アファメーションという言葉を耳にしたことがあっても、実際に自分の生活に取り入れている人はそう多くないのではないでしょうか。
アファメーション、英語ではAffirmations(Afamēshon)。
自分の願望や考え方を言葉にすることで明確化し、潜在意識に伝えていくことで願いを叶えたり、過去の心の傷を癒したりすることのできるアファメーション。
実践することで自分の感情と向き合うこともできますし、本当の願いに気づく事もあります。そのことだけでも大きな収穫と言えるはず。
アファメーションを実践することで、不思議なことに良い仕事にめぐりあえた、恋人ができた、気になっていたトラブルが自然と解決したなど日常の中で効果を実感している人も多いようです。
長く実践している人などは、自分の潜在意識に届くアファメーションを作るのが上手になりますから、かなり大きな願望もうまく達成できるようになるといいます。
必要なのはほんの少しの時間だけですから、気軽にチャレンジして、その効果を実感してみませんか。
1.アファメーションの実践方法
2.アファメーションを結果につなげるためのコツ
3.アファメーション例・例文
4.アファメーションに関する本・カード
5. アファメーションに疑問を感じたときにすること
6. 挫折しないための方法
7. 実践した人の体験談
1.アファメーションの実践方法
1-1.アファメーションの目的
アファメーションの目的は「願いを叶える」「悲しみや喪失感を癒す」「本当の自分に気付く」ことです。
人にはそれまでに育った環境に影響された思考パターンがあり、出来事の捉え方にそのパターンがくり返されます。
否定的、悲観的、マイナス思考のパターン、思い込みがすでにある場合には潜在意識がそれを現実と捉えます。それが原因となって、目の前の現実も自分が願うような幸運に恵まれないのです。
その思考パターンを意識的に変えることができるのが、アファメーションです。
1-2.自分のアファメーションを作る
アファメーションには定型があってそれを利用するというものではなく、自分が最も「信じられる」「その気になる」「やる気が出る」言葉をつかって自分で作るものです。
例えば「豊かになりたい」という願いは同じでも
☆私は毎月高級温泉旅館に宿泊します
☆私は家族に不安を与えないだけの充分な収入を得ています
☆私の貯蓄は充分あるため自由に好きな仕事が選べます
というふうに、自分にしっくりくる言い回しはそれぞれ違うはずです。自分の心が納得するような言葉を選びましょう。
1-3.「一人称」「否定表現を含まない」「現在形で言い切る」
アファメーションを作るときの注意点です。
【一人称で書く】
「私は…」という、自分が主語になる書き方です。
× 彼は私のことを好きになります
○ 私と彼は相思相愛です
【否定表現を含まない】
「…にならない」「…をしない」などの否定表現をしないように。
× 私の会社は倒産しない
○ 私の会社は発展を続ける
【現在形で言い切る】
「…である(です)」と現在形で言い切ります。どうしても信じられないときには「…になりつつあります」というように、自分が信じられる言い方になおすと良いでしょう。
× いつか弁護士になれますように
○ 私は弁護士として活躍しつつあります
1-4.くり返す方法は声に出すだけではありません
アファメーションをくり返す方法は、「紙に書く」「紙に書いたものを見る」「頭の中でくり返す」などでもかまいません。
アファメーションは基本的に口にだして言うことで自分の考え方を良い方向へ修正し、潜在意識に届けるというものです。
しかし、例えばプレゼンテーションの順番が回ってきたときなど、自分にうまくいくと言い聞かせたいけれど声に出せないときもあるでしょう。
また、基本的に日頃あまり声を出さない人にとって、「私は成功して有名人になります!」などと口にすることはわざとらしくて好まないという場合もあるかも知れませんね。
そんなときには、紙に書いてそれを眺めてもいいですし、もちろん頭の中でつぶやく感じでもかまいません。
ひとりでの運転中ならば「今日は絶対に50万円の契約を取るぞ!!」と叫ぶのも良いでしょうが、電車での移動中なら目を閉じて同じ事を強く頭の中でつぶやいても同様の効果があります。
2.アファメーションを結果につなげるためのコツ
2-1.今の自分を徹底的にみつめること
自分の現状をまずしっかりと認めることで、アファメーションの効果につながります。
アファメーションの効果については様々に言われていますが、効果が出ていると実感する人は、自分のことをよく知っている人に多いようです。
なぜなら、潜在意識が現実として受け取るほど、その言葉を自分自身が信じられるからです。
自分の本当の願いがわかっていないのに、なんとなくつくったアファメーションをいくら唱えても、意味がないのです。
今の自分には何が足りないのか。どうなったら嬉しいのか。そうなりたいのはなぜか。叶ったときに戸惑いはないか。その願いが叶うことで失うものの不安はないか。
様々な角度から自分に質問をして、自分の感情を確かめ、そして導き出したアファメーションなら効果が出るはずです。
2-2.過去を書き出すことで自分を理解する
自分を知るためには、自分の過去を書き出すことが役立ちます。
思いだしたくないくらい深い傷を負ってしまった過去を癒すことのないまま心の奥に閉じ込めてカギをかけているということはよくあることです。
あのとき、母親に疑われたことが悔しかった、悲しかった。こう言われたことで傷ついていた…。つらくても思いだして書き出します。起こった出来事、そのときの自分の気持ち、今の自分の気持ちなど、浮かぶままにすべて書きだしてみましょう。
そうすると、本当は親に愛されたくて今の仕事を選んだということや、親の喜ぶ学校を選んだことなどがわかってきて、自分はそのとき、ほんとうはどうしたかったのか、自分の望みが見えてきます。
2-3.思考には限界があるので今の考えを手放す
ときには自分の考えを手放すことが有効になることもあります。
ある願いがあったとして、そのことをアファメーションにしようとすると、どうしても自分の現実的な思考に邪魔されてしまうときなどです。
「できっこない」「無理だ」「できたとしてもあの人には嫌われる」などの言葉が浮かんだら、「○○に関して、私の思考には限界があるので、今の考えを手放します」というアファメーションに変えましょう。
すると、忘れた頃に悩みが解決していたり、思いがけないことが起こって願いが叶ったりするのです。
3. アファメーション例・例文
願望として代表的なもののアファメーションの例をご紹介します。
3-1. お金と豊かさのアファメーション
・私はいつも十分なお金があります。
・私はお金に愛されています。
・ 私は好きなことをするだけで、たくさんのお金が入ってきます。
3-2. 容姿(顔・身体)のアファメーション
・私の体はとてもしなやかで美しく健康的です
・私はの身体は毎日よくなり続けています
・私は理想としていた完璧な容姿になっています。
・私は望み通りの美しさを手に入れました。
3-3 オールマイティなアファメーション
・私は幸せです。
・ すべてうまくいっています。
・ 私は素敵な人生を過ごしています。
・私は毎日どんどん幸せになっていきます。
4. アファメーションに関する本・カード
自分だけのオリジナルのアファメーションを作るのに悩んだり、もっと深くアファメーションに取り組みたいと思ったら、アファメーションに関する本やカードが参考になるかもしれません。
代表的なものをご紹介します。
・アファメーション(フォレスト出版)
ルー・タイス (著), 苫米地英人 (監修), 田口未和 (翻訳)
人生を変える!伝説のコーチの言葉と5つの法則
誰でも「なりたい自分」になれる技術「アファメーション」とは?
脳機能学者・苫米地英人博士が監修。
・「言葉」があなたの人生を決める
苫米地英人 (著), マーク・シューベルト (監修)
「言葉」はあなたの人生と全宇宙を支配している。
人生を180度変える最強メソッド「アファメーション」とは?
ドクター苫米地による最新版の「アファメーション超入門」
・ルイーズヘイ パワーカード アファメーションカード
パワーカードは、日本で初めてのアファメーションカードです。 世界中で3500万冊以上の本が売れている、ルイーズヘイの原点ともいえるアファメーションカードを、装いも新たに日本語版として製作しました。
5.アファメーションに疑問を感じたときにすること
5-1.何度でも自分の感情と向き合いましょう
アファメーションを日々くり返すうちに、なんだか違和感がある、しっくりこないと感じたときには時間を作って自分の感情を確認してください。
本当の自分の気持ちと違う願いをアファメーションにしてくり返していると、「なんだか違う」という直感が起こるはずなのです。
まわりの環境も変化しますし、自分も日々成長しています。以前作ったアファメーションにしっくりこないと感じたら、その願いにしがみつかずに自分の感情と向き合い、アファメーションを修正します。
5-2.悲しみや喪失感を癒すアファメーション
アファメーションは、願いを叶えることだけでなく、強い悲しみや喪失感を癒す効果もあります。是非試してみてください。
例えば大切なペットが亡くなってしまったとき。
大きな悲しみのあとに、「もっとこうしてあげればよかった」という罪悪感に襲われることがあります。
☆私は自分自身を許します
☆私は○○ちゃんが無条件にくれた愛を大切にします
こうしたアファメーションをくり返し、心が落ちついたら、その出来事から学んだこともアファメーションにできます。
☆私はすべての体験をまるで初めてであるかのように楽しみます
どんなときも「今」の「喜び」を100%楽しんでいました。
☆私は自分の欲しいものを要求します
お座りをする、懇願する、涎を垂らす…自分にできるあらゆる方法で欲しいものを手に入れていました。
☆私は無条件の愛を与え、そして受け取ります
いつも全力で愛してくれて、私がなでると気持ちよさそうに目を閉じていました。
☆私は他人や自分を判断しません
人の悪口や批判などせず、分け隔てなく人間のことが大好きでした。
失ったもの、失った人やペットから得た学びは素晴らしいアファメーションになることでしょう。
5-3.「しなければならない」を「したい」に変える
アファメーションに疑問や違和感を覚えたとき、その内容に「しなければならない」感情を抱いている場合があります。それを「したい」に変えることで違和感はなくなり、アファメーションの効果が出やすくなります。
☆私は家族が豊かに暮らせるだけの収入を得ることができます
→いくら不景気でも、家族が人並みに暮らせるような収入を得なくてはならない
こうした感情の場合、自分の心と向き合ってください。妻のため、可愛い子ども達のために「しなければならない」のでしょうか。
そんなことはない、自分は家族を幸せにしたいのですよね。だとしたら、思い込みが邪魔をしているのは「充分な収入」が「幸せ」だと考える部分かもしれません。
だとしたら
☆私は家族を幸せにするためにできることを全力でおこないます
→自分の力で家族を幸せにしたい
とアファメーションを修正してみてください。
☆私は人間関係の良い職場で充実した仕事をします
→職場では人間関係を良くしなくてはならない
☆私は全力で仕事をすることによって良い人間関係を築くことができます
→職場の人間関係を良くしたい
言語感覚はひとそれぞれですから、口にしたときになぜか疑問を感じる、違和感がある、しっくりこないなどの感覚があれば自分なりに工夫して修正しましょう。
6.挫折しないための方法
6-1.周囲の人たちに注意
アファメーションを口にするとき、周囲の人たちには注意しましょう。
「ドリームキラー」と呼ばれる、否定的な人たちがいるとせっかくの願いもアファメーションの力も弱まってしまいます。
「どうせ無理」「ダメダメ」というような、わかりやすい否定を表現しない人でも、注意して観察すると「だってこれがこうなるから、やっても無駄だよね」「あの人ならきっとこう言って批判するよね」というふうに実行する前から諦めている人はたくさんいます。
イソップ童話の「酸っぱいブドウ」のように、自分に採れなかったブドウは「どうせ酸っぱいに決まっているさ」と諦めてしまうのです。
意識の高い人たちに囲まれているなど、よほど恵まれた環境に自分がいる場合以外は、願いやアファメーションを口にするのはやめた方がいいようです。
6-2.基本は自分を愛することです
アファメーションというと、「引き寄せの法則」「成功法則」というイメージが強く、男性向けの自己啓発のような印象があるようですが、基本的には自分を愛するための手段ですから、女性でも有効に活用できます。
むしろ、女性の方が男性よりもアファメーションが得意で、意識せずにしていることも多いのかも知れません。
例えば女性には、環境の変化がたくさんあります。結婚、出産と大きな出来事がある度に、苗字が変わり、住まいが変わり、家族構成が変わり…男性に比べてそうした変化を受け入れる器があるのは、出来事に対する思考が「まあ仕方ないよね」「どうにかなるよね」というふうになっているからかも知れません。
思考パターンは環境が大きく影響すると言いましたが、世の中の多くの女性がそのように大きな環境の変化を受け入れてどうにかしているという環境が「自分もどうにかなる」という思考をつくりだしているのでしょう。
だとしたら、女性こそ、アファメーションの効果は信じられるはずですね。自分を愛せるようになるため、夢を叶えるためのアファメーションを意識的に実践して幸せになりましょう!!
6-3.「考え方」は変えられると信じる
「起こったことは変えられない。『考え方』は変えられる。」
ニューヨークでモデルとして活躍したルイーズ・ヘイはアファメーションにより自身が困難を乗り越えた体験から、そう言い切ります。
どんなに残酷なことが過去に起こったとしても、その出来事に対する考え方を変えることで、自分を癒すことはできるのです。
スピリチュアルな考え方に対して柔軟に受け止めることのできる女性こそ、アファメーションを活用して人生を良くしていくことができると思います。
7.実践した人の体験談
5-1.アファメーションで恋人ができたHさん
10年ほど前から「成功法則」「潜在意識の活用」などに興味を持ち実践してきたHさんは、40代の男性会社員です。願望を書き出したり、願いが叶った様子をイメージしたりしてみたのですが、人生に大きな変化は訪れませんでした。
20代の終わり頃から結婚を意識しはじめ、30代では婚活サイトに登録もしましたが、なかなか良縁に恵まれません。
アファメーションという言葉は知っていましたが、「願望を口にだして気合いを入れる」というイメージで捉えていました。改めてアファメーションについて学び、自分を見つめ直すと、結婚願望は親や親戚に強く影響されていることに気付きました。
もともと読書やフィギュアの収集など独りで没頭する趣味があり、仕事とひとり暮らしの生活だけでもHさんはかなり幸福だったのです。むしろ誰かと一緒に生活することにより、今の趣味を続けられなくなるのは嫌でした。
それに気付いたHさんは婚活サイトをやめました。ただし、結婚を意識しなければ恋人は欲しいと思いましたので、アファメーションもそのように変更したのです。
「家族を持ちたい」という願いには違和感があったのに、「恋人のいる楽しい生活」なら、簡単に思い描けましたし、すんなりと口にできました。
すると女性と話をするときに、ヘンに身構えることなく、自然に楽しく会話ができるようになりました。そして、いつも一緒に仕事をしているアルバイト社員の女性と自分の、マンガとゲームの好みが同じだということがわかり休憩時間に盛り上がりました。
結婚を意識しなくなったため気軽に「うちに来てゲームする?」と誘うこともできたといい、いつしか彼女とつきあうようになったそうです。
5-2.日常生活でも役に立つ技術だというMさん
Mさんは30代後半の男性経営者です。父親が起業した会社の二代目であるMさんには、学生の頃からいつかは会社を継ぐというプレッシャーがありました。
経営学部に進学し、自己啓発系の本を読み、セミナーに出席し、経営者になるべく努力をしていたとき、アファメーションを知りました。
30歳までは外の世界を見てこいと言う父親の言いつけ通り、営業職として就職したMさんはアファメーションを活用していつも営業成績も良く、将来有望な若者でした。
32歳のとき父親の会社に入社。そして学生の時からつきあっていた彼女と結婚しました。
長くつきあってきた彼女に対してはすでに奥さんのような気持ちでいたMさんですので、全力で仕事をしていたのですが、彼女の方は環境の変化によるストレスもあり、夫婦関係は悪くなる一方でした。
このままではいけないと気付いたMさんは、プライベートに対するアファメーションを実践します。自宅で自分と向かい合ってアファメーションを作る作業をしていると、妻も一緒にしたいと言い、図らずもお互いの本音を語り合うこともできました。
イラストレーターになるという自分の夢を見出した妻は学生の頃学んでいたイラストの勉強を再開し、生き生きし始めたそうです。
5-3. いつの間にか叶っていたというSさん
スピリチュアルなことに興味があるSさんは、「引き寄せの法則」など夢を叶える方法をいろいろと試していました。中には「おまじない」としか思えないものもありましたが、どんなこともやってみなくてはわからないと、とにかく実践をくり返していました。
アファメーションは大声で口にだすものだと思っていたのですが、紙に書いたりそれを何度も目にしたりするだけでもいいと知り、それなら職場でも手軽にアファメーションはできると考え、実践しはじめました。
まずは年内に叶えたいなと思ったこと3つに関してアファメーションを作りました。何度か口にだして読んでみて、違和感のない表現でつくったそれを名刺サイズの可愛いカードに書き、持ち歩きました。
そして会社ではパソコンの画面の下にその3枚のアファメーションカードを並べて置き、仕事をしていました。
ある日同僚がそれを目にして「いい歳して願いごとのおまじないなんて、中高生みたいね」とSさんをからかったため、それからそのカードはお財布のカード入れに入れたままになってしまいました。
新年になって財布を買い換え、Sさんがすっかり忘れていた3枚のカードを取り出すと、なんと3つの願いはすべて、自然な形で叶っていたそうです。
「願いごと、叶って欲しいことをくり返す」というと「そんなおまじないみたいなこと…」と思えてしまうかも知れませんね。
けれど、アファメーションを実践して効果を実感すれば、宇宙に願いごとをオーダーするような感覚ですから、楽しくて仕方ない作業になります。
失うものもリスクも極めて少ないのですから、試しに実践してみて損はないはずです。