鏡を見て、はじめて目元のクマやたるみを発見したときは、ショックを受けますよね?
目元にコンプレックスを持つと自分の顔に不安を抱くようになり、表情も暗くなりますから、ますます老けて見えるようになってしまいます。
衣服などをまとわず常に露出している顔のなかでも、もっとも目立つのが目です。
顔の印象の大部分は目元で決まるもの。
他人の顔を認識するとき、90%の人は目元の印象で判断するといわれます。
ですから、相手の印象をよくするためには、きれいな目元をつくることがもっとも効果的なのです。
ここでは、目元のトラブルが出やすくなる30代~40代の人を対象として、目元美人になってマイナス5歳を印象づける20のテクニックを、「マッサージ&エクササイズ」「スキンケア」「アイメイク」という3つのジャンルから解説します。
目次
1. マッサージ&エクササイズ
1-1. 目元全体マッサージ
1-2. 表情筋エクササイズ
1-3. 顔上半分の表情筋マッサージ
1-4. 眼輪筋エクササイズ
1-5. 上まぶたのエクササイズ
1-6. ヘッドマッサージ
1-7. 側頭部マッサージ
1-8. 耳マッサージ
2. 目元美人のスキンケア
2-1. 3つのクマの対処法
2-2. 涙袋をケアする
2-3. まつ毛のエイジングケア
2-4. アイセラムとアイクリームの使い方
3. 目元美人のアイメイク
3-1. タイプ別の問題点を知る
3-2. 前髪まで含めたバランスで考える
3-3. 基本は5アイテム
3-4. ローライトで立体感を出す
3-5. コンシーラーをハイライトに使う
3-6. アーチは眉頭で
3-7. アイラインで目幅をコントロール
3-8. タイプ別のまつ毛メイク
1. マッサージ&エクササイズ
目の周辺は皮下脂肪が少なくて皮膚が薄いので、乾燥しやすくハリも失いやすい部位です。
また、顔の中でも目の周りは、表情の変化にもっとも連動するので動きが多くなり、筋肉にも負担がかかっています。
表情筋は、顔に左右あわせて20数種類ある筋肉の総称です。
とくに目の周囲にある眼輪筋は、口の周囲にある口輪筋とともに疲労して緊張しやすい部位なので、マッサージやエクササイズでケアしましょう。
1-1. 目元全体マッサージ
目の周辺の緊張をほぐして血行を促進するマッサージです。
視野が広がって目元がスッキリし、ハリのある目元を回復するので、出会う人に好印象を与えることができます。
・ 両手の人差し指と中指の腹をアイホール(頭骸骨の目の穴)の下縁に当てて、目頭から目尻まで軽く押すようにマッサージします。
・ アイホールの上縁に親指の腹を当てて、目頭から目尻まで軽く押すようにマッサージします。
・ 人指し指の腹を目頭と鼻の付け根の間に当てて、軽く押すようにマッサージします。
・ 人差し指と親指で眉をつまんで左右に揺り動かすようにして、目頭から目尻まで軽く押すようにマッサージします。
1-2. 表情筋エクササイズ
表情筋は連動しており、顔のリンパを流す原動力になっているので、衰えるとリンパが流れなくなってむくみの原因になります。
また、衰えた筋肉とともに皮膚が垂れ下がって、シワやたるみの原因にもなります。
エクササイズで目の周りの表情筋をほぐしましょう。
・ 上まぶたを動かさずに下まぶただけを動かすように意識して、片目で10回ウィンク、両側を行います。
・ 両手の中指を目頭に押し当て、人指し指を目尻に押し当てて、視線を真上に向けます。
・ そのままの状態から、下まぶたを動かして薄目を開けた状態で5秒間キープします。
目元のしわが気になるかたは「1日3分!簡単ケアで「目元のしわ」を改善する5つの方法」の記事もぜひご参考にされてみてください。
1-3. 顔上半分の表情筋エクササイズ
目元を含む顔の上半分をほぐすことで、目の周辺のクスミや黒ずみを改善することができます。
・ 目を見開いた状態で、人差し指と中指の腹を上まぶたの上に置いて上に引っ張ります。
・ 上に引っ張る力に抵抗して、上まぶたを下げて目を閉じたら5秒間キープします。
・ 両側の頬に手のひらを当てて、あかんべえの要領で下まぶたを下げたら目を閉じて5秒間キープします。
1-4. 眼輪筋エクササイズ
表情筋の中でもとくに眼輪筋をほぐすエクササイズです。
目の下の筋肉を意識することでたるみを軽減し、メイク映えする目元を回復します。
・ 両手の人差し指を立てて、腹をアイホールの下縁に軽く押し当て、口を丸く大きく開きます。
・ その状態のまま、視線を真上に向けたら、目の下の筋肉を意識しながらまばたきを10回繰り返します。
1-5. 上まぶたのエクササイズ
上まぶたは加齢によって重くなり、腫れぼったいイメージになりやすい部位です。
眉や目尻の筋肉を動かして、上まぶたをほぐし、ハリのある目元を回復します。
・ 目を閉じて、眉だけを上に引き上げて5秒間キープします。
・ 右手の親指で左の目頭、人指し指で左の眉頭を押さえ、左手の中指で左の目尻を押さえて外側に引っ張り、5秒間キープします。
・ 目尻の指を離し、目頭だけを押さえて5秒間キープしたら、反対側も同様に行います。
1-6. ヘッドマッサージ
頭頂部には、体中のいろいろな器官に対応する末梢神経が集まっているので、マッサージすることで、体全体が軽くなります。
また、頭皮の刺激によって首から頭部にかけての血行が改善され、目の疲れやドライアイの症状も改善されます。
・ 両手のひらで、頭部全体の皮膚を大きく動かすようにマッサージします。
・ 指の腹を使って後頭部から首の後ろにかけて、やさしく押すようにマッサージします。
・ 頭頂部から左右の耳にかけて、やさしく押すようにマッサージします。
・ 髪の生え際に沿って、やさしく押すようにマッサージします。
1-7. 側頭部マッサージ
側頭部から頭頂部にかけてのマッサージで、目の周りのクマやむくみを改善し、顔をリフトアップさせることができます。
・ 両耳の上あたりに手の付け根を当てて、指を開いてボールを持つように頭を包みます。
・ 手のひらと指で、側頭部から頭頂部にかけてマッサージします。
・ そのままの状態から、側頭部の頭皮を頭頂部に向けて数回持ち上げます。
・ 最後にもういちど、側頭部から頭頂部にかけてマッサージします。
1-8. 耳マッサージ
耳は多くのツボが集中しているので、マッサージすると目元だけでなく、顔全体の筋肉をほぐしてフェイスラインを引き締める効果があります。
・ 両手の親指と人指し指で耳の縁をつまみ、上から下へ、下から上へと十分揉みほぐします。
・ 耳たぶの上、真中、下の部分を順に折りたたむように曲げます。
・ 両手の付け根あたりで、折りたたんだ状態の耳たぶを押します。
・ 耳の下のアゴの付け根あたりから、アゴの先端にかけて親指以外の4本の指の腹でなぞるようにマッサージします。
2. 目元美人のスキンケア
スキンケアは、加齢に応じて充実させていく必要があります。
とくにアイゾーンは、薄い皮膚が毎日酷使されるので、トラブルを抱えやすい部位なのです。
30代になったら、スキンケア:メイク=3:1の割合で考えなければいけません。
メイクで盛るのではなく、日々のスキンケアで、透明感のあるマイナス5歳の目元を維持しましょう。
2-1. 3つのクマの対処法
目の下にできるクマは原因の違いで3タイプあり、タイプごとに対処法が違います。
・皮膚を引っ張ると薄くなるのは「青グマ」で、血行不良が原因ですから、ホットタオルやホットマスクによる血行改善が有効です。
・上を向くと薄くなるのは「黒グマ」で、脂肪のたるみが原因ですから、眼輪筋のエクササイズや、目元専用の美容液などによるエイジングケアが有効です。
・なにをしても消えないのは「茶グマ」で、シミやクスミと似た症状ですから、UVケアと美白ケアによるメラニン対策が有効です。
2-2. 涙袋をケアする
下まつげのすぐ下のふくらみを「涙袋」といい、目を大きく見せたり、可愛い印象を与えたりする目元の大切な部位です。
若い頃にはフェロモンタンクなどと呼ばれることもありますが、加齢によるたるみが原因で大きくなってしまうことが少なくなりません。
ところが、涙袋のスキンケアをしている人はほとんどいません。
目元美容液は、目元周りのケアに特化したエイジング美容液なので、涙袋のケアにおすすめのアイテムです。
2-3. まつ毛のエイジングケア
まつ毛は眉とセットになって、顔の印象に大きな影響を与えます。
美しいまつ毛は目元に透明感を出し、目力をアップさせます。
まつ毛も老化が進むので、加齢により細くなったり、本数が減ったりして、マスカラを使っても以前ほどの効果が出なくなってきます。
まつ毛がしっかりあるうちから、まつ毛美容液でケアをして、10年後もマイナス5歳の目元を目指しましょう。
しかし、まつ毛が不足している、不十分であるという状態は、「まつ毛貧毛症」という症状である可能性もあります。
皮膚科クリニックを受診してまつ毛貧毛症と診断されると、医療用まつ毛育毛剤が処方され、まつ毛の長さ、太さ、濃さを改善することができます。
マツエクをされている方は「マツエクには必須!正しいクレンジングとアフターケアのコツ」の記事もぜひご覧になってください。
2-4. アイセラムとアイクリームの使い方
まつ毛美容液とセットでアイゾーンのケアを考えたいのが、アイセラムとアイクリームです。
目元はデリケートな部位ですから、目的によってアイテムを使い分ける必要があります。
腫れぼったい上まぶたと、ハリをもたせたい下まぶたには、同じアイセラムやアイクリームを使えません。
目的に合った成分が配合されているアイテムを選んでください。
アイセラムとアイクリームには明確な分類法がありませんが、一般的にアイセラムはアンチエイジング成分の浸透力が高い美容液、アイクリームは油分が多くなるので乾燥予防に適しているとされます。
朝はアイセラムを使用し、夜はアイクリームを目元の数カ所にのせて指の腹でやさしくなじませる使い方がおすすめです。
塗りのばすと、こすることになるので、体温を利用してなじませるようにします。
そして夜は、まつ毛美容液も欠かさないようにしましょう。
3. 目元美人のアイメイク
肌が年齢によって変わるように、目元も年齢によって変わっていきますから、いつまでも20代のアイメイクのままではいけません。
まぶたは重くなっていきますし、クマやたるみも生じやすくなります。
だからといって、20代の頃のような盛りメイクをしても、目元が浮いてしまいます。
目元はついつい盛りやすい部位ですが、30代以上になったら、目を大きく見せようという気持ちや若づくりしようという気持ちは捨てましょう。
年齢を重ねるとともに、メイクの加減を抑えていくのが基本。
大人のアイメイクに求められるのは、透明感と清潔感のある美しい目元です。
3-1. タイプ別の問題点を知る
メイクはファッションと比べれば目まぐるしく変わることはありませんが、10年単位でみるとやはり流行のスタイルは変わっています。
ファッションのように劇的に変わらないために、いつまでも20代のメイクを引きずってしまう人も多いのです。
老けて見える、疲れて見えるというメイクは、アイゾーンの影響が大きいもの。
アイメイクで失敗している人の特徴をタイプ別に挙げるので、自分に当てはまることがないかチェックしましょう。
・ 古く見えてしまう人
眉が細すぎる、眉の左右の高さが違う、アイシャドウのグラデーションが濃い、目元全体が黒っぽいなど。
・ 若づくりや高慢に見える人
アイラインが太くて長い、マスカラが濃い、まつ毛が全方向に広がっている、カラコンで黒目を大きくしすぎている、まつ毛エクステで盛りすぎなど。
・老けて見える人や疲れて見える人
目元の小ジワが目立つ、目の下のクマが目立つ、瞳にうるおいが感じられない、つけまつ毛が重いなど。
3-2. 前髪まで含めたバランスで考える
きれいな目元づくりには、眉はもちろん、前髪も大きな影響を与えます。
顔のタイプを4つに大別して、それぞれの目元に合う前髪の基本バランスを挙げましょう。
・ 目の配置が上にある人
額を出して顔が長く見えることをカバーすると、大人っぽく正義感があるイメージに。
・ 目の配置が下にある人
眉ギリギリまでの前髪で小顔効果を出すと、幼い、女らしいイメージに。
・ 左右の目が離れている人
前髪の幅を広めにすることで、やさしくおおらかなイメージに。
・ 左右の目が寄っている人
前髪の両サイドに少し長い部分を残してこめかみを隠すと、知的で几帳面なイメージに。
3-3. 基本は5アイテム
30代40代は、メイクを際立たせることよりも、透明感のあるアイゾーンで今の自分が輝くナチュラルメイクを目指しましょう。
今の主流となっている大人のアイメイクは、アイシャドウを使わない5アイテムで、ベースメイクからアイメイクまで仕上げます。
・ マットなアイブロウパウダー
自分の肌よりもダークなブラウンで眉を描き、アイゾーンのローライトにも使用します。
・ コンシーラー
芯のやわらかいペンシルタイプか、筆やチップが内蔵されたタイプを、ピンポイントカバーではなく、ハイライトとして使います。
・ フェイスパウダー
ベースメイクの仕上げに軽く使うことで、素肌を活かした明るさを出します。
・ リキッドアイライナー
ブラックかブラウンでナチュラルなラインを引きます。
・ マスカラ
ブラックかダークブラウンのエアマスカラで、軽く仕上げます。
3-4. ローライトで立体感を出す
リキッドファンデーションを使えば、クレンジングで落とさなければいけなくなります。
ベースメイクはファンデーションを使わないか、使っても洗顔だけで落とせるパウダーファンデーションにして、ポイントメイクで立体感を出すのが、大人のシンプルメイクのテクニックの1つです。
化粧下地→ローライト→ハイライトの3ステップで仕上げます。
効果的に影を入れて、立体感を演出するローライトは、アイブロウパウダーを少量ブラシにとってなじませます。
・ アイホールの上縁から目尻に向けて。
・ 眉頭と鼻の付け根の窪み。
・ アイホールのカーブがきつい人やつり目の人は、目尻から下まぶたにも少量。
3-5. コンシーラーをハイライトに使う
コンシーラーでカバーするという発想は捨てて、目元と口元に明るいゾーンをつくるために使います。
しっとり感のあるやわらかいタイプのコンシーラーを指の腹、もしくはスポンジでポンポンと薄くなじませ、仕上げにフェイスパウダーを軽くのせます。
ハイライトを入れるポイントは5つ。
・「Tゾーン」で、顔全体にメリハリを出す。
・「眉尻の下」で、清潔感を出す。
・「目の下(アイホールの下縁)」で、元気そうな顔になる。
・「黒目の上(上まぶた)」に少量で、目を丸く見せる。
・「口角から下にむけて」で、顔を引き締める。
3-6. アーチは眉頭で
今の大人メイクの主流は、眉山でアーチをつくるのではなくて、眉頭でつくるスタイルです。
でも、眉頭にアイブロウをのせすぎてはいけません。
ナチュラルで美しい太眉を目指しましょう。
ローライトにも使ったアイブロウパウダーで、アゴを上げて少し上を向いたときにできる陰に合わせ、眉の形をつくっていきます。
アイブロウパウダーをのせた後は、スクリューブラシで軽くなぞると、皮膚にパウダーがなじんで、ふんわりと自然な眉に仕上がります。
3-7. アイラインで目幅をコントロール
大人のナチュラルメイクは、まつ毛の生え際の上にリキッドアイライナーで細いラインを引きます。
目をはっきりさせるだけでなく、白目もきれいに見えるので、清潔感が出ます。
太く描きすぎるとメイクが濃い印象を与えますから注意。
目のキワに沿って、目頭から目尻へと引いていきましょう。
左右の目の位置が広いタイプの人はアイラインを内側に、寄っている人は外側にポイントをおいてラインを入れると、目幅をコントロールできてアイゾーンのバランスがよくなります。
3-8. タイプ別のまつ毛メイク
まつ毛の生えている向きによって、目元美人をつくるメイク法は変わってきます。
・ まつ毛が下向きの人
ビューラーを使って引き上げ、マスカラはエアマスカラのように軽いものが合います。
エクステはリフトアップタイプ、つけまつ毛は長めのカールしているタイプが合います。
・ まつ毛がまっすぐな人
ビューラーは使っても使わなくてもOK、マスカラはエアマスカラのように軽いものが合います。
エクステは毛先だけを引き上げるJカール、つけまつ毛は目尻だけの部分使いが向いています。
・ まつ毛が上向きの人
ビューラーは使わなくてOK、マスカラは重いタイプでもOKです。
エクステはナチュラルなNカールが合い、つけまつ毛は不向きです。
まとめ
マイナス5歳とはいっても、けっして若づくりするのではなく、今の自分を最大限に輝かす目元のケアを紹介してきました。
実は、日本人の目元には、クマやたるみを生じさせやすい構造上の問題があります。
30代以上の日本人の女性の80%に老化現象として、目元にたるみが現れるといわれます。
これは、日本人には目の周りに脂肪が多いという遺伝的体質があるためなのです。
ですから、セルフケアではどうすることもできない限界があるのも事実。
メスで切ることなく老化の症状を改善する美容医療もありますから、あまりにもたるみやクマが気になる場合には、美容クリニックを受診してみるのも、目元美人を目指す1つの手段です。
【参考資料】
・『なりたい美人になれる秘密の目元テクニック50』 幻冬舎 2017年
・『魅せる目元のつくりかた』 ごま書房新社 2013年