朝起きて鏡を見た時、ニキビがポツンとできていたら・・・とても残念な気持ちになります。ニキビってなぜかとても目立つところにできてしまうものです。大切な日に限って、大きく赤く目立ったりして、本当に厄介で困ってしまいます。治ったと思ったら、次から次にできてきて、にきび跡もとっても気になります。
ニキビがあるせいで、自分に自信が持てなくなったり、性格も塞ぎがち・・・そんな悩みは女性も男性も同じですよね。また最近では、思春期だけではなく、大人になってもニキビに悩まされている方が、とても多くて、ニキビ用の化粧水などのコマーシャルも良く目にするようになりました。
しかし、ニキビって種類もいろいろ、状況もいろいろ、みんなが同じ化粧水で、同じ使用方法なんておかしいと思いませんか?
それに本当に効果があるのか?また内容成分や安全性も心配ですよね?ここでは、さまざまなニキビの状態に合わせた、化粧水の選び方やお手入れをお伝えてしていきます。
目次
1. ニキビにはいろんな種類がある!種類別の化粧水選びとお手入れ方法
1-1 初期のニキビは密かに進行中(微小面皰)
1-2 おでこにプツプツ白ニキビ(閉鎖面皰)
1-3 表面がイチゴみたいな黒ニキビ(解放面皰)
1-4 触るだけでヒリヒリ痛い赤ニキビ(紅色丘疹)
1-5 爆発寸前!黄色ニキビ(膿疱)
1-6 あまりにも痛々しすぎる紫ニキビ(膿腫、結節)
2.年代に応じてニキビのケアも変えましょう
2-1 思春期のニキビの特徴と化粧水選び
2-2 20代からの大人ニキビの化粧水は?
2-3 ニキビ用化粧水は市販のプチプラが人気
2-4 いくつになってもニキビはニキビ!
3.できる部位によっても化粧水を使い分けましょう
3-1 ついつい触ってしまいがちなおでこやあご(Tゾーン)のニキビ
3-2 ほっぺたのニキビは跡になりやすい
3-3 フェイスラインから首のニキビはできるとなかなか治らない!
3-4 胸や背中のニキビは気がつかないうちに進行します!
4.男女別のニキビの特徴と化粧水の選び方
4-1 女性のニキビは体調にとても左右されます
4-2 メンズ肌も意外と敏感肌!ニキビが悪化する場合がある
5.どうしよう!?ニキビ跡に使う化粧水
5-1 ニキビ跡にならないようにする事が一番!
5-2 それでもニキビ跡ができてしまった時のお手入れ方法
6.ニキビに安心な化粧水の選び方
6-1 内容成分表示の隠された秘密
6-2 医薬部外品に気をつけましょう
6-3 合成界面活性剤がニキビを悪化させる
まとめ
1.ニキビにはいろんな種類がある!種類別の化粧水選びとお手入れ方法
ひとくちにニキビといっても、さまざまな種類があります。段階によって状態や呼び方も変わり、ケアの仕方も違いますので、まずはどの状態のニキビに当てはまるのか?を確認しましょう。ただし、肌質や体調などによって、お手入れ方法は違います。ここではごく一般的なケアをご紹介していますので、参考にしてみてください。
1-1 初期のニキビは密かに進行中(微小面皰)
ニキビのなかでもごく初期の状態で、ニキビの赤ちゃんと思ってください。別名「コメド」や「微小面皰(びしょうめんぽう)」などと、いわれています。皮ふの表面の状態はプツプツとした、ごく小さな盛り上がりがあり、触ると痛みなどはなく、やや堅い感触か、もしくはほとんどわからない場合もあります。
また、皮ふの表面に出てきていないものも、微小面皰に含まれます。その場合は、肉眼では確認できません。原因としては、思春期によるホルモンバランスの崩れから、皮脂分泌過剰になる場合と、大人になってからは、内面的なストレスその他の原因からも、このような状態になります。
この状態の場合、できてからのケアというよりも、予防が大切です。清潔を保つ事が最優先となりますので、髪の毛をニキビに触れないような長さに切るとか、ピンで留めるなりしましょう。また、枕カバーや、タオルなども清潔に心がける事が大切です。
化粧水の選び方ですが、さっぱりする使用感があり、ベタつかないものがおススメですが、さっぱり感だけに重点を置いてしまうと、アルコールが入っていたりして、皮脂分をとりすぎてしまいます。ノンアルコール、オイルフリー、のもののなかで、ベタつきが少ないものを選ぶと良いでしょう。クレイ(泥)成分などが入っている2層式タイプなども、皮脂などを適度に吸着してくれる作用があり、オイリースキンの方などには合います。
そして、化粧水と同時に洗顔料も洗浄力があるものが良いですが、洗顔後あまりつっぱりすぎないような低刺激のものを選び、毎日2〜3回は洗顔をするようにします。
予防という観点からいえば、普段使用している化粧水を清潔な手やコットンで、優しく丁寧に肌の隅々までつけ、また洗顔料がすすいだ後に、皮ふに残らないようにすることなど、基本的な事を注意するようにし、常に清潔な状態を保つようにする事が大切です。
“初期のニキビ(ニキビの赤ちゃん)”
- 「コメド」や「微小面皰(びしょうめんぽう)」といわれる
- 皮ふの表面にプツプツとした、ごく小さな盛り上がりがある
- 触っても痛みはなく、やや硬い感触か、ほとんど感触はわからない
- ノンアルコール、オイルフリーでベタつきの少ない化粧水がオススメ
1-2 おでこにプツプツ白ニキビ(閉鎖面皰)
前髪をふとかきあげてみた時、おでこにプツプツとした小さな盛り上がりに気がついた事はありませんか?ファンデーションでも隠すことができないので、とても気になりますよね?
このプツプツした状態のニキビを「白ニキビ」といいます。別名「閉鎖面皰(へいさめんぽう)」と呼ばれています。微小面皰よりも、肉眼ではっきりとわかり、さわるとプツプツと固く盛り上がっています。ニキビの子供の状態ですね。
原因としては、微小面皰よりもさらに、皮脂分泌が多くなり、毛穴周辺の角化(※注1)が正常に行われず、毛穴が詰まることで、白ニキビへと進行していきます。実は、この段階のお手入れがニキビケアでは、もっとも重要なポイントとなり、正しいケアをする事で、進行を止めることができ、きれいになる可能性が十分あるのです。
白ニキビは、毛穴に詰まっている皮脂が、固まっているような状態なので、皮ふの表面を清潔にし、皮脂分泌が過剰にならないように気をつけていると、自然に消えていくものも多くあります。しかし、ケアを間違うことで、自然に消えずに、ニキビの状態が悪化して進行していくのです。
ただし、この段階で、食い止めておく事ができると、次から次へとできていく憎たらしいニキビに悩まされる事も、かなり少なくなるのです。白ニキビを子供に例えましたが、この時期は人間にとっても一生に関わる大切な時期という点では同じですね。 この時期のお手入れも、微小面皰と同じように、清潔に保つ事が一番大切になります。
化粧水の選び方としては、同じようにアルコールフリー、ノンオイルの使用感がさっぱりするタイプで、皮脂の分泌を抑制させる効果や、角質を除去するタイプの拭き取りタイプのものなども、おススメです。
また、洗浄効果のあるタイプの洗顔料の他に、スクラブ効果があるものや、毛穴の汚れをすっきりとる為のピールタイプ(はがすタイプ)のパックやクレイ(泥成分)などが入ったパックなどを、定期的に取り入れることで、さらに効果があがります。
※注1 角化とは、表皮のターンオーバー(生まれ変わり)のことで、新しく作られた角質が徐々に、皮ふ表面に押し上げられて、最終的にはがれ落ちる過程を表す。
“おでこにプツプツ白ニキビ”
- 「閉鎖面皰(へいさめんぽう)」といわれる
- 微小面皰よりも肉眼ではっきりとわかり、触るとプツプツと固く盛り上がっている
- 毛穴につまっている皮脂が、固まっている状態
- アルコールフリー、ノンオイルで皮脂の分泌を抑制させたり、角質を除去する拭き取りタイプの化粧水がオススメ
1-3 表面がイチゴみたいな黒ニキビ(解放面皰)
白ニキビに続いて、良く耳にする「黒ニキビ」これは、毛穴の表面は開いた状態で、その穴からのぞいている皮脂が汚れて酸化してしまい、黒くなっている状態のことをいいます。ごく小さなものから、大きなものまであり、0,1㎜〜3㎜くらいの大きさです。別名「解放面皰(かいほうめんぽう)」「ブラックヘッド」などと、いわれています。
一番目立つのは、鼻の頭にできた「黒ニキビ」で、ブツブツと黒いイチゴの種のようにみえますね。大きなものはおでこや生え際などにできる事が多く、押し出すとニュルニュルとした皮脂が出てきたり、カチカチの黒い皮脂の固まりが出てくる事があります。この皮脂の固まりのことを「コメド(面皰の事)」と言います。
発生する原因は、皮脂の過剰分泌により、皮ふが不潔になってしまったなどの原因で、毛穴に汚れが詰まったり、また皮脂が酸化して黒く変化していきます。最初は柔らかい状態なのですが、時間が経つとかなり固くなってしまうものもあり、とても目立ちますので、かなり厄介な状態と言えます。この状態にまでなってしまうと、白ニキビのように、自然に消える事はありませんので、化粧品によるお手入れは必須となります。
黒ニキビ(コメド)を、無理やり指などで押し出してしまうと、バイ菌が入り、炎症を起こし悪化させてしまったり、もしくは更に毛穴を開かせてしまったりして、逆に目立つようになる場合もありますので、自己判断での押し出しは大変危険です。コメドの押し出しは、必ずプロに任せましょう。また,黒ニキビは一度できたところには、何度も繰り返しできる事がありますので、お手入れは気長に行う事が大切です。
化粧水の選び方として、引き続き清潔を保つという事が、やはり基本になります。化粧水の選び方は白ニキビと変わりませんが、毛穴に詰まった皮脂を固まる前に、排出させなくてはいけませんので、毛穴を開かせるようにする為に蒸しタオルなどで、温めたあとに化粧水をつけるなどの工夫が必要です。また、新陳代謝(皮ふの生まれ変わりのこと)を促す為に、マッサージなどを行う事も効果的です。マッサージによる効果で、コメドが柔らかくなり、自然と取れたり、排出される場合もあります。
“表面がイチゴみたいな黒ニキビ”
- 「解放面皰(かいほうめんぽう)」「ブラックヘッド」といわれる
- 毛穴が開き、その穴からのぞく皮脂が酸化して黒くなっている状態
- 化粧水の選び方は、白ニキビと同じ
- 毛穴に詰まった皮脂を排出させるため、蒸しタオルなどで温めて毛穴を開かせたあとに化粧水をつけるとよい
1-4 触るだけでヒリヒリ痛い赤ニキビ(紅色丘疹)
黒ニキビを通り越すと、もっともわかりやすい状態の「赤ニキビ(こうしょくきゅうしん)」に変化します。この段階からは、炎症を伴いますので、皮ふが赤く盛り上がり、触ると患部及びその周辺までも痛みを感じます。
また必ず黒ニキビになってから、発生するものではなく、黒ニキビができている状態の時に、皮ふの見えない部分で赤ニキビになる為の、準備ができている場所も多く、黒ニキビとの同時発生や、いきなり赤く腫れ上がったニキビが、突然出てくる事もあります。
「赤ニキビ」は、コメド(面皰)にアクネ菌が増え炎症を起こしているので、とても敏感になっています。過度な刺激を与えたり、不潔な手で触る事は、さらに悪化を招きますので,注意が必要です。またとても目立ちますし、鏡をみる度に憂鬱になりがちですが、ストレスもニキビを悪化させる原因のひとつなので、あまり気にしすぎないようにしましょう。
化粧水の選び方としては、鎮静効果、殺菌効果などがあるタイプのものが良いですが、あまり強すぎる刺激のものは、使用しないようにします。必ず、清潔なコットンを使用して、優しく押さえるように、化粧水をつけていきます。触るだけで痛みを感じる場合は、コットンに化粧水をたっぷり含ませたコットンパックなどもおススメです。 とても敏感な状態なので、皮ふには優しくタッチするようにします。
またいくら赤ニキビができているといって、皮脂の抑制ばかりに気をとられてしまうと、保湿がおろそかになりますので、化粧水をつけたあとは、乳液などを使用し保湿も忘れないようにしてください。ニキビができていない場所が、カサカサになったり、敏感になったりする原因になります。また、洗顔の際も刺激を与えすぎないように、十分注意をしてください。泡立ちネットを使用して、ふわふわの泡をたて、優しく洗います。
この赤ニキビの段階で、炎症を抑えておくと、ニキビ跡にもなりにくいので、なんとかしてこの段階でニキビの炎症をストップさせたいものです。
ちょっとしたマメ知識ですが、炎症を抑えるための軟膏クリームやニキビ用のパッチシールなどはこの段階までの使用になります。また、アロマテラピーに使用するための、ラベンダーの精油(人体に使用できる上質なものに限る)は消炎、抗菌作用がとても高く、少量を綿棒で赤ニキビの部位につけることで、赤みが静まる事もあります。いずれにしても、ニキビができている部位のみに使用し、適量及び使用法を守って、使いましょう。
“触るだけでヒリヒリ痛い赤ニキビ”
- 「赤色丘疹(こうしょくきゅうしん)」といわれる
- アクネ菌が繁殖して炎症を起こしている状態
- 皮膚が赤く盛り上がり、触ると患部やその周辺までも痛みを感じる
- 鎮静効果、殺菌効果があるタイプの化粧水がオススメ(ただし刺激が強すぎないもの)
1-5 爆発寸前!黄色ニキビ(膿疱)
ニキビもこの段階まで来てしまうと、見るからに痛々しくて、泣きたくなってしまう事でしょう。「黄色ニキビ(のうほう)」といわれるように、赤ニキビよりも更に炎症が進み、膿(うみ)が溜まっている状態のことです。
触っただけでとても痛いうえ、些細な刺激で膿が飛び出してしまい、血が流れてきます。このように潰れてしまったニキビは、ニキビ跡として、残りやすいので、黄色ニキビになってしまったときは、決して触らないように気をつけましょう。
まだ少ない状態のうちはいいのですが、範囲が広がってきたり、次々にできてひどくなる場合は、医療機関に相談することを、おススメします。ご自分で無理に触って傷つけてしまうと、バイ菌が入り炎症が更に進む事があります。
化粧水の選び方ですが、鎮静効果をメインに選びます。この段階では、とにかくニキビを潰してしまわないように、最前の注意を払いましょう。よくニキビができたら、指で潰してしまう方がいますが、プロでない方がこの方法を行うと、バイ菌が入り悪化させますし、ひどいニキビ跡が残る事になりますので、絶対にご自分では潰したりはしないようにしてください。
“爆発寸前!黄色ニキビ”
- 「膿疱(のうほう)」といわれる
- 黄色く膿(うみ)が溜まっている状態
- 黄色ニキビを潰すとニキビ跡として残りやすいので絶対に触らない
- 化粧水は、鎮静効果をメインに選ぶ
- 黄色ニキビの範囲が広くなったり、ひどくなる場合は、早めに医療機関に相談する
1-6 あまりにも痛々しすぎる紫ニキビ(膿腫、結節)
ニキビの最終段階になります。皮ふの紫色をしていて、固く盛り上がりしこりができたように、ボコボコとしています。毛穴の中に、膿や血液が溜まって固まっているような状態です。紫色に見える事から,「紫ニキビ(のうしゅ、けっせい)」などと呼ばれています。
この状態にまで進んでしまうと、痛みの他にかゆみも現れる事もありますし、皮ふの深いところ(真皮)の部分まで壊死が広がり、どんどん重症化してしまうので、必ず皮膚科を受診して、適切な治療を行ってください。時間が経ち、皮ふが傷ついてしまえばしまうほど、クレーターのように陥没した大きな瘢痕がのこりますので、できるだけ早いほうがいいでしょう。
化粧水は、赤ニキビと同じように消炎、鎮静効果の高いものを選びますが、痛みやかゆみが強いときなどは、内服薬などが必要になりますので、皮膚科の医師の指示を聞くようにしましょう。
“紫ニキビ(ニキビの最終段階)”
- 「膿腫(のうしゅ)」「結節(けっせい)」といわれる
- 毛穴の中に膿や血液が留まって固まっているような状態
- 皮膚が紫色で、固く盛り上がり、ボコボコとした見た目
- 痛みの他にかゆみも現れることもある
- 重症化する前にできるだけ早く皮膚科を受診して適切な治療を行う
2.年代に応じてニキビのケアも変えましょう
2-1 思春期のニキビの特徴と化粧水選び
第二成長期ともいわれてる13〜18歳くらいの間が、もっともニキビのトラブルが多くなり、その時期には男性ホルモンの分泌量が増え、男女問わず脂性肌に傾きます。急激に皮脂の分泌が増えるため、汚れや角質と混ざり毛穴が詰まります。そのためニキビ菌も繁殖しやすい環境になってしまうのです。
思春期といえば、思い出しませんか?何度洗顔してもすぐにベタベタになったり、どこからこんなに??って思うくらいに、皮脂が出てきて、困ってしまった経験や朝起きたら必ずポツンとニキビができている。どうしたらいいのかわからなくなって、鏡を見るのが憂鬱だったことでしょう。
この時期には,ほとんどの方が突然ポツンと顔を出すニキビに、悩まされた経験をお持ちではないでしょうか?
また、この時期のニキビの特徴としては、Tゾーンと呼ばれる特に皮脂分泌が多い場所を中心にできていきますが、なかには頬の辺りまで広がってできることも少なくはありません。その他には、身体の中心部、胸や背中にもできる事もあります。
化粧水の選び方ですが、生まれて初めて化粧水を使用するという方もいると思うので、低刺激のもので、香料などが含まれていないものを選びましょう。ただし、いくら皮脂分泌が多いからといって、さっぱりするタイプや皮脂をとりすぎてしまうものばかり選んでしまうと、さらに皮脂分泌が進み,悪化させることがあります。
保湿効果がきちんとあるもので、オイルフリー、ノンアルコールタイプのものを選び、ただしテクスチャー(使用感)が軽いものを選びます。とろみのないサラサラタイプの方が、初めての方には使いやすいでしょう。また、ノンコメドジェニックタイプのものには、ニキビになりにくい成分が配合されていますので、そちらもおススメです。
主に化粧水に配合されている成分として、
グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K、グリチルリチン酸ニカリウム)
甘草由来成分で、殺菌効果に優れており、即効性があります。
ビタミンC誘導体(リン酸アスコルビル、バルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)
ビタミンCには、抗炎症作用と皮脂分泌を抑制させる作用があります。またメラニン色素を還元させる作用もあるので、ニキビ跡にも効果的です。誘導体というのは、皮ふの深部に浸透しやすくさせた形の事です。
サルチル酸
やや刺激が強い成分ですが、ピーリング(角質をはがす)効果に優れており、皮脂分泌が多い思春期のニキビに限っては、効果的な場合があります。
イオウ(硫黄)
殺菌効果と角質を軟化させる効果に優れており、古くから伝わるニキビの効果的な成分です。しかし、肌を乾燥させすぎてしまうので、あまり長い期間は使用しない方が良い。
このような成分が、配合されている事が多いのですが、あくまでも思春期特有の肌の状態にむけたものとなっており、やや刺激が強いものもありますので、症状に合わせて使用を控えるなど気をつけましょう。最近はニキビ用のシリーズなどもいろいろ販売されていますが、まずはサンプルなどを試してみるのがいいかもしれません。
特に、素顔のままでいる時期なので、まずは清潔に保つ為に、洗顔をこまめにすることも忘れないでください。この時期のニキビは、思春期の終わりとともに落ち着いていき、できなくなるのが一般的ですが、なかには、炎症がひどくなり、ニキビ跡として残る事もあります。ついつい不潔な手で触ってしまったり、無理に潰してしまうことが原因のようです。もしも炎症がひどくなって,範囲が広がる場合などは、早めに医療機関などを受診しましょう。
2-2 20代からの大人ニキビの化粧水は?
思春期にできやすいニキビですが、なかには20代になってまで、ニキビに悩まされる方もいます。いわゆる「大人ニキビ」のことですね。この時期のニキビは、ストレスなどによる内面的な要素が原因の事が多く、不規則な生活リズム、食生活などにより、ホルモンバランスが乱れ,ニキビができる事が多く、単純に皮脂分泌が多くなるのとは、わけが違い、複合的な原因がとても多いので厄介なのです。
また、無理なダイエットなどから、女性の場合は生理不順になり、排卵周期も狂うために、肌荒れを起こしニキビが発生する事もあります。そのため、適切な化粧水を選ぶ事はもちろんですが、内面からも同時にケアをしていく事が、大切になります。
大人ニキビは、Uゾーンといわれる、頬からあご、そして首などにできていくのが特徴です。また、いきなり黄色ニキビ、赤ニキビが同じ場所に何度もできてしまうことも多くあります。この辺りの皮ふというのは、同時に乾燥もしやすいので、炎症を抑える為のケアと同時に保湿もきちんと行っていかなければいけません。ホルモンバランスの乱れも原因のひとつで、女性の場合は黄体ホルモンの影響で生理前、排卵期などに集中してできたり、睡眠不足や不規則な食事の翌朝に、できることもあります。
化粧水の選び方ですが、単純にニキビ用のラインを使用する事は避け、ニキビのできている部位や状態に合わせて、ピンポイントでの使用やニキビができていない部位の保湿ができるようなものを選びます。数種類を使い分ける方がいいでしょう。
ニキビの部位には、オイルフリー、アルコールフリー、ノンコメドジェニックのものを中心に選び、
- グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K、グリチルリチン酸ニカリウム)
- ビタミンC誘導体(リン酸アスコルビル、バルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)
が配合された化粧水を選びます。サルチル酸やイオウなどは、刺激が強く乾燥させてしまうので、この時期のニキビには向きません。その他には、
- ヒアルロン酸
- セラミド
- アミノ酸
- プラセンタ
- コラーゲン
などが配合されている保湿効果が高いものも必ず使用するようにします。また化粧水だけでは、保湿効果が弱いので、乳液やクリームなどは肌状態に合わせて、必ず使用します。
2-3 ニキビ用化粧水は市販のプチプラが人気
アットコスメなどの口コミサイトで人気のニキビ用の市販の化粧水のランキングはこちらです。
第1位 ナチュリエ スキンコンディショナー(ハトムギ化粧水)
第2位 アルビオン アルビオン 薬用スキンコンディショナー エッセンシャル
第3位 明色化粧品 明色 美顔水 薬用化粧水
第4位 クリニーク クラリファイング ローション 2
第5位 SK-II フェイシャル トリートメント エッセンス
(2018/5月現在)
ドラックストアなどで、お手軽に買えてお財布にも優しい市販のプチプラの化粧水が人気のようですね。
2-4 いくつになってもニキビはニキビ!
さまざまなニキビの過程は、説明しましたが、年齢で呼び名が変わるものではなく、実はニキビはニキビなのです。ニキビと呼ばれるのは、若いうちだけで、お肌の曲がり角を過ぎたら「吹き出物」という話しを聞いた事はありませんか?
ひと昔前までは、お肌の曲がり角は25歳・・・?なんていわれていましたが、現在では14歳位から、すでに老化が始まる!とも言われています。昔に比べて、心身ともに成長は著しいですし、環境汚染、食生活、またメイクをするのも早くなり、さまざまな状況が昔とは違います。
話しを元に戻しますが、ニキビというのは年齢に関係なく、ニキビということには代わりがありません。ただし、ニキビの状態や特徴は年齢で変わりますので、その時の状態に応じたニキビのお手入れを、行う事が大切ということです。
また女性の場合は、メイクアップによる肌への負担やクレンジング不足などでもニキビを悪化させます。化粧水だけではなく、毎日正しいクレンジングを行い、毛穴の汚れを取り除くことも大切です。
そして、忘れてはならないのは、内面からのケアです。ストレスを溜めないように気をつけたり、気分転換やリラックスする時間もニキビケアの大切なひとつとなります。もちろん、規則正しい生活リズムと食生活の改善も、忘れないでください。
3.できる部位によっても化粧水を使い分けましょう
3-1 ついつい触ってしまいがちなおでこやあご(Tゾーン)のニキビ
Uゾーンと言われる頬のニキビ。皮ふが柔らかく弾力性もある場所なので、炎症性のニキビの場合などはニキビ跡になりやすく、できるかぎり炎症する前に予防する事が大切になります。思春期の場合は、皮脂分泌が盛んになっているために、毛穴も広がり,顔全体がベタベタになっているので、頬までニキビが広がってしまっているという感じでできています。
また大人になってからできる事も多い場所ですが、大人ニキビの場合は、頬全体ではなく、ポツポツと数個できたりすることが多く、ニキビができていない部位は乾燥しやすいので、注意が必要です。よくニキビの跡が、穴があいたようにボコボコなっている方がいますが、頬の場合はそのようになりやすいので、悪化させないようにしましょう。
化粧水の選び方としては、分散して数個できているようなら、部分的に皮脂分泌を抑制させるようなものをつけてあげます。その他の部位は乾燥しやすくなるので、保湿効果のあるものを必ずプラスしてつけるようにします。また、集中してできているばあいでも、化粧水のうえから、乳液などで必ず保湿をしてあげることが大切です。化粧水の使い分けは少々面倒かもしれませんが、悪化させないためには、必要なことになります。
Tゾーンといわれる場所、おでこやあご、鼻の周りにできたニキビは、知らず知らずのうちに触ってしまう事もよくあります。ニキビがひとつでもできると、とても気になりますよね?できる限り触らない方がいいとはわかっているのですが・・・おでこの場合は、どうしても髪の毛が触れてしまいますし、あごや鼻の周りって、無意識のうちに手を持っていきやすいのです。そのため、知らないうちに触れていて、潰してしまった!なんて失敗もあります。
まずは、できる限り触らないように努力しましょう。前髪のカット、ピンで留める、鼻やあごの場合で、炎症がひどいニキビの場合などは、清潔なガーゼなどを貼ってガードしても良いと思います。その際はこまめに付け替えてあげるようにしてください。
化粧水の選び方ですが、Tゾーンは、もっとも皮脂分泌が盛んな場所なので、皮脂分泌を抑制する効果の高いものや、イオウやクレイ(泥成分)などが含まれているものだと、ベタつきもないので使用しやすいでしょう。また、白ニキビや黒ニキビの予防にもなります。コットンに多めに含ませて、たっぷり付けるようにします。メイク前に冷やした化粧水でのコットンパックをすると、皮脂の分泌を抑えるので,化粧もちがよくなります。
3-2 ほっぺたのニキビは跡になりやすい
頬はそこまで皮脂腺が多い場所ではないのですが、思春期などはこの辺りの皮脂分泌も多くなりやすく、思いのほか大きなニキビができたりします。また皮ふの厚みは他の部位と比べて、そう薄い場所という訳でもないのですが、水分を保持する力が弱いため乾燥もしやすいので、ニキビはできているのに、つっぱり感があったり、カサカサと乾燥していたりすることも多いのです。
乾燥している状態は、皮ふの※注2バリア機能が弱ってしまうので、ニキビが悪化しやすく、また治りにくいといえます。また女性の場合は、髪の毛なども触れやすいし、手の平などで触れやすいため、潰れてしまう事も少なくありません。男性の場合でも、頬はまくらなどにも触れやすい部位なので、枕カバーなどが不潔になっていたりすると、更に悪化する恐れもあります。そのような原因から、頬のニキビは、一度できてしまうと、炎症しやすくて、治りにくいと言えるのです。
また、甘いものをたべたり、不摂生をした時にも、頬に大きなニキビがポツンとできた経験はありませんか?
胃腸などの消化器系が弱ると反応も現れやすい場所でもあるので、外部からの刺激だけではなく、食生活やストレスなども注意しなくてはいけません。
化粧水をつけるときは、範囲が広い場所なので、つけ残しもしやすい為、できるだけ丁寧につけてあげます。コットンパックなどを行うとより効果的です。保湿効果が高いものを選んで、保湿をしっかり行ってください。
大きくニキビが炎症しているときなどは、潰さないように気をつけて、清潔なガーゼなどで保護してから睡眠をとるようにし、もちろん枕カバーやタオルは清潔なものを使用しましょう。
※注2 バリア機能とは、外部からの異物などを皮ふから浸透させない仕組みのこと
3-3 フェイスラインから首のニキビはできるとなかなか治らない!
この部分はあまりニキビができる場所ではないのですが、一度できてしまうと、なかなか回復せずに、ケアにとても時間がかかります。
ほとんどの場合、頬にできたニキビが、長引いてしまい、どんどんフェイスラインのほうに下がってきて、首までできてしまう事が多いようです。
首辺りには、皮脂腺がほとんどないので、いきなり首近くにニキビができる事は、通常は滅多にないのですが、この辺りにニキビができている方は、長年ニキビに悩まされている場合がほとんどです。正面からは、あまり見えないのですが、首をあげた時にブツブツとできていて、紫ニキビのようなしこり状に固まっているものも多く見られ、皮ふの下に籠っているような感じです。
特に大人ニキビの場合に多く見られ、ストレスその他の内面からの複合的な要素が多く、化粧水やその他のお手入れ以外にも、内面からの専門的なケアなども必要な場合もあります。
化粧水は、鎮静、消炎効果があるものにプラスして、必ず保湿効果が高いものを選んでつけるようにし、できればマッサージでの血行促進を行うとより効果的です。ただし自己流ではなく、エステティシャンによるリンパマッサージなどを受けるようにしましょう。日常生活では、衣服などの摩擦で刺激を受けないように気をつけます。
大変治りにくい部位の為、医療機関などでの内服薬などを、服用した方がいい場合もありますので、症状がひどい場合は、早めに相談されてください。
3-4 胸や背中のニキビは気がつかないうちに進行します!
ニキビは、お顔以外の場所にもできる場合があります。人間の身体は中心部のほうが、皮脂腺が発達しているので、胸の中央部、背中などにも油断するとニキビができます。 背中などは、自分ではよく見えないので、気がつかないうちに大きく炎症してしまったり、また衣服などでこすれて潰れてしまい、跡に残ってしまうこともあります。
背中のニキビ跡は、日焼けなどによって、シミや色素沈着しやすく、とても目立ちますので、ニキビが初期の段階で、治しておくことが大切です。
化粧水でもケアも大切ですが、毎日必ず入浴して清潔を保つ事が大前提となります。ただ、いくらニキビができているからといって、ボディブラシなどでゴシゴシこすったり、強い刺激を与えすぎるのは、逆効果になるので、気をつけましょう。洗浄力が強すぎない石けんやボディーソープを使用し、もしも炎症していて痛みなどがあるときは、スポンジなども使用せず、手のひらと泡で優しく洗います。
胸などは、顔用の洗顔料を使用しても大丈夫です。洗い終わった後は、清潔なタオルで軽く押さえるようにして、水分を拭き取ります。
化粧水は、顔と同じものでも大丈夫ですが、皮脂分泌が抑制されるものを、選ぶと良いでしょう。胸の場合は顔のお手入れと同時にケアをするようにするのがおススメです。背中は自分では手が届きにくいため、専用の柄がついたパフなどを、利用されるといいですね。
身体にできるニキビは、毎日の洗浄だけでも気をつけると、予防効果がかなり高くなります。できてしまってからでは、ケアもしにくいので、毎日の入浴時を大切にしてください。
4.男女別のニキビの特徴と化粧水の選び方
4-1 女性のニキビは体調にとても左右されます
女性のニキビは、外側からいくらきちんとケアをしても、体調によって左右されることが多いのが特徴的です。 女性は生理前後や排卵前後などで、ホルモンバランスが崩れる為に、ニキビが発生する事が多いので、ニキビができたときの状況や日にちなどをカレンダーなどにつけて、管理してみるとよくわかります。
生理は卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌の影響で起こりますが、生理前になると、特に黄体ホルモンの分泌量が増え、バランスが崩れます。 この黄体ホルモンは、皮脂分泌を多くさせる働きの他に、体内の水分量を低下させるので乾燥、肌荒れ、むくみ、便秘などのさまざまな不調を起こします。
その黄体ホルモンの作用で、生理前にニキビができる場合がとても多いのです。個人差があるのでなかには、あまり影響が出ない方もいますし、ややベタつきを感じるくらいで終わる方もいます。ただし、ホルモンバランスの崩れにより発生したニキビは、なかなか治りにくいうえ、いきなり黄色ニキビや,赤ニキビといったような炎症性のニキビになることも多いのです。
このタイプのニキビに合う化粧水は、あまり刺激が強くないもので、消炎、鎮静作用のあるものを使用します。またこの時期は、敏感肌に傾いている場合もあるので、新しい化粧水などは試さずに、普段お使いのもののを使用する事をおススメします。
その他の注意点として、刺激を与えないようにして、清潔に保ち、バランスの良い食事(特に野菜やビタミンなどを意識して)と睡眠をしっかりとるようにします。 PMS(月経前症候群)の影響で、イライラしたりする事もありますので、リラックスできる時間を作る事も、ニキビのケアにはとても必要です。
4-2 メンズ肌も意外と敏感肌!ニキビが悪化する場合がある
男性でもニキビに悩む方はとても多いのが現状です。しかし、男性の場合は女性ほど美容に対する意識や知識も少ないので、悪化させてしまう方が多く、ニキビ跡もひどくなる場合も多くあります。
男性のニキビも、思春期頃から目立ち始める方が多く、この時期に男性ホルモン(アンドロゲン)のほとんどを占めるテストステロンの影響で、皮脂分泌が活発になりニキビができます。このテストステロンは、男性らしさをつくるホルモンで、体毛を濃く、胸板を厚くし、筋肉を大きくしたりするような働きがあります。
女性よりも、男性の方が脂性肌が多く見られるのは、このテストステロンの影響なのです。男性らしさを作りだしているため「もてホルモン」や社会の中で主張する為に必要なので「社会ホルモン」などとも呼ばれているようです。
思春期頃から,急激に増え始め、加齢やストレスその他の原因などにより減少していきます。最近はテストステロン値の低下が、男性の更年期障害の原因のひとつとも言われています。
また、男性の場合は、女性に比べて、美容に対する意識も低いため「たかがニキビくらい・・・」と思いがちなところがあります。そのため、いつのまにか大きな跡ができていたりして、治りにくいのです。なによりも、清潔に対する認識が女性とは違う事も多く、ついつい不潔になりがちです。そのようなこともあり、悪化しやすいとも言えます。
それから、ほとんどの男性が「ひげ剃り」をします。なかには体毛が薄い方もいますが、ほとんどの男性が、毎日のように行いますよね?
ひげ剃りは、ひげをそり落とすのと同時に、表面の角質までも傷つける事がありますので、敏感になっていたりすることもあります。ひげ剃りの跡に化粧水をつけたら,ヒリヒリするのはそのためなのです。また、ひげ剃りの際に、カミソリでニキビを傷つけてしまう事も、少なくありません。
このように女性と男性のニキビには、大きな違いがあります。ただし、最近では美意識が、とても高い男性も多いので、全ての男性には当てはまらないのかもしれませんね。
化粧水は、最近メンズ用の化粧水も多く出ているので、選ぶ方も多いとは思いますが、肌質やニキビの状況によっては、必ずしもメンズ用が良いとは限りません。なかには、皮脂成分をとりすぎてしまったり、アルコール分が入っていて、さっぱり感が強すぎて、刺激が強すぎるものもあるので、気をつけましょう。
基本的には、ノンオイル、ノンアルコール、ノンコメドジェニック処方のものを選びます。
メンズのニキビ肌に人気の化粧水ランキングがこちら。
1.ビーグレン クレイローション
2.サイクルプラス エンリッチローション
3.ZIGEN
4.オルビスクリアローション
5.ファンケル アクネケア化粧液
化粧水の効果に関しては男性も女性も変わりはないので、女性向けの化粧水を使ってもOKです。
でも、男性と女性では肌質が違い、表面は脂性(オイリー)肌なのに肌の内側の水分量は女性と比べてかなり少ない男性が多いので、化粧水を選ぶときのポイントが違います。
いずれにしても、男性の場合は、ニキビのお手入れをすることが、面倒くさくなったりしまいがちですが、ニキビ跡が深く残ってしまえば、一生後悔する事になるかもしれません。早い時期での適切なお手入れさえ、習慣になってしまえば、そう深刻になる事もなく,時期が来たら自然と落ち着きますので、手間を惜しまずに、簡単な化粧水をつけることからスタートしましょう。
5.どうしよう!?ニキビ跡に使う化粧水
5-1 ニキビ跡にならないようにする事が一番!
ニキビには段階に応じて、種類がある事をお伝えしました。早め早めのケアをする事がとても大切だということも、おわかりいただけたと思います。ニキビ跡にしないようにするには、できてしまったニキビを、その段階のまま静させて沈めてしまう事が大切です。
そのためニキビの種類を、見極めてその症状にあった化粧水を選び、お手入れをすることで、進行を防ぐ事ができますし、ニキビ跡にもならなくて、もとの状態に戻ります。まずは、ニキビの状態をよく知り、早い段階で炎症をストップさせる事が大切です。
5-2 それでもニキビ跡ができてしまった時のお手入れ方法
一生懸命ニキビのケアをしても、ニキビ跡になってしまう事があります。とても気になって仕方が無いとは思いますが、諦めないでお手入れをすることで、目立たなくなることもあります。また早い段階からケアする事で、効果も高くなりますので、ニキビ跡ができてしまったら、できる限り早めのケアを行いましょう。
基本的なニキビのお手入れは、正しい洗顔を行い、化粧水での鎮静や皮脂分泌抑制、それから保湿ということには変わりませんが、ニキビ跡を目立たなくさせるためには、皮ふの新陳代謝を促して、ターンオーバー(皮ふの生まれ変わりのこと)を正常に戻してあげるようなお手入れをプラスすると効果的です。
そのためには、古い角質を除去してあげるためのピーリング効果があるものを選びますが、洗顔料でしたら、スクラブが入ったものや化粧水にも、角質を柔軟にしてあげるようなものも取り入れます。また酵素パック(たんぱく質分解)やピールオフタイプ(はがすタイプ)のパックを時々行うと更に良い状態になります。また色素沈着している場合は、紫外線防止対策も忘れずに行ってください。
ニキビ跡もひどくなると、デコボコとしたり、なかには毛穴が広がって目立つようになってしまいます。その場合は、収れん作用のある化粧水と保湿効果のあるものを選んでください。
基本的なケアを気長に続けるだけでも、時間は多少かかりますが、かなり目立たなくなります。
それでもニキビ跡がなかなか治らないなどと、気になるようでしたら、クリニックなどでのレーザー治療などの方法もあります。こちらは向き不向きもありますので、まずはカウンセリングなどを受けてみるとよいでしょう。
6.ニキビに安心な化粧水の選び方
6-1 内容成分表示の隠された秘密
オーガニック、植物性、天然由来・・・このような言葉が書いてあるだけで、安心してしまってはいませんか?
実は、この安全そうな言葉にこそ、さまざまな落とし穴が含まれているのです。
たとえばオーガニック化粧品、最近はとても多く見かけます。外資系の人気ブランドなどもたくさんあり、容器などもシンプル&お洒落なものが多いので、手に取ってみられた方も多いはずです。
オーガニック化粧品の説明にはこのような説明がよくあります。
・オーガニック成分をはじめとする天然成分だけを使用
・ノンシリコン&ノンケミカル
・界面活性剤にはトウモロコシ由来の成分採用
・防腐剤にはエゴノキやテンサイ糖由来の成分配合
などと、書いてあります。
これを読むととても肌に良さそうなイメージがしますよね?
でも実は、とても上手にウソをついているのです!
ここに書かれている天然成分とは、ノンケミカル(化学成分無配合)の対義語としてという意味なのでしょうか?実は、植物からもケミカルなものとして避けられている「合成界面活性剤」や「防腐剤」などを作る事もできるのは、あまり知られていないことと思います。
しかし、このようにトウモロコシやエゴノキなどといった、植物を原料としている事を強調しているので、とても安心できる成分配合のように感じます。
たとえば、安息酸Naという典型的な防腐剤があり、食品にも多く使わていますが、発がん性がある事を指摘されています。しかし、この安息酸Naは天然の成分から合成できるため、オーガニックやノンケミカル系の化粧品によく使用されています。
確かに天然成分から作られてはいるかもしれませんが、最終的に安息酸Naであることには、変わりはありませんよね?天然由来でも、化学物質でも違いはないので、危険性は同じだと思いませんか?
同じ保存剤でももっとよいものはたくさんあります。しかし、オーガニックや植物性、天然などを売りにするために、危険性を無視して配合されているとしか思えないのです。
これは、ごく一例になりますが、化粧水ひとつとっても、裏ラベルをじっくりみただけでは、どこがどのように、安全なのか良くわからいと思います。まるで、わからないように記載されているかのような落とし穴がたくさんあります。
ニキビ用の化粧水にも多く使われている、オーガニックや植物由来・・・この言葉に騙されてはいけません。
6-2 医薬部外品に気をつけましょう
実は、刺激のある指定成分さえ表示すれば、それだけで薬用化粧品と承認されてしまいます。
薬局やドラックストアでも販売している、ニキビ用の化粧水にも、よく見かける事がある「医薬部外品」この言葉が書いてあると、なんとなく成分もお薬に近いものが入っているのかな?という感じがして、効果があるような気がしませんか?この医薬部外品のなかに「薬用化粧品」というジャンルがあります。
驚いた事に、この薬用化粧品には、承認された有効分さえ配合しておけば、医薬部外品として登録する事ができるだけではなく、その有効成分だけを明記すればいいのです。
2008年より、日本化粧品工業連合の自主基準として、全成分表示を実施することとなりましたが、フタを開けてみると、実際のところは企業秘密の成分などはそれぞれの企業の判断により表示しないでもよいということになっているようです。これでは、せっかくの自主規制が意味がないですよね?
実際に、化粧水の箱などの裏表記を見てみると、たとえば有効成分○○としか書いてない場合や、たくさんの成分がズラズラ並べて書いてあり、これで全部かな?と思えば、実はただ「成分」としか書かれていなかったりします。当然、全成分表示ではなく、あきらかに問題のある成分を見せないようにしているとしか思えません。
また通常、全成分表示では、配合量が多いものから順番に書かれていますが、医薬部外品の場合は、表記の順番は自由なので、何が一番多く配合されているのかさえ、実は全くわからないのです。
このように医薬部外品には、落とし穴がたくさんあります。ニキビを早く治したいからといって、安易に薬用化粧水に、頼るのは要注意なのです。アレルギーがあったり、敏感肌の方などは、もしかしたら、更に悪化させてしまう事だってあり得ます。
6-3 合成界面活性剤がニキビを悪化させる
合成界面活性剤はとても便利で、量を増やし、洗浄力を強くし、また乳化させる力にも優れています。しかしこの強すぎる作用のため、肌の※注2バリア機能を破壊し、肌をとても痛め、ニキビも悪化させてしまいます。
界面活性剤という言葉は、よく耳にしたことがあると思います。少し難しくなりますが、物質と物質の境目(界面)を、変化させる作用があります。たとえば水と油は、通常は混ざり合う事がありませんが、この作用のおかげで、水を親油性に油を親水性に変化させ、乳化させる事ができるということです。
この界面活性剤を科学的に合成させて作られたものを、合成界面活性剤と呼び、数種類を混ぜて使用したりすることで、さらに強い洗浄力などが生まれます。
この界面活性剤は、化粧品を作るにあたっては、必要不可欠なのですが、合成界面活性剤の使用により、必要以上に肌の油分をとりすぎてしまい、大切なバリア機能(※注2)を壊してしまいますので、さまざまな成分、薬剤を肌の深部に浸透させてしまうのです。
具体的に説明すると、化粧品に含まれている異物や有害物質、香料、タール色素などを肌の深部まで浸透させるため、生きた細胞の部分にまで入り込んでしまいます。そのダメージにより、生体反応として、メラニンがつくられ、色素沈着を起こし、ニキビ跡になったりします。
特に、炎症しているニキビは敏感になっているので、健康な状態よりも、受ける打撃は大きいのです。
また、この界面活性剤には種類があり、合成、石油系、植物系、弱酸性、オーガニック系などがあります。合成界面活性剤のように強すぎる作用のものから、石けん程度の弱いものまでありますが、この石けん成分とは、成分表に「石けん素地」「純石けん分(脂肪酸ナトリウム)」とかかれているものに限ります。また石けんはアルカリ性のみを示すので、弱酸性や中性、アミノ酸系などと記載されている場合は、合成界面活性剤で作られていますので、注意してください。
しかし、勘違いしてほしくないのですが、全ての界面活性剤が悪いという訳ではないし、合成だからダメ、植物系だから安全という訳でもありません。
・危険なものの基準→洗浄力や乳化力を保ったまま皮ふに長く残り、皮脂を水に流出させやすくしてしまうのの(合成界面活性剤)
・安全→皮ふの上での洗浄力、乳化力が消えてしまい、皮脂を流出させすぎないもの(石けん)
このように、合成か?植物系か?などは関係なく、界面活性剤の強さ,濃さ、数などに気をつけることがとても、重要になります。
少々難しい内容になりましたが、界面活性剤については、ニキビの化粧水を選ぶにあたって、とても重要なことになりますので、しっかり頭にいれておいて欲しいと思います。
※注2 (3-2にも記載)バリア機能とは、外部からの異物などを皮ふから浸透させない仕組みのこと
まとめ
さまざまな視点から、化粧水の選び方をお伝えしてきました。しかし、ニキビの状態はみなさん違いますし、それぞれが複合的な原因で、できている事が多いのです。
テレビやインターネットでは、ニキビ化粧水のCMが溢れ、ビフォーアフターなどの写真などもたくさんありますが、どうぞ惑わされないでください。
また、ニキビの状態は、年齢や性別だけではなく、体調や環境などでも常に変わっていきますので、いつも同じ化粧水ではなく、状態に応じて変える事も必要です。
そして、もちろん化粧水だけでは、決してニキビは回復しないという事は、もうおわかりいただけたと思います。健康的な生活を送り、ストレスを溜めないようにしたりすることは、ニキビケアにとって必要不可欠になるのです。
たかがニキビ・・・されどニキビ・・・小さな小さなニキビですが、ポツンとひとつできただけでも、憂鬱になりとても気になるものです。
できれば、ニキビがひとつもできないように・・・
もしも、できてしまったら、少しでも早いうちに、ニキビとサヨナラできるように・・・
正しい知識を身につけて、あなたにぴったりの化粧水をみつけてくださいね。