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3つの分野で活用する行動心理学―外から見えない心を科学する

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「人の心がわかったらいいのに……」と思うことは、誰にでもありますよね。

外から見えない「心」の研究は、古代から行われてきました。

長い間、哲学の1分野であった心理学は、19世紀後半になってから、客観的な観察や実証を重視する科学的な学問として確立されました。

その近代的な心理学の中でも、個人がもっている記憶や背景から心理を解明しようとする認知心理学に対して、人間全体に共通するような言葉やしぐさ、行動から心を読み解こうとするのが、「行動心理学」です。

行動心理学とは、そうした客観的観察の立場に立った心理学の総称ですから、大学には行動心理学科というような分野はありません。
行動分析や行動科学というカテゴリーで学ぶことになります。

英語で使われる“behavioral psychology”は、「行動主義心理学」と訳されますが、「行動主義」とは、客観的に観察可能な行動だけを研究対象とするという、心理学におけるひとつの主張で、その主張に基づいた心理学を行動心理学と呼ぶのです。

ここでは、「人間関係」「仕事」「恋愛」という3つの分野で、行動心理学を活用するヒントを紹介します。
行動心理学の研究対象は個人の事情を考慮したものではなく、大人数の心理を読み解こうとするときに効果を発揮するものですから、全ての人に当てはまるものではありません。

しかし、行動心理学を活用して仮説を立てれば、その相手の心を読み解く糸口になるはずです。

具体的な仮説の立て方は、本文の中で解説していきます。

目次

1. 人間関係で行動心理学を活用する
1-1. 愚痴は相手を困らせる
1-2. 幸福は3人目まで伝染する
1-3. パーソナルスペースを意識する
1-4. 嫌な人の話をすると嫌な人になる
1-5. 協力を得たいときには個別にアクセス

2. 仕事で行動心理学を活用する
2-1. セールスマンに必要な3つのテクニック
2-2. 流行には2つの欲求が働いている
2-3. 集団での意思決定はリスキー
2-4. 相手を説得する言葉は短い方がいい
2-5. 水曜日はトラブルに気をつける

3. 恋愛で行動心理学を活用する
3-1. 恋人のような振る舞いが恋心を生む
3-2. 男性はくびれに反応する
3-3. 他人の評価が好感度を上げる
3-4. 軽いボディタッチは親近感を高める
3-5. 結婚による幸福感は2年まで

まとめ

1. 人間関係で行動心理学を活用する

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行動心理学の基本的な考え方は、「人間にAという刺激を与えたら、Bという反応が返ってくる」という理論の上に成り立っています。

これは、逆に考えると、「相手からBの反応を得るためには、Aという刺激を与えればよい」ということになりますよね。

Aという刺激を与えたからといって、誰もが必ずBという反応をするとは限りませんが、状況や相手に応じて行動心理学をうまく応用すれば、相手を操ることや、相手から悪影響を受けないようにすることが可能です。

1-1. 愚痴は相手を困らせる

嫌なことや辛いことは、誰かに話すと気もちが楽になった気がしますよね。
しかし、精神的苦痛を他人に話しても、日常的な会話をしても、ストレスが軽減される効果は変わらないといわれています。

2005年にベルギーのルーヴァン・カトリック大学で行われた実験では、自分の精神的苦痛を話した人と、他愛もない1日の出来事について話した人には、1週間後、2か月後ともに、感じている幸福感に明確な違いがありませんでした。

ストレス軽減の効果が期待できないのであれば、相手を困らせて不快にさせる愚痴はやめたほうがいいですよね。

心理学的には、悩みを書き出すことや読書が、ストレス軽減のよい方法だといわれています。
辛いことがあったときは、他人にぶつけるのではなく、自分と向き合った方がよいということです。

1-2. 幸福は3人目まで伝染する

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何を幸せと感じるかということには、個人差があります。
しかし、周囲に幸せな人が多いと、幸せを感じやすいという研究結果があります。

アメリカのハーバード大学で行われた、1万2000人を対象とした30年以上にわたる追跡調査では、ある人間が日頃から接している家族や友人が幸福を感じていると、本人も幸せを感じる可能性が15%高かったといいます。
しかも驚くことに、直接、顔を合わせていない人にまで影響が及んでいたというのです。

幸せを感じているAさんがいると、友人のBさんは幸福度が15%増し、Bさんの友人で、Aさんのことを知らないCさんも10%幸福度が増し、さらにCさんの友人であるDさんは、AさんやBさんのことを知らないのに、幸福度が6%増す可能性があるといいます。

この実証からわかるのは、幸福になりたかったらおカネ儲けに時間とエネルギーを使うよりも、幸福感につつまれた友人や家族との関係を深めた方が効果的かもしれないということ。
誰かを幸せにすると、めぐりめぐって自分に幸せが返ってくるということでもあります。

1-3. パーソナルスペースを意識する

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他人に侵入されたくない個人的空間を「パーソナルスペース」といい、これは物理的な空間だけでなく、心理的なものも存在します。

触れられたくない事柄は、誰にでもあるもの。
外見の特徴やセンスの否定、家族の批判などが当てはまります。
こうしたパーソナルスペースは、心理カウンセラーも触れるのを避けるといいます。

パーソナルスペースには触れないことが、良好な人間関係の基本。
もし、こうしたことについて相談をもちかけられたら、相手が親密な関係を望んでいるということです。

1-4. 嫌な人の話をすると嫌な人になる

噂ばなしで盛り上がることは、よくありますよね。
誰もが好きだといわれる噂ばなしですが、気をつけなければいけないことがあります。
それは、話の内容が話している本人と結びつく、「自発的特徴変換」という心理現象。

その場にいない人の嫌な話を聞かされると、話している人の人間性を知らないにもかかわらず、その人を嫌な人間だと感じるという心理です。

誰かの短所や悪いクセを話すと、聞いた人間は、あなた自身もその短所や悪いクセがあるかのように感じてしまうのです。
これは、逆に誰かの良い部分を話すと、あなた自身も良い人間だと思われるということ。

ネガティブな噂ばなしはやめて、噂をするのだったらポジティブな内容にした方が、人間関係はうまくいくということですね。

1-5. 協力を得たいときには個別にアクセス

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Eメールの一斉送信は、便利な機能ですが、本気で協力を得たい場合には適しません。
人間には、相手が自分のことを考えていると認識した方が、行動に移しやすいという心理があります。

一斉メールでは「傍観者効果」が働いて、自分が動かなくても誰かが動くと考えてしまうのです。
ですから、大勢の人に何かを頼みたいときでも、個別メールにして相手の意識を自分の方に向けなければ、なかなか人を動かすことができません。

 

2. 仕事で行動心理学を活用する

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多数の人間を対象とする行動心理学には、社会や集団の心理も含まれるので、仕事には欠かせない要素です。

顧客と直に接する営業部門ばかりでなく、市場の動向を探るマーケティング部門や、大衆のニーズを形にする開発部門でも、人間の行動を実証して科学することが、成功の大きなカギとなるのです。

2-1. セールスマンに必要な3つのテクニック

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訪問販売の世界では、人間の心理を利用する説得術が昔から使われてきました。
代表的な3つのテクニックを紹介しましょう。

① フットインザドア・テクニック
ドアに足だけでも入れさせてもらえれば、成約率を高めることができるというテクニック。
最初に「ちょっとだけでもお話を」と小さな承諾をさせてから、商品を買うという大きな承諾に移ると、つい買ってしまうというというものです。

② ドアインザフェイス・テクニック
これは逆に断られる前提で大きな要請をして、断られた後に小さな要請をすることによって成約率を高めるテクニック。
わざと価格の高い商品の話をしてから、本命の商品の安さを強調するといった手法があり、最初の要請を断った相手の罪悪感を利用するものです。

③ ローボール・テクニック
こちらは、最初に取りやすい低いボールを投げてから、高めのボールを受けさせるテクニック。
買いやすい価格を提示して「買う」と承諾させてから、様々な理由で値段を釣り上げていくもので、一度買うといってしまうと、なかなか断りにくいという心理を利用するものです。

2-2. 流行には2つの欲求が働いている

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社会現象のひとつである「流行」は、「独自性の欲求」と「同調性の欲求」という2つの心理によって生み出されます。

「独自性の欲求」とは、変身願望や、変わりたいという変化への欲求と、認めてもらいたいという自己顕示欲的な欲求から成り立つもので、奇抜なものやオリジナリティの強いアイテムを生み出します。

一方、他人と同化したいという「同調性の欲求」もあり、これは、カリスマや権威を求める欲求や、流行遅れにはなりたくなくて周囲に合わせる斉一性の欲求が働くもの。

この大きな2つの欲求が働いて、新しい要素が人々の間に広がるのです。

2-3. 集団での意思決定はリスキー

ビジネスでは会議やミーティングなど、多くの人間が集まって話し合い、重要なことが決定されます。
しかし、集団による意思決定システムには、「集団極性化現象」が働いて、極端な方向に進みやすいことを知っておく必要があります。

冒険的な考え方を支持する人が多ければリスキーな結論に近づく「リスキーシフト」、逆に慎重で安全志向の人が多ければ、斬新さや進歩がない「コーシャスシフト」という現象が起こります。

会議やミーティングの場では、自分がリスキーやコーシャスに大きく傾いていないか、冷静に判断する客観性が求められるのです。

2-4. 相手を説得する言葉は短い方がいい

相手を説得したいときには、最初に結論を述べて、短めな説明を加えるのが効果的。
要点を10秒くらいにまとめ、心に響く印象的な言葉を入れると、理解されやすくなります。

短いメッセージの方が相手の印象に残りやすいという現象は、テレビCMなどの映像に受け手が気づかないほど短い映像を挿入する「サブリミナル効果」で実証されています。

筋道を立てて説明するよりも、インパクトのある簡潔な言葉の方が伝わるのです。

2-5. 水曜日はトラブルに気をつける

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水曜日は、他人と衝突したり、失言が多くなったりと、仕事上のトラブルがもっとも起きやすいという、アメリカのオハイオ大学で発表された統計データがあります。

「ブルーマンデー」と呼ばれる月曜日は、休み明けでリズムが整わないのは確かなのですが、気持ちがリフレッシュしているので他人と衝突することは多くありません。

しかし、週の半ばになってくるとストレスもたまり、緊張感もとけて気持ちが緩んでくるのです。
オハイオ大学のデータでは、水曜日は圧倒的に口喧嘩などのトラブルが多かったといいます。

ですから水曜日は、大切なクライアントとの交渉や重要なことを決定する会議などはできれば避けて、失言に気をつけるようにしたいものです。

 

3. 恋愛で行動心理学を活用する

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プラス思考は、ストレスを軽減して幸福感をもたらす最上の思考法とされますよね。
でも、心理学においては、ポジティブシンキングが必ずしも良い結果を生むとは考えられていません。

その最たるものが「恋愛」です。
あまりにもロマンチストだったり、幸せな将来を切望したりする人は、想像上の幸せが壊れることを恐れてリスクを避けるようになり、恋愛は成就しにくいといわれるのです。

こうした、恋愛にかんする行動心理学をいくつか紹介しましょう。

3-1. 恋人のような振る舞いが恋心を生む

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心理学では「振る舞いの効果」と呼ばれるものがあります。
これは、心理学で導かれた法則によって、恋愛状態をつくり出すことができるという仮説のもとに行われた実験で実証された効果で、「恋人のような振る舞いが、恋愛感情を生みやすくする」というもの。

最初はそんな気がなかったのに、周囲から「その人のことが好きなんでしょ」「2人は相性がいいよね」「付き合っているんじゃないの?」などといわれて、相手のことを意識するようになってしまったということはありませんか?

役者の世界でも、恋人役や夫婦役をした2人が、実際に交際したり結婚したりということがよくありますよね。
恋愛を成就させたかったら、この心理を試してみるのもひとつの手段でしょう。

3-2. 男性はくびれに反応する

 

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男性は胸の大きな女性に魅かれる、胸の大きな女性は男性に望みを叶えてもらえる確率が高いなどというと、セクハラ疑惑をもたれてしまいそうな現代ですが、実はこうした男性の心理も科学的に実証されています。

フランスのブルターニュ南大学では、男性は胸の大きな女性に魅かれるかという実験が真剣に行われ、その結果は、「男性は女性の胸の大きさによって行動を変える」というもの。

アメリカのテキサス大学では、胸だけではなく、「男性はくびれがはっきりした女性に魅力を感じる」という研究結果も発表されています。

男性のこの心理は、生殖活動において優れた相手を見つけようとする本能によるものではないかと考えられています。
男性も女性もお互いに、こうした性的なアピールに本能的な反応をするものだということを知っておいたほうがいいですね。

3-3. 他人の評価が好感度を上げる

好き嫌いは、脳の扁桃体という部位で判断される「快」か「不快」かというシンプルな分類によって生まれる感情。
しかし心理学では、「他人の評価によって、自分の感じ方は変わる」ということが実証されています。

たとえば男性にとって、評判のいい女性や、人気の高い女性はそれだけの理由で魅力的に感じてしまうという心理です。

ですから、好きな相手に対して自分の評価を上げたいのであれば、周囲からの評価を上げることが有効なのです。

3-4. 軽いボディタッチは親近感を高める

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ボディタッチの効果は、良好な人間関係をつくるテクニックとして知られていますが、もちろん、恋愛においても利用できます。

日本には、ハグやキスといったスキンシップの習慣がなかったので、気をつけないとセクラ行為と受けとられてしまいますから、「軽く自然に」が大事なポイント。

意識的にそうした機会をつくることはなかなか難しいといえますが、スポーツや身体を使う趣味をコーチする機会があったらチャンスです。
サイクリング、フィッシング、ゴルフなどがよくあるケース。
最近は、テーブルマジックなどのエンタテイメントも、いいのではないでしょうか。

何をコーチするにしても、ある程度のテクニックが必要とされるのはいうまでもありません。
「芸は身を助く」といわれますが、趣味を深めることは意外なところで役に立つものです。

3-5. 結婚による幸福感は2年まで

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日本でも離婚率が上昇していますよね。
永遠の愛を誓い合った2人が、なぜ別れてしまうのかという問題を研究した心理学者もいます。

その調査によると、相手に対する不満がもっとも高くなるのは結婚して2年経った頃で、4~5年目になると、愛着がわいて夫婦関係が落ち着いてくるとされています。
夫婦には「2年の壁」があるということですね。

この世に常なるものはなく、そもそも「永遠に変わらぬ愛」などというものは幻想でしかないと考えるのは仏教の教えですが、ボルテージの上がった恋愛感情に惑わされず、相手を大事に思う気もちを大切にすることが、夫婦関係を長くつづけるコツではないでしょうか。

 

まとめ

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行動心理学とはどういうものかということが、だいたい理解していただけたことと思います。
ここであげた3つの分野における利用法は、心理学の片隅を覗いただけにすぎません。

「心理学」という言葉からは、カウンセリングなどの治療や、難しい学問というイメージがわくかもしれませんが、わかりやすく書かれた本も多く出版されていますので、行動心理学に興味をもたれた方は、ぜひ心理学の本を読まれることをおすすめします。

日本能力開発推進協会(JADP)認定の「行動心理士」という資格もありますので、こちらも興味ある方はチャレンジしてみてはいかがでしょう。

 

【参考資料】
・『幸運を引き寄せる行動心理学入門』 植木理恵 著  宝島社 2017年
・『植木理恵のすぐに使える行動心理学』 植木理恵 著  宝島社 2012年
・『ビジュアル図解 心理学』 植木理恵 著  KADOKAWA 2013年

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