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科学的な根拠をもつ老化防止の3カ条-活性酸素に負けないケア

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「老化防止剤」とは、ゴムやガラスなどの老化を抑える薬品ですが、人間の身体に効く老化防止剤があったとしたら、さぞや売れることでしょうね。
老化現象は、生きていれば誰にとっても避けられない問題だからです。

最新の科学では、老化の最大の要因は活性酸素による酸化ストレスだといわれています。
「老化」は英語で「エイジング」。
エイジングケアで重視されるのが、抗酸化作用なのです。

人間は呼吸によって酸素を体内に取り込み、血液中に溶かして全身に運び、細胞内でエネルギーを産み出すために使います。
酸素が体内で使われると二酸化炭素が排出され、この過程で産出されるのが活性酸素。

活性酸素は、強力な酸化作用によって体内の細菌を殺す免疫機能をもっているのですが、過剰になると健康な細胞を傷つけてしまい、様々な生活習慣病や、がん、老化などを進行させます。

人間の身体には、過剰になった活性酸素を除去する抗酸化力が備わっているものの、年齢とともに低下していくので全身の老化を進めてしまうのです。
さらに、活性酸素は、喫煙や飲酒、過度な有酸素運動、紫外線を浴びることなどで、すぐに増えてしまいます。

ここでは活性酸素を増やさないようにする老化防止の方法を、最新の医学や脳科学に基づき、「食生活」「運動」「脳トレ」という3つのジャンルで紹介します。

目次

1. 老化防止の食べ物
1-1. タンパク質
1-2. 良質な脂質
1-3. ビタミンとミネラル
1-4. フィトケミカル
2. 老化防止の運動
2-1. 活性酸素を増やさない軽い有酸素運動
2-2. 基礎代謝を上げる筋トレ
3. 老化防止の脳トレ
3-1. 記憶のしくみ
3-2. 歳をとっても増える脳細胞
3-3. すぐにできる脳トレ
まとめ

1. 老化防止の食べ物

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生きていくために欠かせない栄養素の主な役割は、「身体の材料になる」「エネルギーになる」「身体機能を調節する」という3点。
栄養素を体内に取り込む行為である食事は、その内容によって健康維持や老化防止に大きな差が出ます。

三大栄養素である「糖質」「脂質」「タンパク質」に、「ビタミン」と「ミネラル」を加えた五大栄養素、さらに、食物繊維に続けて第7の栄養素と呼ばれている「フィトケミカル」について、老化防止に効果的な摂り方を解説します。

1-1. タンパク質

三大栄養素はどれもエネルギー源となりますが、タンパク質は体内でアミノ酸に分解されて全身に運ばれ、細胞やホルモン、酵素などの材料となる重要な役割があるので、ほかにエネルギー源がない場合以外は使われません。

老化防止の食生活は、「低糖質、高タンパク」が基本。
新しい細胞をつくるのに欠かせないタンパク質が十分になければ、老化を進行させてしまいます。

タンパク質は、肉類や魚類から摂取する動物性タンパク質と、大豆を中心とする豆類、ブロッコリーや芽キャベツなどの野菜類などから摂取する植物性タンパク質があります。

タンパク質は体内で20種類のアミノ酸に分解され、全身の各部位で必要とされるタンパク質に再合成されるのですが、これらのアミノ酸は、体内でつくることができない9種類の必須アミノ酸と、つくることができる11種類の非必須アミノ酸に分けられ、これらがすべてなければ全身で必要とされるタンパク質が合成できません。

動物性タンパク質からしか分解されないアミノ酸もあるので、大豆を食べていれば肉類を食べなくても問題ないと考えるのは間違いです。
老化防止には、肉類、魚類、大豆製品などをバランスよく、十分に摂る必要があります。

1-2. 良質な脂質

脂質は、メインのエネルギーとして使われる栄養素。
糖質との違いは、体内の貯蓄量がとても少ないけど燃えやすい糖質が、瞬発力を必要とされたときに使われる即効性エネルギーであるのに対し、体内の貯蓄量がとても多い脂質は安定したエネルギー源となるところです。

糖質は体内の貯蓄量が少ないために、余ったものはどんどん中性脂肪となり、脂質と同じように皮下脂肪として蓄えられてしまうので、体内の脂肪を増やす最大の原因となります。

脂質は、細胞膜やホルモンなどの材料となるので、タンパク質と同じく新しい細胞をつくるためには欠かせない成分。
タンパク質と結合したリポタンパク質として血液中に溶け込み、肝臓から全身に運ばれる脂質をコレステロールと呼び、全身に運ぶ働きをするのが「LDL(低比重リポタンパク質)」、余ったコレステロールを肝臓へと回収するのが「HDL(高比重リポタンパク質)」。

LDLは運ぶだけで余ったものを回収しないために「悪玉」などと呼ばれるのですが、どちらも必要な物質なのです。
また、脂質には脂溶性ビタミンを働かせるという重要な役目もあります。

老化防止に効果が高い良質な脂質とは、HDLを増やす「オメガ-3系」と呼ばれる脂質。
青魚などに多く含まれるDHAやEPA、亜麻仁油やエゴマ油などに多いα−リノレン酸などです。

1-3. ビタミンとミネラル

三大栄養素を体内で働かせるために必要なのが酵素。
酵素の働きをサポートするのが、微量栄養素と呼ばれるビタミンやミネラルです。

ビタミンは、水溶性のビタミンB群8種とビタミンC、脂溶性のビタミンA、D、E、Kという13種が必要とされます。
どれも老化防止には欠かせませんが、とくに重視されるのは、抗酸化作用の高いビタミンA、C、Eと、ビタミンB群をバランスよく摂取することです。

ミネラルは、岩石や鉱物に含まれる無機質成分で、生体を構成する主要4元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外のものの総称。
厚生労働省は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンを多量ミネラル、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンを微量ミネラルとし、この13元素の食事摂取基準を設定しています。

ミネラルも適量をバランスよく摂取する必要があり、とくに老化防止効果が高いものには、カルシウム、マグネシウム、鉄、クロム、セレン、亜鉛などがあります。

ビタミンやミネラルは、食事で摂取できないものをサプリメントで摂取することも可能ですが、協力し合って働くものが多いので、やはり食事からバランスよく摂取することが老化防止の基本です。

1-4. フィトケミカル

ビタミンA、C、Eなどとともに、食品から摂取できる抗酸化成分として注目されているのが、「フィトケミカル(またはファイトケミカル)」と呼ばれる、植物に含まれる化学物質です。
植物が紫外線や昆虫などから自身を守るためにつくり出した色素や香り、ネバネバなどの成分で、人体においても細胞の酸化を防ぎ、老化防止に高い効果を発揮します。

主なフィトケミカルには、次のようなものがあります。

ブルーベリーや赤ワインなどに含まれるアントシアニン、大豆で知られるイソフラボン、お茶やカカオなどに含まれるカテキン、コーヒーに含まれるクロロゲンといった水溶性の「ポリフェノール」。

ニンジンやカボチャなどに含まれるβ-カロテン、トマトに含まれるリコピン、ホウレンソウやケールなどに含まれるルテインといった脂溶性の「カロテノイド」。

カリフラワー、ブロッコリーなどアブラナ科の野菜に多いイソチオシアネートやインドール、タマネギやニンニクに多いアリルスルフィドといった、辛みや刺激臭が特徴の「有機硫黄化合物」。

こうした成分を積極的に摂取するのが、老化防止の秘訣です。

2. 老化防止の運動

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老化防止に効果的な運動とは、活性酸素を増やさずに、基礎代謝を高める運動。
歳とともに低下する抗酸化力や代謝をリカバーすることが目的です。

代謝とは、栄養素がエネルギーとなったり、必要な物質に分解、合成されたりといった体内で行われる化学反応の総称です。
基礎代謝とは、心拍や呼吸といった、生きているために必要とされる機能で行われる代謝のことで、基礎代謝を高めることにより、様々な身体機能の低下防止が可能となるのです。

2-1. 活性酸素を増やさない軽い有酸素運動

老化防止のために、ウォーキングを習慣にしている人は多いですよね。
ウォーキングは、気軽にできる有酸素運動として人気があります。

運動をはじめると、まず糖質がエネルギーとして使われ、貯蓄分がなくなると脂質がエネルギーになるので、ウォーキングは30~40分は続けないとダイエットには効果がないといわれてきました。

ところが、最新の医学や栄養学では、短距離走のようなはじめ方をせずに、ストレッチなどのウォーミングアップをして行うウォーキングは、10分間でも脂質がエネルギーとして使われることがわかっています。

さらに、有酸素運動を長時間続けると、体内に活性酸素が大量に発生することがわかっており、とくに老化防止を意識した有酸素運動は、汗をかかない程度、息が切れない程度の軽いものが効果的とされています。

10~15分程度の軽いウォーキングを1日に2回か3回行うのがおすすめで、たとえば仕事の帰りにひと駅歩くことや、買い物に出るときは、わざと少し離れたスーパーへ行くといった工夫が老化防止の効果を発揮します。

2-2. 基礎代謝を上げる筋トレ

ダイエットには有酸素運動がいいのか、無酸素運動である筋トレがいいのかという議論はさておき、老化の引き金となる筋肉の減少を防ぎ、基礎代謝を高めるためには筋トレが効果的です。

糖質をエネルギーとして使う筋トレは、酸素を必要としないので活性酸素を大量に発生させないというメリットもあります。
高い効果を求めるのであれば、専門家の指導を受ける必要がありますけども、まずは習慣として軽くはじめてみようというのであったら、本やWEB記事でも参考になるでしょう。

なぜ筋トレが基礎代謝を高めるのかといえば、心拍や呼吸といった生命維持活動は筋肉によって行われているから。
筋トレがダイエットに効果があるとされるのは、基礎代謝で使われるエネルギー量は、体内で使われる全エネルギー量の50~70%を占めるからです。

基礎代謝で使われる筋肉が増えれば、普通に生活しているだけでも消費するエネルギー量が増えるのです。
逆に老化によって筋肉量が減ると、基礎代謝が低下してエネルギー消費量も減るということですね。

3. 老化防止の脳トレ

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老化防止の大きな要素として、脳機能の低下防止があります。
とくに記憶力を高めるケアは、積極的に行いたいものですよね。

活性酸素は脳内でも悪さをします。
最近の脳科学においては、疲労感は筋肉内に老廃物が溜まることが原因で起こるのではなくて、脳内の自律神経中枢に活性酸素が溜まることで起こるといわれています。
「飽きる」「集中力がなくなる」というのは、脳内に活性酸素が溜まって起こる感情で、そのまま作業などを続けると疲労するというサイン。

ですから、脳疲労を軽減するためにも、ここで紹介した食生活や運動が効果的なのです。
脳疲労を軽減して脳の老化を防ぐために、記憶のしくみを簡単に解説してから、すぐにできる脳トレをいくつか紹介しましょう。

3-1. 記憶のしくみ

五感で受けた外的刺激が記憶として残るためには、「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」という3つのステップを踏まなければなりません。

感覚記憶は、視覚や聴覚が、眼や耳といった器官で瞬間的に保持され、長くても1~4秒程度で忘れてしまいます。
目で見た物や聴いた音などをすべて記憶しておくことなどできないので、覚えておく必要がないものは瞬時に記憶から消えていくのです。

感覚記憶の中から意識した情報は、五感からの信号を受け取った大脳皮質から海馬という部位に送られて、数秒から数日間保持されます。
これが短期記憶で、最長では1カ月間くらい保持されることもあるといわれています。

短期記憶の中から、さらに選ばれた情報だけが、再び大脳皮質に送られて長期記憶に。
長期記憶は年単位で保持され、生涯忘れない記憶もあります。

長期記憶を保存する容量は無限に近いのに対し、短期記憶はそれほど多く保持できないため、人間は忘れることによって新たな短期記憶を保持する容量を確保していると考えられています。

3-2. 歳をとっても増える脳細胞

「もの忘れ」は老化現象のひとつと考えられてきましたが、人間は忘れることによって記憶力を維持しているのですから、一概にそうとはいえません。
しかし、老化によって抗酸化力や代謝が低下し、脳機能も低下してしまう現象は、多くの人に起こります。

近年、脳老化の研究で、従来の常識を覆す発見がありました。
人間の記憶は、膨大な数の脳神経細胞と、それらがつくる複雑なネットワークに蓄えられていると考えられています。
1000億個以上もの神経細胞からできている人間の脳は、老化によって新たに生まれる神経細胞が減っていき、一定の年齢に達すると増えなくなってしまうというのが、脳科学の分野で100年以上も常識とされてきた考え方でした。

しかし、1998年に、ノーベル賞受賞者を何人も輩出しているアメリカのソーク生物学研究所のフレッド・ゲージ博士らによって、記憶と学習に重要な海馬においては、神経細胞が日常的に生まれているという驚くべき事実が発表されたのです。

この衝撃的な発表の後も海馬の研究は進められ、2018年に米コロンビア大学のモーラ・ボルドリーニ准教授が、「人間は年齢にかかわらず生涯ずっと脳の神経細胞を増やしている」ことを突き止めました。

それではなぜ老化で脳機能が低下するのかというと、年齢にかかわりなく海馬の神経細胞は増えているものの、高齢者は神経細胞の新しいネットワークをつくる能力や、神経細胞に酸素を運ぶ能力が衰えており、これが脳機能を低下させる原因になっているのです。

ですから、脳の血流を改善して活性酸素を減らし、神経細胞のネットワークを積極的に増やすトレーニングをすれば、歳をとっても記憶力が維持できるということなのです。

3-3. すぐにできる脳トレ

老化防止の脳トレは、「検索機能を高める」ことがポイントになります。
記憶のプロセスには、「覚える」「忘れないように定着させる」「思い出す」という3つのステップがあり、「思い出す力」を高めることが検索機能を高めることなのです。

もの忘れは、記憶が消えてしまったのではなくて、検索できなくなっている状態。
だから老化防止には、思い出す力を高める脳トレが効果的なのです。

① プラス刺激と同時に覚える
マッサージいすに座りながら覚えたい本を読む、お風呂で半身浴をしながら英会話の音声を聴くというように、心地よいことや楽しいことなどをしながら記憶するトレーニング。
脳内で心地よい情報が関連付けられて、思い出しやすくなります。

② メモを習慣化する
見たもの聞いたもの、短期記憶していることでも、覚えておきたいことはメモしておきます。
手書きであれば動作が関連付けられるので、より思い出しやすくなりますが、スマホで写真を撮ったり録音したりするだけでも、安心して忘れることができ、短期記憶の容量を確保することができます。

③ 語呂合わせでエピソード化
覚えておきたいことを、七五調にしたり俳句にしたりする脳トレ。
単なる数字や名称でも、画像が浮かぶようなエピソード化をすることによって、記憶に定着し、検索しやすくなります。

④ 想い出の写真を見て連想
スマホに想い出の写真を何枚も入れてアルバムをつくり、それらの写真を見ながらいろいろなことを連想する脳トレ。
脳内に新しいネットワークが生まれることで、思い出す力がアップ、脳機能の活性化につながります。

⑤ 飛び石検索
1日前、3日前、1週間前に、それぞれどのようなことがあったか、ひとつでも多くのことを思い出していきます。
次に、1カ月前、3カ月前、6カ月前にそれぞれどのようなことがあったか、ひとつでも多くのことを思い出していきます。
これも、脳内のネットワークを増やして老化を防ぐ脳トレです。

まとめ

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ここで解説した3ジャンル以外にも、老化防止に効果的なケアはたくさんあります。
たとえば、食生活や運動とともに健康維持に重要な「睡眠」。
睡眠の質を高めることで、活性酸素の酸化ストレスを抑え、自律神経を整えて基礎代謝を高めることができます。

また、健康法として注目されている「腸活」は、「第二の脳」ともいわれる腸内の環境を整えることによって、老化防止に大きな効果が望めます。
ぜひ、それぞれ専門に解説している記事をご覧ください。

 

参考資料
・『栄養の基本がわかる図解事典』 中村丁次 監修  成美堂出版 2015年
・『最新医学で証明された 最高の食事術』 日比野佐和子 著 講談社ビーシー 2018年
・『60代から頭がよくなる本』 高島徹治 著  興陽館 2019年

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