「即効性のある顔痩せケアなんて、本当にあるの?」
小顔ケアの難しさを知っている人だったら、そう思いますよね?
顔が大きく見える原因は、たるみ、歪み、むくみなどです。
年齢を重ねることによって顔の筋肉が衰え、脂肪を支えきれなくなって起こる「たるみ」は、セルフケアで解消できるものではありません。
しかし、顔の「歪み」や「むくみ」は、セルフケアで解消することが可能です。
歪みやむくみを発生させる最大の要因は、姿勢の悪さ。
ですから、姿勢の悪さを治して、文字通り「ネック」になっている首部分の血液や体液の流れをスムーズにすれば、これらのトラブルは改善します。
循環や代謝を活性化することができれば、むくみを起こす老化の進行も食い止めることができます。
顔痩せには、生活習慣の改善や地道なスキンケアなど、継続性のあるケアが必要なことは間違いありませんが、短期間でもある程度の効果を期待できるケアがあります。
ここでは、姿勢を改善して短期間で顔痩せを実現する「首まわりのケア」と、「全身の骨格を整えるケア」を解説します。
目次
1. 首まわりのメソッド10選
1-1. 鎖骨まわりのリンパを流す
1-2. 顔のリンパを流す
1-3. 首のリンパを流す
1-4. 表情筋を柔軟にする
1-5. 腕から肩甲骨のリンパを流す
1-6. 手関節と足関節をほぐす
1-7. 股関節をほぐす
1-8. 肩関節をほぐす
1-9. 首の筋肉を伸ばす
1-10. 首の関節をほぐす
2. 骨格を整えるエクササイズ8選
2-1. アゴを引いて首を伸ばすエクササイズ
2-2. 舌と肩甲骨のエクササイズ
2-3. 猫背を直すエクササイズ
2-4. ストレートネックを直すエクササイズ
2-5. 肩甲骨を下げるエクササイズ
2-6. 下半身の骨格を整えるエクササイズ
2-7. 脚をほっそり整えるエクササイズ
2-8. 指回しエクササイズ
1. 首まわりのメソッド10選
頭部の重さは、体重の10%前後といわれます。
体重が50キロの人であれば、約5キロということになり、これはボウリングで使用する12ポンドのボールとほぼ同じ重さです。
この重い頭部は、背骨の上方にあたる、首の頸椎(けいつい)が支えています。
しかも首には、頭部との血液をやり取りする動脈や静脈、リンパを回収するリンパ管、空気を肺に取り込む気道、食べたものや飲んだものを胃に送る食道などが集中しています。
首の重さが負担となって頸椎に歪みが起こると、頭部への血流やリンパの流れが滞り、顔のむくみや、たるみの原因になる筋肉疲労の蓄積などがおこります。
さらに怖いのは、姿勢が悪くなって首が前に傾く「ストレートネック」という状態になると、頸椎にかかる頭部の重さは、15度の傾斜で約3倍、30度の傾斜になると4倍から5倍へと増えてしまうのです。
首は、これだけ頭部に与える影響の大きい部位ですから、首まわりのケアで循環や代謝を改善することによって、即効性のある顔痩せが期待できるのです。
これから解説する10のメソッドは、前半はリンパの流れを改善するケア、後半は「ジョイントケア」と呼ばれる、関節をほぐすストレッチです。
1-1. 鎖骨まわりのリンパを流す
鎖骨の下にあるリンパ節は、全身のリンパ管が集まって静脈に合流する入り口になっています。
まず、この部分の流れをよくしておくことで、リンパマッサージの効率がアップします。
① イスに座って自然な姿勢をとり、両手で握りこぶしをつくって中指の第二関節あたりを胸の中央、鎖骨の5センチ下に当てます。
② 肋骨の間を押しながら両脇に向けてこぶしを広げます。
③ 次に、やや上になる鎖骨の真下あたりを同様に中央から押し広げます。
1-2. 顔のリンパを流す
耳には110ものツボがあるといわれます。
耳をもみほぐすことによって、顔のリンパの流れを改善するだけでなく、ホルモンの働きを整えて循環を高めることができます。
① 両手の親指と曲げた人差し指で耳をはさみ、少し引っ張るようにして、耳全体を回しながらもみほぐします。
② 耳の外側のラインを上から下に向けて、もみほぐします。
③ 耳の上部から内側のラインをもみほぐし、耳と頬の境界線を人差し指の関節で押します。
1-3. 首のリンパを流す
顔のリンパの流れをよくしたら、次は首です。
重要な器官が集中している首は、強くマッサージしてしまうと神経や筋肉を傷めてしまうので、もむのではなく、さする程度にします。
① 右手で、首の左側を後ろから前へとさすります。
② 同様に、左手で首の右側を後ろから前へとさすります。
③ 両手で首の付け根を後ろから前へとさすって、リンパを流してやります。
顔痩せのためのリンパケアについては「1週間で効果が出る顔痩せの秘策-リンパマッサージとツボ刺激」という記事もぜひご参考にしてみてください。
1-4. 表情筋を柔軟にする
顔のリンパが流れる経路をつくったら、顔の表情筋を動かして老廃物の排出を促してやります。
表情筋は、顔にある20数種の筋肉の総称で、それぞれ複雑に連動しながら様々な表情をつくり出しています。
① 口とアゴの筋肉だけでなく首、肩、胸の筋肉まで動かすイメージで、大きな口を開けて「あいうえお」をはっきり発音します。
② 鼻から息を吸って頬の筋肉をもち上げるようにして、「あいうえお」を発音します。
③ 眼球を上下左右にゆっくり動かし、右回り、左回りと大きく回します。
④ 眉毛を大きく上下に動かします。
1-5. 腕から肩甲骨のリンパを流す
顔から首までのリンパを流してやったら、腕から肩甲骨へと上がるリンパの流れをよくしましょう。
リンパ管は手足の先や頭部からだんだんと集まって太くなり、最終的に鎖骨下の左右2カ所で静脈に合流しています。
首のすぐ下に位置する肩も、リンパの流れが停滞しやすいところですから、首からのリンパの流れを改善する仕上げとして行います。
① 右手の親指を下にして左の二の腕に置き、右手首を回して腕の肉を内から外にもみながら、ヒジ関節、左手首の関節まで下ろします。
② 手首まで下りたら、右手で腕をつかんだままスーッと脇までさすり上げます。
③ 反対側も同様に行います。
④ 右手を左の脇の下から回して肩甲骨の下部に置き、左ヒジまでスーッとさすります。
⑤ 反対側も同様に行います。
1-6. 手関節と足関節をほぐす
ここからは関節をゆるめて血流やリンパの流れを改善し、コリ、たるみ、冷えを解消するメソッドです。
首をほぐして顔痩せを実現するためには、全身の循環をよくする必要があります。
リンパの流れ改善メソッドのように流れを意識して行う必要はありませんから、こっている部分や気になる部分を中心として、朝晩や休憩時に続けてみましょう。
手関節と足関節をほぐす体操は、朝起きたときと夜寝る前に行うと効果的です。
① 仰向けになって、両手と両足を上に上げます。
② 手と足の関節をブラブラと1分ほど振るわせます。
1-7. 股関節をほぐす
股関節は足と胴体の結合部で、首と同じようにいろいろな器官が集中していて硬くなりやすい部位です。
股関節が硬くなったり歪んだりすると、全身に影響が及びます。
手関節や足関節と同様、起床時や就寝前に柔らかくほぐしてやりましょう。
① 仰向けに寝たらヒザを揃えて立て、カカトをできるだけお尻に近づけるようにします。
② 立てたヒザを左に倒しては元の位置に戻し、右に倒しては元に戻すという運動を3回繰り返します。
1-8. 肩関節をほぐす
肩関節は、長時間のパソコン作業やスマートフォン操作などによって疲れが溜まりやすいところ。
肩を回して硬くなった関節をほぐしてやります。
① 足を肩幅に開いて立ち、両手を背中に回して親指を肩甲骨のラインに置きます。
② 親指をつけたまま、両肩を後ろにゆっくりと3回回します。体勢にムリがある人は、片方の手で左右交互に行ってください。
1-9. 首の筋肉を伸ばす
肩関節をほぐしたら、首の筋肉も伸ばしておきましょう。
首のシワやたるみ対策にも効果的です。
① 足を肩幅に開いて立ったら、両手を後ろに回してお尻のあたりで組みます。
② 胸を開くようにして肩甲骨を背中の中央に寄せ、後ろで組んだ手を下げるようにして、息を吸いながらアゴを上げて首の筋肉を伸ばし、5秒キープしたら脱力して両手を離します。このストレレッチを3回繰り返します。
1-10. 首の関節をほぐす
重い頭部を支えている頸椎をほぐして、首の可動範囲を整えます。
① イスに座って頭の軸(前髪の生え際と耳を結ぶラインの中央)に人差し指を置きます。
② 軸に指を置いたまま、首をゆっくりと可動域いっぱいまで左右に回します。
③ 両手で頭を抱えて、ゆっくりと可動域いっぱいまで前に倒したら、後ろにも倒します。
2. 骨格を整えるエクササイズ8選
ここからは、「アゴ」「舌」「肩甲骨」「ヒジ関節」「股関節」などを連動させて骨格を整えるエクササイズを解説します。
小顔に関連性をもつこれらの骨格に働きかけることによって、姿勢を正し、全身をシェイプアップする効果も期待できます。
いずれも簡単にできて即効性のあるエクササイズですから、ぜひ試してみてください。
2-1. アゴを引いて首を伸ばすエクササイズ
顔痩せにもっとも重要な下アゴと肩甲骨を連動させることによって、側頭筋を柔軟にして顔を引き締めます。
側頭筋は頭蓋骨の側部から下アゴの骨に達している筋肉で、ものを噛む力を生みだします。
① イスに座ってテーブルにヒジを立て、親指を中に入れて両方の手を軽く握ります。
② 下唇とアゴの先の間に、両手の第二関節部分をはめ込んで脇をしめます。
③ 顔を下向きにして両手を下に押し込んでから、首を伸ばすイメージでアゴを上げます。
④ 元の姿勢に戻したら、腕や肋骨は上げたまま右の肩甲骨を前ら後ろに5回動かして、じょじょに下げていきます。
⑤ 右の肩を下げきったら元に戻す動作を3回繰り返し、反対側も同様に行います。
⑥ 両側が終わったら両手はアゴに置いたまま、口をすぼめて息を吐き切ります。
2-2. 舌と肩甲骨のエクササイズ
舌の筋肉も顔を引き締めるキーポイント。
舌の筋肉と肩甲骨を連動させて胸骨や肋骨を上げ、姿勢を正すエクササイズです。
① イスに浅く座って背筋を伸ばし、右手で影絵のキツネをつくってヒジを曲げ、ヒジを脇腹にくっつけます。
② 左手はお腹が出ないように腹部に置き、舌を思いっきり出します。
③ 右ヒジを横で円を描くように、前から後ろへと大きく3回回したら、口から息をフーっと吐き、これを3セット繰り返します。
④ 反対側も同様に3セット行います。
2-3. 猫背を直すエクササイズ
肩甲骨をほぐして猫背を修正し、首の位置を正すエクササイズです。
首の位置を正してアゴを後方に引けるようになると、ほかのケアの顔痩せ効果も高まります。
① 足を肩幅より少し広めにしてまっすぐ立ち、少々内また気味にしてカカトに重心を置きます。
② 体の中心がぶれないように意識して両手は自然に下ろし、右の肩を右耳につけるくらい5回ほど上げ下げします。
③ 右の肩先と腕を後ろに回して右の肩甲骨を中央に寄せ、右手を下に伸ばしながら、アゴを上げないようにして首を伸ばします。
④ 元の姿勢に戻したら、右手でキツネをつくってヒジを曲げ、手首を内から外へ5回回します。
⑤ 手と腕を脱力したら、ストンと落として終了。反対側も同様に行います。
2-4. ストレートネックを直すエクササイズ
近年は、パソコン作業やスマートフォンを長時間使うことによるストレートネックによって頭部と肩が前に出てしまい、顔を大きくする原因になっている人が少なくありません。
首を回してストレートネックを修正し、頭部をもち上げましょう。
① 足を肩幅より少し広めにしてまっすぐに立ち、左手を腰に置いたら、右腕を曲げてヒジを脇腹につけ、手のひらを上にむけて反らせます。
② 鼻筋が右手の中指に重なるようなイメージで、体の軸がずれないようにして顔を正面から右に3回回したら、その位置からさらに後方に回していきます。
③ 限界まで首を回したら脱力して正面を向き、右手を下ろします。この動作を3セット行ったら、反対側も同様に3セット行います。
2-5. 肩甲骨を下げるエクササイズ
顔痩せにはアゴを引くことが重要ですが、アゴを引くためには、頸椎をほぐしながら肩甲骨を下げると効果があります。
二の腕のシェイプアップにも効果的な、ひねった腕を回すエクササイズです。
① イスに浅く座り、左手は腹にそえて、右手の親指を折ったまま、手のひらを内側にしてまっすぐ上に伸ばします。
② その姿勢で、手のひらが外をむくようにゆっくり返します。
③ 手のひらを外に向けたまま、ヒジを曲げて右手を下までゆっくりおろします。
④ この動作を3回繰り返し、反対側も同様に3回繰り返します。
2-6. 下半身の骨格を整えるエクササイズ
胴体と2本の脚をつなぐ股関節は、顔痩せに重要となる姿勢の改善に大きく影響します。
股関節だけでなく、ヒザの関節もゆるめる「お尻叩き」と呼ばれるエクササイズで、下半身の骨格を整えましょう。
① うつ伏せに寝て両足を肩幅より少し開き、上半身を反らせて顔は正面を向き、両腕のヒジを立てて親指以外の4本の指をアゴの下に添えます。
② 肩と背中の力を抜いて、右足をお尻の方に向けてヒザを曲げ、足の甲を伸ばして指をギュッと丸めます。
③ 足の指を戻して、今度はアキレス腱を伸ばすように反らせます。
④ 足首が柔らかくなったら、足の甲を軽く伸ばしたまま足を振って、カカトでお尻を叩きます。
⑤ 右足で5回お尻を叩く動作を3セット行い、反対の足でも同様に3セット行います。
2-7. 脚をほっそり整えるエクササイズ
ヒザの裏を伸ばすことによって、足底にしっかり力が入って脚がまっすぐ伸びるようになると、前傾していた骨盤を正しい位置に戻すことができます。
骨盤の位置を正すと、背骨が首までまっすぐ伸びるようになるので、顔痩せに絶大な効果があります。
① 垂直な壁に背中と腰をつけて床に座り、両足を腰幅程度に軽く開いて伸ばし、カカトを立てます。
② 右側のお尻を浮かせて脚の付け根に右手を入れ、後方にお尻の肉をもち上げたらストンと落とします。
左側も同様に行うことによって、坐骨の位置が整います。
③ 元の姿勢に戻り、両足の中指がまっすぐ上を向くようにつま先を立てて、ヒザ頭も真上を向くようにします。
④ 左手をお腹に当てたら、右手を右脚の太ももに置いて、右ヒザを少し上げて床をトントンと10回叩きます。
⑤ 左ヒザでも同様に10回床を叩き、左右交互にそれぞれ5セットずつ行います。
2-8. 指回しエクササイズ
指の関節には、体の状態が現れます。
指の動きがしなやかな人は、全身の動きもしなやかで、小顔の人が多いといわれます。
上半身の末端である指をほぐして、二の腕と首の筋肉を柔軟にしましょう。
① 足を肩幅に開いてイスに浅めに座り、両足の指を伸ばして平行にしたら、右ヒジを曲げて右の人差し指を立て、親指を中に入れて3本の指を軽く握ります。
② 左手は太ももに置き、右の人差し指を外に倒したら、半時計回りで指の根元を水平に5回回します。
③ 次は、指だけでなく、手首からゆっくり5回回します。
④ 最後はヒジから5回回し、この動作を3セット繰り返し、反対側も同様に3セット行います。
まとめ
顔のむくみや歪みは、顔だけをケアしていても効果が出ないことがわかりましたか?
顔に停滞してしまった水分を流してやるためには、首のケアが欠かせませんし、首の頸椎を伸ばして姿勢を正すためには、全身の骨格ケアが必要なのです。
ここで解説した顔痩せケアの即効性をより高めるためには、やはり、健康な体と正しいスキンケアも欠かせません。
日頃から、美しさをキープするための食生活、運動、睡眠といった生活習慣を意識して、肌の老化を進行させない地道なスキンケアを続けましょう。
顔痩せについてもっとお知りになりたい方は「すぐできる小顔マッサージで顔の悩みを解消」の記事もぜひご覧ください。
【参考資料】
・『首美人革命』 G.B. 2017年
・『小顔のしくみ』 青春出版社 2013年