「魔法の言葉」(英語:magic word )をご存じでしょうか。
「魔法の言葉」を使うことで、自分や身近な人たちの人生を良い方向へ向かわせている人が増えています。スポーツ選手などのアスリート、芸能人、作家などの著名人だけでなく、一般の人にも「魔法の言葉」をつかって成功に向かっている人が多くいるのです。
以前は「呪文」「祈り」などの魔法の言葉というと、迷信やある種の宗教のイメージがあったと思います。しかし最近では多くの医師や科学者、物理学者など迷信を信じない人たちが「魔法の言葉」の効果について、なぜ人生を良くすることができるのかを解説しています。
口癖のように「魔法の言葉」をつかうことで、日常の小さな悩みや些細なトラブルはほとんど自然に消えていきます。そして、大きな願望や夢といったこれまで手が届かないと思っていたものにどんどん近づきはじめるのです。
誰にでも始められますし、道具もお金もかかりません。今すぐに「魔法の言葉」をつかう生活を実践して、自分の人生がどんなふうに良くなっていくかを楽しみに観察してみてください。
まずは、自分の身近な人たちとの関係が良くなる魔法の言葉を紹介します。定型文でその効果を実感することができたら、次に自分のオリジナル「魔法の言葉」をみつけたり、作ったりしてみましょう。
心に抵抗なくすんなり受け入れられる魔法の言葉ならきっと、自分の願いが叶う方向へ導いてくれるはずです。
1.魔法の言葉で家族や周囲の人にも変化が出る
2.自分の人生を変える魔法の言葉を口にしよう
3.人生を変える「魔法の言葉」をつくる
4.「魔法の言葉」おすすめの本
4.これまでに願いが叶わなかった理由
6.まとめ
1.魔法の言葉で家族や周囲の人にも変化が出る
1-1.子供に対する魔法の言葉5選
①「大丈夫だよ」
まずは安心させてあげること。その後の行動はそれからゆっくり考えれば良いと教えてあげましょう。
②「頑張ってるね」
「頑張りなさい」と言ってしまいがちですが、どんな子供も自分なりに頑張っているのです。認めてもらえたという喜びは、成長につながります。
③「どうしたい?(どうしたかった?)」
自分はどうしたいのか、また、どうしたかったのかを尋ねることで子供は自分の心と向き合うことができます。
④自分の感情を率直に「お母さん、嬉しいな」「悲しいな」「つらいな」など
子供の取った行動を否定するのではなく、子供がそうすることで自分がどんな気持ちになるかを言葉にすると、子供は自分の取った行動について考えます。
⑤「大好きだよ」
言わなくても伝わると思いがちですが、口にすることで子供はとても幸せな気持ちになり、心が安定して強くなります。
1-2.親や夫に対する魔法の言葉5選
①「ありがとう」「感謝してる」
あたりまえのようですが、感謝の言葉には力があります。わざわざ口にするのは照れくさいと言わず、感謝すべきものをみつけて口にしましょう。
②「あなたと結婚して良かった」「頼りにしてるから」
男性はやはり、頼られると良い気持ちになるようです。ちょっとした雑事を引き受けてくれただけでも、これらの言葉を口にしてみてください。
③「さすがだね」
夫がなにかをしてくれたときなど、「ありがとう」に添えてさらに「さすが」と付け加え、いつも尊敬しているということを伝えます。義母や義父にも「さすがですね」と尊敬を伝えると関係が良くなります。
④「幸せだなあ」
夫と一緒にビールで「乾杯!」をした後、カラオケなどの遊びを一緒にしている途中、子ども達と一緒にでかけた車の中など楽しい気持ちになったら口にだして言いましょう。
⑤「大丈夫だよ。わたしがいるから」
夫が落ち込んでいるとき、自分の両親や夫の両親が老後の心配を口にしたときなどに、こう口にするだけでみんなが救われます。
1-3.職場でつかえる魔法の言葉5選
①「さすがですね」
感謝したり、お礼を言ったあとに付け加えると同僚や上司との関係が良くなります。
②「そういうことってよく(ときどき)ありますよね」
自分がそうするかどうかは別問題として、世間ではあることだよね、という共感を伝えることができます。
③「わかります」
同意するという意味ではなく、相手が言っていることが「わかる」という意味で口にすれば、嘘ではないので角が立ちません。同僚にも「わかるよ~」と言うといいでしょう。
④「苦労ありがたやありがたや」
上司が無理を言ってきたとき、お客様が無理を言ってきたときなどに、一緒に仕事をする人たちの前ではこんな風に口にして「おばあちゃんがよく言ってた」などと言うと、愚痴を言うのと違ってまわりが明るくなります。
⑤「大丈夫、大丈夫」
同僚や後輩が不安に思っていたり、失敗してしまったりしたときに、見て見ぬふりをする人よりこうした言葉をかけてあげる人の方が好かれるのは当然ですよね。
1-4.こんなに変わった!実践者の声
主婦のMさんは30代後半の女性です。
夫との関係が冷え切っていると感じているものの、相手もろくに優しい言葉をかけてくれないのだから、自分から優しくする必要はないと考えていました。
夫が帰宅すると、やることなすこと目について、腹が立ちます。例えば洗濯物の出し方にMさんが注意すると、夫はムッとした顔で無言のまま言われたとおりにするという具合です。
ある日法事で実家に帰ったときに、お坊さんの話を聞いて、Mさんは少し反省します。
お坊さんの話では、仏教では言辞施(ごんじせ)と言って、優しい言葉をつかうことで布施をするということでした。Mさんは、夫の態度がどうあれ、修行のつもりでいつも夫にとげとげしい口ぶりをしていた自分を変えてみようと思いました。
毎日「いってらっしゃい。気をつけてね」「おかえりなさい。お疲れ様」と心を込めて言うようにしただけで、夫の態度はどんどん変化したと言います。
お坊さんの話を聞いて、魔法の言葉をつかうようにしてからわずか半年で、ふたりは休日に一緒にでかけて楽しむようになったそうです。
2.自分の人生を変える魔法の言葉を口にしよう
2-1.成功者に学ぶ口癖にしたい魔法の言葉10選
①「ありがとう」
あたりまえの言葉、と思う人も多いでしょう。しかし意識して口にするのとしないのでは大きな違いがあります。
②「感謝します」
「ありがとう」という言葉よりも強いのが「感謝」という言葉です。日常にあまりつかわないこの言葉を口にすることで、人生が好転し始めます。
③「ツイてる」
「ラッキー!」などでも同様の効果があります。自分は運が良いと思える、つかいやすい言葉を選んでください。どんなときにもこの言葉を口にすることでほんとうに運気が上がるから不思議です。
④「困ったことは起こらない」
「うわあ、困った!」と思ったらこの言葉を声に出して。脳はすぐにそれは困ったことではないと判断し、落ちついた行動をとることができます。
⑤「すべてはうまくいっている」
あのときの失敗のおかげで今の成功がある、ということはよくあること。うまくいかないと感じているときに口にすると適切な判断ができます。
⑥「今日はいい日だ」
これからの一日に対して、願望でもかまわないのでこう口にすると驚くほど良いことが起こります。
⑦「幸せだなあ」
最近こう口にしたことがありますか?幸せ感度が低くなると良いことも近寄りません。まずは小さな喜びをみつけたら、口にしてくださいね。
⑧「よくやってるね」
「頑張ってるね」も同様につかえます。自分に対して褒めることで自然とやる気が出てきます。
⑨「頑張らない!」
あれっ?と思う方も多いのでは。真面目すぎる人は口癖にすると物事が良い方向へ向かいます。
⑩「キャンセル!」
間違えて不安な言葉や、汚い言葉をつかってしまったときにはこう言ってから言い直しましょう。昔からある「つるかめつるかめ」などの言葉も同様につかえます。
2-2.自分なりの言葉に変えて実践してみよう
いくら成功者が教えている「魔法の言葉」とはいえ、「ツイてる」「幸せだなあ」など、自分が今までにほとんどつかったことのない言葉には抵抗があるかも知れませんね。そんなときは、自分にとって抵抗なくすんなりと口にできる言葉に言い換えてみましょう。
○「ツイてる」→「ラッキー!!」「おっ!いいね!」「運が向いてきたぞ」など
○「幸せだなあ」→「うーん(笑顔でのびをする)!」「リラーックス!!」「良い気持ち~!」など
○「すべてはうまくいっている」→「大丈夫、うまくいく」「これまでもできたから」「神様にお任せ!」など
自分が口にしていて違和感を覚えず、自然に笑顔になれるようなフレーズをみつけます。すると言葉と感情が一致し、潜在意識に届きやすくなります。
2-3.こんなときに口にすると効果的
先ほど紹介した「魔法の言葉」は、いつ口にしても効果はありますが、自分の考えが悪い方向へ向かいそうなとき、不安が大きくなってきたときに口にして唱えると、より効果を実感しやすいようです。
その理由は、ものごとがうまくスムーズに動いているときは、良い気分で過ごしますからあまり意識しなくても「前向きな良い言葉」をつかっているからです。
経験のないことをやらなくてはならないとき、思いがけないトラブルになってしまったときなど、「ツイてない」「どうして自分だけ」「私のせいじゃない」といった良くない言葉を口にしがちです。
悪いことを口にしていると潜在意識はそちらの方向へ物事を運びはじめます。ですからそんなときこそ、意識的に「魔法の言葉」を口にすることが大切なのです。
自分が不安なときや自信がないとき、この言葉を口にするとなんだかほっとする、力が湧いてくるといった「魔法の言葉」をみつけておくと役立ちますよ。
2-4.気分が落ちているときでも実践できるコツ
良くないことが続いて気持ちが下がっているとき、「ツイてる!」「ラッキー!」なんて口にできない…。そんなときは現状を受け入れる言葉から口にしていきます。
「すべてはうまくいっている」「絶対、大丈夫」「困ったことは起こらない」などの言葉がそれにあたります。現状を受け入れ、でも、大丈夫だと思うことで状態を好転させることができるのです。
これまでも、良くないことや困ったことは起きていたはずですよね。でもその出来事があったから得ることができたこと、学ぶことができたこと、様々に良いこともあったはずなのです。それを思いだすことのできる言葉です。
3.人生を変える「魔法の言葉」をつくる
自分だけの「魔法の言葉」をつくることで、本当の願いが叶いはじめます。
ここでは、「世界にひとつあなただけの『魔法の言葉』」の著者である佐藤由美子さんが解説する方法をまとめました。
3-1.目を閉じてつぶやき、自分の感情を書き出す
手書きでもパソコンでもかまわないので、自分が今感じていることをすべて、書きだしていきます。
長くなってもとりとめがなくてもかまわないので、頭に浮かんでくる言葉をどんどん書きだしていきます。ネガティブな言葉があってもかまいません。
佐藤由美子さんの場合は、1週間書き続けて、ワードで40ページ以上にもなったといいます。もちろん、少なくてもかまわないそうです。
書き進めるうちに、自分の感情と向き合い、本当の望みがみえてくるようになります。
3-2.別の表現はないか考える
自分の書いた文章に抵抗を感じるときは、別の表現をみつけます。
自分の願いを書いてみます。そのとき、例えば「エッセイを書く」などの具体的な書き方よりも「文章を書くこと」で収入を得たい、というふうに抽象的に書くことで、心の抵抗をとることができます。
自分の感情と向き合って、「安心できる」ところまでで止め、抽象的にしておく方が叶いやすくなります。
3-3.等身大の自分を受け入れ本当の願いに気付いていく
自分が書いたものを口にだして読んで、目を閉じて自分の感情を確かめることで、今の自分を受け入れられるようになります。
例えば「年収一千万円欲しい」と書いたものを読んでみると、「今の職場じゃ無理…でも転職して人間関係を築いていくのも自分には苦手だし…」と思ったらそう書きます。
それを読んでまた感じたこと、考えたことを書き出します。「そうか自分はコミュニケーションを良好にする必要があるんだな…。誤解されやすい性格だし…」→「そうか、自分は誤解されずにちゃんと認めて欲しかったのか…」と言うことも書いていきます。
すると、自分の願いは誰かにちゃんと認めてもらうということだと気付きます。それでも、やはり年収をアップしたいなら、一千万円と具体的に書かず、「どんどん経済面も潤ってくる」などの言葉に変えて、自分が安心できるような文章にしていきます。
3-4.書いた文章を読んで質問に答える
さらに深く掘り下げるために、自分の書いたものを読んで質問をし、それに答えていきます。
「あなたが、その理想の状況を願う理由はなんですか?」
「親や環境によってすり込まれたものが影響しているのが見えますか?」
「過去に傷ついた経験、うまくいかなかった経験を思いだし、うまくいくにはどうしたらいいか考えてみましょう」
こうした質問を自分にしたら、頭に浮かんでくる言葉をまたすべて書きだしていきます。
すると、さらに自分の感情と向き合い、安心できる言葉をみつけることができ、最終的には自分だけの「魔法の言葉」ができあがります。
4.「魔法の言葉」のおすすめの本
自分だけの「魔法の言葉」を作るのに、おすすめの本をご紹介します。
・世界に1つ あなただけの「魔法の言葉」 単行本(ソフトカバー)
佐藤由美子 (著) フォレスト出版
「本当の願い」を知り、それを叶えれば、必ず幸せになれる。読み進めながら、あなたが「思考パターン」や「心のクセ」に気づき、「本当の願い」にたどりつくまでをナビゲート。自分の本当の願いに気づき、それをみとめ、文章として書きとめたとき、それはそのまま、あなたの人生を変えていく「魔法の言葉」となります。
・2週間で一生が変わる魔法の言葉(まほうのじゅもん)
はづき虹映 (著) きこ書房
38万部突破のベストセラー『誕生日占い』の著者・はづき虹映が自ら実践したプログラム。「このままじゃイヤ…」と現在の人生に疑問を持っているあなたの人生に「14日間で奇跡を起こすまほうの法則」を伝授するための実践的レッスンプログラム。
・子どもが育つ魔法の言葉
ドロシー・ロー ノルト (著), レイチャル ハリス (著), 石井 千春 (翻訳) PHP文庫)
世界22カ国で愛読され、日本でも120万部を超えるベストセラーとなった子育てバイブル。子育てでもっとも大切なことは何か、どんな親になればいいのかというヒントがこの本にあります。子育ての不安を解消する魔法の言葉がいっぱいです。
5.これまでに願いが叶わなかった理由
なぜこれまでも、なにかを願ってプラス思考にしてきたのに願いのすべてが叶っていないのか、その理由を知ることで「自分だけの魔法の言葉」をうまくつくることができます。
5-1.ありのままの感情に素直になっていなかった
成功法則やプラス思考などを実践していくときに、自分の感情を無視していたことがあるなら、それが原因で願いが叶わなかったと言えます。
「最近良いことがないなあ…」と思っているのに「ツイてる!」といくら唱えたところで、感情は抵抗しているので願いは叶わないのです。
無理にプラスの思考に変化させようとして努力することも、同様に自分の感情に素直になっていないという状態です。
5-2.日本人にはプラス思考が合わなかった
日本人にとって成功法則にあるプラス思考は合わなかったとも考えられます。
成功法則の多くはアメリカを中心に広まりました。個人主義で自分の意見を自分で決められる気質のアメリカ人と、周囲と同調して和を大切にする「奥ゆかしい」日本人とでは、根本的な部分が違うのです。
アメリカの「自分は成功する!」と言うことがあたりまえのような気質の文化と違い、「そんなことを言ったらまわりの人はどう思うだろう」という気質を持った日本の文化では、プラス思考のことを口にしたときの心に揺らぎが起きてしまいます。
5-3.願いが叶うという実感が足りなかった
これまで願いが叶わなかった人は、自分の願いに対して「叶う」という実感が足りないために願いは叶わなかったのです。
願いを口にして、目を閉じて自分の感情を見てみると、「そうは言っても」「どうせ無理」などの感情が湧いてくるとしたら、その願いは叶いません。
「自分だけの魔法の言葉」をつくることで、その願いは叶うと信じられるようになるため、叶っていくのです。
5-4.成功者の教えに共感できなかった
これまで成功者の本を参考に願いを叶えようとしていた人も、心の底では成功者の教えに共感できなかったために願いが叶わなかったと言えます。
願いを叶えたいという状況は、あまり良くない状況ですよね。もしかしたらどん底の気持ちでいるかもしれません。そんなときに成功者と同じ事をしろと言われても、心の奥では「私には無理…」と思ってしまっても無理はありません。
そのような感情を持ったまま、成功者と同じ事を無理やり実践しても、願いはかなうことがないのです。
6.まとめ
自分の感情と向き合い、心に浮かぶ言葉をすべて書き尽くし、またそれに質問をして自分の感情を確かめることをくり返してできあがった自分だけの「魔法の言葉」は、どんなふうに扱っても良いと佐藤由美子さんは言います。
何度も見直しても良いし、声に出して読んでも、また、読まなくても良いのだそうです。
あれっ?と思いますよね。これまでの、願いごとやアファメーションといったものは、声に出して叶えるという方法でしたから。
自分だけの「魔法の言葉」は、それをつくる「課程」がポイントなのです。何度もつまずき、考え、感情をみつめていくことで、自分の本当の気持ち、願いに気付くその「課程」こそが心の深い部分に届くのです。