自分の中から自然にわき起こる感情をコントロールするのは案外難しいものです。
自分の言動を振り返ったとき、「なぜあんなことをしてしまったのだろう」「なぜあんなことを言ってしまったのだろう」と後悔してしまうこと、ありますよね。
そうした言動の原因は、激しい感情をコントロールできなかったことにあります。
「自分の感情をもっと上手にコントロールできたら」と思っていても、怒りなどの激しい感情に振り回されている最中にはなかなか冷静になれないものですし、悲しみなどの沈んだ感情から立ち直るには時間がかかることもあります。
自分の感情があまりにもコントロールできず、通常の生活を送れないというときには、心療内科や精神科を受診したり、カウンセリングを受けたりといった適切な治療が必要になりますが、そうなる前に自分でできることもたくさんあります。
すぐに効果がでるものではありませんが、日々の生活の中で注意することでいつの間にかマイナス感情をコントロールできるようになる方法も紹介しますので是非実行してみてください。
『感情』のしくみやなぜ感情をコントロールすることが難しいかを知ることも、助けになると思います。
また、ディズニーアニメーション『インサイドヘッド』がわかりやすく解説してくれた私たちの感情について知ると、自分のことが愛おしくなり、無理に感情を押し殺すのではなく感情と上手につきあっていくことが『感情コントロール』であることに気付くことでしょう。
それでは、自分に不利益をもたらすマイナス感情をどのように扱うか、具体的にすぐにできて効果の見込める実践方法からご紹介します。
目次
1.今すぐできるマイナス感情のコントロール法
2.日常生活で練習する感情コントロール法
3.感情のコントロールが難しい理由
4.感情が影響を与える要素とその利用方法
5.アニメーション「インサイドヘッド」から学ぶ感情たちの役目
6.まとめ
1. 今すぐできるマイナス感情のコントロール法
マイナス感情が起きたとき、できるだけそれを引きずりたくないですよね。
少しでも早く悪感情から立ち直るために、その場ですぐにできる具体的な方法をご紹介しましょう。
1-1. 自分のベストポジションを決めておく
実践型NLPと選択理論心理学をベースに感情コントロールを含めたコーチングをしている吉澤ゆかさんは、著書の中で「自分が感情に影響されて衝動的な行動をとってしまう前に、激しい感情を持ったときすぐにとれるベストポジションを決めておくこと」を勧めています。
ベストポジションとは、「自分が大きな木になったような気持ちで背筋を伸ばしてまっすぐに立つ」「両手を腰に当て胸を張ってモデルのようにすっと立ち笑顔になる」など、自分が前向きに心地よくなれるポーズのことです。
心がかき乱されたらそのポーズを取ると決めておくことで、自分が衝動的な行動を取る前に気持ちを静めることができます。
1-2. ひとりになれる環境があればひとりになる
感情が高ぶったとき、ひとりになれる環境があるならできるだけ早くひとりになることも、衝動的行動によって後悔しないためには必要です。
精神科医の和田秀樹さんは、人には「自動思考」があるといいます。
これは考え方の癖のようなもので、例えば
↓↓↓
そういえば最近彼は冷たいしいつも上の空だ
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別れ話かもしれない
↓↓↓
わざわざ会って話すなんて、別れ話に違いない
というような連続思考を人は数秒の間にしてしまうのだとか。
自分の気持ちを乱した本人を目の前にしていたら、数秒後に後で後悔するような言動を取ってしまう確率が上がってしまいます。自動思考をすぐに変えることは不可能でも、物理的にひとりになることで感情が生活に与える損害を減らすことができます。
また、「自動思考」を変えることはすぐにできることではありませんが、4章で紹介するように日常生活で練習を重ねるうちに徐々に考え方の癖は変わるので、自分の人生をより良いものにするために時間をかけて取り組む価値はあると思います。
1-3. とにかくとりかかる
どうしようもないマイナス感情を持ってしまっていても、目の前にある「しなければいけないこと」に「とにかくとりかかる」ことで救われることは多いのだそうです。
精神科医の森田正馬が提唱した「森田療法」は神経症に対して効果のある治療法ですが、不安を取り除くことよりも、不安のある自分はそのままにしておき、まずはきちんとした日常生活を送るという「行動」を取ることで症状へのとらわれから脱することができるというものです。
落ち込みや不安、悲しみなどのマイナス感情で次の行動を起こせない、という経験は多くの人が持っているはずです。いわゆる「何も手につかない」という状態ですね。
どんな感情も基本的には押し殺さずに一度はしっかり受け止める必要はあります。しかし、行動しないで思考だけを巡らせているとどうしても悪い方、悪い方へ考えがちです。
感情が高ぶって「何も手につかない」状態を長引かせず、日常生活での単純作業をはじめてみるとわかりますが、いつのまにかそのことを考えなくなっている時間が長くなります。
そしてそれどころか、気分が晴れて違うことをしたくなることすらあるので驚きます。
落ち込み、不安、悲しみなどのマイナス感情を感じたら、それを認めて受け止め、その後は自分の心の強さを信じて、できるだけ早くいつもの日常生活をすることが感情をコントロールするコツといえるようです。
1-4. 傷つけられているなら逆襲してみる
あまりに不条理に自分の感情を傷つけられている、それが日常的になっているようなら自分の心が壊れる前に逆襲することをお勧めします。
「自分は変えられても相手は変えられない」「気にしないで無視するに限る」という意見ももちろんあるでしょう。しかし「気にしない」ことが本当にできているかどうかは自分でもわかっていないかもしれません。
感情や気持ちに関するベストセラーをいくつも出している潮凪洋介さんは、自分を守るための逆襲を勧めています。いざというときのために「まるで俳優になったかのようにシミュレーションしておきましょう」と著書の中で書かれています。
「そういう物言いは、人から嫌われますよ」
「言っていいことと悪いことがあるんじゃないですか?」
「あなた何様なんですか?」
など、逆襲フレーズを用意し、練習しておきます。自分はすでに傷つけられているのですから、相手を傷つけるかもしれないなど考える必要はありません。
「このフレーズをいつでも言える!」と思っただけで、なんだか気持ちがスッキリしますよね。
2. 日常生活で練習する感情コントロール法
「物事にこだわらないおおらかな性格」「前向きに考える性格」など持って生まれた性格や性質ではなくても、日常生活の中で練習することで徐々に感情をコントロールできるようになるという、精神科医の和田秀樹さんが提案する練習方法をご紹介します。
2-1. 常に新しいことを取り入れる
マンネリ化した日常生活を送る人より、常に新しいことを取り入れている人の方が、思考がポジティブで感情をうまくコントロールできます。
日常生活の中での行動が一定の枠にはまっていると、感情を大きく揺さぶられることが少なくなります。一見すると穏やかで感情をコントロールできている人に見えるかもしれません。
しかし、想定外の出来事が起こったときなどに自分の感情が大きく動いた場合、こうした人はその感情に振り回されてしまいやすいのです。
意識的に新しいことを取り入れる生活をすることで、自分の行動の枠が広がります。初対面の人と話すことも増えるでしょうし、楽しいことばかりではなく嫌なことに出会う確率も増えることでしょう。
そのような出来事すべてが自分の感情を動かしていますから、多少の感情の動きには動じなくなり、安定した気持ちで過ごすことができるようになります。
2-2. できる限りジャッジしない生活をする
どんなこともジャッジしない、と気をつけて一日過ごしてみてください。ゆったりとした優しい気持ちで過ごせることに驚くことでしょう。
身の回りの出来事や人、物などを「善悪」「好き嫌い」などでジャッジすることは、精神に不要なストレスを与えるためにマイナス感情が起こります。
激しい怒りや嫉妬、不安や落ち込み、悲しみなどのマイナス感情を経験したときのことを思い出せばわかると思いますが、「自分は正しいのに」「どうして自分ばかりが」「あの人はずるい」など、何かを自分の基準で判断しているのではないでしょうか。
こうした強いマイナス感情を持ってしまってからその都度それをコントロールするより、日々の生活の中で「誰が悪い」「あの人は嫌い」などと決めつけずに過ごしてくことで強いマイナス感情が起こらないようにしていくことの方が穏やかで楽しい日常を過ごせるはずですよね。
2-3. 良い感情を強く感じる練習を
良い感情を持ったとき、それを味わってより強く感じることを意識して練習することで自分の感情をコントロールしやすくなります。
人は悪い感情ほど良く覚えていて、強く感じるものなのだそうです。そのため悪い感情は上手にコントロールしないと長く続きます。
良い感情を持ったとき、例えば誰かに親切にしてもらった、優しい言葉をかけてもらった、思いがけないラッキーな出来事があった、そうしたときに、それほど良い感情が長く続かないことは誰もが思い当たるのではないでしょうか。
せっかくの良い感情を、些細な悪い出来事で帳消しにしてしまうのはもったいないですよね。
良い感情を持ったら、その日一日はその出来事を何度も思い出し、良い感情を強く味わってみましょう。相手に感謝し、その相手を喜ばすために自分は何をしようか、と考えを巡らせてください。
良い感情が持続するようになればなるほど、マイナス感情は起こりにくくなります。
2-4. 悪感情を深追いしない
嫌な感情を持ったとき、その出来事についてできる限り早く忘れる、つまり悪感情を深追いしないことも練習によって可能になります。
自分が話しかけた誰かが不機嫌な様子だったとしても、「どうしたのかな?」「嫌なことでもあったのかな?」「私、何か悪いことしちゃったのかも……」などと考えず、「そういうときもあるよね」と軽く流してしまいましょう。
感情コントロールの上手な人は『忘れ上手』
和田秀樹 (精神科医)
腹が立つ、傷つけられる、嫉妬する、落ち込むなどの負の感情が芽生えてもそれを掃除してしまえば良いのだそう。
悪感情が芽生えたら、すぐに気分を変える努力を続けましょう。場所を変えて深呼吸する、好きな飲み物を飲む、好きな音楽を聴く、軽い運動をするなど自分にとってその場でできる、気分が良くなることをします。
こうしたことを続けていると、そのうちマイナス感情が芽生えてもすぐに忘れることができるようになるのだそうです。
そんなことしても無駄、と決めつけて悪い気分のまま何もしないのは損ですよ。
3. 感情のコントロールが難しい理由
強い感情が起きたとき、それをすぐにコントロールすることは難しいと感じませんか。
人が進化していくときに生命を維持するために生まれたのが「感情」ですから、自分を守るために簡単にはコントロールされない仕組みになっているようです。
3-1. 大脳辺縁系で起きる情動とは
『情動』を、大脳辺縁系を中心とする「生命維持の要素の強い心の動き」、『感情』を大脳新皮質の発達による「より社会的要素の強いもの」として見ると、なぜ感情コントロールが難しいかがよく理解できます。
心療内科医の梅谷薫さんは著書の中で『情動』プラス『感情』で人間の『感情システム』ができあがると解説しています。
はじめにあるのが『感覚』で、「熱い」「痛い」などの危険を感じてそれに対応した行動(手を引っ込めるなど)を取ります。
その後、大脳辺縁系が形成され、神経回路ができあがって「喜び」や「怒り」、「恐怖」や「不安」などの『情動』が発達してきたと考えることができるそうです。
危険を察知して生命を維持するための行動をとる『感覚』が発達して、『情動』が生まれたとしたら、それは自分を守るための本能です。理性で押さえ込むのが難しいはずですね。
3-2. 大脳新皮質と感情の関係
大脳新皮質が発達することで、さらに複雑な感情が生まれてきたというのが脳と感情の関係です。
人類が集団を形成し、お互いの交渉が多くなるにつれて大脳新皮質が発達し、より複雑なシステムとしての感情ができあがってきました。自分が生き残るために相手の顔色を読み、実力を推し量り、強気に出るか下手に出るかを決める必要がでてきたのです。
さらに、身近な人の幸せを喜んだり不幸を悲しんだりする「共感」や「思いやり」などの複雑な感情もできあがってきました。
こうしてみると、感情は人類の生活に合わせて発達したはずです。今私たちにわき起こる感情も、すべて必要なものだと理解してからコントロールしたいものです。
3-3. 神経伝達物質セロトニンが不足すると
脳内に神経伝達物質であるセロトニンが不足するとうつの症状が現れるということはよく知られていましたが、このセロトニンが不足することが怒りの感情に影響を与えていることがわかってきたそうです。
さらに、怒りの感情はリラックスするための副交感神経の働きを疎外し、活動を促す交感神経を優位にするため気持ちが休まらずよけいにイライラします。その状態は大脳皮質へ流れる血流を減少させるため大脳皮質が酸素不足になり、判断力や思考力などの脳の働きが鈍るため、冷静なときには取るはずのない行動を取ってしまったりします。
まさに悪循環です。自分が異常なほど怒りっぽい、イライラするというときは心療内科や精神科に相談することを精神科医の和田秀樹さんは勧めています。
3-4. 理性と対立する感情
人間の身体のしくみとして、感情は理性でコントロールされないようにできている、つまり感情は理性と対立すると考えられています。
生命維持の領域では、理性が勝手な振る舞いをしないように感情が見張っているといえます。感情とは「自分の身体を危険から守るために発達したシステム」だからです。
現代では、感情をむき出しにすることははばかられ、大人になれば感情をコントロールできることがあたりまえという風潮がありますが、感情をコントロールするということは実はそれほどたやすいことではないのです。
感情をコントロールする”3つのカギ”
①感情の本当の目的を理解する
②感情のエネルギーの強さと方向を考える
③感情のエネルギーを具体的行動に転化する
梅谷薫(心療内科医)
4. 感情が影響を与える要素とその利用方法
感情が影響を与える要素を取り上げ、どうしたら感情をコントロールできるのか考えてみましょう。
4-1. 感情によって起きる行動
「怒り」の感情が「暴力」になったり、「落ち込み」「悲しみ」の感情が「引きこもり」になったりするように、感情は行動に影響を与えます。
例えば「怒り」を感じたとき、より原始的な脳である大脳辺縁系からの指令が「殴れ」だとしても、発達した大脳新皮質は「殴るな」という指令を出し、現代人はその理性の声を聞いて「殴らない」という選択をすることができます。
また、「人を殴る」という行動をとったことがなく、殴らないということが当たり前の世界に長い間生きてきた場合、大脳辺縁系からの「殴れ」の指令の意味がわからず混乱し、殴れないということもあるそうです。
このことから、最近問題になっている年配者が「キレる」言動は、老化により脳の機能が低下していることが原因といえます。
4-2. 感情によって歪む認知
強い感情は人の「認知」を歪ませます。これは誰にでも経験があると思いますので、思い出してみてください。
誰かに腹を立てて「あのヤロー!!」と思うことで、その人の他の行動まで気に触ったり、その人の悪い部分ばかり目についたりするようになるのが「認知の歪み」です。
「いつか仕返しをしてやる」という気持ちで怒りを持続していると、その相手がちょっとしたことを言っただけで怒りが爆発してなんらかの行動に移すこともあります。
また、認知の歪みによって「あいつは俺の悪口をばらまいている」「あいつは俺を殺そうと思っている」というように現実にはないことを考えてしまう「妄想」まで進んでしまうということもあります。
4-3. 感情が作り出す自動思考
「自動思考」とはその人の「考え方の癖」のようなもので、ひとつの出来事から連続して物事を認知することですが、感情はその「自動思考」を作り出しています。
悲観的な人は楽観的な人と比べると、同じ出来事があっても次々に「良くないこと」を自動思考します。ひとつの悲しい出来事(あるいは悲しくすらない出来事)からいくらでも悲観的な考えが浮かんでしまうのです。
これは「思い込みによる暴走」ともいえますから、どこかで断ち切ることが必要です。
4-4. 行動のコントロールは結果が出やすい
行動のコントロールは、行動自体が感情を変化させるため、結果が出やすいものです。
これまで、感情が影響を与えるものについて説明してきましたが、これらの感情をコントロールすることはたやすくありません。
3章で説明したように、感情は自分を守るために発達してきたものですから、理性とは対立するのです。
しかし感情自体をコントロールすることは難しくても、行動をコントロールすることはできます。前述した「森田療法」のように、感情は感情として受け止め、それを認知の歪みや自動思考につなげないためにいつも通り、やるべきことはやってみましょう。
どうしても、やるべきことができないならそのときの自分にできる、自分自身が気分良くなれることをします。自分のご機嫌を取るのです。
楽しいから笑うのですけれども、笑っていれば楽しい気持ちになるものです。心から怒りながらスキップはできないように、自分が気分良くなれることをしながらマイナス感情を継続することはできないというのがその理由です。
5. アニメーション「インサイドヘッド」から学ぶ感情たちの役目
大ヒットしたディズニー映画「インサイドヘッド」は子供にもわかりやすく「感情」を解説してくれます。
どんな感情も、自分にとって必要なもの。こんなふうに感情を捉えることができたら、世界中にたったひとりしかいないオリジナルの自分のことが大好きになりそうですね。
5-1. 喜びは神様からの贈り物(ヨロコビ)
あなたが誕生したとき、いちばん先に生まれた感情が「ヨロコビ」です。
どんなときでも、物事を前向きに、楽観的に捉え、あなたを楽しく、ハッピーな気持ちにさせます。
喜びは、生きる力そのものと言えるでしょう。あなたは幸せになるために生まれてきたのです。
5-2. 恐怖心は生き延びるための切り札(ビビリ)
「ビビリ」は生活の中での恐れや不安をあなたに伝えます。
恐怖は、危険を避け、命を守るためになくてはならない自己防衛の感情です。
恐怖に対する基本的な行動は「逃げる」ことですが、ときに「もう逃げられない」というギリギリの状況で思わぬ反撃に転ずるエネルギーになります。
5-3. 怒りは不当な扱いを跳ね返すエネルギー(イカリ)
「イカリ」は、あなたが思い通りにならないできごとに遭ったとき、猛然と怒りを爆発させて抗議します。
怒りと恐怖は一見するとまったく違う感情に思えますが、じつは「あなたが傷つかないように守る」といった意味では同じなのです。
怒りはあなたが自尊心を保ち、自分自身であるために必要な感情なのです。
5-4. 好き嫌いはあなたの個性をつくる(ムカムカ)
「ムカムカ」は、あなたが出会う嫌なものや気持ち悪いものを瞬間的に判断して拒否します。
好き嫌いは、あなたがそれを受け入れるか拒否するか、理屈抜きの主観的な価値判断です。
嫌悪は、自分らしく生きるための手がかりです。
5-5. 悲しみは優しさを育む(カナシミ)
あなたが生まれて、はじめて泣き声をあげたときに生まれた「カナシミ」は、あなたを悲しい気持ちにさせ、泣かせることもあります。
悲しみの役目は、あなたを悲しい気持ちにさせることではありません。
人の優しさや思いやりを知り、人の気持ちによりそう心を育てるのが、悲しみなのです。
6. まとめ:あきらめずに続けることで感情をコントロールできるようになります
感情コントロールは簡単なことではないとわかりましたが、様々な方法を試し、継続することで感情はコントロールできると実感しています。
多くの人が「嬉しい」「楽しい」などの良い感情に対して「感情コントロールが必要」とは考えないでしょうが、「怒り」「悲しみ(落ち込み)」などのマイナス感情に対しては「感情コントロールが必要」と考えていますよね。
しかし、マイナス感情をコントロールするだけでなく、「嬉しい」「楽しい」気持ちを何度も反芻して気分良く過ごすことも感情コントロールです。
良い気分で過ごしていれば、多少の出来事に過剰反応して強いマイナス感情がわき起こるということもなくなるでしょう。
アニメ「インサイドヘッド」が教えてくれたように、感情はすべて自分のために働いてくれています。様々な感情を受け入れて、その上で自分を大切にすることが感情コントロールと言えるのかもしれませんね。
【参考書籍】
「感情コントロールの技術」吉澤ゆか(阪急コミュニケーションズ)
「悪のスーパー感情コントロール」内藤誼人(青春出版社)
「感情をコントロールする力」和田秀樹(PHP研究所)
「感情を自在にコントロールする極意」潮凪洋介(PHP研究所)
「『感情の整理』が上手い人下手な人」和田秀樹(新講社)
「あなたの感情を『毒』にしない生き方」梅谷薫(実業之日本社)
「あなたの感情たちのトリセツ」(講談社)
「インサイドヘッド」スーザン・フランシス(偕成社)