近頃では、定番のコーヒーや紅茶以外に、自宅でハーブティーを楽しむ方が増えてきましたが、
・美味しくハーブティーを入れるには何を揃えればいいの?
・ハーブの種類や特性に応じた入れ方はどうすればいいのかな?
・簡単に美味しくハーブティー入れる方法はあるの?
など、疑問もでてきますね。そこで、ハーブの種類や特性をご説明しながら、簡単で美味しいハーブティーの入れ方をご紹介します。
目次
1.まずは準備から
2.ハーブの特徴を知る
3.ハーブの扱い方
4.ハーブの種類
5.ドライハーブティーの入れ方の基本
6.美味しいハーブティーを入れるための注意点
7.素敵なハーバルライフ
8.最後に
1.まずは準備から
1−1.ポット選び
フタ付きのポットをご用意ください。
ハーブティーはお湯を入れた後、3〜5分の蒸らして成分を抽出します。
素材は、耐熱ガラスのものがお勧めです。茶こしが不要で、中のハーブが開く様子を観察することもできます。
1−2.カップ&ソーサー
ハーブティーの色が楽しめる、カップの内側が「白い磁器製」のティーカップがお勧めです。ハーブティーの色は、多彩です。優雅な雰囲気が楽しめる「ボーンチャイナ」が素敵ですね。
1−3.マグカップ
一人でハーブティーを楽しむ時は、「フタ付きのマグカップ」がお勧めです。茶こしもついているので、ポットを出す手間も省けて便利です。
コラム1:テーブルを彩る小物類
ポットとカップだけでなく、ポットマットやポットカバーを用意しましょう。ハーブティーが冷めるのを防ぐことができます。
また、ハーブやお花をお庭で育てている方は、摘んだハーブ等をコップやティーカップに活けては如何でしょうか?テーブル全体が爽やかで華やかになります。
2.ハーブの特徴を知る
2−1.柑橘系のハーブ
オレンジピール・オレンジバーベナ・レモンバーム・ベルガモット等種類があります。香りが爽やかで、気分をリラックスさせてくれるハーブです。
2−2.ミント系ハーブ
ペパーミント・スペアミント・アップルミント・ペニーロイヤル等の種類があります。清涼感のある香りで、気分を爽やかにしながらリラックスさせてくれるハーブです。
2−3.森林浴系ハーブ
ローズマリーが代表です。生命力の強いハーブで放っておいてもどんどん増えます。清涼感のあるハーブで、ハーブティーだけでなく料理の香りつけにも利用されます。
2−4.スパイシー系ハーブ
ガーリック・クレソン・ホースラディッシュ・わさび・生姜等、ハーブティーより料理の香辛料として利用されます。生姜を紅茶にいれると代謝アップ健康ティーになります。
コラム2:ハーブティーの色を楽しむ
「夜明けのハーブティー」ブルーマロウ
ブルーマロウにお湯を注ぐと、美しいブルーのハーブティーになります。
冷やしてアイスティーにしても素敵です。
そこにレモンを数滴いれると不思議なことに色が「ブルーからピンク」に変わります。
彼やご主人との2人の朝を、ブルーマロウティーで迎えることはできたら素敵ですね。
3.ハーブの扱い方
3−1.ドライハーブ
生のハーブを乾燥させたものがドライハーブです。
季節のハーブだけでなく1年を通じて楽しむことができます。
良く売れているお店から1ヶ月程度使う量だけを購入し、密閉容器に乾燥剤を入れ、冷暗所に保管します。
3−2.フレッシュハーブ
購入した場合、傷んだ葉の部位は使わず取り除き、花は八分咲きのものを使います。自宅栽培の場合は、午前中にその日の使用分のみを摘みます。
摘む際のポイントは、脇芽が出ている上の部分をはさみでカットすること。株を育てながら、ハーブティーを楽しく事ができます。
コラム3:オーガニックハーブの勧め
IFOAM( 国際有機農業運動連盟) は、オーガニックの原則として「生態系」「健康」「公正」「配慮」の4項目を掲げています。
つまり、環境を破壊せず共生しながら、自然から恵みとしての植物を頂くというイメージです。
農薬は土壌や植物を汚すだけでなく、残留農薬が人の身体を汚し、健康を害します。
農家の方々は見た目の美しい農産物・ハーブを提供するために農薬を使わざるをえない状態にあります。
形が不揃いでも、少し虫がついていたとしても、「栄養価が高く安全な食品のほうがよい。」という価値観に変わっていくことを望みます。
コラム4:簡単ドライハーブの作り方
晴天続きの午前中に収穫します。開花直前のハーブが一番香り高いと言われています。
・自然乾燥の場合
直射日光の当たらない風通しの良い場所に、小分けにして吊るしておきます。
目安は10日程度。摘んだ時、パリパリと音を立てて崩れる位まで乾燥させます。
・電子レンジ、食器乾燥器、オーブンレンジの予熱を利用して乾燥させて、ドライハーブを作ることもできます。
特に電子レンジの場合は一挙に乾燥するので、中の様子をみながら、低出力で乾燥させましょう。
4.ハーブティーの種類
4−1.シングルハーブとブレンドティー
単品で味わうか否かの種類分けです。
シングルティー
ハーブ単品で味わう飲み方です。
まずはシングルティーでハーブの香り・味を知ってから、ブレンドティーに進んで頂きたいと思います。
ブレンドティー
数種のハーブをブレンドする方法です。
シングルティーで特徴を掴んだ後、自分好みでブレンドを楽しみます。
同種のハーブで合わせる、好きなハーブティーに別のハーブでアクセントを加える等、組み合わせは自由です。
4−2.ドライハーブティーとフレッシュハーブティー
手軽なドライハーブだけで無く、フレッシュハーブで季節感を味わいましょう。
ドライハーブティー
1年中味わえるドライハーブ。ドライハーブは手軽なだけが特徴ではありません。
乾燥により香りが良くなるハーブ(ローズ・ローレル)、乾燥後の焙煎で香りを立たせるハーブ(チコリ・ダンディライオン)もあります。
フレッシュハーブティー
ハーブの基本はフレッシュハーブティーです。
季節限定でしか味わえませんが、ティーだけでなく、料理にも積極的に活用しましょう。わさび・生姜等は和のハーブです。
4−3.ホットティーとアイスティー
ハーブティーの基本はホットティーですが、アイスティーでも楽しむことができます。
ホットティー
暖かさとともに香りで癒される飲み方です。
リラックスしたい方はホットティーがお勧めです。
甘みが欲しい場合は、ステビア・リコリスをブレンドします。
ノンカロリーの優しい甘さが加わります。
アイスティー
暑い夏の日はアイスハーブティーがお勧めです。
赤のハイビスカス、ブルーのウスベニアオイ等、色の綺麗なハーブティーを楽しみましょう。甘みが欲しい場合は、冷やす前に蜂蜜や砂糖を加えます。
4−4.レモンティーとミルクティー
ハーブティーは紅茶のように、レモンやミルクを入れても楽しむことができます。
レモンティー
ほとんどのハーブティーと合うのですが、量を加減してお好みでトライしましょう。
ミルクティー
カモミール・ローズヒップ・カルダモン等がお勧めです。
ハイビスカスはクエン酸の影響で分離しますのでお勧めできません。
コラム5:緑茶は、和の最高シングルティー
「茶は百薬の長」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
鎌倉時代、栄西等の高僧が中国に渡り、「一番優れた食品」として選ばれ日本に持ち帰られたものが「お茶」です。
当初のお茶はとても貴重で、「薬」として扱われていました。
しかし現代の私達は、手軽にティータイムを楽しむことができます。
とても幸せなことですね。感謝です。
5.ドライハーブティーの入れ方の基本
ドライハーブとフレッシュハーブの種類に応じた、美味しいハーブティーの入れ方をご紹介します。
5−1.お湯をわかす
お湯を沸かし一度沸騰させ、30秒程置いたお湯でハーブティーを入れます。
5−2.ポットとカップを温める
ハーブティーを入れる前に、ポットとカップにお湯を入れて暖めておきます。
電子レンジで暖めても良いです。
5−3.ポットにハーブを入れる
ティースプーンで一人一杯、人数分のハーブをポットに入れます。
そして、最後にポットの分を一杯加えます。
※ハーブティーの種類にもよって、使うハーブの量(グラム)の違いはありますが、一般的にはティーカップ1杯分のお湯の量が200cc程度であればスプーン1杯分(3~5グラム)です。少し薄めに入れたい場合や、濃いめに入れたい場合は、好みに合わせて量を加減しましょう。
5−4.ハーブティーを蒸らす
ポットにお湯を注ぎ、香りを逃さないよう素早く蓋をし、3〜5分蒸らします。
その後、予め暖めていたカップにハーブティーを注ぎます。
ポットに茶こしがついていない場合は、茶こしを使います。
ハイビスカスのガク、ハーブコーヒー(たんぽぽの根)のようなハーブは少し長めに蒸らしますが、10分を超えないようにします。
5−5.一人分ならフタ付きマグカップでどうぞ!
フタ付きのマグカップには茶こしがついていますから、一人分のハーブティーを入れる場合は便利です。
コラム6:ハーブティーバックの美味しい入れ方
ティーバックの中身のハーブは細かいものが多く、思いの他濃く出る場合があります。
濃い目の味が苦手の方は、蒸らし時間を短めにしましょう。
6.美味しいハーブティーを入れるための注意点
6−1.ドライハーブティーの注意点
ポットに入れるハーブの量ですが、チップス状(細かく砕いたもの)のハーブは、ホール状(葉の原型を残したもの)ものよりも少なめにします。
ホール状のハーブを細かく砕く必要はありません。
6−2.フレッシュハーブティーの注意点
フレッシュハーブティーの入れ方もドライハーブと基本は同じです。
注意点は、葉の量をドライハーブの3倍にすることです。
また、フレッシュハーブは摘んだらすぐに水洗いし、水気を切ります。
柔らかい部分は茎ごと、固い部分は葉だけを使用します。ポットに入れる際、葉をちぎらないように注意します。
フレッシュハーブをポットに入れる前に手の平に乗せ、パンと叩いておくと香りが良くなります。
蒸らし時間は、ドライハーブより長めにしましょう。5〜10分位が目安です。
6−3.アイスハーブティーの注意点
濃い目のホットティーを入れた後、粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やし、その日のうちに飲みきります。ミント・ハイビスカスがお勧めです。
苦味はカフェインを出したくない場合は、水出しアイスティーは如何でしょうか?
マテやエルダーフラワーがお勧めです。
コラム7:ハーブティーの美味しい飲み方
ハーブティーは五感で楽しむお茶です。
色を視覚で鑑賞し、香りを嗅ぎ、ハーブの触感を楽しみ、口の中全体に広がるおいしさを味わいます。
そして、ハーブティーに合うお菓子とともに会話を楽しみましょう!
唯一のルールは、ティータイムを心ゆくまで堪能することのように思います。
7.素敵なハーバルライフ
7−1.モーニングハーブティー
半分眠っている心と身体を、ハーブティーで覚醒させましょう!
爽やかなミント系ハーブ、スッキリとしたレモンフレーバー系ハーブ(レモングラス、レモンバーベナ等)のハーブティーがお勧めです。
7−2.ディライトハーブティー
お昼に飲むお茶を「ディライトティー」と言います。
リラックス・気分転換・疲労回復等、その時の気分や体調に合わせてハーブを選びます。
◎リラックス:リンデン・ローズ・ラベンダー・カモミール
◎気分転換:オレンジピール・ローズマリー・レモングラス
◎疲労回復:エゾウコギ・ハイビスカス・柿の葉・クコ
がお勧めです。
7−3.ベットタイムのハーブティー
睡眠前のハーブティーで深い眠りにつきます。
カモミール・パッションフラワー・オレンジピール等がお勧めです。
セントジョーンズワートには、睡眠ホルモン(メラトニン)を増やす効果があると言われています。
コラム8:オシャレなハーブアイスキューブの作り方
ウスベニアオイを水出しし、製氷皿に入れて凍らせます。
ブルーのアイスキューブができます。
また、製氷皿にミントの葉を一枚づつ入れて凍らせても素敵です。
アイデア次第で色々なアイスキューブを作れますね。
8.最後に
近頃では、ドライハーブを扱うお店も増えてきました。
またホームセンター等でもハーブの苗や種を販売しています。
それだけハーブが身近になってきた証拠ですね。
ハーブティーは美味しいだけでなく、様々な薬効もあります。
西洋のハーブティーは、民間療法として各家庭の「薬箱」のような存在です。
市販の薬や病院に頼らず、できるだけ自分の身体の免疫力や回復力で体調管理をします。
日々の生活に先人の智慧を取り入れ、オシャレで美味しい「ハーバルライフ」を楽しまれては如何でしょうか?