角質のお手入れで悩んでいませんか?
顔だけでなく、ひじやひざ、かかとなどの角質ケア用に、いろいろなグッズやアイテムが販売されています。
自分の肌に合ったアイテムはどれなのか?
何を基準にして選べばいいのでしょう。
その前に、そもそも角質とはどうやってできるものか知っていますか?
除去するくらいですから、悪いものかと思われるかもしれませんが、実は美肌に欠かせない重要な役割を持っているのです。
まずは、皮膚の構造や角質ができる過程を知らなければ、ケアアイテムの効果や違いがわかりませんね。
ここでは、角質とはどのようなものかということにはじまり、各部位に適した角質除去のケア方法と、角質除去におすすめできる7つのアイテムを紹介します。
正しい角質ケアで、気になるガサガサを解消しましょう。
目次
1. 角質ができるメカニズムとケア方法
1-1. 角質をつくるターンオーバー
1-2. バリアで肌を守っている角質
1-3. 古い角質が固まる角質肥厚
1-4. 顔の角質を除去するケア
1-5. 鼻の角質を除去するケア
1-6. ひじ、ひざ、かかとの角質を除去するケア
2. 角質除去におすすめの7アイテム
2-1. 顔の角質除去におすすめの洗顔料
2-2. 顔の角質除去におすすめのジェル
2-3. 顔の角質除去におすすめのクリーム
2-4. 顔の角質除去におすすめの化粧水
2-5. 顔の角質除去におすすめのパック
2-6. 顔の角質除去におすすめのピーリング&ゴマージュ
2-7. 身体の角質を除去するアイテム
2-8. 足の角質除去ができる都内のサロン
1. 角質ができるメカニズムとケア方法
まずは、皮膚の構造を簡単に説明しましょう。
人間の皮膚は、内側から「皮下組織」「真皮」「表皮」という3層の構造になっています。
一番内側の「皮下組織」は、骨や筋肉の上にある皮下脂肪が大部分を占めてクッションの役割を果たし、動脈や静脈が通っていて、皮膚に栄養や酸素を運んだり、老廃物を回収したりという役割もあります。
皮下組織の外側には、タンパク質の線維であるコラーゲンが網目状に広がり、そのところどころを、やはりタンパク質の線維エラスチンが補強し、すき間をジェル状のヒアルロン酸などが埋める「真皮」があって、肌のハリや弾力を保っています。
皮膚の一番外側になる「表皮」は0.2ミリ程度の厚さで、その中でももっとも外側にあって、外気と接しているのが、0.02ミリ程度の厚さしかない「角層」です。
1-1. 角質をつくるターンオーバー
表皮の一番真皮に近い部分である「基底層」では、ケラチノサイトという細胞が細胞分裂を繰り返しています。
2つに分裂した細胞は、ひとつが基底層に残って細胞分裂を繰り返し、ひとつは表皮細胞となって「有棘層」を構成します。
有棘とはトゲがあるという意味ですが、できたばかりの表皮細胞はゴツゴツした形をしています。
表皮細胞は、後から生まれた細胞に押し上げられ、その圧力で扁平な形になって重なり、「顆粒層」を構成します。
表皮細胞はさらに押し上げられてペラペラに薄くなり、核が抜けて死んだ細胞となって、「角層」を構成します。
この死んだ細胞が角質で、ケラチンや角質細胞と呼ばれることもあり、やがて押し上げられて皮膚からはがれ落ちるのです。
この細胞分裂から、角質がはがれ落ちるまでの代謝のサイクルを「ターンオーバー」と呼び、20代の若い皮膚では30日程度の長さですが、加齢とともに長くなり、40代から50代になると倍の日数がかかることもあります。
1-2. バリアで肌を守っている角質
角層は、薄い角質がレンガのよう15~20層にも重なり、そのすき間を細胞間脂質が埋めて強固な壁をつくっていて、この壁を「角層のバリア」と呼びます。
角層のバリアには、外と内、両側に向けて重要な役割があります。
外に向けた働きは、外部から細菌やウィルスなどの異物が体内に侵入することを防ぐこと。
内側に向けた働きは、細胞間脂質のセラミドや、角質のアミノ酸を主成分とする天然保湿因子(NMF)が、体内から蒸発する水分を保持して、肌のうるおいを保つことです。
角層はラップ1枚程度の厚さしかないので、刺激物やこすることなどで壊れやすく、バリアが破壊されると細胞間脂質が流れ出してしまい、肌は乾燥します。
また、角層が傷つくと、脳は修復しようとしてターンオーバーを早める指令を出します。
すると、未熟な表皮細胞が角層まで出てきてしまうので、バリア機能がさらに弱まり、肌荒れの悪循環に陥りやすくなってしまうのです。
1-3. 古い角質が固まる角質肥厚
加齢などの原因で、ターンオーバーが長くなると、はがれ落ちるはずの角質がいつまでも皮膚の表面に残ってしまいます。
皮膚の表面に溜まった角質は、硬く厚くなり、毛穴をふさいだり、肌を乾燥させたりします。
この状態を「角質肥厚」と呼び、角質除去の意味とは、この溜まってしまった角質を取り去って、角層を健全な状態に戻すことにあります。
角質除去を英語で「removing keratin」と言いますが、角質を意味するケラチンとは、動物の皮膚、爪、髪などに含まれるタンパク質の総称です。
肌がガサガサになって、粉をふいたようになるのは、ケラチンがささくれ立っている状態です。
1-4. 顔の角質を除去するケア
顔の角質肥厚は、毛穴の出口をふさいでニキビの原因になったり、肌の老化を進めてシワやたるみの原因になったりします。
顔の角質除去でもっとも一般的に行われているのは、「ピーリング」です。
ピーリングは酸性の薬剤で古い角質を溶かすケアで、美容皮膚科などで行うものと、ピーリングコスメを使って自分で行うものがあります。
最近増えている角質の除去方法が、「スクラブ」や「ゴマージュ」です。
スクラブはポリマーなどの粒子で肌を研磨する方法で、ゴマージュは植物由来の原料を使って肌をこすり、消しゴムのカスのように古い角質を除去する方法です。
スクラブとゴマージュは同類として扱われることも多いのですが、どちらも肌をこすることになるので、使用に際しては肌の負担を抑えるように気をつけなければいけません。
角栓パックや、クレイ、炭酸などの各種パックも顔の角質除去の定番アイテムです。
1-5. 鼻の角質を除去するケア
洗顔後や入浴時に鼻の脇に出てくる白いブツブツは、古い角質と汗などが固まった角栓です。
角栓は、除去してもまた出てきます。
白い角栓の除去を続けると、毛穴を大きくしてしまい、さらに角栓が増えるといった悪循環にハマるケースが多くなります。
ですから、鼻の角栓を消すためには、角質除去よりも余計な角栓を作らないようにターンオーバーを整えるケアや、毛穴に悪影響をもたらす余計な油分を肌に与えないスキンケアが重要です。
1-6. ひじ、ひざ、かかとの角質を除去するケア
ひじやひざの黒ずんだ角質は、入浴時のスクラブで軽くこそげ取ってから、尿素入りクリームのケアが有効です。
尿素は天然の保湿成分として保湿クリームなどに配合されますが、タンパク質を分解して角質をやわらかくする作用もあります。
ボディ用のスクラブがないときは、顔用のスクラブ洗顔料でも問題ありません。
おしりの黒ずみも、同じケアをします。
ひじやひざは、できるだけつかないように心がけ、長時間座りっぱなしの場合は座面のやわらかいイスやドーナツクッションなどを使っておしりの黒ずみを防ぎましょう。
かかとのガサガサは、入浴して肌がやわらかくなっている状態のときに軽石でこすり、後は尿素クリームでケアします。
軽石は目の細かいものを選んで、石けんをつけて軽くこするようにします。
フットケア用の電動やすりなどを活用してもいいでしょう。
2. 角質除去におすすめの7アイテム
ここからは、市販(一部は皮膚科医の処方)されている角質除去のアイテムを7つに分類して紹介します
カッコ内はブランド名、価格は参考価格です。
最後には、セルフケアに限界を感じた人や、プロの角質ケアを体験してみたい人のために、足の角質除去ができるサロンを掲載しましたので参考にしてください。
2-1. 顔の角質除去におすすめの洗顔料
オバジC 酵素洗顔パウダー(オバジ)
価格:0.4g×30個 1800円
ビタミンCと酵素をダブル配合して、毛穴の黒ずみ、ザラツキ、くすみを除去します。
酵素の力でタンパク質を分解します。
ビューティークリアパウダーウォッシュ(スイサイ)
価格:15個、32個 オープン価格
毛穴の黒ずみ、角栓、ザラツキ、古い角質を除去して透明感のある肌に洗い上げる酵素洗顔パウダーです。
2-2. 顔の角質除去におすすめのジェル
おうちdeエステ 肌をなめらかにするマッサージ洗顔ジェル(ビオレ)
価格:150g オープン価格
泡立たないジェルを肌にのせてマッサージしながら洗顔して、毛穴に詰まった角栓を分解して落としやすくします。
肌の負担を抑えた「角栓クリア処方」を採用しています。
フェイスクリアジェル(ハウスオブローゼ)
価格:145ml 2000円
古い角質や毛穴の汚れを吸着して除去するジェル状のパックです。
開いた毛穴を引き締め、次に使うスキンケアの浸透やメイクののりをよくして、つるつるスベスベの肌に整えます。
2-3. 顔の角質除去におすすめのクリーム
クリアポロン(メニーナジュー)
価格:60g 6800円
イボのケアに効果が高いクリアポロンは、ターンオーバーをサポートするWヨクイニンや、肌の酸化を抑えるあんずエキスを配合して、硬くなってしまった角質を除去します。
さらにプラセンタやビタミンC、ヒアルロン酸などを配合して美肌効果を高め、セラミドやプロテオグリカンなどの配合によって角層のバリアを守ります。
エバメールゲルクリーム(エバメール)
価格:70g 1800円 ~ 500g 8000円
鉱物油はもちろん界面活性剤も使用しない水が主体のクリームで、古い角質をやわらかくして汚れといっしょに吸着します。
健康な肌に重要な役割を果たしている水分に着目し、べたつくことなく、乾くことなくしっとりツルツル輝く素肌を実現します。
2-4. 顔の角質除去におすすめの化粧水
クラリファイング ローション2(クリニーク)
価格:100ml 2500円 ~ 400ml 5600円
コットンでやさしくふき取るだけで、洗顔では除去できない古い角質を取り除く皮膚科医処方の角質ケアローションです。
次に使うスキンケアの浸透を高めて、ターンオーバーを整えるサポートをします。
フェイスリフレッシャーR(スック)
価格:150ml 5000円
肌のベタつきや余分な角質を除去してさわやかに整える、ふき取り用のローションです。
肌にしっかりとうるおいを与えて、やわらかな状態へと導きます。
アルコールの少ない処方なので、マッサージ後の余分な油分を落とすのにも適しています。
2-5. 顔の角質除去におすすめのパック
ブラックシュガーマスク ウォッシュオフ(スキンフード)
価格:100g 1600円
黒糖のザラザラした粒がそのまま入っていて、ミネラルやビタミンが古い角質を効果的に除去しながら肌のキメを整えます。
化粧のりのよいスベスベの肌へと導く、洗い流すパックです。
ルルルンワンナイト レスキュー角質オフ(ルルルン)
価格:35ml 200円
顔の乾燥、くすみ、たるみ、しわ、しみだけでなく、身体の乾燥や黒ずみ、むくみまで全身をケアできるフェイスマスクです。
顔から外したマスクを折りたたんで余った液をひたし、身体のガサつき等が気になる箇所に滑らせることで、古い角質を除去できます。
2-6. 顔の角質除去におすすめのピーリング&ゴマージュ
ウォッシュクレンジングN(クレンジングリサーチ)
価格:120g 1000円
AHA(フルーツ酸)のピーリング効果に、酵素マッサージ効果をプラスして、毛穴の奥の老廃物や古い角質を取り除き、メイクも落とせる洗顔フォームです。
パワーマスクSP(ラッシュ)
価格:125g 1112円、315g 2223円
アズキを砕いた粒とメマツヨイグサの種子が古い角質を除去するゴマージュ効果に、マリーゴールドオイルとクロロフィルの美顔効果をプラスし、カオリン(天然クレイ)、ハチミツ、ペパーミントオイルをブレンドして、マッサージしながら角質ケアをします。
タカミスキンピール(タカミ)
価格:10ml 926円、30ml 4584円
AHAを配合したピーリングコスメで、洗顔後になじませるだけで洗い流し不要の角質美容水です。
毎日使えて角層にダメージを与えず、肌荒れ、毛穴、キメの乱れ、乾燥などの肌トラブルにアプローチします。
フェイスポリッシャーR(サボン)
価格:200g 4444円
やわらかいクリームに配合された、細かいホホバワックス由来の成分が、古い角質や毛穴の汚れをしっかりと除去する顔用スクラブです。
毎日使用可能で、ミントやレモングラスの香りでリフレッシュできます。
ロゼットゴマージュ(ロゼット)
価格:120g 600円
AHAの働きで、古い角質をポロポロ落とすピーリングジェルです。
ソフトなクリアジェルで、肌に負担をかけずにざらつきを取り、次に使うスキンケアの浸透やメイクののりをサポートします。
2-7. 身体の角質を除去するアイテム
尿素10%クリーム(UREA)
価格:60g 500円、100g 749円
尿素を10%配合して、硬くなった皮膚をやわらかくし、うるおいを浸透させて肌荒れ改善効果が持続するクリームです。
指先、かかと、ひざなどのケアに使用します。
尿素配合ボディミルク(UREA)
価格:150g 549円
尿素を配合して、気になる乾燥やカサカサをなめらかな肌に整える全身のボディーケア用乳液です。
尿素スキンクリーム(ロッシモイストエイド)
価格:220g 475円
肌の水分を乾燥した箇所に集めて、保湿力を高める全身用スキンクリームです。
薬用かかと用クリーム(トプラン)
価格:110g 1250円
渋柿エキス、クマ笹エキス、カワラヨモギエキスが、かかとのガサガサをキレイに整えます。
また、尿素、桃葉エキス、コメ胚芽油、アロエエキス、スクワラン、オオバ油がかかとを保湿します。
2-8. 足の角質除去ができる都内のサロン
Healing Spa ストーンレッチ
住所:東京都品川区上大崎2-16-3 クリスタル羽山3F
「カラダ悦ぶキレイ目覚める」のコンセプトで長年愛されてきた、目黒駅前の女性向けサロンです。
然 自由が丘
住所:東京都世田谷区奥沢5-23-11 カサデ奥沢2F・3F
ベッドルームはゆったりとしたスペースを確保し、アロマ香るリンパマッサージとともに足裏の角質ケアができます。
MZA 銀座店
住所:東京都中央区銀座2-13-13 久保ビル2F
古来よりハワイに伝わるヒーリングトリートメントで、こりや疲れを気持ちよくほぐしながら、心身のバランスを整えることができます。
HAPPY FOOT 銀座4丁目店
住所:東京都中央区銀座4-8-2 三福ビル7F
ドイツの国家資格である「ポドロギー」をベースにした、スペシャルなフットケアを受けられるサロンで、認定資格を持つ専門セラピストが古い角質を取り除いてくれます。
エル・テ・アテ
住所:東京都中央区日本橋人形町3-7-11 三福ビル6F
ドイツ式フットケア「ポドロジー」で、足裏の硬くなった角質、タコ、ウオノメ、巻き爪などをケアしつつ、トラブルの原因にもアプローチします。
セルフィール新宿
住所:東京都新宿区西新宿8-15-15 カトルセゾン ミヤギノ 502号室
完全貸切のスタイリッシュな空間を独り占めできて、多彩なメニューで体の内外から日頃の疲れやストレスをケアするサロンです。
まとめ
角質ケアのアイテムは、使用する量や回数を間違えると肌のトラブルを引き起こすので、注意が必要です。
一般的には、顔に使用できるものは全身に使用可能ですが、説明書や成分表を必ずチェックするようにしましょう。
ここで紹介したアイテムはほんの一部ですから、自分の肌に合うものを探して角質ケアを続けてください。
また、フットケアサロンはここ数年で急増していますので、アクセスと料金の条件が合うところを探し、リラクゼーションをかねて利用するのもいいでしょう。
【参考資料】
・『いちばん正しいスキンケアの教科書』 吉木伸子 西東社 2014年
・『スキンケア大事典』 友利新 毎日コミュニケーションズ 2010年
・『正しいスキンケア事典』 吉木伸子 岡部美代治 小田真規子 高橋書店 2010年
・@cosme web site
・OZmall web site