疲れたと感じたら、「早く休憩をとりたい」と思いますよね?
しかし、仕事中だとなかなか自由に休憩がとれないこともあります。そんなとき、わずか1分間で簡単にでき、即効性のある解消法があったらうれしいですよね。
疲れは、溜めてしまうと短い時間では解消できなくなります。心や身体の疲れを放置して疲労を重ねれば、過労から、やがては深刻なダメージを残すことにもなりかねません。
そのため、少しでも疲れを感じたら、その段階で軽減しておくことが大事なのです。
ここでは簡単にできる疲れの軽減方法を「思考系」「行動系」「運動系」「自己暗示系」という4つのジャンルに分けて25種類を紹介します。自分の疲れに効果がある方法を見つけて、日頃から疲れを溜めないようにしましょう。
目次
1 疲れているときの簡単ケア | 思考系
疲れているときの簡単ケア1 写真を見て妄想する
疲れているときの簡単ケア2 プチ瞑想
疲れているときの簡単ケア3 1分間だけの徹底的プラス思考
疲れているときの簡単ケア4 亡くなった人のことを考える
疲れているときの簡単ケア5 1分間だけ「ダメもと」思考をする
疲れているときの簡単ケア6 マイナーチェンジを考えてみる
2 疲れているときの簡単ケア | 行動系
疲れているときの簡単ケア7 1分間だけ行方不明になる
疲れているときの簡単ケア8 ティータイムで無心になる
疲れているときの簡単ケア9 高い場所から世の中を見下ろす
疲れているときの簡単ケア10 空を見上げる
疲れているときの簡単ケア11 アニマルセラピーでラクになる
疲れているときの簡単ケア12 運転や操作をして気分を上げる
疲れているときの簡単ケア13 買い物に行く
疲れているときの簡単ケア14 美味しいものを食べる
疲れているときの簡単ケア15 アロマで気分転換
3 疲れているときの簡単ケア | 運動系
疲れているときの簡単ケア16 1分間だけ息を長く吐いてリラックス
疲れているときの簡単ケア17 三首を回す
疲れているときの簡単ケア18 ツボ刺激で頭をスッキリさせる
疲れているときの簡単ケア19 あくびをする
疲れているときの簡単ケア20 まばたき眼球運動で目をリフレッシュ
疲れているときの簡単ケア21 座ったままで首と肩のストレッチ
疲れているときの簡単ケア22 ゴルフボールで足裏刺激
4 疲れているときの簡単ケア | 自己暗示系
疲れているときの簡単ケア23 「大丈夫」を口にして元気になる
疲れているときの簡単ケア24 パワーウォーターを飲む
疲れているときの簡単ケア25 笑顔をつくる
まとめ
1 疲れているときの簡単ケア | 思考系
疲れているときの簡単ケア1 写真を見て妄想する
雑誌の写真やパソコンで好みの画像を見ながら、1分間の妄想に浸ります。自分の頭の中で行うことですから、何をどう考えようが自由です。
南国のリゾートへ飛ぶのもいいでしょうし、緑豊かな大自然の中で過ごすのもいいでしょう。雑念を入れずに、徹底的に気持ちのいいことを考えましょう。
訓練を重ねると、妄想の中で自分を解放することができるようになり、デスクにいながら気持ちをリフレッシュすることができるようになります。
疲れているときの簡単ケア2 プチ瞑想
1分間だけ目を閉じます。できれば会議室など一人になれる場所がよいのですが、わずか1分間ですから、自分のデスクに座ったままでもあまり周囲の目を気にする必要はないでしょう。
背筋に力を入れず、しっかり伸ばして目を軽く閉じ、リラックスします。頭のてっぺんから意識が宇宙にまで突き抜けるイメージを持って、静かに呼吸します。
座禅のように目を薄く開ける半眼にしてもよいですが、リラックスのポイントはギュッと力を入れて閉じないことです。
疲れているときの簡単ケア3 1分間だけの徹底的プラス思考
1分間だけ、徹底的に「これからいかに良くするか」だけを考えます。積極的に明るい未来を展望するのです。
「なぜ、こんなことになったのだろう」などというマイナス思考は一切捨てます。問題点や原因を探るのではなく、解決策や修正案を考えるのです。
人間は一度に二つのことは考えられません。プラス思考に集中すると、おのずとマイナス思考はなくなっていきます。
疲れているときの簡単ケア4 亡くなった人のことを考える
亡くなった人(特に生前親しくしていた人)のことを考えることによって、自分が生きていることに感謝できます。
「生きているだけで儲けもの。不安も不満も生きているからこそ生まれる感情なのだ」という境地に達することができたら、しばらくは小さなことでクヨクヨしなくなるはずです。
目を閉じて、優しかった親や、仲のよかった友人の笑顔を思い浮かべれば、心が安らぎます。愛していたペットを思い浮かべるのもいいでしょう。
疲れているときの簡単ケア5 1分間だけ「ダメもと」思考をする
なにかにチャレンジしたり、物事を作り上げるような仕事をしたりして疲れたときには、1分間仕事を離れて、「ダメでもともと」と何回かつぶやきましょう。
失敗しても元にもどるだけのこと、またやり直せばいいのです。そう考えられるようになれば、気がラクになって疲れが抜けていきます。
体の疲れと同様に心の疲れも、こまめなケアが大切。気を楽にしながらチャレンジしたほうが成功率も上がります。
疲れているときの簡単ケア6 マイナーチェンジを考えてみる
自分のマイナーチェンジを考えてみます。フルモデルチェンジするのは、とても大変なことですが、マイナーチェンジだったら気軽に行うことができます。
自分の中で行うマイナーチェンジですから、何度やってもいいのです。
「もう少し相手の話を聞こう」
「無駄に疲れることはやめよう」
「イメージを変えてみよう」
気が付いたことを一度に多くではなく、少しずつ変えていくようにします。自分を変えることは前向きな発想ですから、プラス思考に転じて疲れも軽減します。
2 疲れているときの簡単ケア | 行動系
疲れているときの簡単ケア7 1分間だけ行方不明になる
1分間だけサボりましょう。それも、周囲の人には知られないように姿を消すのです。
トイレ、会議室、屋上、人の目を気にせず自分を解放できる場所を、日頃から作っておくことが大事です。
思いっきりあくびをするもよし、深呼吸をするもよし、ストレッチをしてもよし。15分間の集中に対して1分間のリラックスが理想的とされますが、仕事中はなかなか難しいものです。
せめて疲れを感じたら、迷わず1分間の休憩をとりましょう。
疲れているときの簡単ケア8 ティータイムで無心になる
疲れたと思ったときに、昔から効果的な休憩方法とされる「コーヒーブレイク」。
無心になって、お茶やコーヒーをゆっくりと味わいます。あまり長い時間のティータイムは雑念が入ってきますから、1分間でいいのです。
カテキンやカフェインが15分後に効いて、頭をシャキッとさせてくれます。いろいろな香りや効能を楽しめるハーブティーもお勧めです。
疲れているときの簡単ケア9 高い場所から世の中を見下ろす
屋上でも上層階でも高いところに上がって、地上を見下ろします。
鳥の目になって世の中を見てみると、すべてが小さく見えて、今まで悩んでいたことも小さな事柄に思えてきます。
不安のきっかけになっているのは、元をただせば小さなことが多いのです。屋上で風にあたれば頭を冷やすこともできて、疲れがスーッと抜けていくでしょう。
疲れているときの簡単ケア10 空を見上げる
視点を変える方法として、上から見下ろすのと同様に、下から上を見上げるのも疲労回復に効果があります。
青い空や白い雲を見上げるのです。雲はほんの数十秒の間にもその形を変える変幻自在な存在で、毎日見ていても違った表情を見ることができ、飽きることがありません。
可能であれば芝生の上にでも寝転がって、ポカーンと空を見上げるだけの1分間を過ごしましょう。気持ちを思いっきり解放した後は、疲れがとれて集中力がアップします。
疲れているときの簡単ケア11 アニマルセラピーでラクになる
会社での仕事中には難しいかもしれませんが、好きな動物と触れ合うことは、とてもいい疲労回復になります。
動物に触れることで心が安らぎ、疲れを忘れます。触れるだけでなく、言葉をかけて動物と気持ちが通じ合うことを実感できると、気持ちが満たされていきます。
知らぬ間に自分が笑顔になっていることに気がつくでしょう。動物に対して優しい気持ちになれると、他人に対しても優しく接することができるようになるので、人間関係の疲れを軽減させることになります。
疲れているときの簡単ケア12 運転や操作をして気分を上げる
ストレス解消法のひとつとして、クルマやオートバイの運転をする人は多いですね。スピード感ある視線の移動が、気持ちをリフレッシュしてくれます。
実際に運転できないときには、テレビやアプリのゲームで操縦シミュレーションをすることでも効果が得られます。
自分で運転していなくても、電車に乗って子どものように外の景色を眺めていると、気持ちが安らいだり、ウキウキしたりするものです。
疲れているときの簡単ケア13 買い物に行く
これは1分間では難しいかもしれませんが、買い物をしてストレスを発散させます。
時間がないときにはコンビニでもいいのです。少し余分に思えても、気になっていたものや気に入ったものをパッパッと手に取り、買ってしまいましょう。
ちょっとした贅沢をするところがポイントで、ランチだったらいつもより百円高いものをたのむだけでも、プチ幸せを感じることができます。
時間と予算に余裕のある人は、普段はなかなか決断できないような値段のものを衝動買いしてしまいましょう。疲労回復だけでなく、モチベーションアップにもつながります。
疲れているときの簡単ケア14 美味しいものを食べる
古くからもっとも簡単な疲労回復法は、好きなもの、美味しいものを食べることだと言われてきました。仕事中でも1分間の休憩をとって、好きなものを口にすればちょっと気持ちを上げることができます。
デスクの引き出しに、疲れたときにちょっと気持ちを上げるための食べ物を常備している人は多いと思います。
チョコレート、飲むゼリー、スナックバ―、羊羹など、甘いものや栄養補助食品は人気があります。バナナは、疲労回復に即効性のある栄養食品なのでお勧めです。
疲れているときの簡単ケア15 アロマで気分転換
アロマのリフレッシュ効果は大きいのですが、なかなか仕事中にオイルを熱したりお香を焚いたりすることはできませんよね。
ところが、最近はUSB型の小さなアロマディフューザーが売られており、周囲にあまり香りを拡散せずに楽しむことができます。
それでも難しい場合は、お気に入りのアロマオイルを常備しておき、ティッシュに一滴たらして鼻にあてます。使ったティッシュは、折りたたんでバッグの中に入れておけば、匂い袋の代わりになります。
3 疲れているときの簡単ケア | 運動系
疲れているときの簡単ケア16 1分間だけ息を長く吐いてリラックス
体の中の不純物をすべて体外に吐き出すイメージで、口をすぼめて長く息を吐きます。もうこれ以上吐けないところまで来たら、最後に「ハッ」と吐き切ります。
お腹に息を入れるようなイメージ息を吸ったら、また時間をかけて吐き切ります。これを2~3回繰り返しましょう。
息を吸うときは交感神経を刺激し、吐くときは副交感神経を刺激します。長く息を吸うと緊張し、長く吐くとリラックスできるのです。
疲れているときの簡単ケア17 三首を回す
「首」「手首」「足首」の三カ所を回すと、全身の血行がよくなって疲れがとれます。
三首は血流の滞りやすい部位ですから、ゆっくりと首を前後左右に回してから、手首も回します。次に手のひらを上にして腕を伸ばし、手親指以外の4本の指を反対の手で下から体側にひきつけます。
足首はグルグルと回してからアキレス腱を伸ばしましょう。
疲れているときの簡単ケア18 ツボ刺激で頭をスッキリさせる
後頭部の「風府(ふうふ)」というツボを刺激します。風府は、背骨をまっすぐ上に突き抜けて止まる後頭部のくぼみにあります。
頭痛、首や肩の凝り、目の疲れ、高血圧などに効き、頭をスッキリさせるツボです。眉間に届かせるようなイメージで3秒間押したらゆるめ、5~10回繰り返しましょう。
痛みを感じるときは過労状態にあるか、体調を崩している可能性が高いので、ムリに刺激するのはよくありません。
疲れているときの簡単ケア19 あくびをする
あくびには、心と体の緊張をほぐして脳を活性化させる効果があります。
意識的にあくびをするコツは、まず肩の力を抜き、首をゆっくり回して緊張をほぐすことです。両手を広げて大きく伸びをしながらあくびをしましょう。
気持ちが緩んで副交感神経が優位になり、血圧が下がって心拍も安定します。また、涙腺を刺激して涙がでるので、目の疲れにも効果的です。
疲れているときの簡単ケア20 まばたき眼球運動で目をリフレッシュ
まず、かたく目を閉じて、パッと開いたら連続で10回まばたきをします。
次に眼球を上下、左右、左回り、右回りと動かす体操です。この体操によって、眼球周辺の筋肉をストレッチすることができます。
(1)眼球をゆっくり上下に動かす
(2)眼球をゆっくり左右に動かす
(3)1周5秒くらいかけて、ゆっくり円を描くように両目をグルグルと回す
この運動を2~3回繰り返しましょう。
疲れているときの簡単ケア21 座ったままで首と肩のストレッチ
筋肉を伸ばすストレッチは、緊張して血行不良を起こしている状態を改善します。手早くできて疲労回復の効果が高いのは、首と肩のストレッチです。
(1)首を左に大きくひねったところで10秒キープ。
(2)右にひねって同様に10秒キープ。
(3)イスに座ったまま左手をお尻の下に入れる。
(4)右手を後頭部に当てて、頭部を右斜め上に20秒間引っ張る
(5)左右を変えて20秒間引っ張る。
ストレッチは痛みを感じないゆるさで、呼吸を止めずに40~60秒行うのが効果的です。
疲れているときの簡単ケア22 ゴルフボールで足裏刺激
足の裏にはツボが集中しています。「青竹踏み」は、そのツボを刺激する方法として知られていますが、それ以上の効果をもたらすのが、ゴルフボールによる足裏マッサージです。
ゴルフボールの大きさと硬さが、足裏マッサージにちょうどよい大きさなのです。
デスクの下にゴルフボールを置き、靴を脱いで足裏で転がします。前後左右にグリグリと転がして、足裏の気持ちいい部分を刺激してください。
足の疲れをとるだけでなく、頭がはっきりしてクリアになり、ツボでつながっている全身の老廃物を排出してくれる効果があります。
4 疲れているときの簡単ケア | 自己暗示系
疲れているときの簡単ケア23 「大丈夫」を口にして元気になる
疲れたときには、ついネガティブな言葉を口にしてしまうものです。しかし、「疲れた」「つらい」と言っていても元気にはなれません。疲れが余計に増すだけです。
そんな言葉を口にしそうになったら、「大丈夫」と何回でも言ってみましょう。「私は疲れていない」という否定形ではなく、「大丈夫」と自分を肯定するのがポイント。
ポジティブな言葉を口に出して、元気を呼び込むのです。
疲れているときの簡単ケア24 パワーウォーターを飲む
ペットボトルやコップに入った水を飲みます。そのとき、「この水は細胞の隅々までパワーをしみわからせてくれるパワーウォーターだ」とイメージします。
特別な水である必要はありません。イメージが心身の状態を変える、一種の条件反射を身につけるのです。
「パワーコーヒー」や「パワーチョコレート」も効果が出やすいアイテムです。
疲れているときの簡単ケア25 笑顔をつくる
一人になれる場所に行き、できれば鏡を見ながら口角を上げて、笑顔をつくります。
笑顔になると、体から余計な力がぬけて筋肉の緊張がほぐれます。意識的につくった笑顔でも、その効果は変わりません。
大きな声を出せる場所がある場合は、「ワッハッハ」と大きな声を出して笑ってみましょう。効果は倍増して、疲れた心がスーッと軽くなります。
まとめ
人間は、誰でも疲れますし、心をすり減らします。
仕事ができる人、タフな人というのは、自分で早めに手当てをして、心と体をこまめに回復させているのです。
人間の体には自然治癒力が備わっていて、どこかに不具合が生じたり、疲労が起こったりすると、元の状態に戻そうとします。
ここで紹介した心と体をケアする方法は、その自然治癒力を後押しすることができます。しかし、あくまでも初期の疲労を1分間で解消する手段ですから、過労状態になってしまった場合には、時間をかけたケアが必要になります。
こまめなケアを習慣化して、早めの手当てを心がけましょう。
【参考資料】
『仕事でつかれたら1分間だけ読む本』(成美堂出版・2009年)
『疲れたときのすごい対処法』(KKロングセラーズ・2013年)