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  2018.08.14



皮脂にまつわる10の知恵-多くても少なくてもトラブルは起こる

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「皮脂」のイメージは、年齢層によってずいぶんと変わりますよね?

20代30代では、皮脂が多いことで起こるトラブルに悩んでいる人が多いので、皮脂に対してあまりよくないイメージをもたれていることでしょう。

一方で、40代後半から50代にかけての更年期にあたる年齢層では、皮脂が少ないことで起こるトラブルに悩む人が多くなるので、皮脂は必要なものというイメージが強いのではないでしょうか。

多すぎても少なすぎてもトラブルのもととなる皮脂とは、自分の肌の状況に応じて、うまく付き合っていかなければいけません。

ここでは「皮脂にまつわる10の知恵」と題して、皮脂の基礎知識と、皮脂が多いために起こるトラブル、皮脂が少ないために起こるトラブルをわかりやすく解説します。

目次

1. 皮脂の基礎知識
① 皮脂腺から分泌される皮脂
② 水分と皮脂の量できまる肌タイプ

2. 皮脂が多いトラブルにまつわる知恵
③ 大人ニキビ
④ 皮脂汚れを落とす知恵
⑤ 皮脂崩れ防止
⑥ 皮脂テカリ防止下地
⑦ 皮脂漏症

3. 皮脂が少ないトラブルにまつわる知恵
⑧ 皮脂欠乏症
⑨ 皮脂欠乏性皮膚炎
⑩ 皮脂欠乏性湿疹

まとめ

1. 皮脂の基礎知識

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皮脂は、毛穴に詰まってニキビの原因になるという話もあれば、肌を覆って保護するという話も聞きますよね。

多くの情報から正しい判断ができるようになるために、まずは皮脂の基礎知識を解説しましょう。

① 皮脂腺から分泌される皮脂

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人間の皮膚は、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」という3層で成り立っています。
表皮は0.2ミリ程度の厚さで、細菌やウイルスなど外部からの異物侵入と、体内からの水分蒸発を防いでいます。

真皮は厚さ1~1.5ミリ程度で、コラーゲンやエラスチンというタンパク質の線維が網目状に張り巡らされ、そのすき間をヒアルロン酸などのゲル状物質が埋めて、肌のハリや弾力を保っています。

皮下組織は、皮下脂肪が大部分を占めてクッションの役割や体温の維持などを行い、血管やリンパ管が通っていて、皮膚の細胞に栄養や酸素を届け、老廃物や二酸化炭素を排出しています。

表皮のもっとも外側である「角層」には、毛穴の出口である「毛孔」や汗が出る「汗孔」があり、毛穴の真皮部分にあたる「毛包」には、皮脂腺や汗腺があります。
この皮脂腺から分泌される脂が皮脂で、毛包の中に分泌された皮脂は、毛を伝わって表皮の表面に流れ出てきます。

流れ出た皮脂は、汗腺から分泌された汗と混ざって皮膚の表面に広がり、薄い皮脂膜となります。
皮脂膜は、肌にやさしい弱酸性で天然の保湿クリームとも呼ばれ、水分の蒸発を防ぐだけでなく、皮膚表面で細菌の繁殖を抑制する働きもあります。

皮脂の量は、暑いと多くなり、寒いと少なくなる性質があり、若い肌は分泌が盛んで、加齢とともに分泌量が減っていきます。

② 水分と皮脂の量できまる肌タイプ

化粧品の選択などでよく問題になる肌質は、水分と皮脂のバランスによって決まります。

水分がたっぷりあって、皮脂が少なめなのが「普通肌」で、水分と皮脂のバランスがとれていることによって、角層がうるおい、肌のキメが整っている理想的な肌です。

角層の水分が30%以下になり、皮脂も少ない状態が「乾燥肌」で、肌のうるおいが逃げてしまい、カサカサしたりゴワゴワしたりして肌がつっぱった感じになります。

皮脂が過剰に分泌されて、水分と皮脂のバランスが崩れているのが「脂性肌」で、顔全体のテカリやべたつきが気になり、毛穴に汚れが溜まりやすくなります。

皮脂腺が多い額から鼻にかけてのTゾーンは脂性肌、頬からアゴにかけてのUゾーンは乾燥肌という状態が「混合肌」で、若い頃から基礎化粧品を変えていないなど、間違ったスキンケアが主な原因です。

肌質は、加齢とともに変化し、スキンケアの状況や環境によっても変化するので、常に水分と皮脂のバランスがとれた普通肌を維持する努力が大切です。

30代以降は皮脂の分泌が減っていき、加齢とともに皮脂過剰にはなりにくくなっていきますから、普通肌を維持するスキンケアで大事なポイントは、角層を傷めないことと、角層で主に水分を保持しているセラミドを補給する保湿ケアになります。

 

2. 皮脂が多いトラブルにまつわる知恵

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皮脂の基礎知識を学んだところで、皮脂が原因で起こる皮膚のトラブルと対処法を解説しましょう。

一般的に女性よりも男性のほうが皮脂分泌が多い傾向にあり、脂性肌は遺伝的な要因が大きいといわれています。

注意しなければいけないのは、皮脂を取り除きすぎてしまうことです。
夏になると皮脂が多くなるので、脂とり紙が手放せなくなるという人がいますが、何度もやりすぎて皮脂を取り除きすぎてしまうと、脳は皮脂の分泌が少ないと判断して、もっと皮脂を増やすようになってしまいます。

③ 大人ニキビ

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皮脂が多いことによるトラブルで代表的なものが、ニキビです。
ニキビは、皮脂腺から分泌された皮脂がそのまま毛穴に溜まってしまい、皮脂を栄養とするアクネ菌が繁殖してできます。

新陳代謝が活発な10代や、脂性肌の人は、過剰な皮脂と古い角質がかたまった「角栓」ができて、毛穴が黒ずみ、詰まりやすくなります。

一方、20代や30代でできるニキビは、ターンオーバーが長くなることによって古い角質が固まる「角質肥厚」が起こり、毛穴の出口をふさぐことでできるケースが多くなります。

さらに大人ニキビは、ストレスや生活習慣の影響を受け、女性特有であるホルモンバランスの乱れも、皮脂の分泌に影響を与えるといわれています。

大人ニキビの対処は、まずクリームなどで皮膚に余計な油分を与えないことが大事です。
セラミドを配合した保湿美容液と、ビタミンC誘導体を配合した化粧水だけですませる、油分を避けたシンプルスキンケアがおすすめ。
角質肥厚には、ピーリングコスメを使用するセルフピーリングが有効です。

皮脂が毛穴の中に詰まってアクネ菌が急速に繁殖している状態が「白ニキビ」、毛穴の中に白血球が集まってアクネ菌を攻撃しだすと炎症が起こって「赤ニキビ」と呼ばれる状態になります。

炎症が強くなると、毛穴の壁を壊して周りの皮膚組織まで破壊してしまい、陥没が残ることになります。
ですからニキビは、できるだけ早い段階で対処することが重要なのです。

④ 皮脂汚れを落とす知恵

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衣類の襟元や袖口の黄ばみは、皮脂が付着して酸化したものです。
洗濯してキレイになっても、またすぐに黄ばんでしまうので、皮脂汚れを落としきる方法を知りたいと思っている人は多いでしょう。

洗剤や漂白剤を使用して水洗いしても、皮脂を完全に落としきることは難しく、通常は20~40%程度の皮脂が残ってしまうと考えられています。
その状態で洗濯を繰り返すと、繊維に皮脂が蓄積していき、酸化して黄ばむのです。

ドライクリーニングでも、皮脂汚れが落としきれないことがあります。
ドライクリーニングは、有機溶剤を使用して脂汚れを落とすので皮脂は落ちるのですが、水溶性のタンパク質が残ってしまい、それが酸化して黄ばみになるのです。
角質の主成分はアミノ酸やタンパク質です。

クリーニングで皮脂汚れや黄ばみをキレイに落としたい場合は、ドライクリーニングと水洗いの両方をやってもらうと有効ですが、黄ばみの理由はそれだけとは限らないので、お店で相談してみましょう。

NHKで取り上げられた、自宅の水洗いで皮脂汚れを落とす方法を紹介しましょう。
以下の3つのものを容量を守って用意してください。

・台所用洗剤(濃縮タイプ)  大さじ1(通常タイプの場合は大さじ2)
・酸素系漂白剤(粉末タイプ) 大さじ半分
・水             大さじ2

台所用洗剤と酸素系漂白剤、水を軽く泡立つまでかき混ぜて、歯ブラシなどで黄ばんだ部分に塗り込み、黄ばみの状態に応じて1分~3分ほど置いてから、洗濯洗剤でいつものように洗濯します。

これを3カ月に1回程度行います。
研磨剤入りの台所用洗剤は使わない方がよくて、ウールやシルク、金属繊維には、液体タイプの漂白剤が向いているようです。

⑤ 皮脂崩れ防止

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皮脂による化粧崩れを抑えるためのスキンケアには、大事なポイントが2つあります。
洗顔で皮脂をしっかり洗い流すことと、肌に油分を与えないことです。

皮脂は寝ている間も分泌されていますから、メイクを落とす必要がない朝も、洗顔料を使ってしっかり皮脂を落とします。
洗顔で皮脂をキレイに落としきっても、健康な肌は30分経つと皮脂膜が広がります。

洗顔後は、皮脂の分泌を抑える働きがあるビタミンC誘導体を配合した化粧水を肌になじませ、セラミドを配合した美容液で保湿ケアをしたら、油分を与えることになるクリームや乳液の使用は避けなければいけません。

保湿ケアの後にクリームなどの油分でフタをするという考え方は、もう過去のものです。
肌に余計な油分を与えないのが、現代の正しいスキンケア。

40代以降、皮脂の分泌が減ってくると、皮膚が薄い目元や口元の乾燥が目立つようになることがあります。
その場合は、目元や口元だけに薄くクリームを塗って油分を補給するようにします。

そして、皮脂崩れを防ぐ大事なアイテムが、毛穴を引き締める効果がある「収れん化粧水」です。
ファンデーションを塗る前に収れん化粧水をつけて、皮脂崩れが起きたら化粧直しはせずにメイクを落とし、もう一度収れん化粧水をつけてファンデーションを塗り直すのが理想的です。

⑥ 皮脂テカリ防止下地

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皮脂の分泌が多いと、肌がテカテカと光って見えます。
朝晩2回の洗顔でしっかり皮脂を落とし、入念にメイクを行って日中は脂とり紙でケアしていても、夕方になるとテカリが目立ってしまう人がいます。

皮脂テカリの防止には、しっかり洗顔や収れん化粧水のケアが欠かせませんが、その後のベースメイクで、テカリ防止効果がある化粧下地を使うことも有効な対策です。

皮脂テカリを防止する化粧下地を選ぶときのポイントは、オイルフリーであること、皮脂吸着成分が配合されていること、保湿成分が配合されていることです。
さらにUVカット効果が高いものであれば、日焼け止めを使うことによる肌への刺激を避けることできます。

現在、人気のあるアイテムを3点ほど紹介しておきましょう。

皮脂テカリ防止下地(セザンヌ)

価格:30ml 600円皮脂テカリ抑制成分配合で、皮脂を抱え込んで広げない化粧下地です。

うるおい成分が配合されているので、つけている間中、肌がつっぱりません。

ドラマティックスキンセンサーベースUV(マキアージュ)

価格:10ml 1000円、25ml 2600円肌の水分バランスと皮脂をコントロールする「崩れ防止 美肌センサー」効果で、崩れのないさらりと美しい肌が1日中続きます。

ミネラルベース マジカルフィット[F1](DHC)

価格:30g 1390円
皮脂だけを吸着してうるおいは保つ「進化型皮脂コントロールパウダー」で、朝の仕上がりを1日中キープします。

⑦ 皮脂漏症

皮脂漏症は、体内で分解されなかった脂が体から漏れ出てくる症状です。
口や排泄器官から出るケースもありますが、もっとも多いのは、皮膚から皮脂が染み出して脂漏性皮膚炎を起こすものです。

脂漏性皮膚炎は、額、鼻のわきなどが赤くなる「赤ら顔」になったり、頭部の場合はフケが増えて頭皮が硬くなったりします。
首回りや胸、背中、脇の下や足の付け根に、脂っぽい皮膚のはがれたものがこびりつくこともあります。

ただの乾燥やフケ症だと思って放置すると、赤い湿疹ができる脂漏性湿疹へと悪化するケースもあります。
脂漏性皮膚炎は、自分で直すことが難しく、脂漏性湿疹はマラセチア菌というカビの一種が感染しているものと考えられているので、肌の赤みと、はがれかけた皮膚が付着する症状が出たら、早めに皮膚科を受診しましょう。

 

3. 皮脂が少ないトラブルにまつわる知恵

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皮脂が少ないことによって、もっとも顕著に現れるのは、乾燥肌です。

表皮のもっとも真皮側にある「基底層」では、細胞分裂が繰り返されて、新しい表皮細胞が生まれています。
表皮細胞は、後から生まれた細胞によって押し上げられ、ゴツゴツした形で重なる「有棘層」から、押し上げられる圧力で細胞の角が取れて扁平になった「顆粒層」へと移行します。

さらに、核が抜け落ちて死んだ細胞である角質となって「角層」へと押し上げられます。
ペラペラに薄くなった角質は、レンガのように15~20層にも重なり、そのすき間を細胞間脂質が埋めて、外界からの異物侵入を防ぐと同時に、体内から蒸発する水分をつなぎ止めて肌のうるおいを維持しているのです。

この角層の水分保持システムは、皮脂膜が5%、角質のアミノ酸を主成分とする天然保湿因子(NMF)が15%、細胞間脂質の半分近くを占めるセラミドが80%を担っているといわれます。
これら3つの物質は、いずれも加齢によって減少してしまうので、40代後半からは肌が乾燥しやすくなるのです。

⑧ 皮脂欠乏症

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角層で皮脂膜が水分を保持している割合は、高いものではありませんが、皮脂膜は肌の一番外側で外気と接しているので、減少すると角層の劣化を進行させてしまいます。
この状態が、「皮脂欠乏症」です。

皮脂欠乏症は乾皮症とも呼ばれ、乾燥肌を放置して悪化することでも発症します。
真皮のコラーゲンが減少してしまうことと同様に、皮脂の減少も肌の老化現象のひとつであり、とくに加齢による皮脂欠乏症は、「老人性乾皮症」と呼ばれることもあります。

皮脂の分泌が必要以上にへってしまい、皮脂膜がなくなることで、角質の角がめくれてカサカサになり、白い粉がふいたような状態になってしまいます。

皮脂欠乏症はヒザから下に症状が出やすいという特徴があり、軽度であれば保湿クリームで皮膚の表面に油分を補給することで、症状は改善します。

⑨ 皮脂欠乏性皮膚炎

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皮脂欠乏症が悪化すると、皮膚の乾燥がひどくなってかゆみが生じます。
皮脂膜がなくなっている皮膚を掻いてしまうことで炎症が生じ、この状態を「皮脂欠乏性皮膚炎」と呼びます。

乾燥した皮膚がひび割れを起こし、赤みが出てくるのが特徴です。

この状態を放置すると、皮脂欠乏性湿疹に発展して重症化するので、保湿クリームによる油分の補給とともに、ステロイド含有軟膏を用いた治療が必要になりますから、早めに皮膚科を受診しなければいけません。

⑩ 皮脂欠乏性湿疹

皮脂欠乏性皮膚炎が悪化すると、かゆみがさらに強くなり、皮膚欠乏性湿疹が現れます。
大きな円形の湿疹が現れる「貨幣状湿疹」や、湿疹が全身に広がる「自家感作性皮膚炎」へと発展すると、夜も眠れないような激しいかゆみに襲われます。

軽い皮脂欠乏症は、空気が乾燥する冬になると誰にでも起こるもので、健康な肌であれば、春から夏になると自然に治ってしまうこともあります。

肌の乾燥を放置しないことと、かゆみや赤みが現れたら早めに皮膚科を受診することが、皮脂欠乏症を悪化させないポイントです。

 

まとめ

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皮脂は、分泌が多くなってしまうと脂性肌になってしまい、必要以上に減ってしまうと水分が不足している乾燥肌を悪化させてしまうのです。

年齢や生活環境によって皮脂の状態は変わりますから、自分の肌の状態を把握しながら、うまく付き合っていくことが必要です。

日頃から、肌の水分と皮脂のバランスを整えるスキンケアや生活習慣を心がけて、多少のテカリや乾燥が起こっても、自力で回復させられるポテンシャルを維持することは、肌の老化を遅らせるエイジングケアにもつながります。

【参考資料】
・『いちばん正しいスキンケアの教科書』 吉木伸子 西東社 2014年
・『スキンケア大事典』 友利新 毎日コミュニケーションズ 2010年
NHK web site
@cosme web site
さぎのみや皮膚科クリニックweb site

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