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紫外線吸収剤は危険?-日焼け止めのメカニズムと選び方

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近年、「紫外線吸収剤」が、問題視されているのはなぜかご存知ですか?

「紫外線吸収剤不使用」「紫外線吸収剤フリー」などと表示された日焼け止めや化粧品が増えているので、人体に有害なものだというイメージがあることと思います。

ハワイで、サンゴに有害な紫外線吸収剤を配合した日焼け止めの販売が禁止されることは、コスメ業界で大きな話題になりました。

しかし、販売されている日焼け止めの中には、紫外線吸収剤を配合したものもあります。
本当に有害なものであったら、販売されることはないと思いますよね。

いったい、紫外線吸収剤とは、どのような成分なのでしょうか。

ここでは、日焼け止めを使う際の心配を解消できるよう、紫外線吸収剤の性質や働きを中心に解説します。
なぜ、紫外線吸収剤が日焼け止めに使用されているのか知っていただくために、日焼け止めのメカニズムと選び方からはじめましょう。

 

目次

1. 日焼け止めのメカニズム
1-1. DNAを損傷させる紫外線
1-2. 紫外線が皮膚におよぼす急性の影響
1-3. 紫外線が皮膚におよぼす慢性的な影響

2. 日焼け止めの選び方
2-1. 紫外線防御効果
2-2. 2つの紫外線防御成分
2-3. パウダーファンデーションが人気の理由

3. 化粧品に配合される4つの要注意成分
3-1. 界面活性剤
3-2. 合成ポリマー
3-3. タール色素
3-4. 代表的な紫外線吸収剤
① オキシベンゾン類
② t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
③ オクトクリレン
④ メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
⑤ ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル

■ 代表的な紫外線散乱剤

まとめ

1. 日焼け止めのメカニズム

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紫外線吸収剤は、有害な紫外線を防御するために使われる成分です。
人間は、紫外線を浴びると皮膚が日焼けを起こします。

まず、紫外線とはどのような光かということと、紫外線によって起こる「日焼け」のメカニズムを解説しましょう。

1-1. DNAを損傷させる紫外線

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地上に届く太陽光は、目に見える「可視光」と、目に見えない「赤外線」「紫外線」という3つに分類されます。

可視光は、「赤、橙、黄、緑、青、藍、紫」という7色に見える光で、赤色がもっとも波長が長く、紫色がもっとも短い光。
光は、電波のように周波数をもっていて、目に見える波長が赤から紫までということです。

赤色よりも波長が長い光は、赤の外側という意味から「赤外線」「赤外光」と呼ばれ、紫色よりも波長の短い光は同様に「紫外線」「紫外光」と呼ばれるのです。
赤外線は熱として感じることができので、温熱作用がいろいろなものに利用され、散乱しにくい性質を利用してセンサやリモコンにも使われています。

紫外線(ultraviolet)は、波長が紫色に近い方から「UV-A」「UV-B」「UV-C」という3つに分類され、UV-Cは大気中のオゾン層で吸収されて地上には届きません。
UV-Bも大部分がオゾン層で吸収されますが一部が地上に届き、透過性の高いUV-Aはオゾン層で吸収されずに地上まで届きます。

紫外線には強い化学作用があり、生物のDNAを損傷させます。
この化学作用はUV-AよりUV-Bのほうが強く、UV-Cはさらに強いのですが、オゾン層があることによって地球で生物が生きていけるのです。

1-2. 紫外線が皮膚におよぼす急性の影響

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紫外線が人間の皮膚におよぼす悪影響には、急性のものと慢性のものがあり、急性の影響が「日焼け」です。

紫外線が皮膚にあたると、赤くなる「サンバーン反応」が起こり、ひどい場合には炎症を起こしたり、水ぶくれになったりします。

サンバーンは8~24時間後にピークとなり、数日間続くと、次に皮膚が褐色になる「サンタン反応」が起こって数週間から数カ月間残ります。

サンバーンは紫外線によるDNA損傷ですから、繰り返していると皮膚がんの原因になります。
サンタンは、皮膚が紫外線から体内を守ろうとしてメラニンという色素をつくり、それが色素沈着を起こしたもの。

日焼けが赤くてヒリヒリする状態から小麦色に変わるのは、こうしたメカニズムによるものです。

1-3. 紫外線が皮膚におよぼす慢性的な影響

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サンバーンは、主にUV-Bが原因です。
UV-Bは、皮膚の一番外側の部位である、厚さ0.2mm程度の「表皮」に大きな影響を与えるのですが、透過性の高いUV-Aは、表皮の内側にある厚さ2mm程度の「真皮」にまで到達します。

表皮が外界からの異物侵入を防いてバリアとなり、体内から蒸発する水分をつなぎとめて肌のうるおいを保っているのに対し、真皮は、コラーゲンやヒアルロン酸が肌のハリと弾力を保っている部位。

UV-Aは、ゆるやかに損傷を与えてコラーゲンなどを劣化させていきます。
老化で起こるシワやたるみは、これが最大の原因。
また、シミの主な原因は、UV-Bによる色素沈着の慢性化です。

若い頃に紫外線対策を怠っていた人ほど、後からこうした慢性的な影響が出てきますから、若いうちからしっかりと紫外線対策を行うことが大事なのです。

 

2. 日焼け止めの選び方

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紫外線吸収剤が配合される日焼け止めは、どこに問題があるのでしょうか。
日焼け止めの選び方をマスターするために、紫外線を防御する成分や、防御効果の見方を理解してください。

2-1. 紫外線防御効果

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日焼け止めの紫外線防御効果は、「SPF」と「PA」という英語で表示されています。

「SPF(Sun Protection Factor)」は、UV-Bの防御効果を示しており、2~50の数値で表され、数値の大きい方が効果も高くなります。
最近は50よりも効果が高いものとして「50+」と表示するものもありますね。

「PA(Protection grade of UVA)」は、真皮まで達するUV-Aの防御効果を示しており、「PA+」は「効果がある」、「PA++」は「かなり効果がある」、「PA+++」は「非常に効果がある」、「PA++++」は「極めて効果が高い」という4段階になっています。

もっとも防御効果が高いのは「SPF50+、PA++++」ということになりますが、防御効果が高いほど肌に与える刺激も強くなりますから、高ければいいというものではありません。

日常的に使用するものは、「SPF20、PA++」程度のものが安心して使え、外での活動時間が長い場合にはもう少し強いものを選び、さらに2~3時間ごとに塗り直します。

2-2. 2つの紫外線防御成分

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日焼け止め効果がある化粧品に配合される紫外線防御成分には、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」があります。
この2つは、紫外線を防御する原理が違います。

紫外線吸収剤は、化学作用によって、有害な紫外線を熱に変換して放出するもの。
皮膚の上で薬剤が化学反応を起こすために、皮膚に与える刺激が強いのです。

一方の紫外線散乱剤は、皮膚の上で細かい粒子が紫外線を反射させるもの。
化学反応を起こすものではないので、比較的、皮膚に与える刺激は少なくなります。
しかし、散乱剤がまったく肌の負担にならないということではありません。

紫外線吸収剤を配合していないという意味で、「ノンケミカル」という言葉を使っている製品があるのですが、ケミカルとは一般的に「化学合成成分」という意味です。

正確には、紫外線吸収剤も散乱剤も、成分的にはケミカルのものと天然由来のものが存在するので、「化学合成成分を含まない」という意味ではなく、「皮膚で化学変化を起こさない」という意味で使われていることを覚えておきましょう。

2-3. パウダーファンデーションが人気の理由

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日焼け止めには、化粧品として顔に使用するもの、体に使用するもの、兼用できるものがあり、形態もクリームや乳液、ジェルからスプレーまで様々なものがあります。

化粧下地のクリームに紫外線防御効果をもたせたものや、ファンデーション、パウダーなどに紫外線防御効果をもたせたものもあり、いろいろなシーンで紫外線対策ができるようになっています。

最近、人気が高いのは、紫外線吸収剤不使用で紫外線防御効果がある化粧下地や、紫外線防御効果の高いパウダーファンデーション。
中でも大人のシンプルスキンケアに最適なパウダーファンデーションは、クレンジングを必要とせず、洗顔だけで落とせるものが人気です。

水を含む化粧品は防腐剤が必要ですが、パウダーには不要で、しかもリキッドファンデーションなどよりも粒子の数が多いので、紫外線散乱効果が高いのです。

パウダー以外で顔に使用するものでは、乳液やクリームタイプのものが比較的肌にやさしいとされ、顔と体、さらにヘアーまで1本でケアできるものがあるスプレータイプも、手軽さが人気です。

 

3. 化粧品に配合される4つの要注意成分

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現在、化粧品は、防腐剤、紫外線吸収剤、タール色素で配合可能なものが、規定量とともに厚生労働省発表の「ポジティブリスト」に明記されています。

防腐剤、紫外線吸収剤、タール色素以外で、配合禁止、または配合量に制限のあるものを記載した「ポジティブリスト」もあります。

ですから化粧品は、防腐剤、紫外線吸収剤、タール色素はポジティブリストにあるものを規定量内で配合し、その他の成分はポジティブリストに入っていないものを配合することになり、原則として全成分を配合量の多いものから表示するという義務があります。

日焼け止め効果のある化粧品も、例外なくこのルールが適用されているのですが、注意したい成分は紫外線吸収剤だけではありません。
紫外線吸収剤以外に注意したい3つの成分を簡単に解説し、化粧品に使用されている代表的な紫外線吸収剤を紹介しましょう。

3-1. 界面活性剤

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界面活性剤は、本来は混ざることのない水と油を混ざるようにする薬剤で、洗剤や洗顔料、クレンジング料ばかりでなく、ほとんどの化粧品に配合されています。
水と油の境界面に作用してなじませるので、この名称で呼ばれます。

界面活性剤がなぜ肌に強い刺激を与えるかというと、皮膚の油分をすっかり取り去ってしまい、表皮のバリア機能までを破壊してしまうからです。

界面活性剤には、粒子を液体の中で均等に広げるといった働きもあるので塗料などにも欠かせない成分ですが、化粧品には「洗浄」「浸透」「乳化」「保湿」という目的で使用されます。

界面活性剤の種類はとても多く、1万3000種以上ある化粧品成分の30~40%を占めているので、名称を覚えるのは大変。
洗浄や乳化の働きが強いものほど界面活性剤の働きが強く、肌に大きな負担をかけることになると覚えておきましょう。

3-2. 合成ポリマー

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合成ポリマーも、多くの化粧品に配合されている成分で、「ポリ」はたくさんという意味、「ポリマー」は高分子化合物という意味です。
高分子とは、数千個以上の原子でできている分子のこと。

合成ポリマーは、大量の水分を抱え込める性質を利用して、化粧水や乳液、クリームなどの化粧品に配合され、防腐剤としても働きます。
肌に塗ってしばらくすると薄い膜をつくり、サラッとした感触でつるつるになるのですが、肌の上に薄いプラスチックの膜を張ったようなもの。

合成物質で覆われた肌は、正常に皮脂を分泌できなくなり、皮脂をエサとする常在菌が生息できなくなるので、バリア機能が破壊されます。

〇〇コポリマー、ポリ〇〇、カルボマー、ジメチコン、トリメチコン、メタクリル酸、セルロース、加水分解コラーゲンなどが、よく使用される合成ポリマーです。

3-3. タール色素

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化粧品には、「無機顔料」「タール色素」「天然色素」という3種の色素が使用されます。

無機顔料は、水や油に溶けない粉末状の顔料で動植物由来ではないもの。
天然色素は、ベニバナや野菜などに含まれる天然の色素。
タール色素は、石油や石炭のタール系原料からつくられる合成着色料です。

「赤色〇号」「橙〇」というように色と数字で表示されているのは、ほぼタール色素と思っていいでしょう。
タール色素は皮膚への刺激が強く、発がん性が高いものもあるので、ポジティブリストで指定されているのですが、アメリカやEUなどに比べると、日本の規制はかなり緩いものになっています。

最近は、タール色素不使用の化粧品も増えてきました。

3-4. 代表的な

 

 

そして、ほかの3つとともに気をつけたい成分が、紫外線吸収剤です。
紫外線吸収剤は、UVカット効果が高い、塗り心地がよくて肌の上で伸びがよいといった理由から日焼け止めなどに配合されるのですが、紫外線を化学作用によって熱エネルギーに変換するので、刺激が強いのです。

また、発がん性や人体に悪影響を及ぼす環境ホルモンであることも指摘され、ポジティブリストで化粧品に配合可能な成分や規定量が決められています。

紫外線は人体だけでなく、プラスチックなどの合成樹脂も劣化させてしまいます。
外で使っているプラスチックの洗濯バサミがもろくなってしまうのは、紫外線の化学作用によるもの。

紫外線吸収剤には、劣化防止を目的としてプラスチックに塗装されるものもあるので、様々な種類があるのですが、ここでは化粧品に配合されている代表的なものを紹介します。

① オキシベンゾン類

オキシベンゾンは、紫外線散乱剤と組み合わせて多くの日焼け止めに配合されています。

「オキシベンゾン-1」「オキシベンゾン-3」というように末尾の数字の違いで紫外線の防御効果が変わり、-1、-3、-4、-5は、UV-Aを吸収し、-9はUV-Bを、-2、-6は両方を吸収します。

ハワイで2021年から販売が禁止されるのは、この「オキシベンゾン」と、「オクティノセクト」という紫外線吸収剤を含む日焼け止めです。

② t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン

薄黄色か黄色の粉末で、水にもアルコールにもほとんど溶けない性質をもっています。

t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンは、UV-Aを主に吸収し、やはり紫外線散乱剤と組み合わせて日焼け止めに配合されています。

③ オクトクリレン

液状の油性成分で、とくにUV-Bの吸収性がすぐれています。

④ メトキシケイヒ酸エチルヘキシル

メトキシケイヒ酸エチルヘキシルは、旧称を「メトキシケイヒ酸オクチル」という油溶性の成分で、UV-Bの吸収性がすぐれています。

日焼け防止の目的以外に、紫外線で劣化しやすい成分を含む化粧品を、紫外線から守る目的で配合されることもあります。

⑤ ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル

液状の油性成分で、UV-Aの吸収性にすぐれています。

■ 代表的な紫外線散乱剤

最後に、紫外線散乱剤についても触れておきましょう。
紫外線散乱剤は、簡単にいうと「白くて細かい粉」によって、紫外線を反射して散乱させる成分です。

化粧品に配合される代表的なものは、「酸化亜鉛」と「酸化チタン」。
皮膚を引き締める収れん作用と、消炎効果がある酸化亜鉛は、UV-Aを遮断する効果があるので、ボディパウダーなどとともに、パウダーファンデーションや仕上げパウダーなどの化粧品に使用されます。

「酸化チタン」は光の屈折率がとても高いので、紫外線遮断効果も高く、とくにファンデーションには欠かせない成分。
高SPF製品には、必ずといってよいほど配合されています。

 

まとめ

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日焼け止めを選ぶときには、やはり「ノンケミカル」「紫外線吸収剤フリー」といった製品を選んだほうが安心ですね。

肌の負担が比較的少なくてすむ紫外線散乱剤を配合した化粧品を使い、日陰や帽子などをうまく併用して、肌にやさしい紫外線対策を心がけましょう。

眼球の角膜には、紫外線吸収作用があります。
紫外線は、皮膚だけでなく、目にも悪影響をおよぼすからです。
UV-Bは角膜でほぼ吸収されてしまいますが、透過性の高いUV-Aは水晶体まで達します。
紫外線によって角膜が炎症を起こすのが「雪目」、水晶体が濁ってしまうのが「白内障」。

肌の紫外線対策と同時に、UVカット効果の高いメガネやサングラスで、目を守ることも忘れないようにしましょう。

【参考資料】
・『賢い化粧品の選び方 スキンケアの正解は、成分で決まる』 小澤貴子 著  河出書房新社 2018年
・『美肌のために、知っておきたい 化粧品成分表示のかんたん読み方手帳』 久光一誠 監修  永岡書店 2017年 
・『化粧品成分ガイド 第6版』 久光一誠 ほか編  フレグランスジャーナル社 2015年

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