年齢を重ねてくると、誰もが、ゆるんでしまった顔を引き締めたいと思いますよね?
小顔は年齢を問わず、すべての女性が憧れるものです。
気持ちはどんなに若くても、ひと目で年齢を感じさせてしまうのが顔のたるみです。
手足や腹部のたるみであれば、マッサージやエクササイズでシェイプアップすることができるのですが、顔は難しい部位なのです。
顔は、薄い皮膚や複雑に関連しあう筋肉を表情で日々酷使するので、いったん目元や頬の脂肪を支えきれなくなると、元に戻すのは容易なことではありません。
人は必ず老化します。
生きていれば、シワ、たるみといった肌の老化と無縁ではいられません。
しかし、継続的に行うセルフケアで老化の進行をゆるめることは可能です。
ここでは、「食事」「運動」「睡眠」「入浴」「呼吸と姿勢」という5つの生活習慣と、顔のむくみやたるみを改善するマッサージという2本立てで、小顔美人になる方法を紹介します。
目次
1. 小顔になる5つの生活習慣
1-1. 食生活
1-1-1. 小顔をつくる食品類
1-1-2. 小顔づくりに理想的な食事スタイル
1-1-3. 効果的な水の飲み方
1-2. 運動習慣
1-2-1. 新陳代謝を高める運動
1-2-2. 表情筋を柔軟にする運動
1-2-3. 左右対称に体を使う運動
1-3. 睡眠習慣
1-3-1. 歪みを治す仰向け睡眠
1-3-2. 質の高い睡眠をもたらす要素
1-3-3. 自分に合った枕を使う
1-4. 入浴習慣
1-4-1. バスタブで左右のずれをチェック
1-4-2. 洗顔後に顔のむくみをチェック
1-4-3. 最後はヒザから下に冷水
1-5. 呼吸と姿勢
1-5-1. 正しい呼吸法で顔を引き締める
1-5-2. 姿勢を正して血行改善
2. 小顔をつくるマッサージ
2-1. リンパマッサージ
2-2. フェイスラインを引き締めるマッサージ
2-3. フェイスラインを引き上げる頭皮マッサージ
2-4. 首からアゴのラインを美しくするマッサージ
2-5. 首のたるみと二重アゴを改善するマッサージ
1. 小顔になる5つの生活習慣
小顔づくりは、自分を見直すことからはじまります。
まず鏡を見ながら、顔のどの部分がどのように気になるのか明確にしましょう。
外気に接していて、乾燥や紫外線の影響を受けながら、泣いたり笑ったりという表情で酷使される顔は、毎日の生活の積み重ねが正直に現れます。
気になる部分が明確になったら、毎日の生活を見直して小顔美人を目指しましょう。
1-1. 食生活
小顔づくりは、「体の中からキレイになろう」という気持ちがなければ実現しません。
人間の体は毎日、食べ物を摂取することで代謝を行っています。
小顔美人を目指す人にとって、いわば土台となるのが食生活。
食生活の見直しは、美しくありたい女性すべての基本となります。
1-1-1. 小顔をつくる食品類
小顔づくりにおける「バランスのよい食生活」には、とくに次の3食材が重要です。
・肌や筋肉の材料となるタンパク質
脂肪分の少ない赤みの肉や魚介類、大豆製品、卵などから。
・アンチエイジング効果の高いビタミンA、C、Eが豊富な赤っぽい野菜や果物
ニンジン、トマト、カボチャ、サツマイモ、イチゴ、カキ、ミカン、リンゴなどから。
・ミネラルを豊富に含む黒い食材
小豆、黒豆、黒ゴマ、ゴボウ、ヒジキ、ワカメ、コンブなどから。
1-1-2. 小顔づくりに理想的な食事スタイル
どんなに栄養バランスを考えても、食事のスタイルが乱れていたのでは効果が上がりません。
1日3回の規則正しい食事も大事ですが、正しい姿勢で食べること、両方の歯でしっかり噛んでゆっくり食べること、自分に適した分量を食べることが重要です。
また、夜間の体はエネルギー源をあまり必要としないので、午後8時を過ぎてからは糖質(炭水化物)を取らないようにしましょう。
1-1-3. 効果的な水の飲み方
人間の体は、60%が水でできています。
適切に水分を摂取することは、新陳代謝を高め、余分な脂肪の排出を促すので、顔のむくみを改善します。
しかし、水分を過剰に摂取すると、逆にむくみの原因をつくってしまいますから、適量を知ることが大事です。
よく、「1日に最低2リットル」などといわれますが、水分の適量は体質や環境によって個人差があります。
1日に1.5リットルを目安として、「ノドが渇いた」と感じたらすぐに飲むことが基本。
朝起きたときや運動の後は常温の水を、体が疲れているときは炭酸水がおすすめです。
1-2. 運動習慣
適度な運動を生活に取り入れることも、小顔づくりには欠かせません。
顔には20数種の筋肉があって、その総称を「表情筋」といいます。
複雑に連動しあっていろいろな表情をつくる表情筋は、加齢とともに衰えて顔の脂肪を支えきれなくなります。
表情筋の老化を防ぐとともに、体全体を動かして、心身を健全に保ちましょう。
1-2-1. 新陳代謝を高める運動
ウォーキングやサイクリング、水泳など、同じ運動を長い時間繰り返して体内に十分な酸素を取り込む「有酸素運動」は、体を温めて脂肪を燃焼させます。
汗をかいて新陳代謝が活性化するので、顔のむくみも改善されます。
さらに、ストレス解消やリラックス効果もあります。
もっとも手軽にはじめられるのは、週1~2回、30分程度のウォーキングです。
はじめる前と終わった後のストレッチで筋肉の緊張をほぐすことを忘れずに、慣れてきたら回数と時間を増やしていきましょう。
1-2-2. 表情筋を柔軟にする運動
表情筋は、強く鍛えるのではなく、柔軟な筋肉を増やすことがポイントです。
表情筋エクササイズを習慣化して、顔の老化を食い止めましょう。
① 口元を引き締めるエクササイズ
鏡を見ながら「お」を発音する要領で口を大きく開き、鼻の下を伸ばして上唇を前歯の内側に入れて10秒キープします。
口を閉じたら舌を前歯と上唇の間に入れて、左右に5回ずつ円を描くように回します。
② アゴから耳にかけてのラインを引き締めるエクササイズ
右手の人差し指と中指でアゴをはさみ、フェイスラインにそって左耳の下まで皮膚を数回に分けて小刻みに引き上げます。
左手の人差し指と中指で、右側も同様に行います。
③ 首のラインを引き締めるエクササイズ
顔を上げてまっすぐに首を伸ばし、口角を左右に伸ばすイメージで、上下の唇をギュッと閉じてからゆるめます。
その姿勢のまま、「う」を発音する要領で口をすぼめてゆるめます。
1-2-3. 左右対称に体を使う運動
顔の歪みも、顔を大きく見せてしまう要因です。
体の歪みが顔にまで影響を及ぼすケースが多いので、体全体を鏡に映してよく見ることも大切です。
歪みを正すためには、有酸素運動やストレッチで左右対称に体を使わなければいけません。
適切なウェアやシューズを使用することも大事な要素です。
表情筋を柔軟にするにはこちらの記事もぜひ参考にしてみてください→「1週間で効果を出す顔ヨガの基礎コース-1日10分で10歳若返る」
1-3. 睡眠習慣
健康な生活に欠かせない良質な睡眠は、美容においても大切な働きをします。
十分な睡眠時間には個人差がありますが、おおむね8時間前後というのが一般的なところです。
眠っている間に、血液循環や新陳代謝が高まり、顔のむくみやくすみが改善されます。
1-3-1. 歪みを治す仰向け睡眠
眠るときの姿勢は、小顔づくりに大きな影響があります。
うつ伏せや横向きで寝ると、顔が歪む原因になり、顔の筋肉が下に垂れる形になるのでたるみやすくなります。
眠るときは仰向けを心がけましょう。
顔を上に向けていると歪みを防ぎ、たるみ対策にもなります。
仰向けではなかなか寝付けないという人は、骨盤や脊椎の歪みに原因があることが多いので、整体などで歪みを治すと深い睡眠をとることができます。
1-3-2. 質の高い睡眠をもたらす要素
仕事や家事が忙しい女性は、毎日8時間の睡眠をとろうと思っていても、難しいことが多いものです。
どうしても十分な睡眠時間がとれないときは、眠りの質を高めることを考えましょう。
寝る1時間前からは、できるだけ液晶モニターやLEDなどの強い光を避け、部屋を暖色系の間接照明にして目と脳をリラックスさせます。
入浴して体を温め、湯冷めしない程度に冷ましてからベッドに入りましょう。
寝つきが早くなって睡眠時間を有効に使えます。
1-3-3. 自分に合った枕を使う
顔のむくみは、肩や首のこりや張りが悪影響を及ぼしていることが多いものです。
顔がむくみやすい人は、枕の高さや大きさ、硬さが自分に合っているか見直してください。
ベッドや布団の硬さやしずみ方も関連します。
仰向けに寝たときに、背骨のS字カーブが自然な形で保てることと、首筋のすき間を自然に埋めてくれることがポイントです。
近年は、低反発、高反発など素材もいろいろなものがあるので、通気性がよくてリラックスできるものを好みで選びましょう。
質の高い睡眠を得る方法については「質の良い睡眠になる3つの習慣ーぐっすり寝てスッキリ起きる」の記事もぜひ読んでみてください。
1-4. 入浴習慣
入浴はとても大切なリラックスタイムですから、夏でもシャワーだけですまさずに、バスタブにつかることが小顔ケアにも大切です。
入浴は、体を芯から温めて全身の循環を高め、老廃物の排出を促します。
体温を上げることは免疫力を高めることにもなるので、病気に強い体づくりにも効果的です。
1-4-1. バスタブで左右のズレをチェック
入浴中のリラックスタイムを顔やボディのメンテナンスに利用しましょう。
バスタブの中で両脚を伸ばしたり、両手を頭上に伸ばしたりすると、首や腰が片方だけこっているというような左右のズレに気がつきます。
ズレや歪みを実感したら、翌日から姿勢や動作に気をつけてケアを続けましょう。
1-4-2. 洗顔後に顔のむくみをチェック
洗顔を終えたら、鏡を見ながら顔のあちこちを入念にさわる習慣をつくりましょう。
毎日顔をさわることによって、むくみや張りなどの変化に早く気づくことができます。
早く問題を知ることによって、早めのケアが可能になり、老化の進行を遅らせることができます。
1-4-3. 最後はヒザから下に冷水
お風呂を上がるときに、ヒザから下に冷水をかける習慣をつくりましょう。
ヒザの裏や足の裏を冷やすと、脳が「体を温めろ」という指令を出すので体温が上がり、脂肪を燃焼させる効果があるのです。
たるみ対策としてだけでなく、体全体のダイエット作用があります。
1-5. 呼吸と姿勢
呼吸や姿勢が原因で、顔のたるみや歪みを悪化させてしまっている人が少なくありません。
呼吸や姿勢は、無意識のうちに繰り返しているものですから、問題があってもなかなか気がつかないものです。
一度、しっかりと見直してみましょう。
1-5-1. 正しい呼吸法で顔を引き締める
呼吸を意識することによって、フェイスラインを引き締めることができます。
口呼吸は汚れた空気が体内に入ってしまい、顔の筋肉もゆるむので、顔の下半分がたるみやすくなるといわれます。
まず、鼻呼吸を習慣化しましょう。
呼吸を意識するためには、正しい深呼吸を覚えると効果的です。
自然な姿勢でまっすぐ立ち、体内の空気を口からゆっくりと吐き切ります。
それからキレイな空気を鼻からゆっくりと吸い込み、全身に行きわたらせたらそのまま5秒静止。
朝起きたときと夜寝る前に、気持ちを落ち着けてこの深呼吸を繰り返します。
1-5-2. 姿勢を正して血行改善
猫背の人は、顔のむくみや歪みを起こしやすくなります。
背中の筋肉が衰え、まっすぐな姿勢を保つことができなくなって前傾姿勢になると、猫背になります。
前傾姿勢になると肩の前の筋肉を酷使することになるので、顔の血液やリンパの流れが悪くなるのです。
猫背を治すためには、タオルの両端を持って腕を真上から頭の後ろに下ろすショルダープレス運動で、肩の前側を伸ばすと効果的です。
2. 小顔をつくるマッサージ
顔を見たときに、老けた印象を与えるのはフェイスラインと目元です。
若いときにはシャープだったフェイスラインが、年齢を重ねると頬からアゴにかけてゆるんで下がり、顔全体が大きく見えてしまいます。
また、代謝が落ちてくると、水分がたまってむくみやすくなるので、余計にだぶついて見えるのです。
血液や体液の流れを改善するマッサージと、フェイスラインを引き締めるマッサージを習慣化して、小顔美人を目指しましょう。
2-1. リンパマッサージ
マッサージはクリームなどで肌の滑りをよくして、リンパを流すイメージで行います。
① 両手の親指をアゴに当てたら、フェイスラインにそって耳まで指を滑らせます。
② 耳までいったら、親指を耳の前から下、裏側へと滑らせ、アゴのほうへ下ろします。
③ 次に、両方の鎖骨の上に親指と小指以外の3本の指先を置いて、クルクル回すようにマッサージします。
2-2. フェイスラインを引き締めるマッサージ
① 両手の人差し指と中指をそろえて、唇の両端に置きます。
② 口元から鼻の脇を通って目頭の下、頬、目尻の下へと10回マッサージします。
③ 口元から鼻の両脇を通って、今度は目頭から眉の上へ抜け、目尻から頬へと2つの円を描くように10回マッサージします。
2-3. フェイスラインを引き上げる頭皮マッサージ
① 両手の親指以外の4本の指先を両耳の上の側頭部に置き、頭皮を軽く押さえて上にむかって3回もち上げ、3回目は上で止めてフワッと離し、じょじょに位置を上げて頭頂部まで4~5繰り返します。
② 同じ要領で前頭部を上に向けて4~5回繰り返します。
③ 同じ要領で、両耳の後ろの後頭部を上に向けて4~5回繰り返します。
④ 最後は両手のひらを頭皮につけながら、頭頂部から少し離れた位置に置き、頭皮を頭頂部に向けて5秒間もち上げて、フワッと離し、3回繰り返します。
2-4. 首からアゴのラインを美しくするマッサージ
① 右手の指をそろえて、胸の前から左の首に置きます。
② 指先を頚椎(首の後ろの骨)において、手のひらを使って首を上下左右にマッサージします。
③ 反対側も同様に行います。
2-5. 首のたるみと二重アゴを改善するマッサージ
① 右手の親指以外の4本の指をそろえて、右耳の下の首筋に置いたら、首を少し右に傾け、左肩は下げてリラックスさせます。
② 首筋から右肩にかけて4本の指で小刻みにマッサージ、左側も同様に行います。
小顔をつくるマッサージについてはこちらの記事もぜひご覧ください→「すぐできる小顔マッサージで顔の悩みを解消」
まとめ
首や肩がこって筋肉が緊張すると、ギュッと収縮して血行が悪くなり、顔や頭部への血行も悪化してしまいます。
顔の筋肉に十分な酸素が行きわたらないと、老化を早めてたるみの原因になります。
また、鎖骨の下には、体中から集まってきたリンパ管が静脈につながる大事なポイントがあるので、首や肩周辺のリンパが停滞すると、顔がむくんでしまいます。
体の中でも、重い頭部を支えている首と、両腕がつながる肩は、こりや痛みなどのトラブルを起こしやすい部位ですから、小顔を目指す人は日々のケアを欠かさないようにしましょう。
老化現象の1つであるフェイスラインの崩れは、セルフケアでなかなか消えるものではありませんが、地道なケアを継続することによって引き締まった印象をつくることができます。
しかし、日々の努力だけでは限界があるのも事実。
セルフケアにこだわらない人は、早めに美容クリニックや美容整体を受診するのもアンチエイジングの1つの手段です。
【参考資料】
・『魅せる小顔のつくりかた』 ごま書房新社 2016年
・『小顔美人になれる30の習慣』 幻冬舎 2014年