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11項目で身につける怒らない技術-アンガーマネジメントの基本

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怒りの感情が湧いても、怒って人間関係を悪くしたくないですよね?

実は、こうした思いから自分の中に怒りを溜め込んでしまい、ストレスが蓄積して心や身体に不調をきたす人が多いのです。

怒りの感情を抑えて溜め込んでいるうちに、とうとう大きな爆発を起こしてしまい、大切な人と修復不可能な関係になってしまうケースもあります。

自分の中に湧き起こる怒りの感情をどう扱えばいいのか、わかっていないために悩み、あげくに悪い結果を招いてしまうのです。

ここでは、怒りの感情とうまく付き合うための心理教育である「アンガーマネジメント」に基づいて、怒らない技術の基本を解説します。
怒りの感情を嫌悪することなく、コントロールする術を身につけてください。

目次

1. 怒るとはどういうことか?
1-1. 怒りは身を守る自然な反応
1-2. 怒りの裏にある一次感情
1-3. 怒りの原因は譲れない価値観
1-4. 怒ったときは交感神経が働いている
1-5. 寿命を縮める怒り
1-6. アンガーマネジメントとは?

2. 11項目で身につける怒らない技術
2-1. スケールテクニック
2-2. ストップシンキング
2-3. タイムアウト
2-4. カウントバック
2-5. 呼吸リラクゼーション
2-6. コーピングマントラ
2-7. グラウンディング
2-8. アンガーログ
2-9. べきログ
2-10. ストレスログ
2-11. 身体リラクゼーション

まとめ

1. 怒るとはどういうことか?

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怒りは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚という、五感で受けた刺激に対して脳が反応した感情のひとつです。

五感から受ける刺激に対しては、「つらい」「痛い」「疲れた」「困った」「嫌だ」といったマイナスの感情と、「うれしい」「楽しい」「心地よい」「美味しい」といったプラスの感情があり、マイナスの感情が怒りやストレスの原因となります。

1-1. 怒りは身を守る自然な反応

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怒りの感情は、危機や攻撃に対して自分の身を守る自然な反応です。

人間が獲物をとって生きていた原始の時代には、自分に害を与えるものに対して恐怖をおぼえると、警戒心が高まり、まず威嚇をし、それでも相手が引かなければ激しく怒り、そのエネルギーで攻撃をしたのです。

怒りは悪いことではなく、本来は生き延びるために欠かせないエネルギーでした。
協調性が求められる現代に生きる人間にも、この生きるための脳が残っているのです。

原始時代のように相手を攻撃して生き延びる必要がない現代社会では、怒りの感情をコントロールして、表現方法に気をつけなければいけません。

1-2. 怒りの裏にある一次感情

怒りの感情は、「二次感情」といわれます。
怒りの裏には、五感で受けた刺激に対して脳が反応した「つらい」「痛い」「疲れた」「困った」「嫌だ」といった「一次感情」が潜んでいるからです。

怒りはとても強い感情なので、なかなか一次感情に気づくことができません。
根源にある一次感情に目を向けず、ただ怒りの感情だけを相手にぶつけてしまいがちなのです。

相手に、本当にわかってもらいたかったのは、一次感情であるはずなのに、これでは相手に自分の気持ちを伝えることができないのです。
怒りの裏にある一次感情を明確にしなければいけません。

1-3. 怒りの原因は譲れない価値観

怒りの原因をたどっていくと、一次感情を生んだ元になっている現象や刺激があるはずです。

それは、「誰か」であったり、「何か」であったり、「出来事」であったりという対象に対して、期待や理想が裏切られたことです。

自分がもっていた「こうあるべき」という価値観が裏切られたときに、視覚や聴覚からマイナスの刺激が入り、その結果、怒りの感情が湧き起こるのです。

「理想と現実のギャップ」と、いいかえることもできます。

しかし、価値観は人それぞれ違うのですから、自分の「べき」の基準を他人に押し付けてはいけないのです。

1-4. 怒ったときは交感神経が働いている

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怒っているときは、無意識のうちに心臓の鼓動が速くなり、呼吸が浅くなって血圧が上がります。
これは、自律神経の交感神経が働いているからです。

自律神経は、心拍、呼吸、血流、体温、消化吸収といった生命維持に欠かせない機能をコントロールしており、活動モードになる交感神経と、リラックスモードになる副交感神経が常に40~60%の割合で働き、どちらかが優位になるようなしくみになっています。

怒ったときは交感神経が優位になっており、身体が活動モード、もしくは戦闘モードに入っているのです。
怒っていると、カーっと顔が赤くなって目がつり上がり、興奮状態になるのはそのためです。

逆に副交感神経が優位になると、怒りの感情は抑制されます。

1-5. 寿命を縮める怒り

怒りっぽい人や、いつもイライラしている人は、交感神経が活発な状態が続くことになります。
これは、自律神経のバランスを崩し、様々な不調を引き起こす原因になります。

人間は通常、昼間は交感神経の優位な時間が多く、夜になると副交感神経が優位になって身体はリラックスモードに入り、全身の細胞を修復し、脳内では記憶の整理、内臓では消化吸収が進みます。

このバランスが崩れると、まず血液の状態が悪くなって、体内の老廃物が順調に排出されません。
消化機能が低下するので、腸内で栄養が吸収されず腐敗し、腸内環境が悪化します。

さらに、白血球の攻撃性が落ちて免疫力が低下、活性酸素の除去が進まず身体が老化、というように、全身に悪影響を及ぼしていきます。
怒りのコントロールができなければ、老化を進めて、寿命を縮めることになるのです。

1-6. アンガーマネジメントとは?

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アンガーマネジメントは、怒りの感情をコントロールするために、1970年代にアメリカで開発された「感情理解教育プログラム」です。

当初は、カリフォルニア州を中心として、DV(ドメスティックバイオレンス)や差別、軽犯罪者に対する矯正プログラムとして利用されていましたが、現在では、怒りの感情とうまく付き合うための心理教育、心理トレーニングとして、全米の教育機関や企業で広く導入されています。

近年、アンガーマネジメントは日本でも注目されており、教育機関や企業の研修などに取り入れるところが増えています。
次項では、このアンガーマネジメントに基づいた「怒らない技術」を解説します。

 

2. 11項目で身につける怒らない技術

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これから解説するのは、怒りの感情が湧き起こったときに、とっさの対処としてできる7つのテクニックと、怒りにくい体質を目指すための4つの改善法です。

7つの対処法は、怒りを抑制する特効薬のようなもので、イラっとした瞬間に実践することで効果を発揮します。

4つの体質改善法は、習慣化することで心の器を大きくすることが目的です。
まず、対処法を実践してから、少しずつ体質改善を行うようにしましょう。

アンガーマネジメントは、少しずつ行動に移して身につけることで、効果を発揮します。

2-1. スケールテクニック

スケールテクニックは、怒りの感情を数値化するテクニックです。
数値化することで、怒りを客観的に把握できるようになり、怒りまかせの行動を防ぐことができるようになります。

怒りのコントロールは、大脳皮質がブレーキをかけるまでにかかる6秒間がカギといわれています。
この6秒をやり過ごす目的もあります。

手順
① 怒りを感じたら、0点から10点までの点数を思い浮かべます。

② 今の怒りに点数をつけて、自分の怒りの中での位置づけをよく考えてみます。

③ 点数をつけることにほんの一瞬、意識を向けることで、怒りの感情にストップをかけることができます。

2-2. ストップシンキング

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ストップシンキングは、怒りの感情が湧き起こったときに、思考を停止させることで、怒りまかせの行動をとってしまうことを防ぐテクニックです。

自分はどうするべきかということを冷静に考えられるようになり、怒りの感情をリセットすることができます。

手順
① 怒りを感じたら、心の中で「ストップ!」と唱えます。

② 頭の中に真っ白い紙を思い浮かべるのも効果的です。

③ 心が落ち着いて、これから自分はどうしたらいいのか、考えられるようになります。

2-3. タイムアウト

タイムアウトは、感情のコントロールができなくなっているときに、その場を離れることでリセットするテクニックです。

その場の空気を悪くしなくてすみますが、移動した場所で物に八つ当たりしたり、大声を出したりしても、感情が高ぶるだけですからやめましょう。

手順
① このままだと怒りの感情が抑えられなくなりそうだと思ったら、とりあえず、その場を離れます。

② 相手がいる場合には、トイレに行くなどと伝えて、相手の気持ちを害さないようにします。

③ その場を離れたら、深呼吸をして気持ちを落ち着かせて、元の場所へ戻ります。

2-4. カウントバック

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カウントバックは、怒りを感じたときに、「100、97、94、91」などと、頭の中で数字を逆に数えて、衝動的な行動を防ぐテクニックです。

数を数えることに、いかに集中するかが重要です。

手順
① 怒りを感じたら、頭の中で100から3ずつ引いた数字を唱えていきます。

② 少し考えなければ数えられないことがポイントなので、慣れてしまったら、マイナス4ずつ、マイナス6ずつというように逆算する数字の間隔を変えます。

③ 数に集中している間に怒りの感情が収まります。

2-5. 呼吸リラクゼーション

怒りを感じたときに、ゆっくりと腹式呼吸をしてリラックスするのが、呼吸リラクゼーションです。

深呼吸によって副交感神経を活性化し、身体をリラックスモードへと導きます。

手順
① 怒りの感情が湧き出てきたと感じたら、4秒かけて鼻から大きく息を吸いこみます。

② 息を吸ったら4秒間、息を止めます。

③ 口をとがらせてフーッと8秒かけて息を吐き切ります。

2-6. コーピングマントラ

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怒りを感じたときに、心を落ち着けるフレーズを唱えるのが、コーピングマントラです。
「コーピング」とはメンタルヘルス用語で「ストレスの緩和」を、「マントラ」は古代インドのサンスクリット語で呪文を意味します。

日頃から用意しておいた、気持ちが落ち着く言葉を自分にいい聞かせることで、気分がやわらぎ、冷静に対処できるようになります。

手順
① たとえば会社で上司に理不尽なことをいわれても、その場で言葉を返さずに、1回飲みこむようにします。

② その場を離れてから、「ま、いいか」「大丈夫、大丈夫」など、心の中で落ち着く言葉を何度か自分にいい聞かせて、高ぶる気持ちをやわらげます。

③ フレーズは愛するペットの名前や、単に数字を数えるだけでも効果があります。

2-7. グラウンディング

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グラウンディングは、「今、ここにいる自分」に意識を集中させて、怒りをおぼえた過去から解放されるテクニックです。

長い間、とらわれていた過去の怒りの感情や、未来に対する不安から自分を解放し、目の前にある事柄に意識を向けることができます。

手順
① 過去の怒りを思い出したり、未来の自分を想像して不安になったりしたときに、机の上にある小物など、目の前にある何かを手にします。

② 手にした物の、色、形、ロゴ、デザインなどを細かいところまでしっかり観察します。

③ 意識が、「今ここにいる自分」に戻ってきます。

2-8. アンガーログ

ここからの4項目は、怒らないようになる体質改善のテクニックです。

アンガーログは、怒りを感じたときに、日時や場所、自分に起こった事などを紙に書き出す方法です。

客観的に自分を見つめることができて、自分が怒りをおぼえるのはどういうときなのか、パターンがわかってきます。

手順
① 怒りを感じたら、あまり時間をあけないうちに、日時、場所、起こった出来事、自分はどう感じたか、などの項目を紙に書き出すか、パソコンなどのメモに記録します。

② そのときの怒りの強さを、10点満点で評価すると何点になるのか記録します。

③ このメモが溜まってきたら読み返してみると、次に怒りを感じたときに、「あ、このパターンね」と、落ち着いて対処できます。

2-9. べきログ

自分の中にある「こうあるべき」という思い込みを書き出すことによって、怒りの根源にある「ゆずれない価値観」を浮き彫りにします。

自分の信条や信念、考え方のこだわりが明確になり、自分がどういうときに怒るのかわかるようになります。

手順
① 自分が日頃、よく思う「〇〇はこうあるべき」「〇〇ではこうすべき」といったこだわりを、思いつくだけできるだけ具体的に紙に書き出すか、パソコンなどにメモしておきます。

② 怒りの感情をおぼえたら、このメモを見て当てはまるものがあるか確認し、なければ書き留めておきます。

③ 自分のこだわりや価値観を知ることで、周りの人にもそれぞれこだわりや価値観があることがわかり、他人を受け容れられるようになります。

2-10. ストレスログ

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ストレスログは、怒りやストレスの元になっている事柄を「自分で変えられるものか、変えられないものか」に分類し、さらにそれぞれ「自分にとって重要か、重要でないか」で分類して、自分の思考を見える化するものです。

自分がコントロールできることとできないことを見極められて、コントロールできないことに対する怒りの感情を抑えることができるようになります。

手順
① 怒りやイライラの原因になっている事柄を4つのブロックに書き出します。

② それぞれのブロックが意味するところを読み解きます。

2-11. 身体リラクゼーション

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身体リラクゼーションは、ストレッチや有酸素運動によって、ストレスを緩和したり、リラックスしたりするテクニックです。

「脳内モルヒネ」と呼ばれて鎮痛作用をもつエンドルフィンや、セロトニンの放出を促してストレスを緩和し、怒りの感情をコントロールできる身体をつくります。

有酸素運動は、激しくない運動を長く続けるもので、ウォーキングやジョギング、サイクリング、スイミング、エアロビクスなどが代表的なものです。

ストレッチは、筋肉や関節まわりを伸ばして血液やリンパの流れを改善し、体内の老廃物の排出を促す効果があり、ヨガや太極拳なども同様の効果があります。

重要なことは継続することと、身体に大きな負担をかけたり、やりすぎたりしないことです。
自分に適切な運動量を調べて、ムリのないところからはじめましょう。

 

まとめ

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アンガーマネジメントに、どのような感想をもちましたか?
もっと難しいものと思っていた人が多いのではないでしょうか。

ムリなくできるものでなければストレスになってしまいますから、難しいものではありません。
決して難しいものではありませんが、大事なのは習慣化することです。
ですから、できることから気軽にはじめてください。

怒らない技術は注目度が高く、アンガーマネジメント以外にもいろいろな方法が、まとめサイトなどに紹介されています。

また、大ベストセラーとなった『怒らない技術』の続編である『怒らない技術2』や、漫画のストーリーで解説する『マンガでよくわかる怒らない技術』といった本も好評のようですから、ぜひ参考にしてください。

【参考資料】
・『アンガーマネジメント 怒らない伝え方』 戸田久美 かんき出版 2015年
・『イライラしない、怒らない ADHDの人のためのアンガーマネジメント』 高山恵子 (監修) 講談社 2016年

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