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甘酒と豆乳の美味しいヒント10-米麹と大豆のパワーをいただく

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最近話題の「豆乳甘酒」は、もう試しましたか?
健康志向で「腸活」を実践してきた人たちが行きついた、「究極のスーパードリンク」ともいわれています。

豆乳も甘酒も、新しい飲み物ではありません。
それをミックスしたところが、「合わせ技一本!」となったのです。
しかし、このスーパードリンクは、日本人の伝統的な食生活を考えると決して特別なものではありません。

和食が世界で注目された最大の理由は、豊富な発酵食品と食物繊維。
甘酒と豆乳の原料である麹と大豆は和食に欠かせない要素ですから、普通の日本人が日常的に食べてきたものですよね。
日本人の伝統的な食生活には、意識しなくても「腸活」が組み込まれていたのです。

ところが近年は、食の欧米化によってこれらの要素が不足する日本人が増えたために、「腸活」の流行となったわけです。
そして、究極の合わせ技といえる「豆乳甘酒」がクローズアップされました。

ここでは、腸活の二大スターともいえる「甘酒」と「豆乳」の基礎知識を解説してから、食生活において美味しく使うヒントを紹介します。

目次

1. 甘酒入門
1-1. 2種類の甘酒を知る
1-2. 甘酒のパワー
1-3. 甘酒の使い方

2. 豆乳入門
2-1. 3種類の豆乳を知る
2-2. 豆乳のパワー
2-3. 豆乳の使い方

3. 甘酒と豆乳の美味しいヒント10
① スーパードリンク「豆乳甘酒」
② 甘酒で料理
③ 甘酒でスープ
④ 甘酒でドレッシング
⑤ 甘酒でスムージー
⑥ 甘酒でスウィーツ
⑦ 豆乳で料理
⑧ 豆乳でスープ
⑨ 豆乳でドレッシング
⑩ 豆乳でデザート

まとめ

 

1. 甘酒入門

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寒い冬に身体をポカポカにしてくれる甘酒。
でも江戸時代には、甘酒売りは夏の風物詩でした。
エアコンも扇風機もない時代、夏の暑さを乗り切る滋養強壮ドリンクとして、甘酒が庶民に好まれたのです。

甘酒の歴史を紐解くと、古墳時代にまでさかのぼるといいます。
日本人の生活に根付いていた甘酒が身体にもたらす効果や、基本的な使い方を解説しましょう。

1-1. 2種類の甘酒を知る

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甘酒には、米と麹でつくる「麹甘酒」と、酒粕に砂糖を加えてつくる「酒粕甘酒」という2つのタイプが存在します。

米に菌を植え付けてつくる「米麹」を、炊いた米と水に混ぜて約60度で数時間保温すると、麹菌がもつアミラーゼという酵素が米のデンプンを分解してブドウ糖に変えます。
このブドウ糖が生み出すのは、麹甘酒の自然な甘さ。

この製造過程ではアルコールを発生させる化学変化は起きませんから、麹甘酒は酒ではありません。
だから、妊婦さんや子どもでも安心して飲んだり食べたりできるのです。

一方の「酒粕甘酒」は、酒粕に水や砂糖を加えて溶いたもの。
酒粕は日本酒をしぼったあとに残る固形物ですから、若干のアルコール分を含んでいます。
簡単につくることができるのですが、未成年は飲めませんし、アルコールに弱い人は酔ってしまいます。

この記事で扱う甘酒は、昔ながらのノンアルコールでローカロリーな「麹甘酒」です。
購入する際には、原材料を確認して、米、米麹とあるものを選んでください。

1-2. 甘酒のパワー

麹甘酒に多く含まれる栄養素は、ブドウ糖、アミノ酸、ビタミンB群など。
ブドウ糖は即エネルギーとなる糖質ですし、アミノ酸やビタミンB群は疲労回復の代表的な栄養素ですから、これだけでも「飲む点滴」といわれる甘酒のパワーがわかりますよね。

麹甘酒に含まれるアミノ酸のひとつであるGABAは、自律神経に作用して緊張を緩和する働きがあるので、夏バテの大きな原因となる自律神経の乱れを改善します。
そのほか、体内でタンパク質に合成されたり、神経伝達物質を合成したりして、様々な効能をもつ必須アミノ酸9種がすべて含まれています。

ビタミンB1、B2、B6、ビオチンといったビタミンB群は、三大栄養素がエネルギーになる
代謝を助けるのですが、協力し合って働くので、甘酒での摂取は理想的なバランス。

米麹に含まれる麹菌は、乳酸菌と同様に、腸内の善玉菌の栄養となって腸内環境を整えます。
さらに、米麹には鉄分の働きを促進するモリブデンがとくに多く含まれているので、貧血の悩みをもつ女性には強い味方となってくれます。

1-3. 甘酒の使い方

甘酒はそのまま飲むだけでも自然な甘さで美味しいのですが、いろいろな料理や飲み物に使えば、自然な甘さを活かして栄養アップすることができます。
基本的な使い方のバリエーションを紹介しておきましょう。

・温めて
アツアツではなくほんのり温めるのが美味しく使うコツ。
麹菌がもっとも活発に働く温め方は、55~60度。

・冷やして
夏の暑気払いには、キリっと冷やして江戸風に。
水で好みの濃度に薄めて乳酸菌飲料のように飲みましょう。

・スムージーに
麹菌は野菜の苦みやクセを消し、自然な甘みがフルーツとも合うので、スムージーにすると栄養アップして味もよくなります。

・乳製品の代わりに
シチュー、グラタンなどは、生クリームや牛乳の代わりに甘酒を使えば、カロリーダウンしてアレルギー対策も可能。
口あたりもあっさりして軽くなります。

・砂糖の代わりに
砂糖の代わりに甘味料として使うのが、甘酒のもっとも簡単な使い方でしょう。
料理ばかりでなくスウィーツに使っても、上品で控えめな甘さにすることができます。

・下味として
肉類の下味に使えば、酵素がタンパク質の分解を助けるので、やわらかくなってコクや旨味もアップします。

・出汁として
スープ、味噌汁、鍋物、煮魚などで出汁の代わりに使うと、コクと甘みがアップして素材の味を引き立てる上品な料理になります。

2. 豆乳入門

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健康飲料として普及した豆乳は、大豆を蒸してからすりつぶし、絞ってできる乳液状の物質。
この豆乳にニガリを加えて固めたものが「豆腐」で、絞りカスが「おから」です。
最近はおからを乾燥させて粉状にした「おからパウダー」も、健康アイテムとして人気です。

豆乳が日本で製造販売されるようになったのは1970年代で、2000年以降に起こった健康サプリメントブームの時期に注目度が上がり、2004年頃から生産量と消費量が急上昇しました。

この数年は「腸活」の流行により、健康面での効能が再認識されると同時に、食材としても人気が高まっています。
味噌、醤油、豆腐、納豆と、和食に欠かせない素材である大豆のパワーをここで見直しておきましょう。

2-1. 3種類の豆乳を知る

日本で販売されている豆乳は3種類あり、それぞれ水分を除いた大豆固形分の割合が定められています。

① 無調整豆乳
豆乳に水を加えただけのプレーンな豆乳で、大豆固形分が8%以上のもの。

② 調整豆乳
豆乳に砂糖、塩、油脂、香料などを加えて飲みやすくしたもので、大豆固形分が6%以上のもの。

③ 豆乳飲料
調整豆乳に果汁やコーヒーなどを加えた飲料で、果汁入りの場合は大豆固形分が2%以上、それ以外は大豆固形分が4%以上のもの。

料理やスウィーツづくりに利用したいのは無調整豆乳。
この記事でも豆乳として扱うのは、主に無調整豆乳です。

2-2. 豆乳のパワー

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豆乳の消費量が急上昇した理由は、大豆に含まれる豊富な栄養素。
しかも、大豆を食べるより豆乳にすると消化吸収が高まり、効率よく栄養摂取できるのです。

大豆の代表的な栄養は次の4つ。

① 大豆タンパク
大豆にはなんといっても植物性タンパク質が豊富。
動物性タンパク質よりも低カロリーでダイエット効果が望めます。

最近は筋肉増強だけでなくダイエットにも利用されるプロテインは、かつて大豆を原料とするソイプロテインが主流でしたが、今は牛乳を原料として水に溶けやすいホエイプロテインが主流。

植物性タンパク質はダイエットや基礎代謝のアップに効果的でも、それだけでは摂取できない必須アミノ酸があるので、動物性タンパク質とバランスよく摂取することが大事です。

② 大豆イソフラボン
抗酸化成分のフラボノイドの一種である大豆イソフラボンは、老化の原因となる活性酸素による酸化ストレスを軽減します。

また、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンに似た構造をしているため、女性ホルモンのバランスを整える働きがあります。
肌の若々しさを保つ、更年期障害の改善をするといった、女性にとってありがたい成分として注目されています。

③ レシチン
脂質の一種であるレシチンは、LDL(悪玉コレステロール)を減少させて生活習慣病を予防すると同時に、細胞膜の主成分となり、脳神経や神経伝達物質の原料にもなります。
全身の血流改善と、脳機能の向上が期待できます。

④ サポニン
抗酸化作用の強いサポニンは、身体の老化を予防します。
血中コレスロールや中性脂肪を抑制する働きもあるので、肥満をはじめとする生活習慣病の予防にも効果的です。

そのほか豆乳には、ビタミンB群、ビタミンE、オリゴ糖なども含まれています。

2-3. 豆乳の使い方

豆乳は加熱しても栄養価がほとんど変わらず、独特の風味も落ちないので、料理やスウィーツなどに幅広く利用することができます。
無調整豆乳に甘みはありませんから、砂糖の代わりに使用する以外は、甘酒と同じような使い方が可能。

クリーミーでまろやかな豆乳は、牛乳や生クリームの代わりに使えばあっさりと低カロリーにしてコクを出すことができます。

肉類に揉みこんだり漬けたりして下味に使えば、豆乳独特の風味でコクがアップ。
出汁やスープとして使う場合は、塩を加えるだけでも味を調えることができますが、相性がよい味噌や醤油と組み合わせれば独特の旨みを活かせます。

3. 甘酒と豆乳の美味しいヒント10

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後半は、甘酒と豆乳を料理やスウィーツに美味しく使うヒントを紹介します。
ここでひらめいて、細かいレシピを知りたいと思ったら、クックパッドをはじめとするネット記事や、何冊も出版されている甘酒・豆乳の書籍を参考にするといいでしょう。

① スーパードリンク「豆乳甘酒」

甘酒のやさしい自然な甘さと、豆乳の独特な風味とコクは、そのまま飲んでも料理に利用しても活かすことができますが、2つを合わせればほのかに甘くて風味豊かな飲み物に。

麹と大豆のパワーを併せもっているばかりが、栄養素は強力しあって働くものが多いので、相乗効果も望めるスーパードリンクが完成します。

同量の麹甘酒と無調整豆乳を合わせて、少量のしょうが汁を加えるのがポイント。
氷を入れてアイスで飲んでも、温めて飲んでも美味しく元気をチャージできます。

この後には、甘酒と豆乳を活かすそれぞれの使い方を紹介しますが、同じように豆乳甘酒を利用することも可能です。

② 甘酒で料理

生クリームや牛乳を使う料理、肉類に下味をつける料理は、とくに米麹のもち味を活かすことができます。

クリームシチューやグラタンは、レシピの乳製品を甘酒と水に置き換えるだけでもOK。
この手の料理には豆乳も加えて、豆乳甘酒パワーとコクを楽しむのがおススメです。

下味に甘酒を使う料理でおススメなのが「から揚げ」。
甘酒に、塩とすりおろし生姜を加えた漬けダレをつくって1時間以上漬け置きしましょう。
鶏肉との相性がいいので、タンドリーチキンにはヨーグルトの代わりに使うとやわらかい仕上がりに。

サバ味噌煮の煮汁に加えれば、砂糖を使わずに料理できて、まろやかな風味に仕上がります。

③ 甘酒でスープ

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スープ類には、最後の仕上げとして甘酒を加えるとコクが出て、米麹の香ばしい香りを楽しめます。
スープのベースとして使えば、短時間で素材をやわらかくすることができて、コクもアップ。
まるで、料理がワンランクアップしたような仕上がりになります。

ホウレンソウと合わせればとても栄養価の高いスープになり、トマトなどの酸味を抑える効果も利用できます。

日常的な味噌汁や豚汁などには、味噌を溶き入れる前に甘酒を加えることで、これもワンランクアップした味噌汁が楽しめます。

④ 甘酒でドレッシング

甘酒はクセがないので、ドレッシングやタレなどにも幅広く利用できます。
ノンシュガーでつくれて保存がきくのも使いやすさのポイントです。

ぜひおススメしたいのが、「豆乳甘酒マヨネーズ」。
豆乳甘酒に西京白味噌、レモン汁、オリーブオイルを加えてブレンダーで混ぜます。
卵を使っていない低カロリーなクリーミーマヨネーズは、そのまま野菜にディップしても、料理に添えてもいいでしょう。

ドレッシングはレモン汁や酢と合わせ、柚子胡椒やタマネギのすりおろし、中華や韓国系の調味料などを加えて楽しみましょう。

⑤ 甘酒でスムージー

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甘酒をベースにしたスムージーは、米麹の栄養に野菜や果物のビタミン・ミネラルが加わることがポイント。
朝は、スムージー1杯で十分な栄養を摂取することができます。
クセや苦みのある野菜も、やさしい甘さがカバーして飲みやすく仕上がります。

野菜と果物をバランスよくミックスしたガスパチョ風やアボカドミックス、ストロベリーチーズ、バナナきな粉、キャロットアーモンド、マンゴートマトなどが人気です。

⑥ 甘酒でスウィーツ 

ヘルシーなデザートには、自然な甘さでシュガーレスにできる甘酒が活かせます。

甘酒にすりおろしショウガと炭酸水を加えただけの甘酒ジンジャーをはじめ、タピオカミルクティーや抹茶オレ、ココアなどにも加えてまろやかドリンクを。

スウィーツでもっともおススメしたいのは、豆乳甘酒に粉ゼラチンや寒天を加えて温めたらよく混ぜ、容器に入れて冷やしてから、メイプルシロップをかけていただく「甘酒豆乳プリン」。

小麦粉とベーキングパウダーに甘酒を加えて焼いたパンケーキは、牛乳が苦手の人でも美味しく楽しむことができます。

⑦ 豆乳で料理

豆乳は、温めて表面にできる湯葉だけでも立派な料理になり、鍋のツユをはじめ、市販されている料理素材も多いので、甘酒よりも幅広い料理に使えるでしょう。

豆乳のヘルシーな使い方のポイントは、乳製品の代わりに使うことと、加熱や酢によって固まる性質を利用することです。

加熱した無調整豆乳にレモン汁を加えて冷ますと分離するので、ペーパータオルで絞れば、固形分をカッテージチーズの代わりに使うことが可能。
トマト、バジルと合わせたカプレーゼや、いろいろなサラダに美味しく利用できます。

肉類の下味には、甘酒と合わせて使えば、コクと旨みがさらにアップします。

⑧ 豆乳でスープ

スープ類でおススメなのは、豆乳チャウダー、豆乳味噌シチュー、豆乳ビシソワーズなど。

ベーコンと野菜などをじっくり炒めてつくるクリームスープは、乳製品の代わりに豆乳を使えば豆乳チャウダーに。
無調整豆乳とスープの素を合わせるのもいいですし、味を調えてある調整豆乳を使ってスープの素を使わずにつくることもできます。

味噌とは相性バッチリですから、いろいろな使い方で栄養アップが可能。
ジャガイモを使ってつくる冷たいビシソワーズは、豆乳でつくればサッパリしたノドごしで、夏の暑い日には美味しさ倍増です。

⑨ 豆乳でドレッシング

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豆乳でつくるドレッシングやタレは、ゴマや味噌、醤油との相性を活かすのがポイント。

無調整豆乳をプレーンヨーグルト、レモン汁、ハチミツ、オリーブオイルと合わせて塩コショウで味を調えた豆乳シーザードレッシングや、練りゴマ、豆板醤と合わせて、砂糖、酢、醤油で味を調えた豆乳ゴマダレなどがおススメです。

⑩ 豆乳でデザート

豆乳も甘酒と同じように、スムージーやスウィーツに美味しく使えます。
黒ゴマ豆乳プリンや豆乳蒸しパンなどは、市販されているものもありますよね。

豆乳には甘酒のような甘みがないので、調整豆乳を利用するのもいいでしょう。
豆乳甘酒を使えば、その必要もありません。
甘みが大切なデザート類には、豆乳甘酒が向いていますね。

まとめ

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甘酒や豆乳を美味しく利用するヒントを紹介してきました。
砂糖の代わりに使う、乳製品の代わりに使う、といった利用法はあくまで入門編。

まずは甘酒も豆乳も、プレーンな素材の味をよく吟味して使い方を工夫していくと、代替品ではなくて、甘酒だから美味しくできる使い方、豆乳だからこそ美味しく使う方法といったものがわかってくるはずです。

日本の伝統的な食材である麹と大豆のパワーで、健康で美味しい生活を楽しみましょう。

【参考資料】
・『知識ゼロからの甘酒入門』 石澤清美 著  幻冬舎 2018年
・『おいしい甘酒レシピ』 金丸絵里加 著  主婦の友社 2018年
・『豆乳がおいしくしてくれる毎日のレシピ』 堤 人美 著  文化学園文化出版局 2016年

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