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重要な栄養素ですが、そのすべてを食事から補うのは難しいと言われています。
おなかの中の赤ちゃんが健やかに成長するためには、お母さんの食事が大切です。お母さんが食べたものによって、赤ちゃんの体は作られます。
妊娠中には自分のための栄養に加えて、赤ちゃんを育てるための栄養が必要となります。妊娠中は、「太りすぎないように」と摂取するカロリーをコントロールする人も少なくありません。
赤ちゃんの体重分、体重が増えればいいと思っていませんか?
妊娠すると、赤ちゃんの体重のほかに、血液や水分で2kg、脂肪が2kg、羊水と胎盤で1kg、合計5kgは体重が増えます。出産までにやせた人では最低9kg、体重を増やす必要があります。太っている人でも5kgぐらいは増やしましょう。
ここでは、妊娠中の効果的な食事のとり方と、食事をする上での注意点を紹介します。赤ちゃんが栄養不足にならないように、必要な栄養をしっかりとることを心がけてください。
1. 妊娠中の食事の7つの基本
1-1. 1日3食食べて、エネルギーをしっかりとる
1-2. 毎日、5種類のタンパク質に富んだ食材を食べる
1-3. 1食で5色を揃える
1-4. 低GIの主食を食べる
1-5. 鉄をしっかりとる
1-6. 魚を食べる
1-7. 塩分を控える
2. 食習慣別妊娠中の食事の注意点
2-1. 食べ過ぎタイプ
2-2. 塩分とりすぎタイプ
2-3. 甘いものが大好きタイプ
2-4. 炭水化物とりすぎタイプ
2-5. 鉄不足タイプ
3. 妊娠中の飲み物の注意点
3-1. アルコール飲料
3-2. カフェイン入りの飲料
3-3. 糖分の多い飲み物
3-4. 安心して飲めるもの
赤ちゃんがおなかにいることで、必要な栄養やエネルギー量は普段と変わってきます。
18〜29歳の運動量が普通(身体活動レベルが普通)の女性は一般に1日に1,950kcal、30〜49歳の場合は2,000kcalを必要とします。
妊娠初期(0〜15週/1〜4か月)は50kcal、妊娠中期(16〜27週/5〜7か月)は250kcal、妊娠後期(28〜39週/8〜10か月)には450kcal、エネルギーの必要量が増えます。
栄養素はいろいろなものをバランスよくとることが基本ですが、妊娠初期には葉酸やビタミン、鉄、カルシウムなど、妊娠中期には鉄やタンパク質、カルシウムなど、妊娠後期にはタンパク質と鉄、DHA、マグネシウム、カルシウムが特に必要となります。
赤ちゃんのためにも、自分のためにも、食事が大切なことはわかっているけれど、あまり面倒なことは考えたくない人も多いでしょう。
妊娠中に絶対守りたい食事のポイントを7つに分けて紹介します。
妊娠中の食事は、1日3食が基本です。
朝食を抜くと、昼ごはんを食べた後に血糖値が急上昇してしまいます。
血糖値を急激に上げる食事や食習慣は、体脂肪を増やしてしまうので止めましょう。
また、1日2食では十分なエネルギーがとれません。
朝食はパンとコーヒーというように、「炭水化物だけ」にならないようにしましょう。
たまごやヨーグルトなどのタンパク質、サラダやフルーツも加えてください。
<妊娠時期別1日に必要なエネルギー量>
・妊娠初期(0〜15週/1〜4か月)
18〜29歳:2,000kcal
30〜49歳:2,050kcal
・妊娠中期(16〜27週/5〜7か月)
18〜29歳:2,200kcal
30〜49歳:2,250kcal
・妊娠後期(28〜39週/8〜10か月)
18〜29歳:2,400kcal
30〜49歳:2,450kcal
<BMI別妊娠中の推奨体重増加量>
BMI18.5未満:9〜12kg
BMI18.5〜25.0:7〜12kg
BMI25.0以上:およそ5kgを目安に
(厚生労働省 健やか親子21(平成18年)より)
※BMI=妊娠前の体重÷(身長×身長)
タンパク質はお母さんと赤ちゃんの体を作る大切なものです。
タンパク質を多く含む食材は大きく5つに分けられます。
・肉(鶏肉、豚肉、牛肉)
※生ハムはなるべく加熱調理する
・乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)
※カマンベールチーズやゴルゴンゾーラチーズはなるべく加熱調理する
・魚(赤身魚、青背魚、白身魚)
※スモークサーモンはできれば加熱調理する
・たまご(鶏卵、ウズラのたまご、イクラやタラコなどの魚卵)
・大豆製品(豆腐、納豆、高野豆腐、豆乳)
この5種類すべてを毎日とるのが理想です。
量は1日に片手にひと盛りずつが目安になります。
なお、肉は脂身の多いバラ肉よりも、ヒレ肉や鶏のささみなど、脂肪の少ないものが適しています。
脂身の多い肉は下ごしらえのときに脂身を取り除くか、ゆでたり、焼いたりして余分な脂身をカットしましょう。ヘルシーな蒸し料理もおすすめです。
健康的な食事は、カラーバランスで見ることができます。
食材は次の7食に分けられます。
このうち、1食につき5つの色を使いましょう。
複数の色の食材を使った作り置きできるおかずを用意しておくと、楽に色数を増やせます。
食事で5色揃えきれない場合は、おやつで補っても構いません。
妊娠しているときは、普段よりもカロリーが必要です。
太るのを気にして炭水化物を抜くと、エネルギーが不足してしまいます。
同じ炭水化物でも、血糖値を急激に上げるものは太りやすくなります。
食べた後に血糖値をどの程度上昇させるのかを表したものを「GI値」と呼びます。
食後の血糖値が上がりにくい低GIの主食を選ぶようにしましょう。
低GIの主食としては、
白米が食べたいときには、おかずは食物繊維の多い野菜やきのこ、海草を使ったものを多くとるとよいでしょう。
妊婦さんの7割が経験するといわれる問題が貧血です。
妊娠後期は赤ちゃんが大量の鉄を必要とするため、貧血をおこしやすくなります。
体の中で鉄は、フェリチン(貯蔵鉄)として肝臓などに蓄えられています。
妊娠したらフェリチンを増やすため、鉄を多く含む食材を積極的にとってください。
体に吸収されやすいヘム鉄を多く含むのは、アサリやシジミ、マグロ、牛の赤身肉、豚ヒレ肉、レバーなどです。
おやつも鉄の多いものを選ぶとよいでしょう。
プルーン、ナッツ、グラノーラ、豆乳、鉄強化飲料、プリンなどがおすすめです。
脂肪や糖分の多いドーナツやケーキ、スナック飲料、チョコレートなどは避けましょう。
体によい脂の代表が、魚に多く含まれるDHAやEPAです。
DHAは脳の神経細胞のおもな成分で、赤ちゃんの脳の発達を助ける大切なものです。
また、魚には最近注目されるようになったビタミンDも豊富です。
ビタミンDの働きとしては、
などが挙げられます。
ただし、魚の中にはおなかの中の赤ちゃんに悪影響を及ぼすメチル水銀を多く含むものもあります。
こうした魚は食べ過ぎに注意しましょう。
水銀が少ない魚は食べる量を気にする必要はありません。
<DHAが多くてメチル水銀が少ない魚>
・ブリ
・サンマ
・イワシ
・にしん
・サケ
・サバ など
<DHAが多いけれど、メチル水銀も多い魚>
・マグロ
・甘鯛
・メカジキ
・サワラ
・ムツ など
妊娠中に必要なカロリーを満たすために食事の量を増やすと、塩分摂取量も多くなりがちです。
塩分の取りすぎはむくみを招くほか、妊娠高血圧症候群の原因のひとつになります。
塩に頼らない味付けの工夫としては、次のようなものがあります。
また、調理のときには計量スプーンを使うなど、使った塩分量が把握できるようにするとよいでしょう。
食事の好みや食習慣、生活の環境などは人によって違いがあります。
妊娠中、どんな食生活を送っていますか?
自分のタイプを知ることで、妊娠中の食事で気をつけるべき点も変わってきます。
思い当たる人は、体重が増えすぎて、難産や妊娠合併症をおこす危険性があります。
揚げ物や脂の多い肉、インスタント食品、お菓子を食べる量は減らしましょう。
代わりに、食物繊維の多い野菜や海藻、きのこ類を多くとるようにしましょう。自炊するときは、できるだけ油を使わない方法で調理するのがおすすめです。
満腹感を得られるように、よく噛んでゆっくり食べることを心がけてください。
<チェックポイント>
・サラダは、たっぷりとドレッシングやマヨネーズをかけて食べる
・週に3回以上、カップラーメンなどのインスタント食品を食べる
・コンビニのおにぎりやお弁当を食べることが多い
・ラーメンやうどんなどの麺類は、汁まで飲み干す
妊娠していると、塩分を排出する能力が低下するため、むくみやすくなります。
普段より塩分を控えることを心がけましょう。
むくみが気になる場合には、酢やレモンで酸味を足して、塩分を控えめにしましょう。
余分な水分と塩分の排出を促すカリウムを多く含む食材を増やすのもひとつの方法です。
カリウムは、玄米や全粒粉パンなどの精製していない穀物、野菜やフルーツに多く含まれています。
<チェックポイント>
・毎日、お菓子を食べる
・コーヒーや紅茶は、砂糖を入れて飲む
・カフェでは、甘い飲み物を注文する
・ほとんど毎日、清涼飲料水を飲む
甘いものを食事代わりにしていると、カロリーは足りていても、タンパク質や鉄などの栄養素が不足しがちです。食事は1日3回、きちんととるようにしましょう。
おやつも、甘いだけではなく、体によいものを選んでください。
おすすめはタンパク質がとれるものです。甘いものならたまごと牛乳を使ったプリンはいかがでしょうか。チーズやヨーグルトなどの乳製品、オリゴ糖や蜂蜜で甘味を付けた豆乳なども適しています。
甘いもの(糖分)のとりすぎは、体重増加に繋がります。
もし糖分をとりすぎたと思ったときは、翌日、糖分を控えるようにしましょう。
<糖分の多い食品>
・バナナ、ぶどう、リンゴ、キウイフルーツなどのフルーツ
・ドライフルーツ
・ソースやケチャップなどの市販の調味料
・缶詰
・お菓子
<チェックポイント>
・食事は、うどんやラーメン、パスタ、丼物など、一皿の料理が多い
・野菜はあまり食べない
・食事の代わりにスナック菓子やケーキを食べることがある
・週に3回以上、ファストフード店に行く
具の少ない一皿料理で食事をすませることが多い人は、タンパク質や鉄が不足しがちです。
血糖値の急上昇を防ぐために、主食だけではなく、野菜などの食物繊維も合わせてとってください。
タンパク質の多い肉や魚、豆腐などの大豆製品、食物繊維の多い野菜や海藻などもきちんと食べましょう。
炭水化物がメインになる具の少ないうどんやパスタ、丼物などはできるだけ避けて、外食のときは定食などを選びましょう。
<チェックポイント>
・肉や魚、青菜などはあまり食べない
・ベジタリアン(野菜しか食べない)
・食後には、コーヒーや紅茶、緑茶を飲む
・妊娠中の健診で貧血を指摘された
妊娠中は血液の量が増えて、妊娠後期になるにつれて血液が薄まっていきます。そのため、貧血になる人が多いのです。早期の貧血対策が欠かせません。
鉄を補うためには、吸収のよいヘム鉄を多く含む動物性食品が適しています。
牛もも肉や豚ヒレ肉などの赤身肉、カツオ、シジミ、アサリなどを積極的に食べるようにしましょう。
吸収率の低い非ヘム鉄はほうれん草などの青菜や豆腐などの大豆製品に多く含まれています。
こうしたものを食べた後でコーヒーや紅茶、緑茶などタンニンを含む飲料を飲むと、非ヘム鉄の吸収が抑えられてしまうので、注意してください。
妊娠中は食事だけでなく、飲み物にも注意が必要です。
妊娠中の飲酒は、赤ちゃんに悪影響を及ぼす危険性があります。
妊娠がわかったら、アルコール飲料は封印しましょう。
どうしても飲みたいときは、ノンアルコールビールにしておきましょう。
カフェインを妊娠初期に過剰に摂取すると、子宮への血液の流れが悪くなることがあります。
流産や早産の危険性も高くなるので、カフェインの入った飲み物は常用しないほうがよいでしょう。
<1日の目安量(1杯150ml換算)>
・コーヒー:1〜2杯
・紅茶:1〜3杯
・煎茶・ウーロン茶・ほうじ茶:5〜6杯
・ココア:5〜6杯
なお、栄養ドリンクは商品によって含まれるカフェイン量が異なります。
青汁は、抹茶や緑茶入りのものはカフェインが含まれます。
どちらも、飲む場合はノンカフェインのものを選んでください。
糖分が多い飲み物やエネルギー量の多い飲み物は、太りやすいので注意が必要です。
栄養が豊富な飲み物でも、カロリーの高いものが少なくありません。
次のようなものを飲む場合は、1日コップ1杯程度にとどめましょう。
ノンカフェインの飲み物なら、安心して飲むことができます。
<ノンカフェインの飲み物>
・ミネラルウォーター
・炭酸水
・麦茶
・番茶
・ルイボスティー
・ローズヒップティー
・生姜湯
・タンポポコーヒー
ただし、ハーブティーには注意が必要です。
ハーブの中には子宮を収縮させる成分を持つものなどもあります。
ハーブの成分や禁忌などを調べて、医師に相談してから飲んでください。
妊娠中はいろいろな食材をバランスよく食べることが大切です。
でも、栄養のことを考えすぎると、食事が面倒になりかねません。
そんなときおすすめなのが、1食に5つの色の食材を使う方法です。
また、体調のよいときに、それぞれの時期に必要な栄養素を含む作り置きのおかずを用意しておくとよいでしょう。
外食やコンビニでごはんを買う場合は、メインのおかずは脂質の多い揚げ物などは避けて、魚や煮物中心のものを選ぶのがおすすめです。
【参考資料】
・細川モモ、宇野薫(監修)『妊娠中の食事』(主婦の友社、2016年)
・笠井靖代、佐藤真之介(医学監修)、食のスタジオ(栄養・食事指導)『赤ちゃんすくすく 時期別 妊娠中の食事』(西東社、2016年)
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