「夏に向けて、ダイエットを始めたい!」
「夏バテしないように、健康的な体づくりをしなきゃ!」
「今年こそは、水着を着て海で泳ぎたい!」
夏本番まであとすこし、そんな風に決意を固めている方も多いのではないでしょうか。そんなとき、手軽に始められるスポーツとして最近注目を集めているのが、“ウォーキング”です。でも、「歩くだけなんて簡単だし、さっそく始めよう!」と思っても、
「どれくらいの時間歩けば、ダイエット効果が得られるのだろう」
「一日のうち、どの時間に歩けば、より効果的なウォーキングができるのだろう」
と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。そこで、今回は、目的に合わせたウォーキング方法を徹底伝授いたします。ただ長時間歩けば良い、というものではありません。あなたの目的に沿って、自分に合う方法で、楽しいウォーキングを始めましょう!
目次
1.知りたい!ウォーキングに最適な時間と時間帯
1−1.時間がない人でも効果的にウォーキングするには
1−2.ウォーキングにぴったりの時間帯は?
1−3.目的によって、使い分けを
2.ダイエット目的の方向けウォーキング
2−1.ウォーキング、ジョギング、ランニングの違いとは
2−2.ウォーキング時間とカロリー消費の目安
2−3.続けるためのコツ
3.健康維持の方向けウォーキング
3−1.まずは、日常生活にウォーキングを取り込もう
3−2.ウォーキング時間と消費カロリーの目安
3−3.続けるためのコツ
4.より効果的なウォーキングをするために
4−1.ウォーキングのメリット
4−2.長時間ウォーキングよりも、正しい立ち方・正しい座り方・正しい歩き方が大事
4−3.ウォーキングにあると便利なもの
4−4.ウォーキング前にやること
4−5.ウォーキング後にやること
5.まとめ
知りたい!ウォーキングに最適な時間と時間帯
1−1.時間がない人でも効果的にウォーキングできる
多くの方は「ダイエットがしたい」「健康維持のためにスポーツを始めたい」など、何か目的があってウォーキングを始めようとしているはずです。
すると、必然的に「1日1時間のウォーキングを毎日こなすぞ!」とか、「平日は無理だから、週末は気合を入れて1日3時間歩くぞ!」など、とにかく“長時間歩く”ことを目標にする方がとても多いです。
ですが、現代の日本人の多くは時間に追われ忙しい生活を送っています。時間のない人は長時間のウォーキングをこなすなんて無理、とあきらめてしまうことも多いのではないでしょうか。
でも、実は長時間ウォーキングは、時に逆効果!まずは、「長時間歩かなくては!」という考えを頭から捨て去りましょう。とはいえ、目安になる時間は必要だと思いますので、のちほど目的別ウォーキング方法の章で詳しく述べていくことにします。
■「なるべく長時間歩かなくては」という考えを捨て去りましょう
1−2.ウォーキングにぴったりの時間帯は朝?夜?
巷では、『ウォーキングに効果的なのは、朝歩くことだ』と言われています。確かに、朝ウォーキングには、体内時計がリセットされ、コンディションを整える効果を発揮するなど、多々メリットがあります。
だからと言って「私は会社員だから、出勤前に歩くなんて無理…やっぱりジムに通って水泳でもやろうかなぁ」と諦めてしまってはいけません。なぜなら、365日誰にとっても最適なウォーキングの時間帯など、存在しないからです!
たとえば、夏は、本当に早朝でなければ日差しが強すぎるので、外での運動は控えた方が良いときもあります。寒い冬であれば、嫌々早朝ウォーキングに出かけ、背中を丸めながらたらたらと歩くよりも、少し暖かくなった日中に、きびきびと歩く方が絶対的に体へ良い影響を与えられるからです。
また、会社員の方が「時間がないから、朝食は抜いてウォーキングの時間を確保するぞ!」と、食事よりもウォーキングを優先するのもオススメではないですし、夜勤の方が、夜の寝る直前までウォーキングをするのも、“最適な時間帯にウォーキングできている”とは言えないからです。
つまり、“ウォーキングに最適な時間帯”は、目的や生活環境によって、人それぞれ異なるのです。自分にとって、都合の良い時間帯にウォーキングを行いましょう。
ただし、食後すぐは、胃に血液が集まっているため、避けた方が無難です。また、就寝直前に運動をすると、交感神経が高まって寝つきが悪くなることがあります。どうしても就寝前になってしまう場合は、運動後にしっかりクールダウンをしましょう。
■できる時間帯でOK。ただし、食後すぐと就寝前は避けること。
1−3.目的によって、使い分けを
ウォーキングは、その人それぞれにあった方法がある、ということが分かったところで、次の章からは、目的別のウォーキング方法をご紹介いたします。ダイエット目的の方は第2章を、健康維持目的の方は第3章をお読みください。もちろん、すべてに目を通していただければ、よりウォーキングに関する知識が深まり、さらに効果的なウォーキングができるようになるでしょう。
■目的に合わせて、あなたに合う方法を取り入れましょう
2.ダイエット目的の方向けウォーキング
2−1.ウォーキング、ジョギング、ランニングの違いとは
ダイエットでウォーキングを始めようと考えている方の中には、「走るのはつらいけど、やっぱりウォーキングよりランニングの方が痩せられるかな?」と、悩んでいる方もいらっしゃると思います。
でも、ランニングがウォーキングよりも痩せるスポーツだというのは間違いなのです!理由を説明する前に、まずは、“ウォーキング”と“ランニング”、またランニングとの違いが分かりにくい“ジョギング”の3つについて見ていきましょう。
まずは、ウォーキングです。
ウォーキングは、歩いているときにどちらか片方の足が必ず地面に接している歩き方のことです。競歩というスポーツのルールにもなっており、この『片足が必ず地面に着地する歩き方』が、ウォーキングの最大の特徴になります。
次は、ジョギングです。
ジョギングは、ゆっくりした速さで走ることを言います。ウォーキングとの決定的な違いは、両方の足が地面から同時に離れることがあるということです。決してスピードの速さで両者を分けているわけではないので、ゆっくりとジョギングをする人が、速いスピードのウォーキングよりも遅いということも起こりえます。
最後は、ランニングです。
ランニングは、その名の通り走ること。ジョギングのスピードを速めると、一般的にランニングといわれることになります。
定義はありませんが、目安としてジョギングは時速9.6㎞よりゆっくり走ること、それよりも速く走るのをランニングと呼ぶことが多いようです。
さて、それでは一番速度の速いランニングがダイエットに一番効果的ではない理由は何なのでしょうか。実は、分速120~130m以上の速度で歩いた場合、ランニングより脂肪燃焼率が高くなることが分かっているのです。(下図、参照)
【出典先】『今からでも始められる歩活』P13より
また、ジョギング・ランニングのように、両足が地面から同時に離れる走り方は、常に短いジャンプを繰り返している状態を作り出しているので、かかとや膝に体重の3倍~5倍の衝撃力がかかるといわれています。
極端に体重の重い人や、関節の弱い人などは、長時間走ることによって脚に障害を抱える危険性を持つのです。そうなってしまっては、普段の生活で徒歩移動さえつらくなるなど、ダイエットどころではなくなってしまいます。ですから、ダイエット目的であっても、ジョギング・ランニングよりも、比較的体への負担が少ないとされるウォーキングがオススメなのです。
■ダイエット目的の方にオススメなのは、ランニングよりもウォーキング!
2−2.ウォーキング時間と距離、カロリー消費の目安
歩くスピードや腕の振り、年齢・性別・体重などによってカロリー消費は異なりますが、一般的にお買いものをするときのようなゆっくりウォークで、35~50キロカロリー、通勤ウォーキングでは50~75キロカロリー、速足では85~120キロカロリーになると言われています。(所要時間、各30分)
ちなみに、いちご中粒サイズ10個が約50キロカロリー、普通サイズのバナナ1本(可食部のみ)で約72キロカロリー、8枚切りの食パン1枚が約130キロカロリーです。平均して、体重を1キロ減らすには、約7,200キロカロリー必要になります。
こうして見てみると、「え、やっぱりウォーキングだけじゃ全然痩せないのでは…?」と、不安になる方もいらっしゃるかもしれません。でも、大丈夫です。ウォーキングによるカロリー消費だけじゃなく、ウォーキングによってできる体質改善が、あなたをダイエットに導いてくれるからです。
もちろん、短期で効果が出るものではありませんので、少し長めに目標を設定しましょう。女性であれば、生理周期に合わせて1ヶ月を1クールとしてメニューを組むと良いかもしれません。生理前や生理中、気分が落ち込んでいたり体調が優れないときには無理に頑張らず、生理後の痩せやすくなっている時期に頑張るメニューを盛り込めば、効率よくダイエットができます。
では、実際にどれくらいの時間、どれくらいの速さで歩いたら良いのかを見てみましょう。まずは、日常ウォーキングです。これは、平日5日間20分以上確保します。自宅から駅までや、駅から会社までなどで20分以上とれるように設定しましょう。駅距離がない方は、一駅分歩くなどの工夫が必要です。先に述べたように、生理前や生理中は無理をせず、お昼ご飯を少し遠くまで足をのばして食べに行くくらいでも構いません。
日常ウォーキングでも、効率的にダイエットをするために、歩く速度は少し速めに時速5kmで設定します。仮にあなたの身長が160cmとすると、歩幅は-100cmで60cmですから、1時間に約8300歩となります。つまり、1週間で最低でも『1時間40分の間に、約14000歩』を守ればよいということになります。
あわせて週末、日常ウォーキングに負荷を加えたエクササイズウォーキングを30分ずつ追加するとします。時速も少し上げ、下記2つのポイントを取り入れると消費カロリーも格段にアップします。
①腕を90度曲げて、後ろに引く
②前足に体重をうつすとき、2点立ち(つま先とかかと)になる
時速を6.5kmに設定すると、2日の『1時間で約10830歩』。日常ウォーキングとあわせて、1週間で『2時間40分の間に、約25000歩』を目標にすると良いでしょう。また、日常ウォーキングでも消費カロリーアップのポイントを取り入れると、よりダイエット効果が高くなります。日常ウォーキングで、腕を90度に曲げて歩くのは少し不自然ですが、腕を後ろに振ることを意識するだけでも、二の腕への負荷を感じることができますので、是非試してみてください。
■ダイエット目的なら、『1週間で25000歩』は歩きましょう!
2−3.続けるためのコツ
バナナダイエットや、トマトダイエットなどの食事制限ダイエット法。水泳やジム通い、ダンスやヨガなどのウォーキング以外の運動ダイエット法。初めてダイエットに挑戦する!という方以外は、ウォーキング以外にも様々なダイエットに挑戦したことがあるのではないでしょうか。
そして、その度に「やっぱり、こんなに辛いことは続けられない…」と、何度も目標体重を達成せずに諦めてしまった方も少なくないはず。
または、「引っ越しのための貯金で、運動にお金がかけられなくなった」「部署が異動になったことで忙しくなり、運動する時間がなくなった」という理由でやむなくやめてしまった方もいることでしょう。
こういった悩みを解決するのが、ウォーキングダイエットなのです。お金も時間も気にせず、楽しく続けることができるウォーキングダイエット。そのコツを3つご紹介いたします。
2−3−1.ウォーキングを特別なことにしない
特別なことってワクワクしますよね。特別な日、特別なお店、特別な服。でも、そのワクワク感は、いつまでも同じであり続けるでしょうか?残念ながら、気持ちはどんどん冷めていくはずです。小さい頃、楽しみだった誕生日も歳を重ねるごとに特別感は感じられなくなってきているはずです。特別なお店も、毎日行こうとは思いません。特別な服も、いくら気に入っていたとしても、5年も特別であり続けることは滅多にないはずです。
ダイエットも同じです。特別なことを始めたばかりのときは、ワクワクする期待感や気持ちの高揚感から気分が盛り上がっているので、楽しく感じられるはずです。朝、早起きして出勤前に買ったばかりの専用ウェアを着て、音楽を聴きながら公園を散歩。とても新鮮で楽しめると思います。
けれど、どうでしょう。1か月もする頃には、「あの公園、飽きたなぁ。新しく歩く場所探すまでは、休もっと」「雨の日は休みにして、その分晴れの日に倍の時間を歩けばいいや」と、何かと理由をつけて楽しくなくなってしまったウォーキングをサボろうとするのです。
逆に、日常生活を考えてみましょう。会社員の方であれば、朝起きてご飯を食べる、歯磨きをしてメイクをして出勤する。主婦の方であれば、子どもを起こして一緒に朝ごはん、見送りをして部屋の掃除・洗濯…こんな風に、毎日欠かさず行っていることがたくさんあるはずです。“特別なこと”ではなく、“日常”だからこそ、意識せずとも、普通に行いますよね。これが、続けるコツなのです。
ウォーキングを特別なことと考えるのは、やめましょう。日常生活に取り込んでしまえば、無理することもなく、頑張りすぎることもなく、自然と続けられることができるようになるのです。ダイエット目的でウォーキングをする、ということをあまり意識せず、いかに“あなたの日常”の中にウォーキングを取り込めるかを重点的に考えることです。
2−3−2.無理はしない
ウォーキングは、続けてこそ効果があります。ですから、無理をして嫌になってしまうよりも、『楽しいときだけやる』『楽しいからやる』くらいの感覚で続ける方が良いのです。
ちょっと体がつらいときに、無理をして歩くことはありません。食事や睡眠の時間を削ってまで、わざわざウォーキングに出かけることもやめましょう。楽しくできる範囲で、とにかく長く続けることを意識しましょう。
2−3−3.毎日、体重計に乗らない
ダイエット目的でやっているのですから、体重の増減が気になる気持ちは分かります。でも、先に見たように、ウォーキングは短期でダイエット効果が出る運動ではありません。ですから、毎日体重計に乗ってしまうと、「あんなに歩いたのに、全然減ってない…」「歩く前より増えてる!?水分とりすぎたのかなぁ…」と、思うように体重が減らないことがストレスになり、嫌になってウォーキング自体をやめてしまう可能性があるのです。効果を信じて運動をした方が、ダイエットに成功しやすいという統計も出ています。まずは1か月、体重計には乗らずにウォーキングしてみましょう。
■とにかく、続けることが大事。『楽しい!』と思えるウォーキングを。
ダイエット目的でウォーキングをされる方は「体脂肪を落とす7種の運動を比較-あなたに最適な運動は?」の記事もぜひ参考にしてみてください。
健康維持の方向けウォーキング
3−1.まずは、日常生活にウォーキングを取り込もう
健康維持目的でウォーキングを始めたい!と思っている方の中には、「ウォーキングシューズを買って、ウェアを買って、完璧に準備をしてから、時間がとれる週末にデビューだ!」と、考えていらっしゃる方も少なくないかもしれません。
でも、その必要はありません!力むことなく、まずは『日常生活にウォーキングを取り込む』ことから始めましょう。実は、健康維持目的なら、これだけでも十分効果が出ます。今まで自転車や車、電車に頼っていた移動時間をウォーキングに変えるだけでも良いのです。
たとえば、駅から会社までや、自宅から最寄り駅まで10分歩く人は、一日往復20分はウォーキングをしていますから、この20分を正しい歩き方でウォーキングするのです。駅から目的地まで距離がないという方は、一駅分だけ電車時間を短くして歩いてみましょう。主婦の方は、自転車や車で出かけていた場所に徒歩で出かけたり、子どもがいらっしゃるという方は、少し足をのばして一緒にお散歩に出かけるのも良いでしょう。
もちろん、これまではエスカレーターやエレベーターを使っていたところを階段に変えるように意識するだけでも違います。ただ、階段は普通の道を歩くよりも膝に負担がかかりますので、無理のない程度に取り入れると良いでしょう。
このようにして、まずは日常の中の移動時間の一部をウォーキングに変えるところからスタートしましょう。
ウォーキングが楽しいからもっとやりたい!という人は、少しずつ時間を増やしていけば良いのです。
■構えずに、日常の移動時間の一部をウォーキングに変えよう
3−2.ウォーキング時間と歩数、消費カロリーの目安
歩くスピードや腕の振り、年齢・性別・体重などによってカロリー消費は異なりますが、ウォーキングでの一般的なカロリー消費は、下記の通りだといわれています。(下図、参照)
では、実際にどれくらいの時間、どれくらいの速さで歩いたら良いのかを見てみましょう。3-1で見てきたように、健康維持目的でウォーキングをする場合は、日常ウォーキングだけでも十分に効果があります。平日も休日も、毎日、必ず20分以上を確保します。自宅から駅までや、駅から会社までなどで20分以上とれるように設定しましょう。駅距離がない方は、一駅分歩くなどの工夫が必要です。体調が悪いときには、お昼ご飯を少し遠くまで足をのばして食べに行くくらいでも構いません。
日常ウォーキングでも、ゆっくりウォーキングではなく、すたすたと歩く速度で歩くことを意識しましょう。時速はダイエットと同じ5kmで設定します。仮にあなたの身長が160cmとすると、歩幅は-100cmで60cmですから、1時間のウォーキングを歩数に換算すると約8300歩となります。つまり、1週間で最低でも『2時間20分の間に、約11100歩』を守ればよいということになります。
ダイエット目的の方ほどストイックにウォーキングをする必要はありませんが、慣れてきてあまり疲れを感じなくなったら、速度を上げてみたり、時間を増やしたりして、徐々に負荷をかけていくと良いでしょう。まずは、1週間で11100歩を目標にウォーキングを始めるのです。
■健康維持目的なら、『1週間で11100歩』は歩きましょう!
3−3.続けるためのコツ
ウォーキングは、デメリットのない運動だといわれています。老若男女、時間も場所も問わずにできる運動だからです。でも、デメリットがないということは、何の制限もないので、一方で“続けにくい”“やめやすい”とも考えられますよね。日常ウォーキングだけであれば、習慣づいているので、やめるもやめないもないと思いますが、「日常だけじゃなく、週末も少し頑張りたい」と思っている方もいらっしゃるかと思います。そこで、ここでは健康維持目的の方向けに、日常以外のウォーキングを続けるためのコツをご紹介します。
3−3−1.ワクワクすることを少しずつ取り入れる
ダイエット目的の方であれば、出来るだけウォーキングを習慣化し、特別なことにしない方が良いのですが、健康維持目的の方であれば、逆です。日常ウォーキングだけでも十分なので、それ以外にも頑張りたい、という方はワクワクすることを取り入れましょう。ただ、やはり特別なことは、いつか飽きがきますので、少しずつ取り入れるのが良いでしょう。
例えば、ちょっとマンネリしてきたなと思ったら、まずはスマホでウォーキングのアプリをダウンロードしてみる。歩いた距離に応じて変化が起きるアプリであれば、それを達成するためにウォーキングに出かけるようになるかもしれません。また、そのアプリに飽きたら、ワクワクするようなウェアを購入しても良いでしょう。ウォークマンを買って、ウォーキング用の曲リストを作ってみるのも楽しいと思います。
一度にたくさんのワクワクを取り入れずに、「ちょっと何かほしいなぁ」と思ったときに、ご褒美としてワクワクを追加する、というスタンスでいてください。「次は何にしようかなぁ?」と、楽しくウォーキングを続けられるでしょう。
3−3−2.無理はしない
これは、ダイエット目的の方と同じです。ウォーキングは、続けてこそ効果がありますから、無理をして嫌になってしまうよりも、『楽しいときだけやる』『楽しいからやる』くらいの感覚で続ける方が良いのです。ちょっと体がつらいときに、無理をして歩くことはありません。食事や睡眠の時間を削ってまで、わざわざウォーキングに出かけることもやめましょう。楽しくできる範囲で、とにかく長く続けることを意識しましょう。
■日常ウォーキングだけでも十分!それ以上やる場合は、楽しくできる範囲で。
4.より効果的なウォーキングをするために
4−1.ウォーキングのメリット
この章では、より効果的なウォーキングを可能にする方法について見ていきます。まずは、改めて、ウォーキングのメリットについて考えてみましょう。ウォーキングには、大きく分けて2つのメリットがあります。
1つ目は、体質改善です。
適度な疲労感から、質の高い睡眠が可能になり、目覚めもよくなる上、日中活動的に過ごすための自律神経が整います。また、血行が良くなり、体温が上昇し、体調が整いやすくなります。健康的な体をつくることができれば、健康維持目的の方はもちろん、痩せにくい体だった人が痩せやすい体質へと変わり、ダイエット目的の方とっても嬉しいメリットとなります。
2つ目は、ストレスの緩和です。
一般的に、運動は、ストレス解消につながります。また、ウォーキングのように、体に大きな負担をかけない運動は、楽しさを生み出します。楽しく運動すると、エンドルフィンという物質が放出され、これにより、有害なウイルスをやっつけてくれるNK細胞というものが活性化します。免疫力がアップし、一つ目の体質改善にもつながるのです。このように、ウォーキングのメリットは一石何鳥にもなりえます。
3つ目は、繰り返し述べている通り、老若男女、時間・場所を問わずにできることです。
先に述べた二つは、他の運動でも同じメリットが得られますが、老若男女、時間・場所を問わずにできるのは、ウォーキングにしかないメリットと言って良いでしょう。
あえてデメリットをあげるとすれば、好きなときに好きな靴が履けないということくらいでしょうか。「今日のお出かけは、目的地の一駅手前で降りて歩こう!」と思うと、どうしてもスニーカーやヒールの低い靴で出かける形になります。
でも、例えば出かける先がコンサートや高級なレストランでのディナーであれば、ヒールでオシャレをしたいのが女心ですよね。ただ、そんなときも靴を一足持ち歩くようにすれば解決です!人に会うまでや、目的地にたどり着くまではスニーカーでウォーキングを楽しみ、ここぞ!という場面の前にヒールにはきかえれば良いのです。
最近では、折りたためるスニーカーや、靴下と間違うほど軽いスニーカーも売っていますので、ぜひチェックしてみてください。
■体調面・精神面でメリットが。デメリットなしの運動は、ウォーキングだけ!
4−2.長時間ウォーキングよりも、正しい立ち方・正しい座り方・正しい歩き方が重要
さて、ここまで「ウォーキングは短時間で大丈夫!」と散々述べてきましたが、それでも「でも、やっぱり、時間をかければかけるほど効果があるんじゃないの…?」と思う方がいらっしゃるかもしれません。
その答えは、YESであり、NOです!
例えば、猫背でたらたらと1時間歩き続けることと、背筋を伸ばし、正しい姿勢できびきびと20分歩くことを想像してみてください。細かい効果の違いまでは分からなくても、後者のほうがよほど効果がありそうだ、ということはなんとなくわかっていただけたのではないでしょうか?集中しないでダラダラ1時間勉強するのと、20分と時間を決めて、集中して勉強するほうが身に入るのと同じ理屈です。
さらに、変な歩き方で長時間ウォーキングをしてしまうと、膝をいためてしまうことも考えられますし、そうなってしまってはウォーキングどころか通常の生活すらできなくなる可能性がありますよね。
逆に言えば、普段から気をつけていれば、歩いているときだけでなく、立っているとき・座っているときも健康的な体に近づくことができますし、普段の姿勢が出来上がれば、正しいウォーキングもすぐに身に付き、楽しくなります。
そこで、ここでは短時間でもぐんとウォーキングの効果がアップする普段の立ち方・座り方を学んでいきましょう。立ち方・座り方で正しい姿勢を身に着けたら、次に歩き方にうつります。
4−2−1.正しい立ち方
まずは、正しい立ち方についてです。
座り方・歩き方に通じる、基本の姿勢になりますので、しっかりと身につけていきましょう。
壁に背をつけて立ち、下の3つのポイントにそって基本の姿勢をつくっていきましょう。
①かかと・ふくらはぎ・おしり・肩甲骨・後頭部をきちんと壁につける
※体が固い人は、ふくらはぎが壁につかないこともあります。無理につけずに、これから近づけていくイメージで立ってください。
②耳・肩・中指・くるぶしを一直線にして立つ
・・・背骨と腰が反りすぎないよう、腹筋と背筋をうまく使って立ちます。
③背中のウエスト部分に、手のひら1.5枚程度が入る隙間を持って立つ
・・・開きすぎは禁物。おなかと背中をくっつけるように、腹筋に力を入れましょう。
1日2回が基本ですが、「そんなに頑張れない!」という方は、歪みので出やすい夜に1回行います。壁を使って正しい姿勢を覚えたら、次は壁を使わずに立つ練習をしましょう。
これができるようになったら、ステップ2・座り方にうつります。
4−2−2.正しい座り方
次に、正しい座り方についてです。
とはいえ、正しい立ち方で姿勢について学んだあとですので、その応用編だと思ってください。
正しい姿勢に加えて、抑えるべき2つのポイントを守って座ってみましょう。
①背もたれによりかからない
・・・立っているときに、ウエストと背中に少しの隙間が必要なように、背骨は少しSカーブになっているのが正しい状態です。イスは基本的に、背もたれが直角になっているので、背もたれによりかかってしまうと、無理な姿勢になってしまいます。基本の姿勢から、イスに浅く腰掛けるイメージで座りましょう。
②丹田に力を入れて座る
・・・立ち姿勢のときのような壁の存在がないので難しいのですが、座ったあと、まずは思いっきり腰を反ります。そのあとで、少しずつ体を前方に持っていくと、自然と下腹部に力が入るポイントがあります。力の入るポイントが丹田です。この丹田に力を入れて座ると、姿勢のよい座り方が出来上がります。
よくデスクワークをしている方などは、「姿勢よく座っていると、疲れるんだよね」と仰いますが、実は正しい姿勢だと長時間座っていても疲れません。座っていて疲れるという方は、実は正しくない体に負担のかかる座り方をしていますので、この機会に見直してみましょう。<次は、いよいよ歩き方です。
4−2−3.正しい歩き方
立ち方・座り方で正しい姿勢を身につけたあとですので、歩き方をマスターするのは難しくないと思います。早速、正しい歩き方を見ていきましょう。
“抑えるべきポイントは下記の4つです。”
①かかとで着地する
・・・4つもポイントを守れない!という方も、これだけは死守しましょう。
②足の親指で蹴って歩く
・・・後ろの足を前に出す際、親指と人差し指で地面を蹴り出します。地面に触れる部分が少なくなるので、しっかり隊幹部の筋肉に力を入れて、体をバランスよく支えるようにします。
③重心移動は「かかと」から「つま先」へが基本
・・・かかとで着地し、足の指先に向かってだんだんと重心を移動します。足のストレッチで、足首を足と垂直にしたり、水平にしたりする運動がありますが、歩いているときに、この運動をしているイメージです。
④歩幅は自分の肩幅程度が最適
・・・歩幅は、自分の身長-100cmが大体の基準になります。身長160cmの方は、60cmくらいの歩幅で歩くようにしましょう。
■より効果を上げるためには、正しい座り方・立ち方・歩き方が必要不可欠!
4−3.ウォーキングにあると便利なもの
ここでは、ウォーキングにあると便利なものを紹介します。
これがあれば、更に楽しくウォーキングができる!というグッズから、目安をはかることのできる便利グッズまでを紹介していきます。また、必要不可欠とも言える、シューズの選び方についても見ていきましょう。
4−3−1.あると便利なもの
- 時計・・・自分がどれだけ歩いたのか、目安に使います。歩数計と合わせて使うと、より分かりやすいでしょう。
- 歩数計・・・どのくらいの速さで歩けているのか、時計と合わせて使うと計算することができます。
- ウォークマン・・・好きな音楽を聴きながらやれば、楽しさアップ!
- スマホホルダー・・・スマホでアプリを取ったあとなど、スマホを持ち歩きたい方もいると思います。防水のものもありますので、汗を気にせず持ち運べるホルダーも必要に応じて使うと良いでしょう。
- タオル・・・汗をふかずに歩き続けると、風邪の原因にもなりますのでこまめに汗をふきましょう。首からかけられるサイズにすると、首もとの日焼けよけにもなり、一石二鳥です。
- ウェア・・・汗を吸収し、体を冷やさない素材のものを選びましょう。半袖のシャツと寒いときにはおれるジャケットとがあると便利です。パンツは、足を動かしやすいものを選ぶと良いでしょう。可愛いデザインのものを選んで、モチベーションアップを狙っても。
- 飲み物・・・出かける前と後の水分補給も大事ですが、運動中もこまめに水分補給ができるとより良いです。特に、夏は熱中症対策のため、必ず携帯しましょう。
- マスク・・・風邪がはやる時期や、花粉症の時期にはマスクで予防をしましょう。また、冬場であれば、冷たい空気を吸い込まないようにも作用します。
- 帽子・・・夏場は、熱射病対策のために必ず帽子をかぶりましょう。冬場は、ニットタイプにすると、防寒できます。
- サングラス・・・強い日差しや風よけに使いましょう。目が疲れると集中力が下がるといわれていますので、上手に使うことをオススメします。
4−3−2.シューズの選び方
足に合った靴をはかないと、ケガや故障の原因にもなりえます。
ウォーキング用のシューズだけでなく、普段からのシューズ選びの参考にしてください。
“ポイントは4つです。”
①夕方に購入する
・・・人間の足は、朝と夕方で約0.5cm~1cm大きさに違いがあると言われています。大きくなっている夕方に選ぶようにしましょう。
②自分の足に合ったサイズを選ぶ
・・・形とサイズの両面から靴を選びます。はいたときに指先が軽く曲げられる・足の甲がきつすぎず空きすぎていない・かかとがゆるすぎない、この3点を試着の際にチェックし、店員さんに見てもらいます。
③足首周辺の動きを妨げない
・・・ウォーキングでは、足首の動きが非常に重要になります。足首周辺を圧迫しない靴を選ぶと、ウォーキングがしやすいでしょう。
④靴底に適度な厚みがあるものを選ぶ
・・・着地の衝撃を和らげてくれますので、少し靴底が集めのものを選びます。ひざや足首への負担が少なくなり、楽しくウォーキングが続けられます。
シューズ以外は必ずしも必要なものではありませんが、やる気をアップさせたり、楽にウォーキングができるようになったりするグッズがたくさんあります。自分に必要なものを取り入れて、ウォーキングを楽しみましょう。
■足にあったシューズ選びは必須
4−4.ウォーキング前にやること
ウォーキングは、ジョギングやランニングと比べて“運動感”があまりないように思われていますが、これまで見てきたとおり、れっきとした全身運動です。ですから、ウォーキング前にはいくつかやっておくべきことがあります。
“ここでは、やるべき3つのことをご紹介します。”
①軽くご飯を食べておく
・・・運動後はエネルギーを吸収しやすくなっているので、特にダイエット目的の方には、食事をオススメできません。でも、運動でかなりのエネルギーを消費しているので、抜いてしまうのも体に良くありません。ウォーキングの30分前までに軽く食事を済ませておきましょう。
②水分補給
・・・ウォーキングの最中にも水分補給はした方が良いのですが、歩く前にも必ず水分補給をしましょう。ノドが乾いたな、と思う前に水分補給することが大切です。ダイエット目的の方は、ウォーキング前の水分補給に脂肪燃焼ドリンクなどを飲んでも良いでしょう。
③ストレッチ
・・・肉離れやケガ予防のために、ストレッチを行いましょう。特に、朝ウォーキングをやる場合は、まだ筋肉があたたまっていないので、スムーズに体が動かないことがあります。また、脂肪の燃焼もしにくい状態になっていますので、ダイエット目的の方も必ず行うようにしましょう。
とはいえ、「朝、ご飯を食べてストレッチしてウォーキングして通勤なんて無理!」という方もいらっしゃると思います。そんなときは、ご飯を食べながら下のエクササイズを行いましょう。
▶ 足首を回す
▶ 足首をぶらぶらさせる
▶ 足の指をグー・チョキ・パーと動かす
ウォーキングで一番重要な足首をほぐせば、まずは正しいフォームでウォーキングすることができるようになります。
■時間がない日は、3分足首回しだけでOK!
4−5.ウォーキング後にやること
最後に、ウォーキング後に行うことをご紹介します。
やらなければいけないこともありますが、ご褒美として行っても良いこともありますので、好きなものを取り入れてください。
“行うべきこと”
①ストレッチ
・・・歩いたあとにクールダウンしないと、筋肉の柔軟性が低下します。ストレッチで筋肉をほぐしましょう。また、ストレッチで血流を良くすると、筋肉痛にもなりにくくなります。
②水分補給(可能な方は、牛乳摂取)
・・・運動後は、体が水分を欲しています。もちろん、運動中にもしっかりと水分補給をしていると思いますが、運動後も気をつけて取り入れましょう。尚、可能な方は牛乳を1杯飲むと、筋肉量がアップします。筋肉量がアップすれば基礎代謝が上がり、脂肪燃焼も期待できるのです。
“ご褒美に”
①お風呂にゆっくり入る
・・・週末のウォーキングのあとは、汗を流すと同時にお風呂にゆっくりつかるのも良いでしょう。ご褒美にもなりますし、体をゆっくりと休めることができるので、体調面でも良い影響がありますし、精神面でも「また頑張ろう!」という気持ちになりやすくなります。
②ご褒美を用意しておく
・・・頑張った自分に、何かご褒美を用意しても良いでしょう。たとえば、「1ヶ月続いたら、温泉で体を癒す!」など、ウォーキングの疲れを癒しつつ、体にも心にも良いご褒美だと尚良いと思います。
ウォーキングを「たかがウォーキング」と見ず、全身運動を行うと思えば、ストレッチが必須であることは分かると思います。自分の体のためにも、ウォーキングのストレッチも欠かさず行いましょう。
■疲れたからこそ、ストレッチ!
まとめ
時間の長さや、歩く時間帯よりも、“質”が重要なウォーキング。ポイントを抑えて行えば、ダイエットも健康維持も楽しく達成できます。「運動を始めたい!」と思っている方は、是非この機会にウォーキングを始めてみてはいかがでしょうか。
(文:下村さき)