小顔美人は、すべての女性の願望ですよね?
日々、顔痩せの努力を続けている人も多いことでしょう。
もちろん、体の内と外から「小顔になる」根本的なケアは大切です。
しかし、「小顔に見せる」テクニックを学ぶことも、小顔美人の条件です。
メイクの方法を変えるだけで、見違えるほどの効果を出すことができるのですから、これほど即効性のある小顔術はありません。
ここでは、プロのメイクアップアーティストが使う小顔メイクのテクニックを、誰もができるようにアレンジして解説します。
小顔メイクのキーポイントは、光をしっかりとらえること。
まず、光を味方につけて立体感を演出する意味を解説してから、顔型別のへアアレンジを含めた15項目のメイクアップテクニックを紹介します。
目次
1. 光をとらえる小顔メイクとは?
1-1. 正面上45度の角度から当たる光
1-2. 小顔光をメイクに利用する方法
1-3. ヘアアレンジで小顔メイクを仕上げる
2-1. 小顔光を意識したベースメイクの手順
2-2. ファンデーションは正面と横で3:1
2-3. ファンデーションを足す4つのポイント
2-4. 目元の凸凹を知ってアイカラーを入れる
2-5. 面・線・立体のバランスでアイメイクを考える
2-6. マスカラで立体感を強調する
2-7. 小顔光を意識したチークの入れ方
2-8. リップブラシで唇の立体感を出す
2-9. 眉頭と鼻筋をぼかして立体的に仕上げる
2-10. 丸顔のへアアレンジ
2-11. 卵型顔のへアアレンジ
2-12. 面長顔のへアアレンジ
2-13. 四角顔のへアアレンジ
2-14. ベース型顔のへアアレンジ
2-15. 逆三角顔のへアアレンジ
1. 光をとらえる小顔メイクとは?
プロのメイクが一般人のメイクともっとも違うところは、光を最大限に利用することです。
顔の骨格や肌の構造、色彩理論といった専門知識をベースとして、いかに立体感を演出して美しく見せるかということを考えます。
まず、小顔メイクのキーポイントとなる光のとらえ方と、メイクに取り入れる方法を解説しましょう。
1-1. 正面上45度の角度から当たる光
ものが見えるのは、その物体に当たった光が反射して目に入るからです。
ですから、暗いところではものが見えません。
また、光の当たる角度によって、物体には影ができます。
顔も、光の当たる角度によって影のでき方が変わり、印象がガラッと違うものになります。
顔をもっとも美しく見せる光とは、顔の正面上45度の角度から当たる光(照明)といわれています。
正面から当たる0度の光は、顔が平面的でのっぺりとした印象を与えますが、やや上からの光になると、影ができて立体感が出てきます。
立体感によるメリハリがしっかり出て、顔がもっとも引き締まって見えるのが、45度からの光=「小顔光」なのです。
1-2. 小顔光をメイクに利用する方法
正面上45度からの「小顔光」は、光と影によって顔を美しく見せてくれますが、常にこの角度から光や照明を浴びているわけにはいきません。
しかし、この小顔光をメイクによってつくり出すことができるのです。
顔の高く見せたいところは、光を集めるように明るく見せ、それ以外の部分を影のように暗く見せることで、小顔光を当てたような立体感を演出します。
さらに、顔の上半分を明るく見せるのです。
この、小顔メイクを実践するためには、自分の顔の凸凹状況を把握し、小顔光が当たるとどう見えるか知らなければいけません。
照明と鏡を利用して、自分の顔がもっとも引き締まって見える状態を覚えておきましょう。
1-3. ヘアアレンジで小顔メイクを仕上げる
顔の印象は、ヘアスタイルによっても大きく変わります。
光を意識した小顔メイクをより効果的に見せようと思えば、小顔を演出する「小顔ヘア」も欠かせません。
人間の顔の形には個人差がありますから、自分の顔型の特徴を知って、効果的な小顔ヘアをアレンジすることが大切です。
小顔へアには、顔型によってルールがあります。
ここでは、顔型を大きく6つの形に分類して、それぞれの特徴とルールを解説します。
2. 小顔光をとらえる基本テクニック
顔は、頬骨や鼻筋などがせり出している立体構造です。
ですから、メイクで出っ張っているところを明るくし、へこんでいるところを暗くすれば立体感が強調されます。
これが、光をとらえるメイクの基本です。
ここからは、光を利用して小顔に見せるシンプルメイクの基本テクニックを紹介します。
2-1. 小顔光を意識したベースメイクの手順
メイクの出来の70%は、ベースメイクで決まるといわれます。
しかし、ファンデーションを使うと、なんとなくのっぺり顔になってしまいませんか?
小顔メイクの下地やファンデーションは、のせる位置と量が重要です。
これこそ、小顔光をとらえるメイクの最重要ポイントといっても過言ではありません。
まず、どこまでが顔の正面とされる範囲なのか知りましょう。
顔の正面とは、眉尻、頬骨の一番高い部分、口角を結ぶラインの内側です。
顔の正面以外の部分に下地やファンデーションを多く塗ると、のっぺり見えてしまいます。
正面には多く、横顔には少なめにするのが鉄則です。
化粧下地は、アズキ2つ分程度を手の甲にとり、中指と薬指の腹を使って顔の正面にトントンとのせ、まぶたの中央から目の周囲、額中央から左右に、鼻筋から周囲へ、アゴから口角を経て鼻の下へ、とのばします。
2-2. ファンデーションは正面と横で3:1
ファンデーションも顔正面の量を増やすことで、立体感のあるベースメイクになります。
ファンデーションの量は、顔正面が3に対して横顔が1程度にします。
シンプルメイクで多用されるパウダーファンデーションの場合は、パフの使い方を正面と横で変えましょう。
正面は頬骨にトントンと軽くのせてから、ファンデーションを足さずに横へなでるようにのせていきます。
ファンデーションを足したら、また頬骨にトントンのせて横へなでるようにのばします。
仕上げにルースパウダーの量を調節することで、肌のツヤを自在につくることができるリキッドファンデーションも、正面と横顔が3:1の量になるようにのせます。
頬骨にパフで軽く置くようにポンポンとのせたら、パフの裏面で横にのばしていきます。
リキッドタイプの場合は、そのままパフをギュッと絞ると吸収したファンデーションが出てくるので、それをまた頬骨にポンポンとのせて横にのばし、さらにもう1回繰り返して、合計3回塗り重ねます。
2-3. ファンデーションを足す4つのポイント
パウダーファンデーションもリキッドファンデーションも、頬の後には、下地と同じように目元、額、鼻筋、口元の4カ所にのせていきます。
パウダーファンデーションの場合はそれぞれパフに少し足し、リキッドファンデーションの場合はパフをギュッと絞って使います。
・まぶた中央から左右にのせたら、目の下にのせます。
・額中央にパフをポンポン置いてから、左右にのばします。
・鼻筋にのせてから、小鼻には軽く少量をのせます。
・パフをアゴに置いて、左右の口角から鼻の下へとのせます。
2-4. 目元の凸凹を知ってアイカラーを入れる
目元の凸凹を意識して、まぶたを閉じた目の周囲を指で触ってみましょう。
目元でもっとも出っ張っているのは、まぶたの中央である眼球部分で、その次に出っ張っているのは、眉の下のやや外側になる眉骨部分です。
この出っ張っている部分が平坦に見えてしまうと、目が腫れぼったく見えてしまうのです。
2カ所の出っ張り部分を強調して光を集めるようにメイクすれば、立体感のある目元を演出できます。
もっともシンプルな小顔メイクでは、筆で明るいアイカラーをまぶたの中央と眉骨の位置にのせ、指の腹で軽くなじませます。
これだけで、スッキリした立体感を出すことができます。
2-5. 面・線・立体のバランスでアイメイクを考える
アイメイクは、アイカラーでつくる「面」、アイラインでつくる「線」、マスカラやつけまつげでつくる「立体」という3要素のバランスが重要です。
アイカラーの色で小顔光を演出するだけでなく、アイラインでまなざしの強さを見せることや、マスカラで目の表情をつくることによって、目元全体の印象が決まるのです。
アイカラーをメインにして面の立体感を強めるとスッキリした印象の目元になり、アイラインで線を強調すると洗練された美しさを印象づけることができます。
アイラインを強調して、アイカラーを塗らないアイメイクもあります。
自分の顔に合ったバランスを見つけることが、小顔に見せるアイメイクのキーポイントです。
2-6. マスカラで立体感を強調する
シンプルメイクで目力をアップさせて、より目元の立体感を印象づけるのは、マスカラ使いのテクニックです。
・ビューラーでまつ毛を上げます。
・上まつ毛の上側に、根本から毛先になでるようにマスカラをつけます。
・上まつ毛の下側に、まつ毛が上向きになるように根本から毛先へとマスカラをつけます。
・まつ毛の毛先に、縦にしたマスカラブラシの先端を当てて、1本ずつチョンチョンと軽くのばします。
このマスカラテクニックで、目元の存在感と立体感がグンとアップします。
2-7. 小顔光を意識したチークの入れ方
自然な印象のチークは、顔色をよく見せるだけでなく骨格にメリハリを出してくれるので、小顔光を意識した立体感を演出します。
小顔メイクに効果を上げる自然な印象のチークとは、入れていることを感じさせないくらい肌になじんだものですが、チークは入れ方を間違えると、顔を大きく見せてしまうこともあります。
顔の正面だけにチークを入れると、チークの入っていない横顔部分が余白のように見えて顔が大きな印象を与えてしまうのです。
できればチークは2色使いにして、正面だけでなく、横顔の美しさもつくりましょう。
1色目は、薄目のブラウンやオレンジを頬の下から目尻にかけての横顔部分に影を入れ、2色目で本来のチーク色を頬骨周辺にのせると、自然な立体感をつくることができます。
2-8. リップブラシで唇の立体感を出す
リップメイクは、肌のツヤを強調して表情を明るくします。
最近は色だけでなく、ツヤや輝き、マットといった質感も重視するアイテムが主流になっていますから、うまく質感を利用して立体感を出しましょう。
リップやグロスのスティックを直接唇にのせて塗るのは、手軽な方法ですが、質感をしっかり出すためには、平筆のリップブラシがおすすめです。
平筆の両面にリップをたっぷりつけたら、上唇の山を決めてから下唇の輪郭を決めます。
手順は、左右の口角から上唇の山へ、左右の口角から下唇の中央へと描き、最後に唇全体を塗りつぶします。
ここまではリップメイクの基本ですが、小顔メイクのテクニックでは、リップにも小顔光を意識します。
基本のリップを塗った上に、上下の唇の中央部だけハイライトとなるグロスやパール入りのリップを重ねると、丸みが強調されて立体感のある唇になります。
2-9. 眉頭と鼻筋をぼかして立体的に仕上げる
一般的には、細い眉よりもある程度太さのある眉のほうが、小顔に見えるといわれます。
眉が細いと、顔の余白部分を多く感じさせてしまうからです。
また、眉頭が離れて見えると顔がのっぺりした印象を与え、中央に寄ると引き締まって目力も強い印象を与えます。
さらに小顔メイクのテクニックとしては、眉を描いた後に、眉頭から鼻筋をつなぐようなイメージで薄いブラウンやオレンジの影を入れると、顔全体が引き締まり、グッと小顔効果がアップします。
2-10. 丸顔のへアアレンジ
ここからは、顔型別のへアアレンジで、小顔メイクをより効果的に見せる方法を解説します。
まず最初は丸顔です。
フェイスラインが曲線の丸顔は、顔の見えている部分をひし形に近づけて輪郭をカバーします。
前髪の幅は狭くして、両端はこめかみを隠すスタイルが効果的です。
前髪を下ろす場合は、びっしり揃えずにすき間をつくりましょう。
サイドは、ゆるくウェーブした髪でフェイスラインの丸みをカバーします。
2-11. 卵型顔のへアアレンジ
フェイスラインがゆるやかな曲線の卵型顔は、基本的にどんなシルエットも似合いますが、高さをつけすぎると面長に見えるので注意しましょう。
前髪は面長に見えないように、奥の方から深めの流し前髪にするのがおすすめです。
ぱっつん前髪の姫カットは、下ぶくれに見えるので避けましょう。
サイドは自然なフェイスラインをより美しく見せるように、ナチュラルなスタイルにして、ムリに顔を隠さないようにしましょう。
2-12. 面長顔のへアアレンジ
目尻から口元の距離が長い面長顔は、チークラインにボリューム感を出して横幅を強調します。
前髪は、揃えると平面的に見えてしまいますから、下ろし前髪にして、中央部が上がった曲線で丸みをつけましょう。
立体感と奥行きが出て、小顔効果が高まります。
サイドは、下に重心を置いてボリュームをもたせると、面長をコンパクトに見せることができます。
2-13. 四角顔のへアアレンジ
アゴが平らで顔が大きく見えやすい四角顔は、アゴ周辺を隠しつつ、縦ラインのシルエットでスマートさをつくりましょう。
前髪は、下ろし流しのラウンドカットで頬骨を隠します。
前髪に曲線をプラスすることによって、顔全体に丸みをもたせることができます。
サイドはボリューム感を出してふんわりさせ、こめかみとエラを隠して、顔の見える部分を丸顔に近づけましょう。
2-14. ベース型顔のへアアレンジ
アゴのラインはゆるやかな角度で、エラが張っているベース型顔は、ヘア全体のボリューム感を抑えつつ、内側や、アゴから胸元にかけてのデコルテをふんわりさせてエラを隠しましょう。
前髪は、幅を狭くして、サイドにかけてのなだらかなラインで女性らしさを強調します。
サイドは独立したレイヤーをつくってエラを隠しましょう。
さらに前髪を合わせたシルエットで丸みを強調することによって、奥行きを出して小顔効果を高めることができます。
2-15. 逆三角顔のへアアレンジ
アゴがとがっていて、頭のハチが張っている逆三角顔は、アゴの下の肩先にボリュームがあると安定感が出て、アゴへの視線をそらす効果もあります。
前髪は幅をやや広めにとって、丸みをつけた流し前髪が効果的です。
ヘアのシルエットに曲線をつくると、ハチの張りをカバーできます。
サイドは、アゴのシャープさが目立たないように、グラデーションカットにして、顔を包み込むような丸みを演出しましょう。
まとめ
顔の凸凹や奥行きを強調する、小顔メイクの基本テクニックに大事なのは、「色」よりも「光をとらえる」ことです。
出っ張っている部分を強調するためには、明るい色を使えばいいのですが、ちょっと難しいのは、横顔など「自然な影」を見せる部分です。
自然な影を演出するためには薄いブラウンからオレンジを使うのが原則ですが、顔の立体構造には個人差がありますから、この中から自分の顔に合うカラーを選んでください。
影をしっかり出そうとして濃いブラウンを使ったり、血色をよく見せようとしてピンク系を使ったりすると、肌へのなじみが悪く、自然な影にはならないので注意しましょう。
また、メイクだけではなく、実際に小顔を目指す方には以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
【参考資料】
・『即効! ひとまわり小顔になるメイク』 PHP研究所 2016年
・『steady.特別編集 小顔バイブル』 宝島社 2013年