私たちが日々口にする食品の安全性が疑われています。
そうとは知らずに食べているものに、強い毒性を持った化学物質が加えられているのです。表示のない食品もたくさんありますが、せめて食品表示に対しては意識して、危険な食品添加物を避けるようにしたいものです。
食品添加物が使用されるようになり、食品の腐敗による食中毒は大きく減少しました。食生活を便利にするために使われる食品添加物ですが、その人体への影響はまだわかっていません。危険性のある食品添加物を摂り続けることを避けるためにも、正しい知識を身につけたいものです。
目次
1. これだけは避けたい!危険性の高い食品添加物一覧
1-1. なぜ、食品添加物は危険なのか?
1-2.食品添加物の危険性ランキング
2. 身近な食品にも含まれる危険な食品添加物
2-1. 表示のない外食メニューは危険!?
2-2. デパ地下総菜は手作りだから安全?
2-3. コンビニ、スーパーの冷凍食品は無添加?
2-4. 身体に良い食品にも危険な食品添加物は含まれる?
3. 簡単に避けられる食品添加物
3-1. 炭酸飲料、清涼飲料水
3-2. インスタントラーメン、インスタント食品
3-3. お菓子、嗜好品
4. 食品添加物の表示は嘘?
4-1. 別の食品表示で安全、安心感
4-2. 危険な食品添加物を記載しなくてもよい理由~漂白剤~
4-3. 食品添加物の記載がない食品ほど危険~ソーセージ~
5. 実践!食品添加物を含む食材の代わりになる安全な食品、料理づくり
5-1. 添加物だらけのハム・ベーコン・ソーセージの代わりに
5-2. 子供のお弁当をピンク色にするなら
5-3. フリージングは簡単安心
6. 食品添加物の危険を意識して暮らした人たち
6-1. 生まれた子供のために実践したA子さん
6-2. できるだけ食品添加物を避けてきた息子さんを持つSさん
6-3. 実践したNさんのできなかったこと
1.これだけは避けたい!危険性の高い食品添加物一覧
1-1.なぜ、食品添加物は危険なのか?
食品添加物の健康被害の不安として、発がん性、毒性遺伝、催奇形性(胎児などが奇形を起こす体質)など言われます。
そして、発がん性などが認められ、諸外国では食品に添加してはいけないと言われている危険性の高い食品添加物が、いまだ日本では使用されています。すべての食品添加物を避けることは難しくても、本当に危険な食品添加物が入っているものは購入しないよう注意したいものです。
危険性の高い食品添加物一覧
http://subtle-e.net/additive.htm
上記のサイトではとくに危険性の高い食品添加物一覧を確認できます。赤く表示されているのがとくに危険性の高い食品添加物ですが、それほどたくさんの種類 はありませんから、一通り目を通しておけば、食品を購入する際、食品表示を見て避けることができるでしょう。
1-2.食品添加物の危険性ランキング
特に危険とされる「アスパルテーム」(人工甘味料)
ここで特に危険とされている甘味料「アスパルテーム」は、「危険」「安全」の論争が続いていて、アメリカでは複数の研究者によってアスパルテームが脳腫瘍を引き起こす可能性について発表されています。また、比較的新しい甘味料として 2000年に認可された「アセスルファム K(カリウム)」は、イヌを用いた2年にわたる動物実験によって、リンパ球の減少や、肝障害の目安とされるGPTの数値が増えるなどの障害が見られています。
動物実験では、体重に対して大量の食品添加物を与えるため、「人間ならばその食品添加物を数kg食べた場合に相当する。微量の食品添加物ならば健康に影響は出ない」という反論が必ず出るのですが、人体実験ができない限りこの意見を実証することはできません。
だとしたら、「危険」「安全」の論争があるような食品添加物は避けておくことに越したことはありません。
使用されている食品例:
ダイエット、健康志向の飲み物やお菓子類 。ガム、飴、アイス 、ノンカロリー食品(ダイエット飲料、健康飲料、ゼリー、コーヒー)、ノンアルコールドリンクなど。
グルタミン酸ソーダ(MSG)、グルタミン酸ナトリウム
現在では、うま味調味料と呼ばれることが多く、アミノ酸等と表示されています。国内の食料品では直接表示を避けて、調味料(アミノ酸等)という表記で代替される場合が多いです。
使用されている食品例:
調味料全般、だし用パウダー、加工食品全般(インスタントラーメン、ソーセージ、ポテトチップス、かまぼこ、漬物など) 。
タール色素
食品を着色するために使われます。食品以外にも医薬品、口紅などの化粧品、衣服などの工業製品などの着色料、食品添加物として使用されます。
使用されている食品例:
お菓子類、アイス、かき氷、飲料類、清涼飲料水、漬物、紅しょうが、ソーセージ、たらこ、かまぼこ、たこ、ハム、ジャム、医薬品など。
亜硝酸ナトリウム
発色剤として、ハムやソーセージなどの食肉・水産加工品に使われています。加工畜肉に使用の際の発がん性があることを国連WHOの研究機関IARCが指摘しています。
使用されている食品例:
食肉加工品(ハム、ベーコン、ウインナー、サラミなど)、魚肉ソーセージ、イクラ、タラコ、明太子、パック野菜など。
ソルビン酸、ソルビン酸K
食品の保存料(カビや細菌の発生や増殖などを抑える)として使用されます。多くの食品に使われているため、他の食品添加物との複合摂取による発がん性が指摘されています。
使用されている食品例:
ハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さきいか、漬物、清涼飲料水、ジャム、シロップ、クリーム類 、コンビニ等の弁当など。
2.身近な食品にも含まれる危険な食品添加物
2-1. 表示のない外食メニューは危険!?
スーパーマーケットの店頭では食品の裏側を見て食品添加物を確認する人も、外食ではその食事にどういった食品添加物が含まれているか知ることはできません。基本的に、食べる人と作る人が離れれば離れるほど、食品添加物は増えると考えて間違いないようです。
ファミリーレストランのように、価格を抑えるためにセントラルキッチンで半調理品を作り店舗のキッチンで仕上げて提供するようなシステムでは、料亭のように新鮮な食材を直接仕入れて板前がその場で調理して提供するシステムに比べ、圧倒的に食品添加物が含まれる可能性が高くなります。ファミリーレストランと料亭では価格の差が大きいですよね。ある意味では価格が食品添加物の多さを判断するひとつの基準と言えるかもしれません。
2-2. デパ地下総菜は手作りだから安全?
業務用の食品を見たことがあるでしょうか。大きなビニール袋に、鮮やかな色をした漬け物ばかりではなく、ポテトサラダやきんぴらゴボウなどの副菜までが詰められているのです。 もちろん、食中毒を防ぐためや鮮やかな色を保つためにたくさんの食品添加物が入っています。こういった話を聞くと、主婦ならばおそらく、「激安スーパーの総菜や弁当に使われているのでしょう?」という印象を持つのではないでしょうか。そのとおりです。
では、デパ地下のお総菜の印象はいかがですか?「お値段が良いのだから、手作りで添加物は少ないのでは?」というのが多くの主婦の持つ 印象でしょう。
ところが、そんなことはないのです。例えば色鮮やかなサラダに使われる野菜は、漂白剤の役目を果たす「亜塩素酸 Na(ナトリウム)」が使われています。この「亜塩素酸 Na(ナトリウム)」は毒性が強いため、除去することが義務づけられています。
つまり、洗い落としていればそれで良しとされるのです。他にも照りやツヤを出すために増粘剤が使用されたり、いくらを鮮やかに保つために「亜硝酸 Na(ナトリウム)」が使用されたりしています。筋子では最も危険な「赤色102号」「黄4号」を使用する場合もあります。デパ地下の売場では「おいしそう」が最も大切なことですから、見た目を良くするためにた くさんの添加物が使われているのです。
2-3. コンビニ、スーパーの冷凍食品は無添加?危険性は?
マイナス18度以下で保存することが義務づけられている冷凍食品。急速冷凍されたそれらの食品には、食中毒の心配がないから食品添加物はあまり含まれていないと考えていませんか?
ところがそんなことはないのです。とくにコンビニ、スーパーマーケットなど冷凍食品で人気があって、主婦が楽にお弁当をつくるための、様々な種類のお弁当用おかずにも含まれます。例えば、マヨネーズは冷凍すると分離してしまいます。ですから、子供が喜ぶマヨネーズ味のものはマヨネーズに似て非なるものを、食品添加物をつかって作っているのです。
電子レンジで温めるだけで出来上がる、フライ系の冷凍食品には、美味しそうな衣の色を出すために、食品添加物が使われます。可愛い紙のカップに小分けされた、きんぴらゴボウやひじきの煮物は、汁がもれ出ないように増粘剤が使われています。
2-4. 身体に良い食品にも危険な食品添加物は含まれる?
疲れたときに駅の売店やコンビニで購入する栄養ドリンクには「安息香酸 Na(ナトリウム)」 という保存料がよく使われます。その他、合成香料や着色料も使われます。 女性向けの、食物繊維が手軽に取れるドリンクや、コラーゲンドリンクにも、コチニール色素と言われる、エンジカイガラムシから抽出した着色料や香料、保存料が使われています。サプリメントや、サプリ系ドリンクにも、危険性のある食品添加物が含まれています。
例えば、「ウコン色素(ターメリックやクルクミンと表示されることも)」と聞くと、自然のもの、しかもウコンは身体に良いという印象を持ちます。しかし、色素として黄色を抽出した「ウコン色素」をマウスの体重1kgに対し2g口から投与すると、その半数が死亡するため、急性毒性があるということになります。
カレー粉に使われるような自然の状態のウコンではなく、薬品を使って色素を濃く抽出するために毒性がでるのではないかと疑われているのです。ですから、「ターメリック」「クルクミン」という表示は、危険性のある食品添加物ということになります。
3. 簡単に危険性を避けられる食品添加物
ここまで読んでみると、ごく普通に暮らしているだけで、たくさんの食品添加物を気付かないうちに摂取していることに驚くのではないでしょうか。 心がけ次第で、簡単に避けることのできる食品添加物を紹介しましょう。
3-1. 炭酸飲料、清涼飲料水
ご存じのように、コーラをはじめとする炭酸飲料にはたくさんのとくに危険な食品添加物が使われています。炭酸飲料に含まれる、異常なほどの砂糖の量も問題ですが、その問題を解決したように見えるダイエット甘味料としての「アスパルテーム」や「スクラロース」といった食品添加物の危険性は動物実験でも証明されています。
身体に良いという印象のスポーツドリンクにも、合成香料や合成酸味料が含まれ、調味料としては「調味料(アミノ酸等)」と記載される「L-グルタミン酸 Na(ナトリウム)」が使われています。スポーツや肉体労働で失ったナトリウムは、通常食品からの摂取で充分なのです。
真夏の暑さでどうしても食欲がなくなり熱中症になるような場合でも、梅干しや塩漬けキュウリなどで塩分を補充して水分を摂ればナトリウムの量は充分です。ついつい習慣で購入している清涼飲料水、炭酸飲料、スポーツドリンクをやめて、麦茶や緑 茶、ミネラルウォーターを選ぶようにするだけで、相当量の食品添加物の摂取を防ぐことができます。
3-2. インスタントラーメン、インスタント食品
カップラーメンやカップ焼きそば、インスタントラーメンなど便利な食品が増え続けています。子供だけでも作って食べられる、それが親にとって便利でメリットだと考えるのは危険です。
ほとんどのインスタント食品には、味付けとして「L-グルタミン酸 Na(ナトリウム)」が使われています。表示の多くは「調味料(アミノ酸等)」となっています。味の素の成分としても知られるこの「L-グルタミン酸 Na(ナトリウム)」は強いうまみ成分でこどもの味覚を破壊します。
子供への危険性
子供の頃からこういった化学物質の強い味を覚えてしまうと、それが入っていないものは物足りなく感じるようになり、食物の本当のおいしさがわからなくなってしまうのです。
カップラーメン1個には、1日に10gまでに抑えたいというその塩分量が入っています。 塩水にするととても飲めないほどの濃い濃度の塩分なのに、カップ麺のスープは飲めてしまうのです。それも「調味料(アミノ酸等)」として添加されている「L-グルタミン酸Na (ナトリウム)」が強いうまみで塩辛さを緩和しているからなのです。
食品添加物で子供の味覚を破壊しないためには
ごはんを炊くときに多めに炊いて、冷凍保存しておけば、電子レンジのある現代、子供でも解凍することはできます。お腹が空いていれば卵かけご飯でも納豆ごはんでも充分美味し く食べられますから、子供の味覚を破壊しないためにも、インスタント食品の購入はやめるべきだと思います。
3-3. お菓子、嗜好品
嗜好品に分類したいスナック菓子や菓子パンを食事代わりにしている人も多いと言いま す。スナック菓子には前述の「調味料(アミノ酸等)」として、うまみ成分を濃縮した食品添加物が多く使われています。 また、甘味料として加えられている「ステビア」は、男性の精巣に悪影響を与えるとして、 EU 諸国、シンガポールや香港でも使用は禁止されているのに、日本では放置されています。
これだけ不妊が話題になり、少子化が進んでいるのに日々子供が口にする食べ物にそういった危険性のある食品添加物が含まれているのは恐ろしいことです。 ワインに使われている「亜硫酸塩」「ソルビン酸K」も危険性の高い食品添加物ですので避けた方が無難です。これらの食品添加物を使用していないワインも販売されています。
清潔志向によって、「お口のにおい」を気にする人も増え、若者や女性の多くは、バッグの中にガムやミントタブレットを入れています。 ガムに使われている香料の強さは、噛んだことのある人ならわかるでしょう。それだけではなく、甘味料としてはアスパルテームが使用されています。アスパルテームはアメリカの研究で、脳腫瘍を引き起こすと指摘されている上、動物実験ではリンパ腫や白血病が起きていることがわかっています。
ミントタブレットにいたっては、なんと食品としての成分がまったくない、という恐ろしいことになっています。つまりすべてが食品添加物でできているのです。口のにおいが気になるなら、歯ブラシを持ち歩いた方が健康的です。
4. 食品添加物の表示は嘘?
4-1. 別の食品表示で安全、安心感
食品表示には決まりがあります。その食品に多く含まれる材料から順に記載すること、そのあとに食品添加物を記載することなどです。
ところで、この食品添加物ですが、前述した「ウコン色素」のように、「ターメリック」「クルクミン」などと別名で記載されるものもあります。 例えば「コチニール色素」と表記されていれば、なにかしら色を付けるための添加物が加えられているとすぐにわかりますが、同じ物質を「カルミン酸」と表示することもあり、こうなると知識のない人にとってはどんな物質なのか見当もつかなくなります。
日本食品添加物協会のHPでは、「同種の食品添加物を複数使う場合で、個々の成分を表示する必要性が低いもの、食品中にも常在成分として存在するものなどは、まとめて「一括名」というグループ名での表示が認められています」とあり、これによって「香料」「酸味料」 など私たちがよく目にする表示となり、物質名はわからないままとなってしまうのです。
4-2. 危険な食品添加物を記載しなくてもよい理由~漂白剤~
食品添加物として使われていても、記載の義務がないものもあります。 漂白剤の目的で使用しても、それを取り除いてある場合。
厚生労働省による記載義務がない例
例えば、1980 年以前には、過酸化水素は漂白剤として普通に食品の添加物として使われていました。ところが、強い発がん性がみつかったために当時の厚生労働省は食品への使用をやめるよう通達しました。うどんなどのゆで麺類、かまぼこなどの練り製品、かずのこなどの漂泊に使用していた食品の現場は大混乱になったといいます。
すると厚生労働省は「使用しても、残留していなければ良い」と基準をゆるめました。過酸化水素の残留を調べるのは非常にこんなんだったため、麺類や練り製品に関しては別の食品添加物で漂泊するようになりました。
かずのこだけはどうしても他の漂白剤ではきれいな色にならなかったため、業界は翌年、「カタラーゼ」という酵素で過酸化水素を除去する方法を発見しました。そうまでしたいほど、過酸化水素は強い漂泊作用を持っているのです。
科学ジャーナリストの渡辺雄二さんが、1995年にかずのこ4製品を(財)日本食品分析センターで調べてもらったところ、2製品から過酸化水素の残留が認められたといいます。このように、食品表示に記載がなくても使われている食品添加物があることを考えると、記載されている危険な食品添加物だけでも避けていかなければと思います。
4-3. 食品添加物の記載がない食品ほど危険~ソーセージ~
食品添加物が使用されていても、その場で調理されて提供されるものには記載ができないことから、キャリーオーバーと呼ばれて、表示のないまま販売しても良いことになっています。
つまり、添加物たっぷりのウインナーソーセージを添加物だらけの衣をつけて、酸化防止剤の入った油で揚げたアメリカンドッグには、食品添加物の記載をしなくても販売できるということです。
同様に、ファミリーレストランや大衆居酒屋チェーンなど、コストを削減するためにどれだけの食品添加物が入っているのかは、私たちにはわからないのです。 もちろん、個別の食品に対しての食品添加物は、厚生労働省の基準値以下になっているのでしょうが、私たちが一日に様々な食品からどれだけの食品添加物を摂取してしまうのかは誰にもわかりません。
また、食品添加物は化学物質ですから、二つ以上の物質を混ぜることで、化学反応が起こることは容易に予想できます。しかし、動物実験では、一種類の食品添加物しか与えられていないのです。複数種の食品添加物を人間が摂取して、それが体内でどのように作用するのかは、やはり誰にもわかりません。
そう考えると、「食品添加物がたくさんつかわれているなあ」と感じることができる分だけ、スーパーマーケットなどの小売店で売られている食品はまだマシなのだと感じます。 本当に怖いのは、危険な添加物が使用されていてもそうとは気づかない、表示のない食品な のです。
5. 実践!食品添加物を含む食材の代わりになる安全な食品、料理づくり
5-1. 添加物だらけのハム・ベーコン・ソーセージの代わりに
ハムやベーコン、ソーセージなどの加工食品は冷蔵庫にいつもあるというご家庭も多いのではないでしょうか。ベーコンは、ブロックで売られている豚バラ肉を塩漬けして、水分を抜いてから燻煙すると自分でもわりと簡単につくれます。とはいえ、週末の趣味として楽しむなら燻製もよいですが、必要な分だけいつも手作りするわけにはいかないでしょう。
一時期、鳥の胸肉を使って家庭で作る「とりハム」が大流行しましたが、これも食の安全を気にする人が増えたからだと考えます。「とりハム」は、鳥胸肉を砂糖、塩、コショウ、好みのハーブやスパイスに漬け込んだあと、ラップでハムのように形成し、ゆでて加熱するというもの。専業主婦にとっては簡単につくれるものですが、やはり忙しい主婦にとっては毎回つくれるものではないかもしれません。
ベーコンやとりハムを手作りできなかったとしても、ハムやベーコンをつかっていたところを鶏肉、豚肉、牛肉のどれかに置き換えることは誰にでも簡単にできます。化学調味料で濃い味付けをされた、食品添加物たっぷりの味に慣れてしまっているうちは、物足りなく感じるかもしれませんが、慣れてくると危険な添加物の含まれるハムやベーコンの味のほうが不自然に感じるようになります。
チャーハンにハムやベーコンを使っていたのなら、しょうゆと酒をもみこんだ牛肉で代用してみてください。とても美味しいですよ。ポテトサラダに入れていたハムは、鳥胸肉をゆでたもので十分美味しいです。
5-2. 子供のお弁当をピンク色にするなら
とくに女の子のいるご家庭では、ハムの鮮やかなピンク色や桜でんぶのピンク色など、お弁当が華やかで可愛らしい雰囲気になる食品をすべて「身体に悪いから」とやめてしまうのは気の毒ですよね。
無添加食品「梅酢」
酢飯をきれいなピンク色にしたり、大根やカブを薄い上品なピンク色にしてくれる無添加食品として、「梅酢」があります。梅干しも、スーパーマーケットで販売されているものには添加物が使用されているものがとても多いので、梅干しも手作りをおすすめします。
4人家族が普通につかう分くらいなら、青梅2kgで十分です。たるや重石は必要ありません。ジップロックのLサイズ2袋でつくることができます。粗塩をまぶしておき、水が上がったら塩もみした赤紫蘇を加えます。梅はのちに取り出して天日干ししますが、このときたくさんの梅酢が残ります。これが白いごはんや野菜をとても可愛らしいピンク色に染めてくれるのです。
ハムの湯洗いだけでも
とてもそんなことはできない、という方は、ハムの湯洗いだけでも効果があります。沸騰したお湯でハムをしゃぶしゃぶのように6秒間降り洗いすると、発色剤の成分の三分の二は除去できるといいますから、ほんのひと手間、かけてみてください。
5-3. フリージングは簡単安心
手作りのベーコンやとりハム、梅干しなどは、そういった作業が好きな人にとっては、趣味と実益という感じですが、忙しく暮らしていて日々の食事作りで精いっぱいという人にとっては、とても無理と感じるでしょう。そんな人でも、家庭の冷凍庫を活用するフリージングなら、きっと手軽にできるはずです。
見た目の色をきれいにするためと、保存性を増すために食品添加物が使用されているのですから、不自然に長持ちする食品を購入するのをやめるだけで、多くの危険な食品添加物を避けることができます。
ハムやベーコンと違って、生の肉は傷みやすいですから、冷凍保存すればいいのです。電子レンジも普及している今、解凍もすぐにできます。なにも保存性の高いものを買わなくてもそれほど不便は感じません。
フリージングだけでなく、例えばひき肉は特売の時に多めに購入して、味付け加熱して冷蔵 庫で保存もできます。フライパンに酒、しょうゆ、砂糖、ひき肉を入れて混ぜてから、水分を飛ばすように加熱するだけ。美味しいひき肉そぼろができます。ご飯にのせたり、チャーハンのハム代わりにつかったり、冷蔵庫でも4日は持ちます。
ちょっとした工夫で、危険な食品添加物を避けることができますし、子供がいるご家庭なら食育にもなります。そのうえ、子供の味覚を破壊することも防げます。
6.食品添加物の危険を意識して暮らした人たち
6-1. 生まれた子供のために実践したA子さん
子供が生まれてから、食品添加物が気になりだしました。「食べてはいけない」など食品添加物に関する本を読み、おそろしくなりました。
妊娠中から生協の宅配サービスを利用していましたが、食品添加物についてはそれほど意識していませんでした。冷蔵庫にある生協の食品の表示を見てみると、やはり食品添加物はたくさん使われていました。便利ではありますが、生協は普通のスーパーマーケットと変わらない商品を扱っているというのは本当でした。
私の両親は共働きで、私はおばあちゃん子でした。おばあちゃんはいつも、台所にいた記憶があります。おばあちゃんの作る食事は質素でしたが、手作りで、おそらく添加物とは無縁の生活だったと思います。私や弟には、家にあるものでさっとおやつを作ってくれたことを思い出し、私はおばあちゃんの食生活を目標にしようと思いました。
今4歳になった娘は、おやつに味噌おにぎりや五平餅風のごはん団子を食べるのが大好きで、一緒につくることもあります。ママ友の家でスナック菓子やインスタントラーメンなどを子供たちみんなで食べることがあり、その場の雰囲気を考えるとしかたなく娘にも食べさせてしまうことが悩みです。
6-2. できるだけ食品添加物を避けてきた息子さんを持つSさん
栄養士の資格を持つ私は、子供が生まれたら手作りの美味しい食事をつくってあげようと、楽しみにしていました。
ところが、息子は小食で、しかも私が健康のためにと思ってつくるバランスの良い食事をあまり食べませんでした。おばあちゃんが買ってくるスナック菓子や、ママ友とでかけたときに食べるマクドナルドやスーパーマーケットのお総菜など、食品添加物だらけのものはよく食べるのに。
いちいち叱るというのも自分の気分まで悪くなるので、そのうち私は、息子が食事を残しても何も言わなくなりました。その頃、風邪をひいたと思っていた息子の咳がなかなか止まらないので、大学病院へ行ったところ、喘息の発作が起きた状態なので酸素が不足しているといわれ、すぐに入院となりました。
食の細かった息子は痩せていましたが、私は肥満よりはいい、くらいに思っていたのです。この入院で、やはり正しい食生活がこどもには不可欠だと知り、まだ3歳だった息子ときちんと話し合い、食事はバランス良く食べると約束しました。
できるだけ食品添加物を避けた食生活をしてきた息子は、18歳になった今、カップラーメンやチェーン店のラーメンなどは化学調味料の味がきつくて食べたくないと言います。お腹が空いたら冷凍庫からごはんをだして電子レンジで温め、卵かけごはんなどで食べているようです。
6-3. 実践したNさんのできなかったこと
食品添加物に関する本を読んでから、危険な食品添加物だけは避けるようにしてきました。冷蔵庫にいつもあったコーラなどの清涼飲料水をすべてやめ、スナック菓子やインスタント食品も買わなくなりました。
ここまでは、私にとってはわりと簡単にできました。 私は物づくりが好きなので、とりハムをつくったり、こども達のおやつを手作りしたりすることは、時間があるときには楽しいことです。食品添加物を意識して、だしの素をやめ、必要なときには出汁もとっていたのですが、これに関してはだんだんと面倒になって来ました。
食品添加物がたくさん入っているだしの素の強い味に慣れていた私の家族は、鰹出汁も本格的にたくさんの削り節と鰹粉を使わないと美味しいと感じないため、コストがかかり、大量のだしがらがでてしまいます。はじめはだしがらも、甘辛く煎っておにぎりの具やふりかけにしましたが、和食の多いわたしの家では出汁を取る度に出るだしがらを処理しきれず、捨てるしかありませんでした。
また、出汁を取ると大きな鍋やざるなど、洗い物がたくさんでるので、狭い台所では大変なのです。結局、1年後にはまた、だしの素にもどってしまいました。 あと、めんつゆも同様に、ペットボトル入りの食品添加物のあるものを再び購入するようになりました。
コンビニで売っている、すぐに食べられるものやファストフードは全く買わなくてもさほど不便は感じないし、コーラやスナック菓子もやめられたので、自分の中では、出汁に関しては「まあいいか」ということにしています。