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目的別3タイプの美容液とは―成分と効果の違いを理解して使う

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美容液の選び方は難しいですよね?

そろそろ美容液を使って大人のスキンケアをはじめようと思っても、どれを使ったらよいのか悩んでしまう人は多いのです。

美容液は、化粧水と比べれば高価で容量の少ないものが多いですから、慎重に選ばなければいけないのですが、そこでポイントになるのは、やはり成分と効果。

配合されている成分が肌にどのような働きをして、どういった効果が望めるのかということを理解しなければ、自分の肌に合った美容液を選ぶことはできません。

ここでは現代のスキンケアにおける美容液の位置づけに始まり、化粧品と医薬部外品の違いを理解してから、「保湿」「エイジングケア」「美白」という代表的な3タイプの美容液を解説します。
自分の肌質に合った美容液を選ぶ際の参考にしてください。

目次

1. スキンケアの主役となった美容液
1-1. 現代のシンプルスキンケアを知る
1-2. 実は正確な定義はない
1-3. 化粧品と医薬部外品の違い
1-4. 気をつけたい添加物

2. 代表的な3タイプの美容液
2-1. 保湿美容液とは?
2-1-1. 保湿のメカニズム
2-1-2. 代表的な保湿成分
2-2. エイジングケア美容液とは?
2-2-1. 抗老化のメカニズム
2-2-2. 代表的な抗酸化成分
2-3. 美白美容液とは?
2-3-1. メラニン抑制のメカニズム
2-3-2. 代表的な美白有効成分

まとめ

1. スキンケアの主役となった美容液

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まず、皮膚科学に基づく現代のスキンケアにおける美容液の位置づけと、美容液の基礎知識を簡単に解説しましょう。

1-1. 現代のシンプルスキンケアを知る

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皮膚科学の進歩によって、肌が本来もっている機能を引き出すことが最良のスキンケアだと考えられるようになりました。

「塗り過ぎない」「やり過ぎない」を重視するシンプルスキンケアでは、洗顔、保湿ケアを中心として、夜はメイク落とし、朝はUVケアが加わります。

もっとも肌に負担がかかるのは、合成界面活性剤が多く配合されるクレンジング料ですから、いかに肌への刺激を抑えてメイクを落とすかということが夜のポイント。
また、紫外線吸収剤などが肌に刺激を与える日焼け止めに頼らないUVケアが、朝のポイントとなります。

朝晩2回の洗顔と、洗顔後の保湿ケアが基本となり、保湿ケアのメインアイテムが保湿美容液です。
ほとんどが水分である化粧水は、いくらつけてもバリアがある角層には浸透しないため、セラミドやヒアルロン酸を配合して角層に浸透しやすい美容液が必要とされるのです。

1-2. 実は正確な定義はない

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基礎化粧品には、化粧水からオイル、ジェル、乳液、クリームと、いろいろなテクスチャーがあります。
そのひとつとして美容液があるのですが、実は美容液には定義がありません。

水とオイル、乳化させて水とオイルを混ぜた乳液、ほどよい油分を含んで粘着性のあるジェル、乳液よりも油分が多いクリームという分類の中で、オイルのようにサラッとしているものからジェルに近い美容液もあれば、乳液状の美容液もあります。

美容液という名称は、目的に合わせた美容成分を配合した液体という意味で使われており、大きなくくりでは、美容ジェルや美容クリームなどを含む場合もあります。

保湿ケアを目的とした保湿美容液、エイジングケアを目的としたエイジングケア美容液、シミケアを目的とした美白美容液などが代表的な美容液で、目元美容液や頭皮美容液のように使用する部位に合わせたものも販売されています。

1-3. 化粧品と医薬部外品の違い

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美容液には「薬用」と表示されているものがたくさんあります。
これは「医薬部外品」に属するものなのですが、ここで「化粧品」と「医薬部外品」の違いを説明しておきましょう。

「医薬品」とは、いわゆる薬のことで厚生労働省によって効果、効能が認められた有効成分が含まれています。

「医薬部外品」は、厚生労働省によって効果、効能が認められた有効成分が一定の濃度で配合されており、効き目が穏やかな効果が期待できる製品。
「〇〇に効果がある」と、うたうことができます。

「化粧品」は、医薬部外品よりもさらに効き目が穏やかで、清潔さや美しさを保つことが目的とされ、効能をうたうことはできません。
化粧品は全成分の表示が義務付けられていますが、医薬部外品は、厚生労働省が定める140種類の表示指定成分だけを表示すればよいことになっています。

化粧品は全成分表示していても、それぞれの成分の配合量がわからず、医薬部外品は有効成分以外に何が配合されているのかわからないという特徴があります。
最近は医薬部外品でも全成分を表示するメーカーが増えていますが、それにしても有効成分以外の配合物がどのくらいの量かということはわかりません。

ですから、一概に化粧品より医薬部外品の方が効果があるとか、肌によいなどとはいえないのです。

1-4. 気をつけたい添加物

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自分の肌に合った美容液は、使ってみなければ判断できません。
ですが、購入する際、とくに気をつけたい添加物が3つあります。
これは美容液に限らず化粧品全般にいえることなので、ぜひ覚えておきましょう。

① 合成界面活性剤

本来は混ざることのない水と油の境界に作用して、混ざるようにするのが界面活性剤で、化学的に合成されたものが合成界面活性剤です。

クレンジングや洗顔料が油性のメイクを落とすのは、界面活性剤が働いているからです。
また、肌を覆っている皮脂は主に水と脂ですから、肌に塗る化粧品はほとんど界面活性剤を使っています。
界面活性剤を利用して肌に水分を含ませれば、一時的にしっとりした状態にすることもできます。

問題は、角層の構造を破壊してしまうので、肌荒れや乾燥肌を引き起こすこと。
合成系の界面活性剤は刺激性が強いとされていますが、植物系やオーガニック系が安心ということではありません。

界面活性剤の効果が強ければ、何が配合されていてもそれだけ肌を傷めることになります。
洗浄力が強いもの、浸透効果が強いもの、即効性があるものは、界面活性剤が強いことが考えられるので、気をつけてください。

② 合成ポリマー

「ポリ」とは「多い」という意味で、「ポリマー」は高分子化合物のこと。
数個から100個程度の原子でできている分子は「低分子」、数千個以上の原子でできている分子が「高分子」です。

タンパク質やコラーゲンをはじめ、肉や植物などはみな天然のポリマーです。
ペットボトル、ナイロン、ビニール、紙オムツのゲルなどは合成ポリマーで、化粧品には水溶性の合成ポリマーが使われます。

水溶性の合成ポリマーは大量の水を抱えこむことができるので、化粧水や乳液、クリームなどに使用され、塗ってしばらくすると肌にビニールのような膜をつくってサラッとした感触になり、ハリとうるおいが出たような気がします。

しかし、合成ポリマーの膜でフタをされてしまった肌は、正常に皮脂を分泌できなくなり、常在菌も生息できなくなって、バリア機能が低下してしまうのです。

成分表に「ポリ〇〇」「〇〇コポリマー」、最後に「メチコン」がつくものなどは合成ポリマーです。
界面活性剤やポリマーは、少量を効果的に使うのが美容液をうまく使うコツです。

③ 紫外線吸収剤

日焼け止めなどに配合されているUVカット成分は、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」があり、美容液には「紫外線吸収剤無添加」と表示されているものが増えています。

紫外線吸収剤は、紫外線を肌の上で熱エネルギーなどに変換して放出するため、化学的な作用で肌に強い刺激を与えます。

紫外線散乱剤は肌の上で紫外線を跳ね返すものなので、比較的、刺激が少ないのです。
美白美容液などで紫外線ケアも兼ねる場合は、気をつけたい成分です。

 

2. 代表的な3タイプの美容液

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美容液は、「保湿」「エイジングケア」「美白」という3つのケアを目的とするものがほとんどです。

近年は、ひとつの効果だけでなく、保湿をメインとしてエイジングケアもできるもの、保湿をメインとして美白ケアもできるもの、3つの効果を狙ったものなど、いろいろな美容液が登場しています。

ここでは基本的な3タイプの美容液が肌に作用するメカニズムと、代表的な成分を紹介します。

2-1. 保湿美容液とは?

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もっとも需要が多いのは、シンプルスキンケアの基本である保湿を目的とする美容液です。
年齢によって変化する自分の肌に合った保湿美容液をみつけることが、スキンケアのクオリティを決める最大のポイントといってもいいでしょう。

2-1-1. 保湿のメカニズム

肌のうるおいは、化粧品で外からつける水分によってつくられているのではありません。
体内から蒸発する水分を皮膚でつなぎとめている保水物質によって、保たれているのです。

皮膚は、外側から表皮、真皮、皮下組織という3層構造になっており、肌の弾力やハリをつくっている真皮ではヒアルロン酸が、バリアとなって外界から肌を守っている角層(表皮の一番外側の層)ではセラミドや天然保湿因子(NMF)が、蒸発しようとする水分を捕まえて肌の水分を保っています。

肌の表面で水分を保持している割合は、毛穴から分泌されて肌に広がる皮脂が5%程度、角質内にある天然保湿因子(NMF)と呼ばれるアミノ酸の一種が15%程度、角層でレンガのように何層にも積み重なり角質のすき間を埋めている細胞間脂質にあるセラミドが80%程度といわれています。

ですから、保湿のカギとなるのは角層のセラミド。
界面活性剤などの刺激物や、こすったり叩いたりすることで角層のバリアが壊れて流出してしまうセラミドを補給することが、保湿のカギとなるのです。

2-1-2. 代表的な保湿成分

化粧品に配合されている保湿成分には、セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなどがあります。
ヒアルロン酸やコラーゲンは真皮にある物質ですが、化粧品は角層までしか浸透できない規定があるので、化粧品には角層の表面を湿らせる成分として配合されます。

セラミドにはいろいろな種類があります。
作用が安定しているといわれる「ヒト型セラミド」は、角層のセラミドと近い状態に合成されたもので、「セラミド2」「セラミド3」のように番号がついているもの。

天然セラミドは動物から抽出したもの、植物性セラミドは植物から抽出されたもので、セラミドに似た構造をもつ「疑似セラミド」もあります。

保湿効果が高く支持されている美容液は、ヒト型セラミドを何種類か配合しているものが多くなっています。

2-2. エイジングケア美容液とは?

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エイジングケアとは、日本語にすると「抗老化」。
肌の老化を予防したり、穏やかにしたりする目的で使われるのが、「エイジングケア美容液」です。

2-2-1. 抗老化のメカニズム

肌の老化現象といえば、シミ、シワ、たるみが代表的な状態。
シミは美白美容液で取り上げますから、ここではシワとたるみができるメカニズムを解説しましょう。

シワもたるみも主な原因は同じで、真皮のコラーゲンが減ってしまうことなのです。
真皮は、タンパク質の線維であるコラーゲンが網の目のように広がり、そのところどころをやはりタンパク質の線維であるエラスチンが補強し、網の目のすき間をゼリー状のヒアルロン酸などが埋めて、肌の弾力やハリを保っています。

これらの物質は細胞ではなく、線維芽細胞と呼ばれる細胞が生成するもので、その機能は加齢とともに低下してしまいます。
40代後半になると、新たにコラーゲンをつくることがほとんどできなくなるという悲しい現実があります。

ですから、シワやたるみは、コラーゲンを減らさない予防が重要なのです。
コラーゲンを劣化させたり、壊したりしてしまう最大の要因が活性酸素。
ですから、エイジングケアの中心は、活性酸素の害を低減する「抗酸化作用」になります。

酸素を体内で使うと必ず発生する活性酸素は、紫外線を浴びることや生活習慣の乱れなどで過剰になってしまい、強力な酸化作用によって、細菌やウイルスだけでなく正常な細胞まで攻撃してしまいます。

エイジングケア美容液とは、配合する抗酸化成分によって、その作用を弱めようとするものなのです。

2-2-2. 代表的な抗酸化成分

化粧品に配合される、代表的な抗酸化成分には、次のようなものがあります。

・ビタミンC誘導体

ビタミンCを吸収しやすい形にしてあり、美白作用や抗炎症作用もあります。

・ナイアシン(ビタミンB3)

肌の新陳代謝を高める作用もあり、低刺激なので肌の弱い人でも使用できます。

・カテキン

お茶の成分として知られる植物性色素(フラボノイド)の一種で、美白作用や保湿作用もあります。

・リコピン

トマトに含まれる赤い色素で、強い抗酸化作用をもち、美白作用もあります。

・アントシアニン

フラボノイドの一種で、植物界に広く存在し、強い抗酸化力をもっています。

・レスベラトロール

ぶどうの皮などに含まれるポリフェノールの一種で、美白効果もあります。

・アスタキサンチン

鮭や甲殻類などの魚介類に含まれる赤い色素で、非常に高い抗酸化力をもっています。

・油溶性甘草エキス

マメ科の多年草である甘草に含まれる成分で、美白作用や抗炎症作用も強力です。

・オウゴンエキス

シソ科の植物であるコガネバナの根から抽出したエキスで、保湿や抗菌の作用もあります。

2-3. 美白美容液とは?

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「美白」とは日本でつくられた言葉ですから、外国人には「シミケア」といわなければ伝わらないかもしれません。
肌が白いことを喜ぶのは、日本人独特の感性なのです。

シミにはいくつか種類があり、大半のシミにあてはまる「老人性色素班」は、メラニンという皮膚の色素が原因です。
一度できてしまうとセルフケアで消すのは難しく、シミの改善よりも予防が美白化粧品の主な目的となります。

2-3-1. メラニン抑制のメカニズム

表皮で新しい細胞を生み出している基底層には、表皮細胞であるケラチノサイトとともにメラノサイトという細胞があります。

紫外線が表皮細胞にあたると、ケラチノサイトから指令を受けたメラノサイトがチロシナーゼという酵素を活性化させ、チロシンというアミノ酸がメラニンの合成をはじめます。
肌を守るために合成された大量のメラニンは、ターンオーバーによって表皮細胞とともにだんだん外に押し出され、通常は角質と一緒に剥がれ落ちてしまいます。

ところが、あまりにも大量に合成されて排出しきれなかったメラニンは、表皮に残ってしまい、色素が沈着したシミとなって表面に現れるのです。

美白有効成分と呼ばれる成分はメラニンを抑制する効果があり、その働き方は3種類。

① ケラチノサイトがメラノサイトに出した指令を伝達する情報伝達物質の働きを止める
② チロシナーゼに働きかけてメラニンの合成を抑制する
③ チロシナーゼ自体を減少させる

化粧品に配合される美白成分の多くは、②の働きをもっています。

2-3-2. 代表的な美白有効成分

美白有効成分は厚生労働省が指定する有効成分が20種ほどあり、これらの成分を配合する美容液は医薬部外品となります。
そのほかに、メーカーが独自で開発したり、提唱したりしている成分もあります。

主な美白有効成分は次のようなものです。
必ず、成分表示で確認しましょう。

・ビタミンC誘導体
・コウジ酸
・D-メラノ(TM)
・4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩)
・アルブチン
・カモミラET
・トラネキサム酸
・ルシノール
・リノール酸
・t-AMCHA(t-シクロアミノ酸誘導体)
・エラグ酸

 

まとめ

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最後に、ここで解説した3タイプ以外の目的をうたって販売されている美容液をいくつかフォローしておきましょう。

・オールインワン美容液
化粧水、乳液、美容液、クリームの効果が、これひとつで得られるというメリットをうたうものですが、基本の保湿ケアがしっかりできるかどうかが問題です。

そもそも、しっかりとしたケアができる保湿美容液があれば、それ以外のアイテムは必要ありません。
加齢によって皮脂の分泌が減り、保湿ケアをしてもカサカサが気になる場合は、目元や口元を中心として気になる部分に薄くクリームを塗ります。

・アイセラム
アイセラムは目元専用の美容液です。
皮膚が薄くてコラーゲンが少なく、皮脂の分泌が少ない部位なので、肌にやさしい成分に配慮しています。

・ニキビケア美容液
大人のニキビは、10代のニキビのように皮脂過剰が原因でなく、ターンオーバーが長くなって起こる角質肥厚によって、毛穴の皮脂が酸化することに大きな原因があります。
こうした角質肥厚や毛穴ケアにアプローチするのがニキビケア美容液です。

そのほか、まつ毛美容液とは、傷んだまつげの根本に栄養を与えて修復する目的、頭皮美容液とは、顔よりも圧倒的に毛穴が多い頭皮専用の保湿を目的としており、ニキビケア美容液や頭皮美容液は男性ユーザーも多くなっています。

どの美容液も、目的と自分の肌に合った成分を確認するのがポイントです。

 

【参考資料】
・『賢い化粧品の選び方』 小澤貴子 著 河出書房新社 2018年
・『38歳からはじめたい リカバリー美容事典』 吉木伸子、中村格子、田村マナ 監修 
                       朝日新聞出版 2018年
・『正しいエイジングケア事典』 吉木伸子 著 高橋書店 2012年

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