「アカシックレコード」をわかりやすく解説したものは、なかなかないですよね?
2017年に放映されたTVアニメ『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』で、謎の言葉とされる「禁忌教典」を「アカシックレコード」と読ませたことや、占いの本などから、興味をもった人も多いことと思います。
ところが、スピリチュアル系の本は、表現が感覚的で内容をつかみにくかったり、難解な言葉が多くて理解に苦しむものが多いのです。
ここでは、「わかりやすさ」という点を重視して、「宇宙のデータベース」とか、「宇宙のインターネット」と例えられるアカシックレコードの概要を解説します。
あなたは、目に見えない現象や、科学的に解明されていない人間の能力の存在に興味がありますか?
信じる、信じないではなく、興味がある人であったら、この記事を読んでアカシックレコードの概要をつかめるはずです。
科学的に実証できるものか、そうでなければオカルトか、という2つの分類だけで物事を判断する人は、「そうじゃない何か」が存在する可能性を少しだけ探ってみませんか?
目次
1. アカシックレコードの概要
1-1. 記憶の殿堂「アカシャ」
1-2. 個人の転生の記録「アカシックレコード」
1-3. 誰でも自由に使える記録情報
1-4. 夢や「虫の知らせ」で受け取っている情報
1-5. 善悪や損得ではないアカシャの情報
2. 根底にある輪廻転生の思想
2-1. 魂は永遠の存在
2-2. 「ソウルグループ」と「ツインソウル」
2-3. 生き方の変化には時間が必要
2-4. ハッピーエンドが次のスタートを変える
3. アカシックリーダーの歴史
3-1. ヒンズー文明から神道の巫女まで
3-2. イエスの誕生を知らせたアカシックマスター
3-3. ノストラダムスとレオナルド・ダ・ビンチ
3-4. エドガー・ケイシー
3-5. ゲリー・ボーネル
1. アカシックレコードの概要
アカシックレコードとは、「アカシック」の「記録」という意味ですが、「アカシック」は何を意味するのでしょうか。
古代インドの思想にある「五大(地、水、火、風、空)」は宇宙を構成している要素を示す言葉ですが、そのうち、「空」を意味するサンスクリット語が「アカシャ」です。
五大の「空」は、「天空」や「空間」と訳されることもあります。
五大は、後に原始仏教(釈迦の仏教)に取り込まれ、大衆の救済を目的とする大乗仏教が登場してからは仏教の思想として知られるようになり、密教では「五輪」と呼ばれました。
「アカシック」とは、「アカシャの」「アカシャな」といった意味の言葉です。
1-1. 記憶の殿堂「アカシャ」
アカシャは、地球上の生命体を生み出した「想念(思考)のエネルギー」と考えられており、アカシャが存在する、この次元ではないその場所を「アカシャフィールド」と呼びます。
アカシャには、魂が地球上で転生をはじめるはるか以前から、人類が亡びるとされる西暦6732年までに起きた(起こる)すべての出来事と、それに対する反応が記録されています。
「宇宙のデータベース」「宇宙のインターネット」と例えられるのは、地球の歴史や人類史上に起きた出来事から、ひとりひとりの人間の意識までが記録されているデータベースとネットワークのようなものだからです。
人類はアカシャをとおして、そのすべての記録をシェアし合うことができるのです。
1-2. 個人の転生の記録「アカシックレコード」
集合的なアカシャの中において、個人の魂の記録が「アカシックレコード」で、ひとつの魂の過去から未来までのすべての転生の情報が記録されています。
アカシックレコードでは、魂は宇宙から地球に転生したと考えられており、太陽系、オリオン系、プレアデス系など、どこから来た魂かということで、それぞれ特徴があるとされます。
プレアデス出身の魂をもつ人はクリエイティブで、自分の境界線を越えて活動しようとするのに対して、オリオン出身の魂をもつ人は、組織だって活動しようとするので、逆に境界線のようなものを作ろうとする傾向が強いといいます。
これはほんの一例で、出身によって様々な特徴をもつ魂が、地球上で偏見なく活動するためには、お互いの体験をシェアする必要があり、そのためにアカシャがつくられたのです。
1-3. 誰でも自由に使える記録情報
アカシャをインターネットに例えると、アカシックレコードは個人のホームページやブログのような存在です。
毎日、世界中で多くの人が自分の体験をブログに書き込んでいます。
その情報は、インターネットを通じて世界中の人が自由に見ることができますよね。
アカシャのシステムも同じように、誰でもアクセスすれば、地球上で起こった事やこれから起こるすべての出来事、すべての魂の記録を知ることができるのです。
しかし、ここが難しいところなのですが、たとえば3年前の誰かの行動をアカシャにアクセスして読み取ったとしても、それはそのときの、その人の視点に立って解釈しないと理解することはできません。
ですから、その人の置かれていた状況、文化的背景などを知る必要があり、それは歴史を学ばなければいけないということなのです。
1-4. 夢や「虫の知らせ」で受け取っている情報
アカシャにアクセスすれば誰でも情報を得ることができるといいましたが、実は、誰もが24時間アカシックレコードにつながっています。
常にアクセスできる状態になっているのに、気づいていないのです。
インスピレーションや説明のつかない強い衝動、悟りといった形で、無意識のうちにアカシックレコードにアクセスしています。
アカシックレコードを読み取ることを「アカシックレコードリーディング」といい、読みとる人を「アカシックリーダー」と呼びます。
強力なアカシックリーダーは、特別な能力をもっている人間と考えられてきましたが、アカシャの本質を理解して自分の中にある葛藤を解釈していれば、誰でも無意識に受け取っているアカシックレコードの情報を解釈することが可能になるといいます。
自己中心的であるために自分を解放できず、自分の意識を外に向けることができない人は、情報を受け取っていても認知することができません。
情報は夢という形で現れることもあれば、「第六感」や「虫の知らせ」という形で現れることもあり、リーディングに適しているのが瞑想している状態なのです。
1-5. 善悪や損得ではないアカシャの情報
アカシックレコードの情報は、自分や誰かに起こる可能性がある未来の危機を回避したり、ある魂の過去世、出身の星などを知ることができます。
なぜそうしてしまうのかわからない、自分の癖の原因を知ることも可能です。
ところが予言や占いなどをして、誰かの役に立とうとか、誰かを助けようとしてアカシックレコードの情報を解釈すると、ただの自己陶酔で終わってしまう可能性が高くなります。
情報を正しく解釈するには、ある程度自分というものを無くした「無私の境地」が必要とされ、それは簡単にできることではありません。
一説には、10回くらい生まれ変わらないと、魂はそういう境地に達しないといわれます。
ですから、アカシャの情報は、それがいいとか悪いということを考えずにただ受け入れるべきもので、それで得をしようなどと考えないほうがいいのです。
2. 根底にある輪廻転生の思想
アカシックレコードは、輪廻転生の思想が根底にあります。
「転生」とは、命あるものが死んだら生まれ変わるという思想で、インドだけでなく西洋にもあったものです。
「輪廻」とは、古代インドで生まれた転生の考え方で、命あるものは死んだら生前の行為に応じていろいろなものに生まれ変わり、それが永遠に繰り返されるので「苦」とされました。
その輪廻から外れて生まれ変わらなくなることを「解脱」と呼び、仏教では悟りの境地とされたのです。
2-1. 魂は永遠の存在
アカシックレコードの情報を読み取れれば、自分の魂が1000回転生したとしても、最初の転生をまるで昨日のことのように認知できます。
魂は、はじめて地球で転生をはじめる前に、すべての転生をプランしてきているといいます。
ですから、未来の転生での出来事もすべてわかっているのですが、その出来事に対して、そのときに自分の魂がどう反応するかということはわかりません。
でもそれは、今生の自分を忘れてしまうということではありません。
魂は永遠の存在で、自分が誰であるかということを決して忘れないのです。
繰り返しますが、アカシックレコードの情報に気づいていないために、認知できないだけなのです。
2-2. 「ソウルグループ」と「ツインソウル」
魂には、「ソウルグループ」というたくさんの集団のようなものがあり、人間が死んで魂が肉体から離れると、ソウルグループに戻ります。
人が死んでから、ソウルグループで目覚めるまでの時間は、だいたい49日から60日程度と考えられています。
地球外からやってきた魂は、別の魂と結合しなければ地球に転生できません。
このときに結合した2つの魂が「ツインソウル」と呼ばれるものです。
ツインソウルは結合した後に、別々の肉体に転生しますが、どちらかが死ぬともう片方の魂へと戻っていきます。
魂が、結合をしないで地球上の肉体に転生すると、死後にどこへ行ったらいいかわからず迷ってしまうのを防ぐ意味があります。
歴史上には、ツインソウルを切り離した例もありますが、これは「悪」とされ、ツインソウルが揃わないと困るソウルグループは、残された魂を取り込もうとするといいます。
2-3. 生き方の変化には時間が必要
今生で、貧しい生活をしている人の魂は、ほかの転生では裕福であったり、まあまあの生活ぶりであったりと、すべてのパターンを経験済みです。
だからといって、前世は裕福だったということはあまりありません。
また、前世で散財をしすぎたから、今生は貧乏なのだと考えるのは間違いなのです。
なぜかといえば、魂が性質を変えるためには、とても長い時間を必要とするからです。
通常は、変化を起こすのに5回以上の転生が必要だといわれます。
しかし、生まれる前に魂が「もう嫌だ」「変わりたい」という本気の決断をすると、生後6カ月くらいから変化が現れるといいます。
この決断がなかなかできないために、時間がかかってしまうのです。
2-4. ハッピーエンドが次のスタートを変える
仏教における輪廻転生の思想では、生前の行いによって、命は「天道」「人間道」「修羅道」「畜生道」「餓鬼道」「地獄道」という6つの世界を転生し続けるとされています。
アカシャでは、人間が死んだときに考えていたことが、次の転生におる最初の思考になると考えられています。
たしかに、どういう生き方をしてきたということも転生に影響はしますが、最期のありかたが重要とされるのです。
幸せな気持ちで眠りについたら、幸せな気分で目覚めることができるのと同じ。
満足して死を迎えることが、次の転生のはじまりを幸せなものにするということです。
ですから、どんな一生であっても、最期だけはハッピーに終えるべきです。
亡くなった人に向けてやさしい言葉をかけることで、その人の魂は、後悔や葛藤を手放して幸せな気持ちでソウルグループに戻ることができるといわれます。
3. アカシックリーダーの歴史
最後に、アカシックレコードを利用した、有名なアカシックリーダーの歴史を簡単に解説しましょう。
3-1. ヒンズー文明から神道の巫女まで
人類の歴史の中で、アカシャの記述が登場するのは、紀元前5500年頃のチベットや紀元前や4000年頃の初期エジプト文明であるとも、紀元前2600年頃からはじまるヒンズー文明であるともいわれます。
世界の古代文明には、すべてアカシックリーダーが存在していたと考えられており、占星術や神託などにはアカシャが深くかかわっていたことが判明しています。
アカシックリーダーは、日本ではイタコやユタなどと呼ばれ、西洋では魔女や魔法使いとして扱われてきました。
日本では神道の中に存在し、体外離脱の技法や、過去や未来の解釈技法で利用されていました。
神道におけるアカシックリーダーは結婚を許されず、巫女は性別を隠していたといいます。
各地に存在したアカシックリーダーたちは、恋愛や結婚を許されず、幼い頃から家族と引き離されて隔離され、リーディングの邪魔になる体験をしないようにしていたのです。
3-2. イエスの誕生を知らせたアカシックマスター
イエスが生まれるときに、東方から3人のマギ(学者)がマリアを訪ねます。
このマギたちはアカシックマスターと呼ばれる存在で、肉体をもたない存在でありながら、必要に応じて肉体をもつ魂でした。
彼らはアカシックレコードを読み取っていましたから、イエスが生まれたらすぐにこの場所を去らなければいけないとマリアとヨセフに伝え、2人はイエスを連れてヘロデ王からエジプトに逃げることができたのです。
アカシャには、アカシックマスターがいろいろな形で歴史に介入した記録が残っています。
3-3. ノストラダムスとレオナルド・ダ・ビンチ
中世では、ノストラダムスやレオナルド・ダ・ビンチが、有名なアカシックリーダーです。
予言者として有名なノストラダムスは、情報が正確ということよりも、人類がこういう方向に行くという読みが正確でした。
これは、彼がアカシャから、トレンドや流行というものを読み取っていたからです。
レオナルド・ダ・ビンチは、アカシックレコードの情報をもっとも正確に解釈したリーダーです。
しかし、彼らの存在を邪魔に考えた人間たちが、歴史の中に閉じ込めてしまったために、ノストラダムスもレオナルド・ダ・ビンチも200年前までは忘れられた存在でした。
また、ジャンヌ・ダルクも、アカシャから自分とフランスの未来を読み取っていたのです。
3-4. エドガー・ケイシー
近年でもっとも有名なアカシックリーダーは、20世紀前半にリーディングの能力を使って多くの人々を救ったアメリカ人のエドガー・ケイシーです。
ケイシーは、23歳のときに失声症になり、このときに受けた催眠療法がきっかけとなってアカシックリーディングに目覚めました。
40代前半まで写真家として生計を立てていましたが、46歳から本格的にリーディングを使って、難病とされた数々の病気の治療や、ビジネスアドバイスなどに取り組み、生涯で14000件にのぼるリーディングの記録を残しています。
ケイシーは1945年に他界していますが、彼が残したリーディングの記録は、現在のホリスティック医学の礎となっています。
3-5. ゲリー・ボーネル
現在、アカシックリーディングの第一人者とされるのが、アメリカ人の心理学者ゲリー・ボーネルです。
幼少時から体外離脱の能力があったというボーネルは、1958年からアカシックレコードにアクセスできるようになり、起業コンサルタントに従事するかたわら、欧米を中心にアカシャにかんするセミナーや講演会を行っています。
アカシックレコードにかんする入門書や、よしもとばななさんとの対談本、日本の未来を予言した本などが話題を呼びました。
日本では現在、アカシックレコードを学ぶ「ノウイングスクール」や、個人の質問に答える「個人セッション」などを行っています。
また、アカシックリーダーの認定制度も実施しています。
まとめ
アカシックレコードは、スピリチュアルな世界ですから、本の著者によって主張が異なる点もあります。
ネット上には、異説を唱える情報もたくさん存在します。
冒頭で説明したように、スピリチュアルは信じるか信じないかということより、興味をもって知ろうとすることが大事。
そして、最新の情報を入手することも重要。
占いサイトなどではなく、アカシックリーダーが発信する情報にアクセスすべきです。
ここでは、現在、主流となっているゲリー・ボーネル氏の説を取り上げて、基本的なことだけを紹介しました。
さらに理解を深めたい人や、アカシックリーディングを実践したい人は、ボーネル氏の著作を読むか、株式会社ノウイングのサイトにアクセスして最新情報を入手するのがおすすめです。
【参考資料】
・『超入門アカシックレコード』 ゲリー・ボーネル 著 / 大野百合子 訳 徳間書店 2009年
・『光のアカシャ・フィールド』 ゲリー・ボーネル、よしもとばなな 著 徳間書店 2009年
・『未来を知って幸せになる本』 如月マヤ 著 マキノ出版 2009年
・日本アカシックリーディング協会 web site
・ケイシーグッズ web site
・株式会社ノウイング web site