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2017.12.16



オリーブオイルがもたらす7つの効果-抗酸化物質で健康長寿

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オリーブオイルは体にいいといわれますが、その内容を知っている人は少ないですよね?

一般的によく知られているのは、「悪玉コレステロールを減らしてくれる」という効果くらいではないでしょうか。

オリーブオイルには、溶剤を加えたり精製したりしたものもありますが、化学的な処理を一切しないものが「バージン・オリーブオイル」と呼ばれ、その中で、もっとも酸化度の低いものが「エクストラバージン・オリーブオイル」です。

エクストラバージン・オリーブオイルは、オリーブの実を搾っただけの、いわばオリーブの100%ジュースですから、オリーブの実に含まれている栄養をそのまま摂取することができます。

ここでは、研究途上の効能も含めて、この自然の恵みが人間にもたらす7つの素晴らしい効果を解説します。

目次

1. オリーブオイルの抗酸化作用
1-1. 老化の原因として注目される酸化ストレス説
1-2. 抗酸化作用とは?
1-3. オリーブオイルに含まれる4つの抗酸化物質
1-3-1. ポリフェノール
1-3-2. 葉緑素
1-3-3. ビタミンE
1-3-4. オレイン酸

2. オリーブオイルがもたらす7つの効果
2-1. アンチエイジング効果
2-2. 動脈硬化予防効果
2-3. 肥満防止効果
2-4. 保温保湿効果
2-5. 整腸効果
2-6. アルツハイマー病に対する可能性
2-7. 期待される抗炎症・抗腫瘍効果

まとめ

1. オリーブオイルの抗酸化作用

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オリーブオイル(以下、エクストラバージン・オリーブオイルを指します)の効能が注目されだしたきっかけは、世界最古のオリーブの樹があることで知られるギリシャのクレタ島の住人が、脂肪摂取量が多いにもかかわらず、心疾患などによる死亡率が低いことにありました。                                  

この要因は、地中海沿岸諸国の伝統的な食生活にあるのではないかと考えられたのです。

伝統的な地中海型の食事をするギリシャ、スペイン、イタリアなどの国々では、オリーブオイルが主な油脂源で、ギリシャを例にとれば、国民ひとりあたりの年間消費量は約19リットルにもなります。

こうしたことから「健康的な作用」に関しての国際会議で研究対象となったオリーブオイルは、老化防止に大きく関与していることが多方面から指摘され、その効果をもたらしている主な要因が、抗酸化作用にあることがわかってきたのです。

1-1. 老化の原因として注目される酸化ストレス説

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近年、抗加齢(アンチエイジング)医学では、老化の原因として、「酸化ストレス説」「慢性炎症説」「糖化ストレス説」という3つの説が示されています。

それぞれの概要は次のようなものです。

1-1-1. 酸化ストレス説

体内に取り込まれたのにエネルギーの燃焼に使われなかった余分な酸素がタンパク質と結びつくことで、細胞が酸化し、身体機能を低下させて、容姿などが衰える要因になるとする説。    

1-1-2. 慢性炎症説

体内で炎症が繰り返されることによって細胞内の遺伝子が壊れてしまい、それが原因でがん化することなどから、老化の抑制には、抗酸化よりも体内で起こる炎症をどう抑えるかが重要だとする説。

1-1-3. 糖化ストレス説

糖がタンパク質と結合することによって起こる反応で、皮膚などの組織に炎症性の変化をもらし、シワやシミをつくって老化を進めるという説。

老化の原因とメカニズムは、いまだ解明されていません。
しかし、理論的には少なくとも100歳くらいまでは生き続けられるはずの肉体が、ある時点から急速に衰え始めるのは、細胞の突然変異や、偶発的なエラーが原因だとする「遺伝子理論」がもっとも広く受け入れられています。

その遺伝子理論以外で、もっとも注目されているのが、酸化することによって肉体は老化するという「酸化ストレス説」なのです。

1-2. 抗酸化作用とは?

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人間の体は、呼吸によって酸素を体内に取り入れ、栄養素と結びつけてエネルギーをつくり出しています。

取り入れる酸素と、エネルギーのもととなる栄養素のバランスがうまくとれていれば問題ないのですが、通常は酸素の量が多くなりがちです。
その余分になった酸素が、「活性酸素」です。

活性酸素は、細菌などの外敵を攻撃するので、体を維持するために欠かせない免疫機能の一端を担っています。
しかし、必要以上に体内の活性酸素が増えると、遺伝子を傷つけたり、血液中のLDL(悪玉コレステロール)を酸化させたりして、動脈硬化などを起こす引き金となります。
金属が錆びるように体も酸化してしまい、いろいろな部位の正常な働きが失われていくのです。
この、活性酸素による酸化反応を抑制する働きを「抗酸化作用」と呼びます。

体にはもともと、活性酸素を除去する抗酸化システムがあります。
このシステムに外部から抗酸化物質を加えることで、抗酸化作用を高めることができるのです。

1-3. オリーブオイルに含まれる4つの抗酸化物質

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抗酸化物質には、体内で合成されるものと、食品によって摂取しなければならないものがあります。

オリーブオイルが強い抗酸化力をもつのは、食品由来の抗酸化物質である「ポリフェノール」「葉緑素」「ビタミンE」「オレイン酸」を含有しているからです。
4つもの抗酸化物質を含有しているという点が、ほかの油にはない最大の特徴なのです。

オリーブオイルがもたらす効果の要である、4つの抗酸化物質を解説しましょう。

1-3-1. ポリフェノール

ポリフェノールとは、植物が活性酸素から自身を守るためにつくり出す物質です。
オリーブオイルに含まれるポリフェノールも、強力な抗酸化作用をもっています。

現在、オリーブオイルからは30種以上ものポリフェノールが発見されて、「オリーブポリフェノール」と呼ばれています。

オリーブポリフェノールの中で、近年とくに注目されているは、「オレウロペイン」と「オレオカンタール」です。

オリウロペインはオリーブの果実や葉に存在するポリフェノールで、以前から強い抗酸化力をもつことがわかっていました。
近年、「酸化LDL」と呼ばれる超悪玉コレステロールの生成を抑制する作用が認められて、動脈硬化の予防に大きな威力をもつことがわかったのです。

オレオカンタールには鎮痛作用が認められ、1日50グラムのオリーブオイルをとることによって、慢性関節リュウマチなどの慢性的な痛みに対する鎮痛効果が得られることがわかりました。

1-3-2. 葉緑素

葉緑素(クロロフィル)は、植物が光合成をするときに光エネルギーを吸収する色素で、緑黄色野菜に多く含まれています。

オリーブオイルがサラダ油などと比較して緑色なのは、葉緑素によるのです。

葉緑素は光の存在しない状況で抗酸化作用をもち、ほかにも殺菌作用、抗炎症作用、造血作用を促進する働きもあります。

1-3-3. ビタミンE

ビタミンEは「トコフェロール」とも呼ばれ、アルファからデルタまでの4種類が存在します。

オリーブオイルに含まれているトコフェロールのほとんどは、抗酸化作用がもっとも強い「α-トコフェロール」です。

ビタミンEは、活性酸素を抑える働きが以前から注目されており、とくに肌のアンチエイジングに有効とされています。

ビタミンEは脂に溶けやすい脂溶性で、日本人は必要なビタミンEの25%を食用油からとっているといわれます。

1-3-4. オレイン酸

脂肪酸(いわゆる油)は、常温で液体になる「不飽和脂肪酸」と、常温で固体になる「飽和脂肪酸」に大別されます。
飽和脂肪酸は、肉の脂身、バター、ココナッツオイルなどに含まれます。

不飽和脂肪酸は、体内で合成することができない「多価不飽和脂肪酸」と、合成することができる「一価不飽和脂肪酸」に分類されます。

一価不飽和脂肪酸には、オメガ9系脂肪酸であるオレイン酸などがあり、オリーブ油やキャノーラ油などに多く含有されていて、酸化しにくいという特徴があります。

オレイン酸自体が酸化しにくいことから、強力な抗酸化作用をもつほかの3つの物質を毎日オリーブオイルから併せて摂取することは、アンチエイジング治療をしているようなものなのです。

 毎日摂取するオリーブオイルがどのようなものがいいかという点については「10分でわかるオリーブオイルの基礎知識-納得する1本の選び方」の記事が参考になるかもしれません。

2. オリーブオイルがもたらす7つの効果

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ここまで解説してきた、抗酸化作用によるアンチエイジング効果や、動脈硬化予防効果以外にも、オリーブオイルにはいくつかの効果が認められています。

また、研究が続けられている過程で、さらに期待される効果も出てきています。

現在、注目されている新たな効能を含めて、オリーブオイルがもたらす効果を「7つ効果」としてまとめました。

2-1. アンチエイジング効果

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活性酸素による体の酸化が老化の原因であるとする「酸化ストレス説」に基づき、オリーブオイルの強力な抗酸化作用がアンチエイジング効果をもつことは、すでに解説しました。

マウスの実験により、不飽和脂肪酸の量や種類、抗酸化物質の量を変えれば、脂質が酸化して過酸化脂質になることを防ぎ、余命をのばすことが可能だという結果が出ています。

さらに、マウスの迷路テストで知能検査をしたところ、多価不飽和脂肪酸で飼育されたマウスが一価不飽和脂肪酸で飼育されたマウスより多くの間違いを犯し、ビタミンEを投与することで、この間違いが減少しています。

これは、オリーブオイルが老化にともなう知能低下も防止できることを示しています。

2-2. 動脈硬化予防効果

動物の油脂に多く存在するコレステロールは、細胞膜や消化液、ホルモンの材料として必須の成分です。
中性脂肪は、飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸という3つの脂肪酸で成り立ち、エネルギー源として使われた余剰分が脂肪組織に蓄えられます。

飽和脂肪酸を多く含む食品をとりすぎると、肝臓内でコレステロールや中性脂肪の合成が進みます。
コレステロールは胆汁によって分解されて、タンパク質と結合し、LDL(悪玉コレステロール)、HDL(善玉コレステロール)につくり変えられます。

このLDLが活性酸素によって酸化されると酸化LDLとなり、白血球に取り込まれて血管壁に溜まってしまうと血液が流れにくくなります。
この状態を放置すれば、やがては、血栓が引っかかって血管をふさいでしまうのです。

オレイン酸を主とする抗酸化物質は、活性酸素を抑制して血液中のLDLのみを低下させる働きがあるので、動脈硬化の予防になるのです。

2-3. 肥満防止効果

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米国の医学誌が、低炭水化物食、低脂肪食、地中海型食生活の3つの方法で2年間に及ぶダイエット実験を行った結果、地中海型食生活がムリなく続けることができて、減量や脂質代謝の改善に有効だという結果が報告されています。

油は太るというイメージがありますが、消化・吸収がゆっくり行われ、適量であるならば、ダイエットに適しているといわれています。

油を舌で感知すると、脳からは快感物質といわれるベータエンドルフィンやドーパミンが放出されるので、油には本来味も匂いもないのに、油の美味しさが快感として認識されます。

同じ油類でも、オリーブオイルには、さらに美味しさやよい香りが加わるので魅力が増し、ムリなくダイエットを続けることができるのです。

和食と地中海型食生活は食材が似ていて、大きな違いはオリーブオイルを使うかどうかということです。
日本人にとっては、和食にオリーブオイルを取り入れた食生活がダイエットに適しているといわれています。

2-4. 保温保湿効果

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オリーブオイルは、食用だけでなく、皮膚を保護するオイルとして用いられてきました。
古代ギリシャでは、オリーブオイルを体に塗ってこするという習慣があり、鎮痛などにも使われていました。

擦り傷、切り傷、火傷、ひび、あかぎれなどの治療にも使われてきました。
さらに日焼け止めや、肌荒れの防止にも使われてきたのです。

こうした使われ方は、油膜が薄く大きく広がるというオリーブオイルの特性が活かされたものです。

薄く広がる油膜の保温効果は、温かい飲み物にオリーブオイルを加えて飲んだときにも、体内で有効です。
薄い油膜には、水分の蒸発を防ぐ保湿効果もあります。

薄く広がるという特性は化粧水などの美容アイテムにも有効で、日本薬局方では医薬品の軟膏の基剤としても認可されています。

さらにオリーブオイルに多く含まれるオレイン酸は、皮膚に塗ると、ほかの成分を皮膚に吸収しやすくするという特性があるので、化粧品の保湿作用などを高める効果も期待できます。                                                            

2-5. 整腸効果

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オリーブオイルの排便促進作用は、紀元前から知られていました。

オレイン酸が小腸で吸収されにくく、食べたものと混ざって腸管内の滑りをよくすることが、最大の要因です。

オリーブオイルと、腸内に残留するパンや野菜などを一緒にとると、腸管神経系が活性化して消化管運動が活発になります。

さらに、温めた食材や温かい飲み物を一緒にとれば、オリーブオイルの保温効果によって腸が温まり、消化管運動が活発になります。

毎日、朝食時に大さじ2杯程度のオリーブオイルをとり、温かいコーヒーや紅茶を飲むと便秘に有効です。

2-6. アルツハイマー病に対する可能性

アルツハイマー病の原因は、まだ明確になっていませんが、地中海型食生活がアルツハイマー病のリスクを減らすデータが次々と報告されています。

アルツハイマー病は、遺伝的要因をもつ人が、加齢、酸化ストレス、炎症、脳血管障害などの要因を重ねることで、ベータアミロイドというタンパク質が脳の神経細胞に絡みついて発症すると推定されています。

2008年に、オリーブオイルに含まれるポリフェノールの一種である「オレオカンタール」が、脳内においてベータアミロイドが神経細胞に与える害をブロックすることがわかりました。

2013年には、オレオカンタールがベータアミロイドの除去を促進することも報告されており、今後の可能性に期待が高まっています。

2-7. 期待される抗炎症・抗腫瘍効果

2000年以降、オリーブオイルに含まれるポリフェノールが大腸がんに作用することが、次第に判明してきました。

乳がんの発生率は、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸を多く摂取する国では低いことがわかりました。
さらにオレウロペインなどのポリフェノールが、乳がんの発生や再発を防ぐことも指摘されています。

オリーブポリフェノールは、胃がんの原因のひとつであるピロリ菌に対して高い殺菌力を有することも報告されており、30種以上ものポリフェノールがもつ抗炎症・抗腫瘍効果のさらなる解明と実用化が期待されています。

 

まとめ

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オリーブは人類が初めて栽培した植物といわれ、紀元前3000年頃には、地中海沿岸地域でオリーブオイルが搾られていたとされています。

それほどの歴史をもつオリーブオイルですが、エクストラバージン・オリーブオイルの多種多様な効果が科学的に解明されてきたのは、主に2000年以降のことなのです。

未知な特性がまだあるものと考えられており、研究が続けられています。
しかし、オリーブオイルを取り入れれば食生活が豊かになって、しかも体によいことは、すでに歴史が証明しています。

地中海型食生活を実践してみてもいいでしょうし、和食にオリーブオイルを取り入れてみるのもいいでしょう。
自然の恵みを楽しみながら、健康長寿を手に入れてください。

 

【参考資料】
・『オリーブオイルで老けない体をつくる』 平凡社 2016年
・『オリーブオイルの選び方 使い方』 池田書店 2013年

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