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重要な栄養素ですが、そのすべてを食事から補うのは難しいと言われています。
「葉酸」は妊婦にとって大切な栄養素。最近はよく知られるようになりました。
母子手帳にも、葉酸をたくさん摂るよう書いてあります。
しかも、「葉酸サプリメント」推奨なのだそうです。
インターネットで検索すると、妊娠中にサプリメントを摂るのは危険、なんて話も出てきます。サプリメントを奨められるのは、少し不安な気もします。
でも大丈夫。
葉酸サプリメントが推奨されるのは、その効果がはっきりしているからです。
どんな効果があるのか、注意しなくてはいけない点はどこか、お教えします。
1. 葉酸ってどんな栄養素?
1-1 葉酸はビタミンBの仲間
1-2 特に妊婦に摂ってほしい栄養素
1-3 サプリメントをすすめる理由
2. 葉酸サプリメントで期待できる効果
2-1 胎児の健康な発育
2-2 妊娠前から出産後まで、女性の体の変化もサポート
2-3 貧血の予防・改善
2-4 動脈硬化や心筋梗塞などの予防
2-5 美容や健康増進にも期待
3. 葉酸サプリを摂りすぎるとどうなるの?
3-1 葉酸の過剰摂取による副作用
3-2 葉酸の耐容上限量
普段から適度な運動とバランスの良い食事を心がけて、健康に気をつけている方でも、妊娠したらさっそく、葉酸サプリメントを摂り始めて下さい。
妊娠したい、と望む女性も同じです。
葉酸というのは、妊娠前~妊娠初期に、特に必要な栄養素なのです。
葉酸はビタミンBの仲間です。ビタミンB群は身体の中で、炭水化物などがエネルギー等に変換されていく過程(代謝)を助けています。
葉酸がサポートしているのは細胞の増殖です。特に、赤血球のもととなる赤芽球が、脊髄から正常に生み出されてくるようサポートしています。別名を造血ビタミンとも呼ばれています。
葉酸は緑黄色野菜や果物など様々な食品に含まれているので、バランスの良い食事をしていれば、普段は不足することはありません。
ただし、葉酸などのビタミンB群はどれも水に溶けやすい性質をしています。洗ったり茹でたりする調理の間に、元の食品に含まれていた量の半分に減ってしまうこともあります。
食べ物だけでたくさん葉酸を摂ろうとするなら、減ってしまう分も見越して何倍も食べなくてはいけません。無理ではないけれど、なかなか難しいでしょう。
妊娠すると、胎児は活発な細胞分裂を繰り返して成長します。特に妊娠初期は、脳や脊髄のもとになる器官など、身体の基盤がどんどんできていく大事な時期です。
細胞増殖を助ける葉酸がたくさん必要になります。
そこで厚生労働省は、妊活中および妊娠初期の女性に、葉酸サプリメントで1日400μgを補うよう推奨しています。
食事とは別に、「葉酸サプリメントで1日400μg」を追加して下さい、ということです。
なぜわざわざサプリを推奨するかというと、食べ物に含まれる葉酸とサプリメントに入ってる葉酸とでは、形状が少し違うからです。
食品から摂れる葉酸をポリグルタミン酸、サプリントで摂れる葉酸をモノグルタミン酸と言います。
簡単に説明すると、食品に含まれている葉酸は、他の栄養素と合体した形をしているため、吸収するには消化・分解しなくてはなりません。一方、サプリメントに含まれている葉酸は、最初から葉酸だけの形に整えてあります。
食べ物から摂った葉酸は、消化の途中で壊れてしまうものもあり、実際に体内で活用されるのは50%ほどだと言われます。それに対し、サプリメントから摂った葉酸の活用率は80~90%になります。
サプリメントの葉酸の方が、吸収・活用しやすいのです。
日本人はもともと、野菜の多い和食中心の生活をしていました。毎日の食生活で葉酸が摂り入れやすかったのです。
でも最近は食生活が変化し、外食やダイエットなどで十分な栄養が摂れず、栄養不足気味の人が増えてきました。食品に含まれる葉酸の量自体が減っている、という説もあります。
妊娠して、葉酸をたくさん摂り入れようとしたときに、すべてを食品から摂取するのは無理があります。減ってしまう葉酸分を考慮して、大量の野菜や果物を毎日食べるのは難しいでしょう。それに、妊婦はつわりに苦しめられることもあります。水を飲むのもつらいときには、十分な食事を取ることはできません。
そんなときのためにも、サプリメントを活用してほしいのです。
サプリメントならば、数粒で効率よく、必要な栄養を吸収することができます。
葉酸サプリメントを推奨するのは、胎児の成長を助けるためです。でも、葉酸の効果はそれだけではありません。
さまざまな研究が進み、思いがけない効果が期待できることも分かってきました。
サプリメントで十分な葉酸を摂っておくと、妊娠初期の胎児の成長がスムーズなので、形態異常などの発生リスクを下げることができます。
妊婦に葉酸摂取がすすめられる、一番の理由はこれでしょう。
葉酸でリスクを減らせるとして、よく挙げられるのが「神経管閉鎖障害」です。脳や脊髄のもとになる神経管がうまく形成されない障害で、胎児に形態異常や麻痺の症状が出ます。
神経管は受精後、約二十八日で出来上がります。この時期はまだ、女性も妊娠に気づかないかもしれません。
妊婦だけでなく、妊娠を望む女性にも早めの葉酸サプリ摂取がすすめられるのは、こういうごく初期の胎児の発育を助け、障害のリスクを下げるためです。
もちろん、妊娠に気づいてから飲み始めても遅いわけではないので、安心して下さい。
神経管閉鎖障害は、遺伝要因など複数の理由が重なって発生するため、葉酸を摂れば必ず防げるというものではありません。ですが、実際に葉酸を摂ることで発症件数が減ったという研究結果がいくつも出ています。アメリカやイギリス、ノルウェー、中国などは、日本よりも五年~十年ほど早くから、妊婦への葉酸サプリ摂取推奨を始めています。
妊娠を望んで準備を始めたら、葉酸サプリメントも飲み始めるのが良い、とされています。
いつ妊娠しても胎児が安心して成長できるよう、母体の環境を整えるためです。
葉酸量だけではなく、妊娠しやすい体になる、という期待もあります。
葉酸は活発な細胞増殖を助けます。その効果で、子宮内膜も豊かになり、受精卵が着床しやすくなると言われています。
また、出産後の授乳期にも、葉酸は重要な助けになります。
母乳は母親の血液から作られているので、母乳メインで育てると、母親の体内に取り入れられた栄養がそのまま赤ちゃんの栄養になります。成長に必要な葉酸も、母乳を介して赤ちゃんの中に届きます。
そして母乳を分泌する母親は、貧血状態になりやすいのです。葉酸は赤血球の増産を促し、貧血を軽くしてくれます。葉酸には造血ビタミンという異名もあるのです。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によれば、成人女性の通常の葉酸摂取推奨量は240?です。授乳中の女性は、ここに100μgを加えて摂取するのが望ましいとされています。
妊娠前から妊娠後、卒乳まで、必要量は変わっても、女性の体には平常より多くの葉酸サポートが必要です。
葉酸はもともと、貧血の予防因子として発見されました。赤血球のもとになる細胞(赤芽球)が、脊髄で正常に生み出されるための補助をしていたからです。
赤血球はおよそ120日で寿命を迎え、体外へ排出されていきます。そのため、毎日新しい赤血球をどんどん作り出さなくてはなりません。
もし葉酸が不足すると、血液細胞が正常に作られなくなります。赤芽球が不自然に大きくなり、そのまま脊髄の外へ出てくる「巨赤芽球性貧血」を引き起こします。
妊娠中の女性の体では、胎児のために大量の葉酸が使われるので、母体の分が足りなくなりがちです。そうすると、上記のような葉酸不足による貧血も起こりやすくなります。
さらに、胎児の成長のために血液循環量は増えるのに、赤血球の増産が追いつかないということもあります。血液中の水分ばかりが増えて、まるで水増しされたような薄い血液になってしまいます。これも貧血の症状が出ます。
女性は妊娠中も、妊娠後の授乳期間にも貧血になりやすいのです。サプリメントで効果的に葉酸を取り入れることによって、造血を促進し、これらの貧血を予防・改善することができます。
葉酸の効果として最近注目されているのは、循環器系の病気の予防効果です。
血液中には、代謝の過程で生み出される有害物質、ホモシステインが含まれています。この物質は葉酸やビタミンB12などの働きで、別の無害な物質に変化します。
でも葉酸類が不足するとホモシステインを分解できず、有害なまま血液中に多く漂うこととなります。このホモシステインが血管を傷つけるため、動脈硬化や高血圧、心筋梗塞や脳卒中などが発症しやすくなるのです。
他にも、ホモシステインは骨粗鬆症の発症に関係している、という報告もあります。
動脈硬化も心筋梗塞も骨粗鬆症も、加齢にともなって増える病気です。
成長著しい胎児や妊婦だけでなく、高齢者にとっても、葉酸はないがしろにできない栄養素なのです。
細胞の増殖や新生、造血がスムーズに行われていると、若々しく健康でいられます。
そのことから、葉酸には美容や健康増進の効果も期待できる、という意見もあります。
例えば皮膚や胃腸、口内などの粘膜は、細胞分裂が活発に行われる場所です。新陳代謝がスムーズに行われれば、いつでも若々しい細胞の状態でいられるということです。
葉酸を摂取することで、肌荒れや口内炎を予防し、皮膚や粘膜を健全に保つことができます。結果として、美肌や整腸効果などが期待できる、というわけです。
体中のあらゆる細胞は、葉酸の助けを得て分裂増殖します。髪の毛でも、血液でも同じです。葉酸が十分にある状態なら、美しい髪が作られるでしょう。造血がスムーズに行われれば、血流がアップし、冷えや生理不順の改善なども期待できます。
細胞の新生や造血を中心に、病気予防など他の効果も期待できそうだとなると、ちょっと欲が出てきますね。
葉酸不足が貧血などのリスクを高めるというなら、いっそ多めに摂ってしまった方がいいのでは……と思うかもしれません。
でも、自己判断で摂りすぎるのは危険です。用量は正しく守って下さい。
過剰摂取は副作用をもたらします。
葉酸の過剰摂取による副作用は、ない、あるいは微少であるとされてきました。
じんましんや発熱、吐き気が報告されていた程度だったのです。
ですが、最近は葉酸の過剰摂取により、貧血がかえって悪化した例などが報告され始めました。葉酸の必要量が減ってくる妊娠後期に大量の葉酸(1日1000μg以上)をサプリから摂取した結果、子供の小児喘息リスクが上昇した、という論文もあります。
動脈硬化や心筋梗塞の予防に効きそうだと研究も進められていますが、どれくらいの量を、どういう条件で飲んだら良いのか、一定の結果は出ていません。
薬効を期待して勝手に増量するのは危険です。
サプリメントはあくまでも、足りない栄養分を補うもの。
補助食品として、正しい用量で飲んで下さい。
でも、もしうっかり1回の分量を間違えて飲んでしまったら……?
厚生労働省は、「食事摂取基準」の中で、各栄養素ごとに耐容上限量という枠を設けています。1日の摂取量をこの数値内に収めるように、という安全枠です。
葉酸の場合、1日1000μgが成人の耐容上限量です。
他に薬など飲んでいない、健康な成人ならば、耐容上限量内におさまっている分は心配しなくて良いでしょう。
それに、葉酸は水溶性のビタミンです。余剰分は体外へ排出されます。
ただし妊娠中の人、また、他に薬を飲んでいるというような事情のある人は、念のため医者に相談して下さい。
また、この耐容上限量というのは、サプリメントに入っている吸収しやすいモノグルタミン酸で計算されています。サプリメントの用量さえ守っていれば、どんなに野菜をたくさん食べても、1日の葉酸量が上限を超えることはありません。安心して、葉酸の多い食物を積極的に摂って下さい。
胎児の健康な成長をサポートする葉酸は、吸収しやすいサプリメントで摂るのがおすすめです。特に妊娠初期に必要な栄養素なので、妊娠を考えたら早めに葉酸サプリメントを摂取しましょう。水溶性で、身体の中に溜めておけないので、毎日摂ることが大切です。
サプリメントで葉酸を十分に摂ると、貧血の改善や動脈硬化の予防など、他にもさまざまな効果が期待できます。
でも、あまりにも大量に摂りすぎると副作用の危険もあります。
用量を守って、上手にサプリメントを頼って下さい。
【参考文献】
『栄養素の通になる』 女子栄養大学出版部 上西一弘
『医療従事者のための完全版機能性食品ガイド』 講談社 吉川敏一・辻智子監修
『子宝サプリ』 自由国民社 小浦ゆきえ著 高橋敬一監修
『日本人の食事摂取基準2015年度版 策定検討会報告書』 厚生労働省
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