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  2019.04.25



目の疲れと頭痛を解消する8種のトレーニング

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疲れ目と頭痛が続くのはつらいものですよね?

目の疲れを我慢して仕事を続けていたら、頭痛が止まらなくなったという人が急増しています。疲れ目は、パソコンがないと成り立たなくなった現代のデスクワークにおいて、避けることのできない問題です。

疲れ目を放置すると「眼精疲労」という病気になり、頭痛や肩こりをはじめ、全身に悪影響を及ぼします。眼精疲労にならないためには、日頃から目の疲れをケアし、視力を回復させる習慣をつくらなければいけません。

ここでは、目の疲れと、それが原因で起こる頭痛のメカニズムを解説し、疲れ目と頭痛をケアする8種のトレーニング方法を紹介します。

目次

1 目の疲れが原因の頭痛とは?
  1-1 目の基本構造
  1-2 緊張型頭痛
  1-3 片頭痛
2  目の疲れと頭痛を解消する8種のトレーニング
  2-1 両目を寄せるトレーニング
  2-2 両目で同じところを見るトレーニング
  2-3 集中力を高めるトレーニング
  2-4 視野を広げるトレーニング
  2-5 ピントを合わせ続けるトレーニング
  2-6 まばたきのトレーニング
  2-7 外眼筋のトレーニング
  2-8 首のこりをとるトレーニング
まとめ

1 目の疲れが原因の頭痛とは?

まず、目の基本的な構造と、それぞれの頭痛が発生する原因を解説しましょう。

1-1 目の基本構造

image(http://www.civillink.net/fsozai/eye.htmlよりフリー素材を引用)

人間の目は、角膜を通った光を、眼底の網膜でとらえます。そのとき水晶体の厚みを変えることによって光の屈折を変え、網膜で像が結ばれるように調節しているのです。この水晶体の厚みを調節しているのが、毛様体という部位です。

毛様体は「毛様体筋」とも呼ばれ、近くを見るときは収縮して水晶体を厚くし、遠くを見るときにはゆるんだ状態になって水晶体を薄くします。

パソコン作業などで同じ距離のものを見続けると、毛様体の緊張状態が続いて、外眼筋もこり固まってしまいます。これが目の疲れにつながるのです。

1-2 緊張型頭痛

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頭痛にはいろいろな種類がありますが、もっとも多いのが「緊張型頭痛」です。患者数は日本全国で2000万人を超え、全人口の70%以上が、一度は症状を経験しているといわれています。

特に多いのが、外眼筋や肩、首のこりといった、眼から上半身にかけての痛みです。痛みは数十分から数時間、ときには数日間続くこともあり、大きな苦痛を伴います。

こうした痛みは、近くのものを見続けたり、長時間同じ姿勢のままでいたりすることが原因で起こります。首や肩、外眼筋の収縮状態が続いて血行が悪化すると、尿酸などの老廃物が血管に排出されにくくなります。すると、それを危険と判断した体の部位が、痛みによって非常事態を脳に知らせる発痛物質をつくり出し、こりや筋肉痛、頭痛となって表れるのです。

ほかにも、緊張型頭痛には、肩こりや筋肉痛の症状をともなわないもの、後述の片頭痛から発展するケースもあります。

1-3 片頭痛

緊張型頭痛と異なり、片頭痛では強い頭痛が現れる前に、肩や首のこりといった前兆がみられます。頭痛が始まる30分~2時間ほど前から肩や首がこってきて、最終的に強い頭痛が現れるのです。

片頭痛は、こめかみから目の周囲、ひどい場合には後頭部までの広い範囲が、脈打つようにズキズキと痛みます。痛みのメカニズムはまだ完全に解明されていませんが、血管の拡張が原因のひとつであるといわれています。パソコンの長時間使用などによるストレスが引き金となり、神経伝達物質のバランスが崩れて頭部の血管を拡張させ、血管の周囲が炎症を起こして、頭痛につながるのです。

ほかの要因としては、不規則な食事、飲酒、光の刺激、ストレス状態からの急なリラックスなどがあるといわれています。

そのほか、片頭痛には次のような特徴があります。

・母親が片頭痛を患っていると、子どもの約50%に発症するという遺伝的傾向がある
・患者の多くは20歳前後、遅くとも30歳までに発症する
・片頭痛の10~20%は、目の前がチカチカと光る前兆がある
・吐き気や嘔吐をともなうことがある
・年齢とともに発作の回数が増える
・60歳以上になると頭痛は軽くなり、やがて発作はなくなる

2 目の疲れと頭痛を解消する8種のトレーニング

眼精疲労は、一度起こすと簡単なケアでは治らなくなってしまいます。目の疲れや頭痛を感じたら、日頃のトレーニングでこまめに解消していくことが重要です。

ここでは8種のトレーニングを紹介しますが、毎日すべてを行う必要はありません。自分がやりやすいもの、効き目を実感できるものを選んで、最低でも1週間は続けてみましょう。

また、一度に長時間行うよりも、リラックスして毎日続けることが大事です。無理なトレーニングは逆効果ですから、痛みや違和感を感じたら中止し、症状が改善しない場合には眼科を受診してください。

特に強度の近視の人は、症状が深刻になる場合が多いので、注意してください。

2-1 両目を寄せるトレーニング

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このトレーニングには、脳に鮮明な情報を送れるようになる、近くのものを見るときに疲れにくくなるといった効果があります。

人間は、眼から得る情報の2割を平衡感覚の維持に使っており、これが上手くいかないと、めまいやふらつきが起こります。

また、眼から情報を得るには、ピントの調節が不可欠です。特に、近いものを見るための「寄せ目」は、眼の疲れによる影響が大きく、筋肉が硬直すると動きが鈍り、脳が対象物を正確に認識できなくなります。すると、眼はピントを合わせるために無理な力を使い、結果として眼の周囲の筋肉に負担がかかるのです。

トレーニングの手順は次のとおりです。

寄せ目シフトトレーニング

・人差し指を両目の間に近づけ、寄せ目にしたら上下に動かす
・寄せ目をした状態で、指を左右に動かして目で追う
・両手の人差し指を両目の間に近づけて寄せ目にしたら、外に広げて両目で外側を見る
・寄せ目の状態で、右の指だけ外側へ移動し、右目だけ外側を見て内側に戻す
・左側も同様に行う

慣れるまでは、単純に寄せ目を繰り返すだけでも効果があります。

2-2 両目で同じところを見るトレーニング

頭痛や首、肩のこりを解消し、脳の集中力を高める効果があります。

寄せ目がうまくできないと、片目だけで近くのものを見るクセがついてしまいます。これを「片眼視」といい、長期間続けると左右の視力に差が出てしまうのです。

また、立体的にものを見る能力が低下し、片方の目、首、肩にこりが生じる原因になります。

斜め寄せ目トレーニング

・左目をトレーニングする場合は、30度くらい右に身体を振り、左手の人差し指を左斜め前40センチくらいのところから両目の間に移動させ、両目で追う
・右目をトレーニングする場合は、左右逆で行う

寄せ目シフトトレーニングで動かしにくいほうの目を寄せるトレーニングを行ったあと、左右のバランスを整えるように行いましょう。

姿勢矯正法

パソコンのモニターを斜めの姿勢で見るクセのある人は、姿勢も矯正する必要があります。左右の目のバランスを整え、頭痛、首や肩のこりを軽減しましょう。

・イスに座り、頭のてっぺんから一本の糸で天井に吊られているイメージになる
・肩を上げた状態からストンと落とし、ヒジ、腰、ヒザをそれぞれ90度に曲げた姿勢を意識する

2-3 集中力を高めるトレーニング

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両目で焦点を合わせて対象物を追い続ける「目のトラッキング機能」を強化することによって、目から入る情報の処理能力を高め、焦点調整能力をアップすることができます。

トラッキングトレーニング

・A4サイズの白紙にペンで上から下まで、グニャグニャの曲線を描く
・顔を動かさずに視線だけ動かして、スタート地点からゴール地点まで、できるだけ早く一本の線を追う

2-4 視野を広げるトレーニング

脳の視覚野に伝わる情報量を増やして、脳の判断力や発想力を高めましょう。

眼の疲れで視野が狭くなると、脳に伝わる情報が少なくなり、思考や発想に悪影響を及ぼします。パソコンのモニターやスマホなどを見続けていると、強い光を発する目の前のものだけを処理する状態になってしまい、思考力が著しく低下してしまうのです。

こうした視覚情報が脳に効率よく伝わるようにすると、目や脳の疲労が軽減され、頭痛の原因も取り除かれます。

対斜線法

・新書サイズの本を用意し、なるべく多くの文字で埋まっているページを広げて、目の高さで15cm程度離した位置に持ってくる
・顔を動かさず、本の中心を両眼で見つめたまま、上下左右斜めがどこまで見えているか確認する
・息を大きく吸ってゆっくり吐きながら、目は動かさずに上側の文字を見ようと意識する
・これを上下左右斜めの8方向で行う

2-5 ピントを合わせ続けるトレーニング

image

焦点維持能力を高めて脳の認識力と集中力をアップし、頭痛、肩こり、ドライアイを解消しましょう。

人間の目はまばたきする度にピントを合わせ、脳に視覚情報を送り続けています。しかし、同じ距離のものを長時間見ていると、ピントの調節機能が落ちてしまいます。さらに無理やりピントを合わせようとすると、目の筋肉に負担がかかり、頭痛を引き起こすのです。

焦点維持機能は、目と脳の両方で行っているので、それぞれを鍛える必要があります。

目のトレーニングは次のようなものです。

イメージ近法

・机の上に本など置いて、文字を一瞬だけ見て目を閉じる
・3秒間目を閉じて、頭の中で焦点を合わせ続ける
・パッと目を開けて同じ文字を見て、焦点がずれていないか確認する

脳の焦点維持能力を鍛えるトレーニングは、次のとおりです。

片目ピント合わせ法

・両目で、30~40cmの距離にある文字に焦点を合わせる
・片目を閉じて3秒後に開き、すぐに焦点が合うかどうか確認する
・両方の目で行う

上手くピントが合わない場合は、左右の視力差が大きい可能性があるので、斜め寄せ目トレーニングを並行して行ってください。メガネやコンタクトレンズを使用している方は、度数を調整すると症状が改善する場合があります。

2-6 まばたきのトレーニング

凝り固まった目の筋肉をほぐし、目と脳の血流を改善します。また、疲れ目やドライアイを解消する効果もあります。

ドライアイの患者数はここ10年ほどで急増し、今では全国で800万人を超えるといわれています。その最たる原因は、やはりパソコン作業の増加です。長時間パソコンの画面を見つめると、まばたきの回数が減り、涙の分泌が少なくなってしまうのです。

健康な人は1分間に20回ほどまばたきをしますが、パソコンやスマホの画面を見続けている人は、1分間に5回程度しかまばたきをしません。ドライアイを解消するためには、まぶたの筋肉を強化して、まばたきの回数を増やす必要があります。

タヌキとキツネのまばたきトレーニング

・親指と人差し指で両目を大きく広げたまま、ゆっくりと強くまばたきをする
・上下のまぶたがしっかり閉じるところまで行い、上や下を見て行うとよりまぶたの筋肉を強化できる
・人差し指で目の外側を上に持ち上げて吊り目にし、ゆっくりと強くまばたきをする
・上下のまぶたがしっかり閉じるところまで行い、下を見て行うとよりまぶたの筋肉を強化できる

クロージング・オープニング法

・両目をぎゅっと閉じて、パッと目を開いて上を見る
・両目をぎゅっと閉じて、パッと目を開いて下を見る
・両目をぎゅっと閉じて、パッと目を開いて右を見る
・両目をぎゅっと閉じて、パッと目を開いて左を見る

眼球を奥に送り込むようなイメージで、強くまぶたを絞り込むのがコツです。

2-7 外眼筋のトレーニング

目の運動不足を解消して目と脳の血流を改善し、眼球の動きをよくします。

外眼筋は眼球を動かす役目がありますが、使わなければ緊張して血流が悪化し、頭痛の原因にもなります。外眼筋を鍛えることによって、目だけではなく脳の血流改善にもつながります。

丸・三角・四角法

・左手でのどを押さえて顔が動かないようにし、真上に伸ばした右手の人差し指を出して両目で追う
・右手を伸ばしたまま大きな円を描き、顔を動かさずに両目で人差し指を追う
・同様に右手で四角形を描いて、両目で追う
・同様に三角形を描いて、両目で追う

スピードシフトトレーニング

・左手でのどを押さえて顔が動かないようにし、右手の親指を立てて、顔から30センチくらい離したところに置く
・親指を両目で追いながら、右手を上下に素早く動かす
・同様に、左右に素早く動かす
・同様に斜め上、斜め下にも素早く動かす

2-8 首のこりをとるトレーニング

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眼精疲労を短時間で改善し、目と脳の血流を改善します。

目の疲れが原因の頭痛は、首や肩のこりも同時に発症するケースが多いです。パソコン作業などで首が前に出た姿勢を続けると、頭部の重さが首の後ろの筋肉に集中して、首がこってしまいます。人間の頭部は4〜5kgもあるので、首への負担は大きなものになります。

また、首には心臓から脳に血液を送るために、小指くらいの太さの動脈が3本通っていますが、首がこると血流量が減り、脳への正常な血液供給ができなくなってしまうのです。

そこで、脳と首の間の筋肉を鍛えることにより、首と肩のこりを解消し、頭部への血液供給を促します。首や頭部の血流が良くなれば、頭痛も解消されるのです。

アイソメトリック・トレーニング

・両手を組んで頭の上に置き、首を左に傾ける
・息を大きく吸ってゆっくり吐いたら7秒間息を止め、頭をセンターに戻そうとする首と反発する両手で押し合う
・首を右に傾けて、息を吸って吐いたら7秒間止めて同様に行う
・2~3回繰り返す

ほおづえトレーニング

・ほおづえをつくように両手をほおに当ててアゴをのせ、顔を上に向ける
・息を大きく吸ってゆっくり吐いたら7秒間息を止め、アゴに体重をかけるようなイメージで下に向けて力を加え、両手で押し返す
・2~3回繰り返す

首回しトレーニング

・両ひじを机につき、ほおづえをつく
・両手であごを支えながら、首をゆっくり左に5回回す
・同様に右にも5回回す

まとめ

以上が、頭痛を解消するトレーニングです。繰り返しになりますが、どのトレーニングも心地よい範囲で行うのがポイントです。決して無理はせず、不快感や痛みが出た場合はすぐに中止してください。

トレーニングのほかにも、目の疲れをとるホットパックも、筋肉の血流を改善し、頭痛の解消につながります。50度くらいのお湯につけて絞ったタオルを、目の上にあてたら、首の前と後ろにもあてましょう。

電子レンジで温めるタイプのホットパックも市販されているので、これを利用するのも便利です。使い捨てカイロは低温火傷を起こしやすいので、使用しないでください。

これらのトレーニングを実践して、目の疲れと頭痛をしっかりとケアし、万全の状態で仕事に臨みましょう。

【参考資料】
『「パソコン近視」がどんどんよくなる本』(青春出版社・2012年)中川和宏
『目の疲れをとる本-眼精疲労を防ぐ・治す』(講談社・2002年)坪井隆

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