アラフォー世代でも、化粧崩れに困っているという女性は多いですよね?
10代20代の頃は皮脂の分泌量が多いために、朝にしっかりメイクをのせた肌も、午後3時くらいになるとドロドロ状態という女性も多かったはずです。
とくに夏は、化粧崩れが悩みの種になっていましたよね。
女性は加齢とともに皮脂の分泌量が減少しますから、30代40代と年齢を重ねるにしたがい、化粧崩れも減ってくるものです。
ところが、30代40代になっても化粧崩れに悩んでいる女性は多いのです。
なぜかといえば、化粧崩れの原因が過剰な皮脂だけではないからです。
ここでは、大人の女性の化粧崩れの原因を解説し、大人の上品さをキープできるナチュラルメイクを紹介します。
目次
1. 化粧崩れしない大人のメイクとは?
1-1. 若いときのメイクを引きずらない
1-2. 大人のメイクは30%のせで!
1-3. シーンに合わせて自分を演出する
2. 上品さをキープするナチュラルメイク
2-1. 朝のスキンケア
2-1-1. 保湿美容液
2-1-2. アンチエイジング美容液
2-2. ベースメイク
2-2-1. 下地
2-2-2. リキッドファンデーション
2-2-3. コンシーラー
2-2-4. フェイスパウダー
2-3. アイメイク
2-3-1. アイシャドウ
2-3-2. アイライン
2-3-3. マスカラ
2-3-4. 眉の描き方
2-4. チーク
2-5. リップ
2-6. バランスチェック
2-7. メイク直し
1. 化粧崩れしない大人のメイクとは?
「化粧崩れ」は、「ニキビ」と発生する状況が似ています。
思春期のニキビは皮脂の過剰な分泌が原因ですが、アラフォー世代になってもニキビはできます。
「大人のニキビ」と呼ばれるこうしたニキビは、皮脂の分泌が減っていても発症します。
毛穴に皮脂が溜まって炎症を起こすことに変わりはないものの、大人のニキビの多くは、毛穴の出口付近の角質が厚くなってフタをしてしまうことに原因があります。
加齢によって肌の質が変わるので、若い頃とは違う原因でニキビが発症するのです。
化粧崩れも同様で、皮脂の分泌が減ってきても、違う原因で起こるのです。
その主な原因とは、肌の保湿能力が落ちて乾燥すること、肌がハリや弾力を失ってきてシワやたるみができること、代謝が低下して角質が蓄積してしまうことなどにより、メイクが肌に密着しにくくなることなのです。
化粧ノリが悪くなったと感じている人も、同じような原因を抱えている人が多いはずです。
そうした要因を解消するメイクとはどのようなものか、3つのポイントから解説しましょう。
1-1. 若いときのメイクを引きずらない
メイクに対する考え方は、なかなか変えられないものです。
メイクを覚えて自分のスタイルをつくり上げた青春時代のメイクを変えられないまま、年齢を重ねている女性が多いといわれます。
山口小夜子さんがモデルとして世界で活躍し、日本の美が注目された1970年代後半。
キャリアウーマンブームが到来し、サーファースタイルやDCブランドなどファッションが多様化した1980年代中期まで。
ワンレン、ボディコンに象徴される1980年代後期から1990年代初期のバブル期。
細眉、茶髪ブームが到来して、クールビューティーが人気となった1990年代後期から2000年代初期。
それぞれの時代に20代を過ごした女性が、30代40代になってもその時代の特徴的なメイクを引きずってしまっているケースが多いのです。
20代の頃とは肌の状態が違うのですから、同じ考え方でメイクをすればノリは悪くなりますし、化粧崩れも起こしやすくなります。
30代になった頃に肌の変化と時代の空気を感じて、自分のメイクを軌道修正できるタイプの人は、その後も年齢や時代とともにメイクを変化させていくことができます。
そうできずに年齢を重ねてしまった人は、今こそ思い切って「大人のメイク」を身につけてください。
時代とともに進化したメイクを受け入れて、新しい自分を楽しめばよいのです。
1-2. 大人のメイクは30%のせで!
若い美しさと、大人の美しさを際立たせるメイクは違います。
大人の魅力を引き出すメイクの盛り方は、化粧崩れしにくい30%のせといわれます。
・眉を描いてリップクリーム程度の「ほぼスッピン」
・日焼け止め入りのクリームに、眉と唇だけは描いて、ご近所を歩ける程度の「10%のせ」
・10%に目力を少し強調、唇も色味をのせて、人前でも安心の身だしなみメイク「20%のせ」
・20%からアイシャドウの色味を変え、口元の輪郭を描いた、お出かけメイクの「30%のせ」
・美容関係者や接客業などのプロフェッショナルが、仕事のスタイルに合わせた「40%のせ」
・つけまつげやエクステなどで盛り込む、若づくりメイクの「50%のせ」
30%のせは、普段はほぼスッピンの人にとっての、マックスメイクになります。
日常的にメイクをする人から見ると物足りなさを感じるかもしれませんが、大人の上品メイクは化粧崩れもしにくい30%のせで十分なのです。
今は、一時期流行した、肌を均一に塗ったり、目力を強調したりする「盛りメイク」から、肩の力が抜けた「ナチュラルメイク」へと主流が移っています。
1-3. シーンに合わせて自分を演出する
メイクにバリエーションをもつことは、大人の女性にとって必要なことです。
オフィス、友人との会食、子どもの学校の行事、パーティーや同窓会と、シーンに合わせて着る服を変えるように、メイクもいくつかのバリエーションをもっていたいものです。
同じ30%のせにしても、ベースメイクをアレンジするだけで違う自分を演出できます。
例を3パターンあげておきますので、自分のライフスタイルに合わせて少しずつ変化を出してみましょう。
・パーティーなどで肌の露出の多い服を着るときにマッチする艶やかな「フェミニンパターン」は、リキッドファンデーションの艶にスティックハイライトで立体感をプラスします。
・会議やプレゼン、子どもの学校行事などでさらっと知性を匂わせることができる「マニッシュパターン」は、パウダーファンデーションでセミマットな肌に。
・オフィスワークや家族と過ごす休日などにマッチする、カジュアルでやわらかな印象の「リラックスパターン」は、錬り状のエマルジョンファンデーションでライトな艶肌を。
どのパターンも、保湿美容液、下地、ファンデーションなどを塗りすぎず、薄づきで肌になじませることが、化粧崩れを防ぐコツです。
2. 上品さをキープするナチュラルメイク
ナチュラルメイクは次の4ステップが基本になります。
・朝のスキンケアは美容液などをつけすぎず、肌がうるおう程度に抑える。
・ベースはリキッドファンデーションやBBクリームでさらっと仕上げる。
・シミやクスミなどの気になる部分だけをコンシーラーでカバーする。
・眉、アイライン、リップラインなどを軽く際立たせてメリハリを出す。
2-1. 朝のスキンケア
朝のスキンケアはベースメイクの一部と考えましょう。
洗顔を済ませたら、保湿ケアをして肌のコンディションを整えます。
メイク前に肌にうるおいをしっかり与えることで、ベースメイクのノリが断然よくなって、化粧崩れも防ぐことができます。
2-1-1. 保湿美容液
従来の保湿ケアは、保湿化粧水をたっぷりつけて、蒸発を防ぐために乳液やクリームでフタをするというスタイルでした。
しかし、今の時代の主流となっているシンプルスキンケアでは、油分でフタをすることは毛穴の汚れを助長することになるので、通常は化粧水と美容液だけで済ませます。
水分も油分も少ない乾燥肌の場合は、クリームやオイルを少量使って油分を補います。
保湿化粧水は、たっぷり塗っても肌から蒸発してしまい、そのときに肌の水分まで蒸発させてしまうので、使いすぎないことが大切です。
化粧水はほとんどが水ですから、保湿成分が肌に浸透することはほとんどありません。
ですから、保湿ケアの主流は保湿美容液になっています。
スキンケアの基本アイテムとして、自分の肌に合った保湿美容液を常用しましょう。
保湿ケアはスキンケアの要であり、ベースメイクのさらに基礎ですから、美容液の選択をケチってはいけません。
しかし、美容液の保湿成分も浸透する量は限られていますから、つけすぎず、しっとりなじむ程度に抑えます。
保湿美容液については「保湿美容液でシンプルスキンケア-化粧水が必要ない6つの理由」の記事でも取り上げていますのでこちらもぜひご覧ください。
2-1-2. アンチエイジング美容液
アラフォー世代以上になると、保湿と同時にアンチエイジングもスキンケアの大事な要素となっていきます。
抗酸化作用の高いアンチエイジング美容液や、メラニンの生成を抑制する美白美容液は、保湿美容液の上に重ねますが、これもたっぷりつけすぎないことが重要です。
保湿成分として代表的なセラミドは脂溶性ですから、水がベースの化粧水には溶けにくいので、美容液に配合されたものが保湿に適しています。
しかし、抗酸化作用の高いビタミンCは水溶性なので、吸収率を高めたビタミンC誘導体が配合された化粧水でも、アンチエイジング効果を得ることができます。
厚塗りを避けるためには、エイジングケア化粧水を効果的に使うのもよいでしょう。
2-2. ベースメイク
ベースメイクは「肌づくり」ですから、ナチュラルメイクの中でもっとも重要な工程です。
シーンに応じたアレンジをするにしても、すべてのパターンに共通なのは、「元気そうな顔」をつくることです。
2-2-1. 下地クリーム
年齢を重ねた大人の肌は、どうしても毛穴や色ムラが目立ってきます。
ですから下地でうまく処理しないと、疲れた印象を残してしまいます。
下地はUV効果にこだわるよりも、カバー力に重点をおいて選びましょう。
肌を色で覆わずに、光の効果でカバーする透明タイプを使えば、透けるような素肌を演出できます。
保湿効果の高いマルチタイプのBBクリームもおすすめです。
ファンデーションを使わずにすむ日は、BBクリームだけでベースメイクが完成します。
下地クリームもBBクリームも極薄塗りにします。
2-2-2. ファンデーション
ファンデーションは、薄づきでカバー力もある程度高いリキッドタイプが、大人メイクの主流です。
シーンによって、パウダリーファンデーションやエマルジョンタイプを使い分けましょう。
いずれも、下地を極薄仕上げした肌に、薄づきで仕上げることが化粧崩れを防ぐコツです。
ファンデ―ションでカバーするという発想を捨てて、肌の上に1枚の薄い美肌をつくるイメージをもってください。
ファンデーションでシミやクスミをカバーしようとすると、厚塗りになってしまいます。
頬の部分を中心にのせて、ほかの部分は極薄塗りにすることによって、立体感も出せます。
色は、首と顔の境目に塗って目立たないものを選びましょう。
ファンデーションについては「乾燥肌に合うファンデーション-4タイプの特徴と正しい使い方」という記事もぜひご参考にしてみてください。
2-2-3. コンシーラー
リキッドファンデーションを塗っても目立つシミ、クスミ、クマなどの色ムラは、コンシーラーでピンポイントカバーします。
やわらかめのスティックコンシーラーは、手間がかからずに小ジワやキメの粗さなどを広範囲でもカバー可能です。
色は、ファンデーションと近いもので選んでください。
下地、リキッドファンデーション、コンシーラーを肌に薄く均一になじませて密着性を高めるためには、リキッドファンデーション用のスポンジが必需品です。
2-2-4. フェイスパウダー
ベースメイクの仕上げは、肌をキメ細かく見せて毛穴もカバーできるフェイスパウダーをなじませます。
これも極薄でふわっとなじませないと、せっかくつくった肌がマットになってしまいますから、顔全体をブラシでなじませ、テカりやすいTゾーンだけ付属のパフで押さえます。
2-3. アイメイク
若い頃の目元をつくろうとすると、ボリュームを出しすぎてメイクが浮いてしまいます。
今の自分の目元をよく見て、ナチュラルなアイメイクを心がけましょう。
目力を強調しようと、アイラインや締め色のシャドウを太くしても、大人のまぶたには隠れてしまいます。
ベージュ系で深みを出し、時間が経ってもくすまない目元に仕上げましょう。
2-3-1. アイシャドウ
重くなっている大人のまぶたに、ダークカラーをのせると目が窪んで見えてしまいます。
ベージュピンクや控えめなゴールド系を2~3色使って、グラデーション塗りによる奥行きを出すのが基本です。
大切なポイントは、肌の色より少し明るめの色のクリームシャドウで下地をつくり、肌への密着度やハリ感を高めることです。
その上にアイシャドウブラシで、パウダーシャドウをふわっとのせてから、チップで上から下へのグラデーション塗りをして立体感を出してください。
シーンよるアレンジには、濃いピンクや艶のあるブルーのアイシャドウを控えめに使います。
2-3-2. アイライン
今のアイラインの主流は、自然な目力を強調するあっさり仕上げです。
まず、肌になじむブラウンのペンシルアイライナーでラインを引きます。
ラインの外側を綿棒でぼかしてから、黒いリキッドアイライナーで引き締めます。
目尻のラインは2~3ミリ外にのばし、下側を綿棒でぼかすとリフトアップ効果が望めます。
2-3-3. マスカラ
大人が目元にボリュームタイプのマスカラを使うと、まつ毛が重くなって目が垂れた印象になります。
ボリュームよりも長さをプラスしましょう。
セパレート系のシリコーン素材ブラシは、まつ毛がくっつきにくいので使いやすいアイテムです。
コツは、まつ毛の根元に液をたっぷりつけてブラシを左右に数回動かし、生え際をしっかり固定することで、まつ毛がまばらでもフサフサ感をだすことが可能です。
下まつ毛は、ブラシの先端を使ってさらっと軽く仕上げます。
2-3-4. 眉の描き方
大人メイクの眉は、毛が生えてこない部分のケアが必要になります。
アイブロウパウダーで全体のシルエットをつくってから、毛の足りない部分はペンシルで描き足します。
眉毛の流れにそって、1本1本繊細なラインを引いていきましょう。
やや太めのイキイキとした眉は、顔全体を引き締めて、目元の立体感を浮かび上がらせます。
2-4. チーク
大人のチークは、ふわっと広範囲にぼかして、やさしい印象をつくるのがコツです。
範囲の目安は、ニコッと笑ったときに頬が上がる部分です。
大きめのチークブラシとライトピンクのパウダーチークは、誰にでも使いやすいアイテムです。
ライトベージュのチークは、クールなイメージをつくりたいときに向いています。
とくに化粧崩れを意識するのであれば、薄づきの錬り状チークもおすすめです。
2-5. リップ
大人世代の唇は輪郭がぼやけてしまうので、リップグロスをひと塗りするだけでは血色やふっくら感を補うことができません。
ベージュピンクやコーラルピンクが肌なじみのよい色として知られますが、自分の定番となる1本を見つけましょう。
スティックで輪郭をとりながら上唇~下唇と塗ったら、軽く上下を合わせてなじませてから、指先で中央部分の輪郭だけを少しぼかします。
ほんのりと艶が出るくらいのナチュラル感が基本ですが、深い赤でエレガントさを演出したり、ピュアレッドでかわいい雰囲気を出すアレンジももっておきましょう。
2-6. バランスチェック
最後に、顔を引いたり角度を変えたりして鏡をよく見たら、さらに姿見で服とのバランスを確認します。
小さな鏡や暗い場所でメイクをしていると、外出してから「こんなはずじゃなかった」ということになりかねません。
メイクする環境は整えておきたいものです。
拡大鏡があれば、アイラインなども楽に正確な線を引くことができます。
「寄り」と「引き」の両環境があれば、スムーズなメイクができるでしょう。
2-7. メイク直し
大人世代は、大きなポーチにメイク直し用のアイテムをたくさん詰め込むのではなく、できるだけ小さなポーチに最低限必要なアイテムだけを常備します。
ポーチに最低限入れておきたいアイテムは4つ。
・ ベースメイクの薄れた部分をカバーするスティックコンシーラー
・ 薄れやすいアイラインを補完するアイライナー
・ パウダーとリキッドが使えるダブルタイプのアイブロウ
・ 血色を戻すクリームタイプのチーク&リップ
唇のツヤを出すリップクリームとしても使える保湿バームも、重宝するアイテムです。
化粧崩れしにくいナチュラルメイクをしているのですから、一から塗り直す用意は必要ありません。
まとめ
化粧崩れしにくい大人のメイクには、スキンケアがとても重要な位置を占めます。
化粧ノリのよい肌を維持するためには、クレンジングと洗顔にも気配りが必要。
間違ったクレンジングと洗顔は、肌を傷める最大の要因となります。
クレンジングは、洗い流せるクリームタイプや、白く乳化したジェルタイプが、肌に比較的やさしい成分配合になっています。
洗顔料は、余計な添加物が少なくて、自分の肌に合った洗浄力が選びやすい固形タイプの石けんがおすすめです。
どちらも、肌をこすらないことが重要です。
ナチュラルな薄づきメイクは、正しいデイリースキンケアによって密着性が高まります。
【参考資料】
・『大人の上品ヘア&メイク事典』 世界文化社 2015年
・『大人のMake Book』 ワニブックス 2016年