイリースキンケアを、余計な成分やアイテムを用いず行うのが「シンプルスキンケア」です。
1-1. シンプルスキンケアの4つのポイント
- 自分の肌に合った違和感のないスキンケアを行う。
- 無香料、無着色で、肌への刺激が少ないアイテムを選ぶ。
- 化粧品のすり込み、タオルでこする、ゴシゴシ洗顔は禁物。
- 入浴後や洗顔後の、まだ肌がうるおっている間にスキンケアする。
3と4は、気を付けていれば難しいことではありません。
1と2は手作り化粧品を使えばクリアできます。
1-2. 肌タイプ別のケアポイント
手作り化粧品は、過激な材料を使わない限り、市販の化粧品ほど肌への負担がありません。
しかし、保湿ケアを考える上で、肌が乾燥しがちなタイプと脂っぽいタイプとでは、ケアの時間やアイテムの使用量が変わってくる場合があります。
「乾燥肌」「普通肌」「脂性肌」「乾燥脂性肌」という4つタイプに分類して、それぞれのスキンケアのポイントを解説します。
石けんで洗顔した直後は肌のつっぱり感がありますが、その後、どのくらいで皮脂が分泌され始めるかで、自分がどのタイプか判断することができます。
どのタイプも、シンプルスキンケアの基本は、「洗顔 → たっぷりの化粧水 → 植物オイル」で、ケアの際は肌をこすらないようにするのも共通のポイントです。
1-2-1. 乾燥肌
洗顔後のつっぱり感がなくなるのに40分以上かかるか、なくならないというのは乾燥肌のタイプです。
- ケアするときに肌をこすらないことを厳守しましょう。
- とくにこのタイプは、化粧水のパッティングをしてはいけません。
- 保湿化粧水や美容液の量は、肌の状態に合わせて加減しましょう。
- パックは刺激の少ないものを選んで、週に1~2回が適しています。
- 夜のケアの最後は、肌に合った植物オイルを顔全体に塗って終えます。
- 敏感肌の人は、このタイプを参考にしてください。
1-2-2. 普通肌
洗顔後、30分程度でつっぱり感がなくなるのは、普通肌のタイプです。
もっとも肌トラブルの少ない肌質です。
- 洗顔は朝晩欠かさないようにしましょう。
- パックは1~2日おきが適しています。
- 外出時はUVケアを忘れないようにしましょう。
1-2-3. 脂性肌
洗顔後、20分以内につっぱり感なくなるのは、脂性肌タイプです。
肌にうっすら皮脂が広がることもあります。
- 朝晩の洗顔は欠かさず、とくにTゾーンは入念なケアをしましょう。
- 洗顔直後に肌に合った化粧水をたっぷりつけてください。
- 保湿化粧水や美容液の量は、肌の状態に合わせて加減しましょう。
- パックは毎日しても大丈夫で、朝のパックも有効です。
- 外出時はUVケアを忘れないようにしましょう。
1-2-4. 乾燥脂性肌
洗顔後、20~30分で皮脂の分泌が感じられても、部分的につっぱり感が残っているのは乾燥脂性肌タイプです。
- 朝晩の洗顔は欠かさず、とくにTゾーンは入念なケアをしましょう。
- 洗顔直後に肌に合った化粧水をたっぷりつけてください。
- パックは1日おきが目安になります。
- 外出時はUVケアを忘れないようにしましょう。
2. 手作り美白パックでナチュラルスキンケア
市販の「美白化粧品」には、美白成分が配合されています。
美白成分は、肌を白くするものではなくて、肌のメラニン色素の生成を抑制し、シミを予防するのが主な働きです。
ここで紹介する美白パックは、必ずしもメラニンの生成を抑えるものではなく、ターンオーバーを活性化して角質細胞を排出することによって肌を明るくする効果や、角質層のバリア機能を取り戻して肌を守る効果、肌本来の美しさを取り戻す美肌効果があるものも含みます。
ターンオーバーとは、肌の表面にある厚さ0.2mmの「表皮」の基底層で生まれた新しい表皮細胞が、28日間かけてだんだん表面に向かって押し上げられ、最後は角質層で角質細胞となってアカといっしょにはがれるまでの代謝サイクルのことです。
角質層は0.02mm、ラップ1枚ほどの薄さながら、肌内部の水分を維持し、外部刺激から体を守るバリアの役割を担っています。
刺激物やこすりすぎなどの原因で角質層が壊れると、このバリアが機能しなくなってしまい、肌トラブルを引き起こすのです。
美白には、シミだけに限らず、くすみ、小ジワ、乾燥、たるみといった肌トラブルのケアも必要なのです。
2-1. 手作りパックの8つの魅力
手作りパックには、市販品にはない魅力もたくさんあります。
- 洗い流すタイプなので、肌の負担が少ない。
- パックの水分と皮下からの水分によって角質層をじっくりうるおす。
- 角質層がうるおって、パックの美白、美肌成分が浸透する。
- 毛穴の汚れも吸着して清潔にする。
- パックが乾くときに皮膚温度が上昇して血行がよくなる。
- 洗い流すときに、アカと角質細胞が取り去られてくすみを解消する。
- 洗い流すので、化粧品材料には向かないアイテムも使える。
- キッチンにある食材で手軽に栄養たっぷりのパックが作れる。
2-2. 手作りパックの基本的な使い方
STEP1 洗顔
石けんで洗顔してメイクの汚れ、脂分をしっかり落とします。
乾燥が激しい人や敏感な人は、石けんを使わずにぬるま湯で洗いましょう。
STEP2 パックを塗る
顔の中心に手作りパックをのせたら、外側に向かって伸ばしていきます。
肌の表面はこすらないように注意してください。
パックの硬さは水分で調節して滑らかにしておきましょう。
STEP3 5~10分待つ
額、アゴ、鼻の下などもまんべんなくパックして、そのまま5~10分待ちます。
乾くまで待つ必要はなく、入浴中に行うと効果がアップします。
乾燥が激しい人や敏感な人は、時間を短めにしましょう。
STEP4 パックを落とす
果物や野菜の固形物は、こすらないようにティッシュで拭います。
ぬるま湯をたっぷり顔にかけながらパックをゆっくりやさしく落とします。
目に異物が入らないように注意しましょう。
STEP5 パックのアフターケア
夜は、パックをきれいに落としたら、清潔なタオルで軽く押さえるようにして水分を取り、化粧水と植物オイルでシンプルケアします。
朝は、パックを洗い流した後、化粧崩れの原因にならないようにさっと石けんで洗顔するか、化粧水をたっぷり含ませたコットンで軽く押し拭きしましょう。
2-3. パッチテストの行い方
パックに限らず、手作り化粧品は必ずパッチテストをしてから常用します。
パッチテストは、材料や完成アイテムを腕の内側など皮膚のやわらかい部分に少量塗布して、1日程度様子を見ます。
かゆみや炎症が出た場合は、使用をやめてください。
パッチテストで問題なくても、使用して違和感がある場合には使用を中止しましょう。
3. キッチンで作る美白パック10選
果物や野菜の有効成分は、長時間つけっぱなしにしたり、日光に当てたりすると肌を傷めてしまう場合もあります。
必要以上の時間や回数のパックは避けて、しっかり洗い流すことが大事です。
作りたてを使用し、遅くともその日のうちには使い切りましょう。
作る際に使用する計量器具や容器などは、熱湯消毒やアルコール消毒をして清潔に保ってください。
パックの最中に水分がたれてくるのが気になる場合は、小麦粉などを少量加えて混ぜて固さを調整します。
小麦粉には美白作用があり、肌のキメを整える効果も期待できます。
ただし、開封後は雑菌が繁殖しやすいので、古いものは使うのをやめましょう。
3-1. 酒かすパック
酒かすは、くすみやシミ対策に効果があります。
ターンオーバーを活性化させる効果も高いので、美白目的だけでなく、様々な肌トラブルに悩む人が使用しています。
酒かす 大さじ1
日本酒 大さじ1
小麦粉 (適量)
① 清潔なビニール袋に酒かすを入れて手でよくもむ。
② やわらかくなった酒粕を容器に入れ、日本酒を加えてよく混ぜる。
③ やわらかすぎると感じたら、小麦粉を少量加えて使いやすい固さに整える。
ポイント
酒かすと日本酒を混ぜるときには、ミニ泡だて器をつかいましょう。
アルコールに敏感な人は、日本酒を湯せんしてアルコール分を飛ばして使うか、精製水で代用してもいいでしょう。
3-2. 黒糖パック
黒糖は、昔から美容に使われてきたアイテムです。
黒糖の黒い成分である「黒糖オリゴ」には、つやつやしたうるおいのある美肌をもたらす働きがあります。
材料のひとつであるハチミツは美白効果だけでなく、殺菌や保湿の効果も高いので、手作り化粧品には欠かせないアイテムです。
黒砂糖 20g
お湯 10mℓ
ハチミツ 小さじ1
コーンスターチ 大さじ1
小麦粉 大さじ1
オリーブオイル 小さじ1/2
① ボールか小鉢に黒砂糖を入れてお湯を加え、よく溶かす。
② ハチミツを加えて混ぜ、人肌まで冷ます。
③ コーンスターチと小麦粉を少しずつ加えて混ぜる。
④ 最後にオリーブオイルを加えてよく混ぜる。
ポイント
黒糖は、保水力と雑菌の繁殖を抑える力が強力なので、荒れてしまった肌のケアには最適です。
ハチミツが溶けにくい場合には、湯せんしてやわらかくしてください。
コーンスターチと小麦粉はダマにならないようにするのが滑らかにするポイントです。
3-3. イチゴヨーグルトパック
イチゴは古い角質を落ちやすくする働きがあるので、ターンオーバーを活性化させて、皮膚を明るくします。
プレーンヨーグルトの保湿力と美肌効果は折り紙付き。
ニキビ対策にも効果があります。
イチゴ 1粒
ヨーグルト 小さじ1
ハチミツ 小さじ1/2
① イチゴはへたを取って、フォークなどでよくつぶす。
② ヨーグルトとハチミツを加えてよく混ぜる。
ポイント
イチゴは新鮮なものを選び、使う前に洗ってください。
さっぱり感のあるパックなので、乾燥肌タイプの人はハチミツの量を増やしましょう。
ヨーグルトには、単体でもそのままパックとして使える優れた美白、美肌効果があります。
3-4. リンゴとオートミールのパック
リンゴには美肌効果が高い天然成分がたくさん含まれているので、即効性のあるパックです。
オートミールがもつ保湿力との相乗効果によって、パック後はツルツルしっとりの明るい肌が実感できます。
リンゴ 1/4個
オートミール(粉) 大さじ1
ハチミツ 小さじ1/2
① リンゴは芯を除き、皮をむいてすりおろす。
② オートミールの半量とハチミツを加える。
③ よく混ぜて、ゆるい場合にはオートミールを増量する。
ポイント
リンゴは種類によって水分量が違うので、オートミールの量で調節してください。
3-5. キウイヨーグルトパック
キウイはビタミンCが豊富なので、美白効果が期待できます。
ヨーグルトと組み合わせて、紫外線で疲れた肌や、くすんで化粧ノリが悪くなった肌を再生しましょう。
キウイフルーツ 1/4個
ヨーグルト 小さじ2
ハチミツ 小さじ1
小麦粉 適量
① 皮をむいたキウイをフォークなどでよくつぶす。
② ヨーグルトとハチミツを加えてよく混ぜる。
③ 小麦粉を少しずつ加えて混ぜ、肌に塗りやすい固さに整える。
ポイント
キウイの代わりにキュウリを使っても、美白とスッキリしっとり効果があるパックになります。
3-6. ニンジンパック
ニンジンには肌の汚れや古い角質を取り除く効果があり、ニキビ対策にもなります。
また、乾燥や不規則な生活で疲れた肌にハリを与えて、老化を防止します。
ニンジン 中1/3本
リンゴ酢 小さじ1
黒みつ 小さじ1
コーンスターチ 大さじ1
① ニンジンの皮をむいてすりおろす。
② リンゴ酢、黒みつとコーンスターチの半量を加えてよく混ぜる。
③ コーンスターチで固さを調節する。
ポイント
野菜に含まれる豊富なビタミン類は、美肌に不可欠な栄養素です。
野菜をたくさん食べて体の内側から栄養補給したら、切れ端でパックを作りましょう。
3-7. カボチャパック
カボチャにはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどが豊富で、美白、保湿効果が期待できます。
ホホバという植物の種を絞ったホホバオイルは、もっとも肌に刺激の少ないオイルといわれ、高い浸透力と保湿力をもっています。
メイプルシロップは栄養豊富で、肌をふっくら滑らかにする効果があります。
カボチャ 1片
ホホバオイル 小さじ1
メイプルシロップ 小さじ1
小麦粉 大さじ1
① カボチャの皮と種を除いてすりおろす。
② ホホバオイルとメイプルシロップを加えてよく混ぜる。
③ 小麦粉を少しずつ加えて混ぜ、肌に塗りやすい固さに整える。
ポイント
酢類や植物オイルは、どれも野菜との相乗効果で美白、美肌作用が高まるので、ワインビネガーやオリーブオイルなどでも代用できます。
3-8. トマトマスク
トマトは美肌効果とピーリング効果が高く、肌を滑らかにして、ニキビ予防にも効果があります。
グリセリンは市販の化粧品にも使われる保湿剤です。
パック後は肌がツルツルして明るくなります。
トマト 中1/3個
グリセリン 小さじ1/2
① トマトをきれいに洗って、使用する分量をおろし器ですりおろす。
② コーヒーフィルターを使って濾し、最後に軽く絞る。
③ グリセリンを加えてよく混ぜる。
④ コットンに含ませて、くすみやごわつきが気になるところにのせる。
ポイント
グリセリンには動物性と植物性があるので、植物性を使ってください。
トマトは酸が強くて刺激になりますから、長時間のパックは避けましょう。
3-9. アボカドパック
アボカドは栄養豊富で保湿力が高いので、プロのエステティシャンもよく使うアイテムです。
乾燥する秋から冬にかけてや、冷房で肌が傷む夏の時期に効果を発揮します。
パック後は、弾力のあるやわらかい肌が実感できます。
アボカド 大さじ1
ハチミツ 小さじ1
① アボカドを半分に割って、大さじ1杯分をすくう。
② 容器に入れてフォークなどでよくつぶし、ペースト状にする。
③ ハチミツを加えてよく混ぜる。
ポイント
アボカドはよく熟れたものを使いましょう。
ハチミツの殺菌作用で肌を清潔にし、アボカドの有効成分を吸収させます。
3-10. 米ぬかパック
キッチンにある粉類には、美白や美肌効果のあるものがたくさんあります。
米ぬかは美白効果以外に、保湿効果も高く、シミやシワの予防や肌荒れ予防に有効です。
ハトムギ粉はニキビや肌荒れに効果があり、オートミールは美白や保湿などの効果があります。
そのほか、きな粉、乾燥おから、アーモンドパウダーなども、美白効果の高い素材です。
米ぬか 大さじ1
小麦粉 小さじ1
牛乳 大さじ1~2
① 米ぬかと小麦粉を合わせる。
② 牛乳を少しずつ加えて混ぜ、使いやすい固さに整える。
ポイント
米ぬかがなければ、米のとぎ汁を利用してパックを作ることもできます。
米のとぎ汁をしばらく置いておくと、下に沈殿する白い粉が米ぬかです。
上澄みの水を捨てたら、底に残った米ぬかは水分を含んでいるので、そのままパックに使えます。
まとめ
ここで紹介した手作りパックに使用する材料は、どれも安心して使える素材です。
市販化粧品の成分表にあるような、よくわからなくて心配な成分は含んでいません。
ヨーグルト、ハチミツ、メイプルシロップ、植物油などは、美白、美肌効果がとても高いアイテムですから、いろいろなアイテムと組み合わせてアレンジすると、自分だけのオリジナルフェイスパックができます。
いろいろな材料や組み合わせを試してみて、自分の肌に合うスペシャルな手作りパックを完成させてください。
【参考資料】
・『手作りの化粧品と美肌パック』 成美堂出版 2005年
・『キッチンでつくる美肌化粧水&ピーリング』 主婦の友社 2003年