「肌美精」を使ってみて、リピーターになったという人は多いですよね?
「肌美精」は、クラシエホームプロダクツ株式会社が販売する基礎化粧品とシートマスクのブランド名です。
1997年2月に、「妖精のように、いつまでも美しく、透き通るような肌を実現したい」というコンセプトで発売され、20年間にわたって多くの女性から支持を得ているヒットシリーズです。
人気の理由は、幅白いラインナップのトータルスキンケアブランドであることと、なんといってもリーズナブルな価格でありながら、確かな品質を保持していることです。
「肌美精」は20年間に、次々とニューアイテムを追加してラインナップを刷新してきました。
現在は、基礎化粧品4シリーズと、シートマスク5シリーズを展開しています。
ここでは、現在販売されている「肌美精」のラインナップを総ざらいして、それぞれのアイテムの特徴や効果をわかりやすく解説します。
目次
1. 基礎化粧品
1-1. ターニングケアシリーズ
1-1-1. ターニングケア保湿
1-1-2. ターニングケア美白
1-2. リンクルケアシリーズ
1-3. 大人のニキビ対策シリーズ
1-4. シンプルケアシリーズ
2. シートマスク
2-1. うるおい浸透マスクシリーズ
2-2. 超浸透3Dマスクシリーズ
2-3. ビューティーケアマスクシリーズ
2-4. モイスト美容液マスクシリーズ
2-5. デイリーモイスチュアマスクシリーズ
1. 基礎化粧品
肌美精の基礎化粧品ラインナップは、「ターニングケア」「リンクルケア」「大人のニキビ対策」「シンプルケア」の4シリーズです。
「厳選された美容成分と浸透テクノロジーで、使えば使うほど、肌の変化をやわらげ健康的な美肌へとはぐくむ」ことをコンセプトとしています。
すべて無香料、無着色であることも、人気の要因です。
1-1. ターニングケアシリーズ
肌がうるおい不足を起こしているときや、角質層の水分や油分のバランスが乱れたときに、「うるおいケア」と「基礎バランスケア」を同時に行うのが、ターニングケアシリーズです。
肌は、「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造でできていて、厚さ0.2ミリほどである表皮の一番外側にあるのが「角層(角質層)」と呼ばれる薄い層です。
角質層の厚さはわずか0.02ミリと、ラップ1枚程度の厚さしかありませんが、角質細胞が何層にもレンガのように重なり、その間を細胞間脂質が埋めて、外部からの異物侵入を防ぎ、肌から蒸発する水分をつなぎとめる、バリアのような役割を担っています。
角質層で水分をつなぎとめて、肌のうるおいを保っているのは、細胞間脂質の約半分ほどを占める「セラミド」という物質です。
角質層はデリケートなので、傷つくとセラミドが減ってしまい、肌はうるおいを失っていきます。
さらに、毛穴にある皮脂腺から分泌される皮脂は、角質層の表面に広がって皮脂膜をつくり、天然のクリームとしてうるおいを保つ手助けをしています。
角質層の水分と油分が不足すると、「乾燥肌」になってしまい、油分が増えると「脂性肌」や、ニキビの原因になります。
肌の構造や角質層については「肌を綺麗にするスキンケアと生活習慣-美肌をつくる12のルール」の記事の中でも詳しくご紹介していますので、ご覧ください。
季節の変化や肌の乾燥などが原因となって、こうした肌トラブルを招く前に、保湿成分を補給し、乱れた肌のバランスを整えて肌のキメ、ハリ、透明感を取り戻すのが、ターニングケアシリーズの目的です。
ターニングケアシリーズには、「保湿シリーズ」と「美白シリーズ」の2ラインがあります。
1-1-1. ターニングケア保湿
「ターニングケア保湿シリーズ」は、「しっとり化粧水」「しっとり乳液」「しっとりオールインワンジェル」の3アイテムに、「潤濃ターニングケア保湿」アイテムとして、「とてもしっとり化粧水」を加えた4アイテムです。
セラミドを含有するゆずのエキスや、栄養豊富な米ぬかエキスを中心としたうるおい成分、保湿効果や代謝活性効果があるアミノ酸を多く含む真珠エキス、抗酸化作用が高いポリフェノールの大豆イソフラボンなどの整肌成分を併せた、すべて植物由来の成分が配合されています。
化粧水、乳液、オールインワンジェルとフルラインナップで使う方法もありますが、化粧水、乳液、美容液、クリーム、パックという5つの機能を凝縮したというオールインワンジェルは、これひとつで保湿ケアができるという、他メーカーでいうところの美容液的な存在です。
1-1-2. ターニングケア美白
「ターニングケア美白シリーズ」は、保湿シリーズの要素に加え、美白有効成分としてトラネキサム酸を配合し、医薬部外品として販売されています。
医薬部外品とは、いわゆる薬機法において規定されている「医薬品」と「化粧品」の中間に位置する分類です。
医薬部外品は「有効成分」を表示して効能をうたえますが、「化粧品」は有効成分という表示や効能をうたうことはできません。
また、医薬部外品には指定成分量の制限がありますが、化粧品にはそれがないので、効能をうたいたい場合は医薬部外品、成分の配合量をうたいたいものは化粧品という分類で販売されるケースが多く、どちらの効果が高いかということではありません。
美白成分とは、紫外線を浴びたときに肌の内部を保護しようとして表皮でつくられるメラニンという色素の生成を抑える働きをもつ成分です。
役目を終えたメラニンは、通常は古くなった角質細胞と一緒に肌からはがれ落ちてなくなりますが、何らかの理由によって蓄積してしまうと、色素沈着を起こしてシミの原因になります。
ターニングケア美白シリーズも、「薬用美白化粧水」「薬用美白乳液」「薬用オールインワンジェル」という構成で、美容液的な存在であるオールインワンジェルひとつで済ませることも可能です。
1-2. リンクルケアシリーズ
「リンクル」とは顔の小じわのことで、乾燥によって目元や口元にできる小じわの改善に特化したのが、「リンクルケアシリーズ」です。
加齢によってできるシワは、真皮のヒアルロン酸というセラミドのような保水物質が減ることによって、コラーゲンやエラスチンという繊維が弾力を失うことが主な原因ですが、小じわは、肌の乾燥によって水分を失うことが原因です。
「ビタミンA」の別名である「レチノール」は、保湿作用が高いのですが、そのままだと肌に浸透しにくいので、ヤシ油などに含まれているパルミチン酸を結合させて浸透力を高めた「レチノール誘導体」が使われています。
このレチノール誘導体に、ローヤルゼリーと、シソ科植物のコガネバナの根から抽出されたオウゴンエキスを配合した「ゴールドレチノールEx」は、高い保湿力を発揮します。
ラインナップは、「パッククリーム」「ミスト美容液」「濃密潤い美容液」「ジェリーオイル」と、シートマスクに成分を染み込ませた「目もと集中うるおいマスク」「デイリー美容液マスク」「オールインワンマスク」「3Dマスク」です。
中でも「濃密潤い美容液」は、ゴールドレチノールExに加え、コラーゲン、ヒアルロン酸、植物性セラミド、植物性プラセンタという4つの保湿成分と、11の天然植物成分を高濃度で配合した人気の美容液で、そのコストパフォーマンスの高さから、人気美容液ランキングの常連となっています。
1-3. 大人のニキビ対策シリーズ
「大人のニキビ対策シリーズ」は、大人のニキビケアを目的としたシリーズです。
思春期のニキビは、皮脂過多によって毛穴の中に皮脂がつまり、それを栄養とするアクネ菌という常在菌が異常繁殖して、白血球が闘うことで炎症が起こります。
大人のニキビは、皮脂過多が原因ではなく、毛穴周辺の角質が厚くなる「角質肥厚」によって皮脂が毛穴にとじこめられてしまうことが原因です。
角質肥厚を引き起こす要因は、不規則な生活、ストレス過多、ホルモンバランスの乱れなど様々なものが絡み合っているといわれます。
大人ニキビが出来る原因については「乾燥肌のニキビを改善する5つのケア-大人ニキビの原因と対策」という記事でも詳しくご紹介していますので、ご参考にしてください。
「大人のニキビ対策シリーズ」は、殺菌成分、消炎成分、保湿成分、美白成分、整肌成分に加え、角質を柔らかくする成分や古い角質を取り除く成分が配合されています。
ラインナップはすべて医薬部外品で、「薬用洗顔料」「薬用美白化粧水」「薬用美白クリーム」「薬用集中保湿&美白マスク」という4アイテムと、トライアルセットがあります。
1-4. シンプルケアシリーズ
「シンプルケアシリーズ」は、成分の浸透力を高める「導入化粧水」と、保湿、美白、肌・毛穴ケア、リフトケア、ハリ弾力という5つの効果をまとめた「パーフェクトゲルオールインワン」の2アイテムで完結するオールインワンケアのために開発されました。
「導入化粧水」は、ピーリング剤に使用される「mixフルーツ酸」を配合して、角層をやわらかくすることによって、オールインワンゲルの浸透を高める状態をつくります。
「肌美精」の宣伝や解説には、「角質層の奥深くまで浸透させる」という表現が使われています。
ほかの商品では、「肌の奥まで浸透」という表現をしているものもありますが、化粧品や薬用化粧品が浸透してよいのは角質層までと、いわゆる薬機法に定められていますから、「肌美精」の浸透力がほかの化粧品に劣るわけではありません。
浸透力とはいっても0.02ミリの厚さしかない角質層の範囲なのですが、一時的に成分がバリアを通り抜けなければいけないので、様々な技術が研究されているのです。
5つの効果を凝縮した「パーフェクトゲルオールインワン」は、化粧水、乳液、美容液、クリーム、パックの5アイテムをひとつにまとめ、無香料、無着色、無鉱物油、パラベン(防腐剤)フリー、アルコール(エタノールフリー)という5つのフリーを実現しています。
2. シートマスク
「肌美精」は、フェイスマスクのラインナップも充実しています。
特定の成分を染み込ませたものと、オールインワン的な位置づけのものまで各種揃っているので、目的に合わせて選ぶことができるのが人気の大きな理由です。
基礎化粧品同様に、すべて無香料、無着色であることと、コストパフォーマンスの高さも見逃せません。
2-1. うるおい浸透マスクシリーズ
「うるおい浸透マスクシリーズ」は、目的別に特化した美容液をたっぷり染み込ませたベーシックタイプのマスクです。
ラインナップは4アイテムで、すべて5枚セットです。
2-1-1. 「超しっとり」
急いで保湿ケアをしたいという人向けに、フルーツ酸を有するレモンエキスで角質をやわらかくし、ヒアルロン酸やローヤルゼリーで保湿効果を高めてあります。
2-1-2. 「深層美白」
美白効果を求める人向けに、フルーツ酸を有するレモンエキスに加え、水溶性のビタミンCの吸収力を高めたビタミンC誘導体を配合し、コラーゲンで保湿効果を高めてあります。
医薬部外品になっています。
2-1-3. 「ひきしめ」
毛穴の開きが目立つという人向けに、肌の引き締め成分として天然熟成温泉ミネラルを配合し、保湿成分としてセラミドやアミノ酸が加えられています。
シートは、炭成分を練り込んで密着性を高めてあります。
2-1-4. 「アクネ」
大人のニキビ予防や、ニキビ痕ケアを目的として、フルーツ酸を有するレモンエキスに加え、消炎成分のグリチルリチン酸2kを配合し、ビタミンC誘導体による美白効果と、うるおい成分の緑茶エキスを配合しています。医薬部外品で、シートは顎まで覆える大判になっています。
2-2. 超浸透3Dマスクシリーズ
「超浸透3Dマスクシリーズ」は、高密度の立体形状マスクを使用して、濃厚なゼリー美容液をたっぷり染み込ませてあります。
マスクの密閉効果と、フルーツ酸含有レモンエキスの角質柔軟効果によって、角質層への成分の浸透を高めています。
ラインナップは3アイテムで、すべて4枚セットです。
2-2-1. 「エイジングケア(保湿)」
ハリやツヤのある透明肌を求める人向けに、コラーゲンをたっぷり配合してあります。
2-2-2. 「エイジングケア(美白)」
コラーゲンやローヤルゼリーの保湿成分に加え、美白効果を求める人向けに、高純度のビタミンC誘導体が配合されています。
医薬部外品になります。
2-2-3. 「超もっちり」
保湿目的でも、こちらはヒアルロン酸を主成分にして、使用後の肌のやわらかさを重視しています。
2-3. ビューティーケアマスクシリーズ
「ビューティーケアマスクシリーズ」は、長時間のメイクで受けた肌のダメージをケアすることが目的です。
夜の洗顔後に、プラスワンアイテムとして使用します。
ラインナップは2アイテムで、3枚セットになります。
2-3-1. 「ビューティーケアマスク(保湿)」
長時間のメイクで水分と油分を失って乾燥した肌に、コラーゲンとヒアルロン酸をたっぷり与えて保湿し、ビルベリー葉エキスでバランスを整えます。
2-3-2. 「ビューティーケアマスク(ニキビ)」
長時間のメイクでニキビが気になる人向けに、殺菌成分のサリチル酸、消炎成分のグリチルリチン酸2k、毛穴引き締め成分の緑茶エキスを配合してあります。
2-4. モイスト美容液マスクシリーズ
「モイスト美容液マスクシリーズ」は、とくに敏感肌と乾燥肌が気になる人向けに開発されました。
無香料、無着色、無鉱物油、パラベン(防腐剤)フリー、アルコール(エタノールフリー)に加え、肌への刺激が強いシリコンと界面活性剤もフリーとし、機能低下している角質層のバリア機能をサポートするセラミドなどの成分も配合されています。
ラインナップは2アイテムで、肌にやさしいワッフルシートを使用した4枚セットです。
2-4-1. 「モイスト美容液マスク(高保湿)」
保湿成分にヒアルロン酸、整肌成分に海洋由来のプラセンタエキスを配合して、もっちり感のあるうるおい肌をつくります。
2-4-2.「モイスト美容液マスク(キメ透明感)」
キメの細かい肌をサポートする成分として大豆イソフラボン、透明感のある肌をサポートする成分としてハトムギエキスを配合し、キメの整った明るい肌をつくります。
2-5. デイリーモイスチュアマスクシリーズ
「デイリーモイスチュアシリーズ」は、1枚に化粧水、乳液、美容液、マスクという4役を凝縮したマスクで、コンパクトなボックスに31枚入りで実売価格は1000円以下という、コストパフォーマンスの非常に高いシートマスクです。
気軽にデイリー使いできるオールインワンタイプとして人気がありますが、内容に手抜きはなく、しっかりとした厚みを感じるシートに美容液がたっぷり染み込ませてあります。
ラインナップは2アイテムで、どちらも保湿成分として、ローヤルゼリー以外はすべて植物由来の大豆イソフラボン、アロエベラ葉エキス、オウゴン根エキスなど、30種もの成分が配合されています。
2-5-1. 「デイリーモイスチュアマスク(うるおい)」
30種の保湿成分に加え、コラーゲンとヒアルロン酸、オリーブオイルなどの美容オイルまで配合した保湿成分の宝庫です。
もっちり感のあるうるおい肌へと導きます。
2-5-2. 「デイリーモイスチュアマスク(キメ透明感)」
30種の保湿成分に加え、角質層をやわらかくするMixフルーツ酸、抗酸化作用の高いビタミンC誘導体、肌の透明感をサポートするハトムギエキスが配合されています。
まとめ
これが、現在販売されている「肌美精」の全アイテムです。
豊富なラインナップではありますが、目的や症状別に応じて、選びやすい構成になっていることがおわかりいただけましたでしょうか。
シンプルスキンケアが主流となった昨今は、化粧水や乳液をやめて、ちょっと高価な美容液をデイリースキンケアの基本とする女性が増えています。
「肌美精」の場合は、オールインワンタイプのジェルや、美容液を購入してもリーズナブルです。
シンプルスキンケアシリーズかターニングケアシリーズのオールインワンジェルを基本の1本として、あとは肌の状態に応じてリンクルケアの美容液や、シートマスクをプラスするというスタイルはいかがでしょうか。
「肌美精」にはラインナップされていませんが、スキンケアには洗顔料とクレンジング剤が肌に与える負担を重視しなければいけませんから、肌への刺激をできるだけ少なく済ませる方法を考えましょう。
【参考資料】
・『いちばん正しいスキンケアの教科書』 西東社 2014年
・『今さら聞けない スキンケアの正解』 主婦の友社 2015年
・クラシエ web site
http://www.hadabisei.jp/index.html
・産経ニュース web site
http://www.sankei.com/economy/news/151022/prl1510220108-n1.html
・amazon