目元のクマやたるみが気になると、心が晴れませんよね?
ある日、鏡を見て目元の変化に気づいてから、心の片隅に不安が住みついてしまったという人は多いのです。
自分の顔に不安があると、人に見られることが怖くなって、コンプレックスを抱えてしまうこともあります。
目の周囲というのは、もっとも表情にかかわる部位ですから、自分は暗い顔をしているのではないか、老けた顔になってしまっているのではないかと、心配になるのです。
ですから、アンチエイジングケアで一番重視されるのも目元です。
それほど、目元の悩みは深いもの。
効果的なケアがあったら、誰もが知りたいと思うはずです。
ここでは、「シワ」「クマ」「目元のたるみ」という目元の3大トラブルに、目元の表情に大きな影響を与える「疲れ目」を加えた4つの悩みを取り上げて、その原因やケア方法を解説します。
目次
1. 目元の悩みが多い理由
1-1. 顔の印象を決定づける目元
1-2. 顔は目元から老ける
1-3. 目元が衰えるメカニズム
1-4. 目元のアンチエイジングで自信がつく
2. 4つの悩みを解消する目元ケア
2-1. シワ
2-1-1. 小ジワの原因は乾燥
2-1-2. 深いシワの原因はコラーゲンの弾力低下
2-1-3. 表情筋エクササイズ
2-1-4. コラーゲンケア
2-2. 目元のたるみ
2-2-1. 原因はシワと同じ
2-2-2. 目元マッサージ
2-2-3. 耳ツボマッサージ
2-3. クマ
2-3-1. 原因は血行不良とむくみと色素沈着
2-3-2. タイプに合わせたスキンケアが必要
2-3-3. 美顔タッピング
2-4. 疲れ目
2-4-1. 原因は血流悪化と酸素不足
2-4-2. 外眼筋と毛様体のストレッチ
2-4-3. 深呼吸
1. 目元の悩みが多い理由
肌トラブルでもメイクでも、部位別の悩みでもっとも多いのが目元です。
目は「視覚」情報をインプットする大事な器官であると同時に、顔のパーツとしても、とても重要な役割を果たしています。
重要な役割があるだけに悩みも多くなるのですが、その理由を探ってみましょう。
1-1. 顔の印象を決定づける目元
「目は口ほどにものをいう」という言葉があります。
目は開いたり閉じたりとまばたきをするだけでなく、輝かせる、伏せる、陰らせる、視線を送るといった、多彩な表情をつくり出します。
人は他人と話すとき、無意識のうちに見ているのは相手の目のあたり。
相手の反応や表情から、心の状態をくみ取ろうとするのです。
初対面の相手に対する第一印象でも、その人のイメージをもっとも残すのが目元です。
ですから、明るい表情や、いきいきとした表情をつくりたいと思ったら、目元をキレイに見せることが重要なのです。
メイクアップで一番時間をかけるのが、目元だということも納得できますね。
1-2. 顔は目元から老ける
人間は生きていれば、誰であっても肌の老化は避けられないものですから、美容にはアンチエイジングという分野があります。
小鼻のキワから口角にかけて刻まれる「ほうれい線」や、口角から下に向けて刻まれる「マリオネットライン」など、口のまわりも顔の中で年齢が出るところですが、目のまわりはそれ以上に年齢が現れます。
目のまわりは、顔のほかの部分よりも皮下脂肪が少なくて、皮膚の厚さが3分の1から4分の1程度しかありません。
さらに、皮脂の分泌が少ないので乾燥しやすく、ハリを失ってシワやたるみができやすいのです。
しかも目のまわりは、まばたきをはじめとする動きが絶えないので、皮膚や筋肉に負担がかかっています。
デリケートな上に酷使される目元の皮膚や筋肉は、顔のどこよりも老化が進んでしまうのです。
1-3. 目元が衰えるメカニズム
目のまわりは、眼球を守るために脂肪が覆っています。
しかし、加齢によって皮膚が薄くなり弾力やハリを失ってくると、その脂肪の重量を支えきれなくなります。
脂肪が落ちてボテッとした上まぶたは目に覆いかぶさるようになり、落ちてしまった部分は窪んで痩せたようになります。
また、眼球を吊っている靭帯が加齢によってゆるんでくると、眼球も下がり、下まぶたの脂肪が圧迫されて浮き出るようになります。
加齢によって顔全体がたるむと扁平気味になるので、目のまわりの飛び出た脂肪は余計に目立ってしまいます。
1-4. 目元のアンチエイジングで自信がつく
肌の老化現象は、セルフケアで完全に消すことはできませんし、メイクでカバーするにも限界があります。
目元のケアも、まずは、今の自分を受け入れることからはじめましょう。
アンチエイジングとは、年齢に抗うことではなく、年齢を重ねた自分のポテンシャルを引き出して、今の自分を美しくすることです。
年齢を取り戻すことはできませんが、さらなるエイジングを緩やかにしつつ、少しずつでも悩みのもとを改善していくことができれば、自信を取り戻すことができます。
心から不安が消えて、いきいきとした表情が自然に現れるようになると、年齢を重ねた目元も魅力的に変わっていくことでしょう。
2. 4つの悩みを解消する目元ケア
目元の悩みとして代表的なものは、「シワ」「たるみ」「クマ」ということになります。
さらに、目元の表情に大きくかかわる目の悩みとして、現代のライフスタイルでは外せない「疲れ目の解消」を加えた5つの悩みを解消するケアを解説しましょう。
2-1. シワ
肌の悩みとして最初にあがるのは、ほとんどの場合において「シワ」です。
目元、額と眉間、口元はシワができやすい部分。
とくに目元の皮膚は、薄いのに酷使されて乾燥もしやすく、さらにメイクで大きな負担を負うので、ダメージが蓄積します。
2-1-1. 小ジワの原因は乾燥
シワは深さによって、2段階に分けられます。
第1段階は、目元にできる浅くて細かい小ジワで、「ちりめんジワ」とも呼ばれます。
小ジワは、年齢にかかわらずできるもので、乾燥が原因です。
保湿ケアをしっかり行えば、消えるものがほとんどです。
2-1-2. 深いシワの原因はコラーゲンの弾力低下
第2段階は、顔の動きに合わせてできるシワで、「表情シワ」と呼ばれるものです。
若くて健康な肌では、表情が変われば消えますが、年齢を重ねるにしたがって表情シワはもとに戻りにくくなります。
小ジワを除いて、通常、シワと呼ばれるものは、乾燥が原因ではありません。
皮膚は、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」とういう3層構造になっていますが、表皮の内側にあって弾力を保っている真皮の線維物質「コラーゲン」の減少や変形が原因です。
もとに戻らなくなった表情シワが進行すると、コラーゲンが変形したり断裂したりして、シワはさらに深く刻まれます。
この状態に至ったシワは、セルフケアで消すことはできませんから、進行を遅らせるために適切なアンチエイジングケアが必要なのです。
2-1-3. 表情筋エクササイズ
減ってしまったコラーゲンを増やすためには、肌の代謝をアップする必要があります。
代謝をアップする、もっとも簡単で効果的な方法がマッサージです。
顔には20数種の筋肉があって、連動しながら表情をつくり出しており、これらの筋肉は「表情筋」と呼ばれます。
目のまわりの筋肉をほぐし、血行を促進して肌に栄養や酸素が十分に行き届くようにします。
① 両手の人差し指と中指の腹をアイホール(頭蓋骨の目の穴)の下縁に当てて、目頭から目尻まで軽く押すようにマッサージします。
② アイホールの上縁に親指の腹を当てて、目頭から目尻まで軽く押すようにマッサージします。
③ 人指し指の腹を目頭と鼻の付け根の間に当てて、軽く押すようにマッサージします。
④ 人差し指と親指で眉を上下からつまんで、左右に揺り動かすようにして、目頭から目尻までマッサージしていきます。
2-1-4. コラーゲンケア
コラーゲンを増やす効果があるアンチエイジング化粧品は、シワの予防や進行を遅らせる効果があります。
シワに有効な成分は、「ビタミンC誘導体」「レチノール」「ナイアシン(ビタミンB3)」など。
これらの成分は、コラーゲンをつくり出す真皮の線維芽細胞に働きかけて、代謝を活性化します。
コラーゲンは食べ物や飲み物で摂取しても腸で分解されて、そのまま肌に定着することはありません。
肌に塗っても、真皮まで浸透していくこともありません。
食事でコラーゲンケアをするのであれば、肌の材料になるタンパク質を欠かさないことと、肌の老化を予防する抗酸化作用の高いビタミンA、C、Eを同時に摂取して、相乗効果を狙いましょう。
コラーゲンの減少には紫外線も大きな影響を及ぼしているので、UVケアも重要です。
目元のしわの解消には以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
2-2. 目元のたるみ
目のまわりのたるみは、腫れぼったい上まぶたや涙袋として現れます。
目元の皮膚や筋肉がたるんで眼球のまわりにある脂肪を支えきれなくなり、下まぶたが膨らんだ状態を「涙袋」とよびます。
若い人の涙袋は、表情筋の1つである眼輪筋が浮き出たもので、魅力的な美人の条件とされることもありますが、年齢を重ねて眼輪筋が衰えると涙袋もたるんできます。
2-2-1. 原因はシワと同じ
たるみの原因はシワと同じで、コラーゲンの変性や表情筋の衰えですから、基本的にはケアもシワと同じで問題ありません。
しかし、真皮のシワと同じように、たるんでしまった目元をセルフケアで消すことは難しいので、予防と、進行を食い止めることが重要になります。
コラーゲンを増やす作用がある成分を配合した化粧品、とくに「目元専用美容液」や「アイセラム」などを、スキンケアに取り入れるといいでしょう。
2-2-2. 目元マッサージ
眼輪筋を中心とした表情筋のエクササイズで、固くなっている筋肉の血流を促し、老廃物を排出できるようにして筋肉の柔軟性を取り戻します。
① 上まぶたを動かさずに下まぶただけを動かすように意識して、片目で10回ウィンク、両側を行います。
② 両手の中指を目頭に押し当て、人指し指を目尻に押し当てて、視線を真上に向けます。
③ そのままの状態から、下まぶたを動かして薄目を開けた状態で5秒間キープします。
朝晩、最低1セットずつ行うようにします。
2-2-3. 耳ツボマッサージ
目元のたるみは、顔全体のたるみが影響を及ぼしているケースも多いので、フェイスラインを引き締めるマッサージも効果的です。
耳には多くのツボが集中しているので、マッサージすると顔全体の筋肉をほぐして、フェイスラインを引き締める効果があります。
① 両手の親指と人指し指で耳の縁をつまみ、上から下へ、下から上へと十分揉みほぐします。
② 耳たぶの上、真中、下の部分を順に折りたたむように曲げます。
③ 両手の付け根あたりで、折りたたんだ状態の耳たぶを押します。
④ 耳の下のアゴの付け根あたりから、アゴの先端にかけて親指以外の4本の指の腹でなぞるようにマッサージします。
2-3. クマ
目の下のクマは、疲れた印象を与えるので、改善したいものです。
実は、クマは主に3つのタイプに分かれていて、それぞれ原因が違うので、自分のクマがどのタイプか知ってケアをしないといけません。
2-3-1. 原因は血行不良とむくみと色素沈着
1つめのクマは「青グマ」と呼ばれるもので、血行不良で血液が滞って青く見えることが原因です。
青グマは、目の下の皮膚を指で下に軽く引っ張ると薄くなりますが、完全には消えません。
2つめは、下まぶたの皮膚がたるんで影ができてしまう「黒クマ」で、むくみがあるとさらに目立つようになります。
黒クマは、影なので、鏡を見ながら上を向くと薄くなります。
もう1つは、目の下にシミができてクマのように見える「茶グマ」で、メラニンによる色素沈着や、角質が蓄積して厚くなる角質肥厚が原因です。
茶グマは、引っ張っても上を向いても見え方が変わりません。
2-3-2. タイプに合わせたスキンケアが必要
青グマが出ているときは、顔全体が血行不良を起こしていると考えてください。
目のまわりは皮膚が薄いので目立つのです。
血行不良の改善は、表情筋のマッサージや、皮膚の代謝を促すアイセラムが効果があります。
体全体の血行改善が大事ですから、ウォーキングなどの有酸素運動やストレッチも行いましょう。
黒クマには、コラーゲンケアなど、たるみのケアが必要です。
茶グマには、シミのケアが必要になります。
具体的には、美白美容液や紫外線対策でメラニンの生成を抑えることによるケアです。
2-3-3. 美顔タッピング
両手の人差し指、中指、薬指の指先を使って、トントントンとリズミカルに軽く叩くタッピングで、目元の血行を促すと同時にツボを刺激して、健康な顔色を取り戻します。
① 眉間から眉毛の上にそって眉尻まで、5秒間のタッピングを2回行います。
② 目頭の1センチ下から目の下を目尻まで、5秒間のタッピングを2回行います。
③ こめかみから頭頂部にかけて、5秒間のタッピングを2回行います。
2-4. 疲れ目
ショボショボして涙目になったり、充血したりする疲れ目も、他人によいイメージを与えません。
疲れ目はクマと一緒に症状が出ると、疲れた印象をさらに強めてしまいます。
近年、仕事でのパソコン使用や、スマートフォンの使用によって、疲れ目を訴える女性がとても増えています。
顔の印象をよくする目元ケアの一環として、疲れ目のケアも忘れないようにしましょう。
2-4-1. 原因は血流悪化と酸素不足
パソコン仕事などで同じ距離のものを見続けたり、スマホなど近くのものを見続けたりすると、目のレンズである水晶体の厚さを調節する筋肉「毛様体」に負担がかかって、緊張状態になります。
筋肉は緊張状態になると収縮して固まってしまい、血流が悪化し、老廃物を排出できなくなってコリや痛みを発するようになります。
また、顔全体の血流が悪くなると、眼球に酸素をしっかり届けることができなくなって、目が疲れやすくなります。
疲れ目の解消には、毛様体と、眼球まわりの筋肉である外眼筋をほぐすことが有効です。
2-4-2. 外眼筋と毛様体のストレッチ
眼球を上下、左右、左回り、右回りと動かして、外眼筋をストレッチします。
① 眼球を上下に、ゆっくり2~3分動かします。
② 両手を肩の幅で前に伸ばして親指を立て、左右の親指を両目で交互に見ます。
左右に移るスピードを上げていき、両手の幅も広げて、2~3分間続けます。
③ 最後は、1周に5秒くらいかけて、ゆっくり円を描くように両目を回します。
左回りと右回りをそれぞれ2回繰り返します。
毛様体のストレッチは、遠くのものと近くのものを交互に見ることで行います。
窓の外の遠くの景色を見たり、近くの樹木を見たりして、意識的に距離の違うものを2秒ずつ注視します。
パソコンで仕事をする人は、1時間に1回程度の頻度で毛様体をほぐすと、疲れ目の予防に効果があります。
2-4-3. 深呼吸
全身の酸素消費量の4分の1は、目と脳が消費するといわれます。
それほど目は酸素を必要とする器官なのです。
酸素を目に届けるためには、まず、しっかりと体内に取り入れなければいけません。
そのために深呼吸が効果的なのですが、深呼吸の基本には2つのポイントがあります
① 深呼吸は、必ず肺から空気を吐ききることからはじめます。
② 鼻から息を吐ききったら、6秒かけて鼻から息を吸い、6秒間息を止めて酸素を目に充填することをイメージしてから吐き出します。
まとめ
シワ、たるみ、クマといった目元の悩みは、一度できてしまうとセルフケアで改善することは簡単ではありません。
どうしても悩みを解消できない場合は、美容皮膚科に相談することも検討しましょう。
美容医療は日々進歩していますから、信頼できるクリニックがあれば、自分に合ったケア方法が見つかるはずです。
また、魅力的な目元をつくるためには、アイメイクのテクニックも大切です。
目元のケアが気になりだしたら、若い頃と同じメイクではいけません。
目元はついメイクが濃くなりがちですが、目元美人になるためには若づくりするのではなく、透明感のある大人のナチュラルアイメイクを身につけましょう。
目元美人を目指すなら「目元美人になる20のテクニック-マイナス5歳を印象づけるケア」の記事もぜひあわせて読まれてみてくださいね。
【参考資料】
・『魅せる目元のつくりかた』 ごま書房新社 2013年
・『1分でモテ目になる!』 PARCO出版 2014年
・『正しいスキンケア事典』 高橋書店 2010年