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  2018.08.16



マイナス5歳の肌をつくるエイジングケア-悩み別の正しい対処

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30代後半になると、肌の回復力が落ちてきたことを実感しますよね?

エイジング(老化)は、生きている以上、避けられないものです。
しかし、できることであれば最大限のケアをして、健康を維持したいと思うはずです。

とくに顔は、常に露出していて、周囲の人に与える印象を左右しますから、肌の問題はなんとかして改善したいと思いますよね。

スキンケアの一環として、エイジングケアが提唱されて今に至るまで、美容皮膚科学の分野も進歩を続け、科学的な根拠を明確にしたエイジングケアが次第に確立されてきました。

ここでは、ほとんどの女性が悩みの種とする「シミ」「シワ」「たるみ」「毛穴」という4つの問題に、「クマ」や「クスミ」も加え、悩みの症状別に科学的な根拠をもつ正しいエイジングケアと、目立たなくカバーするメイクのコツを解説します。

目次

1. シワとたるみ
1-1. 乾燥ジワ
1-2. 表情シワ
1-3. 真皮のシワ
1-4. たるみ
1-5. シワをカバーするメイク
1-6. たるみをカバーするメイク

2. シミ
2-1. 老人性色素班
2-2. 肝斑
2-3. 炎症性色素沈着
2-4. シミをカバーするメイク

3. 毛穴
3-1. 詰まり毛穴
3-2. たるみ毛穴
3-3. 毛穴をカバーするメイク

4. クマ
4-1. 青グマ
4-2. 黒グマ
4-3. 茶グマ
4-4. クマをカバーするメイク

5. クスミ
5-1. 角質肥厚によるクスミ
5-2. 乾燥によるクスミ
5-3. 血行不良によるクスミ
5-4. クスミをカバーするメイク

まとめ

1. シワとたるみ

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皮膚を拡大した画像には、細かい溝がたくさんあります。
この溝は「皮溝(ひこう)」と呼ばれ、皮溝に囲まれて盛り上がった部分は「皮丘(ひきゅう)」と呼ばれます。

皮溝には、毛穴の中にある皮脂腺から分泌される皮脂を肌の表面に広げたり、皮膚が伸びたときのゆとり部分という役割があります。
キメの細かい肌とは、浅い皮溝とふっくらした皮丘が規則正しく並んでいる状態です。

「シワ」は、皮膚の老化現象によって皮溝が目立つようになったもので、できる原因や深さによって3つに分類されます。
「たるみ」も、できる原因や改善方法がシワと似ています。

1-1. 乾燥ジワ

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目元や口元は、表情をつくったり言葉を発したりして頻繁に動かします。
しかし、顔の中でほかの部分よりも皮膚が薄く、乾燥しやすくシワになりやすい部位です。

乾燥が原因でできる「乾燥ジワ」は「小ジワ」とも呼ばれ、初期段階であれば肌への水分補給や油分補給で消えることが多いものです。

人間の皮膚は、表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」という3層構造になっており、0.2ミリ程度の厚さである表皮の中でも、もっとも外側に位置する、厚さわずか0.02ミリの薄い膜が「角層」です。

小ジワは、表皮にできた浅いシワです。
しかし放置しておくと、乾燥がひどくなって角層が荒れてしまい、シワは深くなって消すことが難しくなってしまいます。

ですから小ジワ対策には、できるだけ早く、入念な保湿ケアを行うことが必要です。

1-2. 表情シワ

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顔のいろいろな表情によってできるシワが「表情シワ」です。
若い頃には表情を変えればシワも消えますが、加齢とともに消えなくなっていきます。

人間の顔には左右合わせて20数種の筋肉があり、その総称を表情筋と呼びます。
一定の場所だけの表情筋が伸縮を繰り返すと、その場所の真皮のコラーゲンが不均等になって、シワになります。

真皮は1〜3ミリ程度の厚さがあり、コラーゲンという線維が網目状構造をつくり、そのところどころをエラスチンという線維が補強して、すき間をヒアルロン酸などのゼリー状物質が埋めて、肌の弾力を維持しています。

表情筋による圧迫や、コラーゲンが減ることによって真皮の構造が壊されると、シワの原因になるのです。

表情シワも浅いうちは、表情筋のエクササイズやコラーゲンを増やすケアで改善することができます。

表情シワのひとつ、目元のしわ対策については「1日3分!簡単ケアで「目元のしわ」を改善する5つの方法」という記事でもご紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。

1-3. 真皮のシワ

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表情シワは、肌に弾力がある状態であればセルフケアで改善することも可能ですが、老化によって弾力を失ってくると、なかなか消すことが難しくなります。

この状態が放置されると、シワは深くなって「真皮のシワ」に移行します。

ほうれい線や眉間のシワなど、深くなってしまった真皮のシワは、セルフケアで消すことは困難で、クリニックでのボトックス注射やヒアルロン酸注入などが必要とされるケースが多くなります。

シワは、浅いうちに早めのケアで解消することが大切です。

1-4. たるみ

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たるみも、真皮のコラーゲンやエラスチンといった線維が減ったり変形したりし、網目構造が崩れて周辺の皮膚が垂れ下がった状態です。

40代以降はコラーゲンの再生が行われにくくなるので、シワと同様に、コラーゲンの生産を促してやるケアが必要になります。
もっとも効果的なのは、肌の新陳代謝を活性化させることです。

週に1~2回のピーリングで古い角質を除去し、美容成分の浸透がよくなった肌に、コラーゲンを増やす作用があるレチノールを配合した美容液を使いましょう。

肌への刺激が強いと感じる人は、レチノールの代わりに、ビタミンC誘導体かナイアシン(ビタミンB3)の配合された美容液を使ってください。

1-5. シワをカバーするメイク

シワを隠そうとファンデーションを厚塗りすると、余計に目立ってしまいます。
ベースメイクは、薄づきの状態をキープするようにしましょう。

油分の多い化粧品は、時間が経つと化粧崩れを起こすので使わないようにし、フェイスパウダーでさらっと仕上げるのが、シワを目立たなくするコツです。

目尻のシワはパウダータイプのハイライトでカバーし、アイメイクやリップメイクを工夫して他人の視線をシワからそらすのも効果的な方法です。

1-6. たるみをカバーするメイク

たるみをカバーする秘策は、顔に陰影をつけて立体感を出し、上がるラインを強調することです。

二重アゴのような輪郭のたるみは、気になる部分に自分の肌より一段暗めのファンデーションを薄く塗ってから、肌と同じ色のフェイスパウダーを顔全体に軽くたたきます。

たるんだ目元には、パウダータイプのハイライトをのせてから頬の高い位置にチークを入れて、顔全体が上がった印象に仕上げます。

2. シミ

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シミは、紫外線によってメラニンという色素が増えて、皮膚が色素沈着を起こした状態です。

人間の皮膚には、紫外線から肌の内部を保護しようとする機能があります。
紫外線を浴びると、表皮の一番下にある基底層のメラノサイトという細胞に、肌を守れという指令が送られ、メラノサイトはメラニンという色素を生成して肌の内部を守ろうとします。

基底層ではケラチノサイト(表皮細胞)が次々と生み出されており、この表皮細胞はじょじょに外へと押し出されていき、死ぬと角層の角質細胞となって、最後ははがれ落ちて排出されます。

この代謝は、「角化」または「ターンオーバー」と呼ばれ、若い人で約4週間のサイクルになっています。

メラニンも役目を終えると角質細胞と一緒にはがれ落ちるのですが、ターンオーバーが低下していたり、メラノサイトが暴走してメラニン生成を続けてしまったりすると、肌に残って色素沈着という状態を引き起こすのです。

これが、一般的にシミと呼ばれているものの大半を占める「老人性色素班」ができる過程です。
しかし、シミにはこれ以外にも種類があって、タイプによってケア方法が違います。

2-1. 老人性色素班

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老人性色素班は、若くても紫外線をたくさん浴びれば発生しますが、30代以降はできやすくなります。

初期には淡い褐色で、しだいに濃くなって形状がはっきりしてくるのが特徴です。

初期のものは、メラニンの生成を抑制する働きがある美白化粧品で改善する可能性があります。
定着してしまったものは、セルフケアで消すのは困難で、レーザー治療などが必要になります。

シミ治療については「シミ消す6つの美容医療-セルフケアでは消えないシミの対処法」という記事で詳しくご紹介しています。

2-2. 肝斑

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肝斑(かんぱん)は、頬や上唇などに左右対称で現れる褐色のシミで、30代から40代の女性に発生しやすいのが特徴です。

ホルモンバランスの乱れが主な原因とされ、紫外線を浴びると悪化するので、生活習慣の見直しや紫外線対策が必要です。

美白化粧品とピーリングの組み合わせが有効で、内服薬も効果がありますが、レーザー治療は悪化させる可能性があるので不向きです。

2-3. 炎症性色素沈着

日焼けやニキビ、虫刺され、ムダ毛の処理などで肌が炎症を起こし、その痕がシミになったものが炎症性色素沈着です。
間違ったクレンジングやゴシゴシこする洗顔なども、慢性的な炎症の原因になります。

肌の炎症によって活性酸素が多く発生し、メラノサイトを刺激することでメラニンが増えてしまうのです。

美白化粧品によるケアが有効で、ピーリングやビタミンCイオン導入も即効性があります。
ただし、レーザー治療は基本的に効果がないので、治療には半年程度の期間が必要です。

シミにはほかに、イボのように盛り上がってしまった「脂漏性角化症」や、10代に多く見られる「雀卵斑(ソバカス)」などがあります。

2-4. シミをカバーするメイク

シミを目立たなくするメイクには、カバー力の高い固形タイプのコンシーラーを活用しましょう。
肌の色と同じ色を基本とし、シミが濃い場合は、肌よりも一段暗い色を使います。

コンシーラーは油分が多いので、仕上げにフェイスパウダーを重ねます。
コンシーラーもパウダーも、厚塗りにならないように気をつけてください。

3. 毛穴

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毛穴は毛の出口であると同時に、皮脂の出口でもあります。
これは、毛穴の中に皮脂を分泌する皮脂腺があるからで、このために毛穴はニキビの温床となってしまいます。

ニキビは毛穴の内部が炎症を起こしている状態ですが、そこに至らないまでも、毛穴が目立ってくると気になるものです。

毛穴は小さくしたり減らしたりできるものではありませんから、根本から解消することは困難です。
しかし、スキンケアによって毛穴をある程度目立たなくすることは可能です。

毛穴が目立つ要因は、「詰まり」と「開き」の2つです。

3-1. 詰まり毛穴

古くなった角質と皮脂が混ざって、毛穴の出口で詰まったものは「角栓」と呼ばれます。
角栓が酸化すると黒ずみになります。

この症状には遺伝的要因が大きいので、完全に解消することは困難ですが、毎日の洗顔で皮脂をしっかり落としていないことが原因となっている場合もあります。

黒い角栓には、皮脂だけでなくタンパク質まで分解する「酵素洗顔」が有効です。
また、角栓が盛り上がってくるようであれば、「コメドプッシャー」と呼ばれる器具や、はがすタイプの毛穴パックで取り除くことができます。

3-2. たるみ毛穴

肌の弾力が失われてたるみが発生すると、毛穴が開いてしまい、目立つようになります。

この「たるみ毛穴」は、真皮のコラーゲンが減ったり変形したりすることによって起こるものですから、ピーリング+レチノールのたるみケアが有効です。

皮脂の分泌を抑え、コラーゲンを増やす作用があるビタミンC誘導体は、どちらの毛穴ケアにも有効です。
乾燥によって毛穴が開く場合もあり、こちらは保湿ケアを充実させましょう。

3-3. 毛穴をカバーするメイク

毛穴隠し用の化粧下地や、ファンデーションの厚塗りは、時間が経つとかえって毛穴が目立ってきます。

下地やファンデーションは薄く塗って、こまめにメイク直しをするようにしましょう。

仕上げにパール系のフェイスパウダーを使うと、光の拡散効果で肌の凸凹を目立たなくすることができます。

4. クマ

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老け顔や疲れ顔の原因になるクマは、3種類に大別されます。

やはり、タイプによってケア方法が変わりますので、自分のクマがどのタイプなのかチェックすることが大切です。

4-1. 青グマ

目の下の薄い皮膚を通して、淀んだ静脈の血液が透けて見えるのが、「青グマ」です。
目の下の皮膚を少し伸ばすと、薄くなるのが特徴です。

青グマは、血行不良気味の人に多く見られ、寝不足や目の疲れによっても起こります。

ケアには血行促進が必要ですから、運動やツボ刺激で血行を改善しましょう。

4-2. 黒グマ

目の下の皮膚が老化によってたるみ、影をつくっているのが「黒グマ」です。
影なので、顔を上に向けると薄くなることがあります。

ケアには下まぶたのたるみ解消が必要なので、コラーゲンを増やすレチノール配合の美容液などが有効です。

4-3. 茶グマ

目をこする刺激などで色素沈着を起こし、老化による角質肥厚で茶色く見えるのが「茶グマ」です。
シミですから肌を引っ張っても薄くなりません。

茶グマには、シミのケアに用いる美白化粧品やピーリングが効果的です。

4-4. クマをカバーするメイク

黒グマは影なのでメイクでカバーすることはできません。
青グマや茶グマは、カバー力の高い固形タイプのコンシーラーを活用しましょう。

オレンジ系やイエロー系のコントロールカラーもクマのカバーによく使われますが、コントロールカラーは肌への負担が大きいので、肌が弱い人は要注意です。

5. クスミ

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透明感がなくて、沈んで見える肌の状態を「クスミ」といいます。

クスミにもタイプがあるので、肌を明るくしようと美白化粧品を使っただけでは、改善しない場合があります。

5-1. 角質肥厚によるクスミ

角質肥厚とは、老化によってターンオーバーが遅くなり、古い角質が溜まって厚くなる状態です。
角質とともにメラニンも蓄積するので、肌がどんよりとくすんで見えます。

肌が硬くなってゴワゴワした感じが特徴。
古い角質をピーリングや酵素洗顔で取り除くケアが最適です。

角質肥厚は、大人ニキビの原因にもなります。
思春期のニキビは、過剰な皮脂の分泌によって毛穴に皮脂がたまり、炎症を起こすものです。

しかし、皮脂の分泌が減ってくる30代以降にできる大人ニキビは、毛穴の出口付近の角質肥厚によって毛穴がふさがり、皮脂が中に溜まってしまうことによって発生します。

角質肥厚は放置しないで、早めのケアで解消しましょう。

5-2. 乾燥によるクスミ

乾燥によって、はがれ落ちる前の角質が毛羽立ってしまい、その影でくすんで見えることもあります。

セラミドを配合した美容液で、角層に水分を補給する保湿ケアが効果的です。

セラミドは、角層で水分を保持している物質です。
角層は、角質細胞が何層にもレンガのように重なり、その間を細胞間脂質が埋めていて、細胞間脂質の半分を占めているのがセラミドです。

人間の皮膚からは、常に体内の水分が蒸発しています。
蒸発しようとする水分を角層でつなぎとめて、肌のうるおいを保っているのがセラミドなのです。

セラミドは水に溶けないので、化粧水よりも美容液に配合しやすい成分です。

5-3. 血行不良によるクスミ

睡眠不足やストレスによる血行不良で、肌が青黒くなっているクスミもあります。
これは、一般的に「顔色が悪い」という状態です。

血行不良は、適度な運動と体を温める食事、ツボ刺激やマッサージで解消しましょう。

5-4. クスミをカバーするメイク

顔色をよく見せようと、ムリに明るい色のファンデーションを使うと、顔が浮いてしまいます。

ファンデーションはカバーするものではなくて、自分本来の肌の色を活かすものとして薄く塗り、光を反射させるハイライトや血色をよく見せるチークを活用しましょう。

角質肥厚には朝のメイク前にピーリング、乾燥によるクスミには油分を抑えて水分を多めに仕上げるメイク、血行不良によるクスミにはメイク前のマッサージが効果的です。

まとめ

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悩み別のエイジングケアをあらためて考えると、肌のエイジングにおける大きな要因は、乾燥、コラーゲンの減少、メラニンの増加という3つにあることがわかります。

マイナス5歳の肌づくりには、角層のしくみを理解した正しい保湿ケア、ターンオーバーの活性化を中心とするコラーゲンを増やすケア、メラニンの生成を抑えるUVケアと美白ケアが欠かせないということです。

エイジングケアは、いつからはじめるべきなのでしょうか。

美容界では、30代後半をエイジング適齢期と設定して、様々なエイジングケア化粧品が開発されています。

30代になったら、自分の肌の状態をしっかりと把握し、早めのエイジングケアを心がけましょう。

10年後の肌を変えるエイジングケアとは-12の疑問を解消する」の記事もぜひ参考にしてみてください。

【参考資料】
・『最新版 肌美人になるスキンケアの基本』 学研パブリッシング 2014年
・『正しいエイジングケア事典』 高橋書店 2012年

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