正しい洗顔は、美しい肌への第一歩。みなさん、洗顔料は何を使っていますか?
「自分の肌に合うお気に入りが、なかなか見つからない」とお嘆きの方、昔ながらの製法でつくられた石鹸を試してみてはいかがでしょう。
余分な皮脂や汚れだけをすっきり落とし、肌本来の力を引き出してくれます。
洗顔用の石鹸にも、シンプルさを追求したもの、肌に良い成分を加えてより美容に配慮したものなど、さまざまな商品があります。
迷ってしまう方のために、肌タイプや年齢にあわせたおすすめの石鹸をご紹介します。
目次
1. 石鹸の基本材料はシンプル
石鹸は基本的に、ベースになる油分と水分、それにアルカリ剤(苛性ソーダか苛性カリ)の3つでできていいます。
苛性ソーダや苛性カリは、油分と水分を石鹸に変化させる「鹸化」反応を起こすために必要なものです。
出来上がった石鹸は弱アルカリ性を示します。
弱アルカリ性の石鹸はタンパク質の連結を弱め、皮脂汚れを落としやすくします。石鹸成分は水で簡単に分解されるので、楽に洗い流すことができるのが良いところです。
また、健康な人の肌は弱酸性になっています。弱アルカリの石鹸で洗った肌は、本来の弱酸性に戻ろうとします。
つまり、肌が健康であろうとする力が鍛えられるのです。
これも、石鹸洗顔をおすすめする重要なポイントです。
2. 洗顔用には「鹸化法」で作られた石鹸がおすすめ
現在流通している石鹸は、「中和法」か「鹸化法」で作られています。
中和法とは、原料の油脂から、脂肪酸(石鹸になる部分)だけを取り出して石鹸をつくるやり方です。
機械で一気に作りやすいので、価格を抑えて安定した品質のものを作ることができます。
ただし、油脂にもともと含まれているグリセリン(保湿成分)は取り除かれてしまうので、洗浄力重視の石鹸となります。洗濯用や掃除用の石鹸は、ほぼこちらの方法で作られています。
洗顔用におすすめしたいのは、昔ながらの「鹸化法」で作られた石鹸です。
油脂をそのまま使うため、保湿成分もそのまま含まれた石鹸ができあがります。
鹸化法にも、自然に鹸化されるのを待つ「コールドプロセス製法」と、熱を加えることで反応を活発にし、鹸化を早く確実にする「ホットプロセス製法(釜炊き製法)」があります。
いずれも職人が手間暇かけ、型に流し入れてひとつひとつ切り出すので、「枠練り」と呼ばれることもあります。
時間と手間がかかる分、鹸化法で作られた市販の石鹸は、価格高めの傾向があります。
しかし、保湿成分のグリセリンもほどよく残っていますし、ハーブやクレイなどを練り込んで、より肌に良いものへと工夫されている石鹸も多いのです。
オーガニックにこだわった石鹸も、大抵こちらの製法で作られています。
最近は、中和法で作られたお手頃価格の石鹸でも、製造過程で保湿成分などを加えなおし、肌への優しさを高めた商品もあります。予算や好み、何より自分の肌質を考えて選ぶようにしましょう。
3. 10代におすすめの洗顔石鹸
新陳代謝の活発な10代の肌は、まずさっぱりと清潔にしておくのが肝心です。
ニキビに悩んでいる場合はグリチルリチン酸やサリチル酸など、消炎効果成分が入っているものもおすすめ。肌荒れがひどい場合は、ニキビ肌・敏感肌向けの項目も参考にして下さい。
①『カウブランド 赤箱』 カウブランド
スーパーでも買える1つ100円程度の石鹸ですが、コスパの良さと手堅い実力で、口コミサイトのランキングでも常に人気のTOP3に居座っています。肌を保護するミルク成分と、保湿のためのスクワランが配合されているのが特徴です。青箱の石鹸もあり、こちらはミルク成分のみ配合の、さっぱりとした洗いあがり。オイリー肌なら青箱の方が好みかもしれません。
②『マイルドソープ』 DHC
オリーブバージンオイルやハチミツなど天然美容成分が配合され、肌の汚れをしっかり取りつつ、必要なうるおいは守ってくれます。香料、着色料、保存料の添加は一切なし。洗い心地はさっぱりしています。専門ストアや通販の他、最近はコンビニやドラッグストアでも買えるのが魅力的。10代で使い初めて、そのままずっと30代、40代と使い続けている人も多い石鹸です。
4. 20代、30代におすすめの洗顔石鹸
仕事のストレスで肌が荒れたり、出産を経て肌の性質が変わったり、20~30代の女性も肌の悩みは尽きないものです。
乾燥する部分と脂でテカる部分が混在する、混合肌で悩む人も多いでしょう。
そういう方にこそ、洗顔石鹸をおすすめします。
③『アレッポの石鹸 ノーマル』 アレッポの石鹸
オリーブオイルとローレルオイルのみを原料としたシンプル石鹸。シリアのアレッポで、千年以上前から変わらぬ製法で作り続けられています。人の肌によく 似たオレイン酸を多く含んでおり、赤ちゃんの肌にも安心です。オリーブオイルとローレルオイルの比率によって、ライト、ノーマル、エキストラ40の三種類があります。
④『コラージュM石鹸』 コラージュ
肌に負担をかけないよう、皮膚科学に基づき、無添加・低刺激にこだわって作られている洗顔石鹸です。「M」はノーマル肌用の石鹸。他にオイリー肌用、ドライ肌用の洗顔石鹸もあるので、自分の肌タイプや、季節にあわせて使い分けることができます。
5. 40代、50代におすすめの洗顔石鹸
ターンオーバーの乱れによる肌のくすみやシミ。乾燥が目立ってきて、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
洗浄力の強いものより、保湿にも気を配った石鹸を選んでみましょう。
⑤『然 よかせっけん』 長寿の里
練りタイプの石鹸で、防腐剤や保存料など完全に無添加のため、三ヶ月で使い切るよう推奨されています。固形石鹸は使いづらいという方におすすめ。火山灰台地から取り出したミネラル成分シリカが豊富に含まれ、毛穴奥の汚れまで落としてくれます。また、ローヤルゼリーや黒砂糖、ウーロン茶エキスなど、エイジングケアや保湿のための成分が60%以上配合されているのも注目点。美白効果も高いと評判です。
⑥『menina joue ハニーサンゴ石鹸』 株式会社ファーストフレンズ
名前の通りサンゴの超微粒子パウダーが入っていて、肌の汚れを吸い取ってくれます。保湿成分としてハチミツも配合され、しっとりした肌が期待できます。また、成長因子がローヤルゼリーの300倍といわれるハチの子エキスが入っているのも珍しいところで、エイジングケアにも有効だと注目されています。殺菌効果のあるオレンジオイルの香りと、ハチミツの甘い香りも人気です。
6. ニキビ肌、敏感肌の人におすすめの石鹸
10代の肌にできるニキビは、活発な皮脂分泌が原因。大人の肌にできるニキビは、乾燥やターンオーバーの乱れが主な原因、という傾向があります。
スキンケア方法も違うので、特に大人ニキビの人は石鹸選びから気をつけましょう。
⑦『Non A 薬用ニキビ石鹸』 プライマリー
肌トラブルを抱える人の相談を7万件以上分析して開発したという、思春期ニキビにも大人ニキビにもおすすめの薬用石鹸。豊かな泡立ちで、肌に刺激を与えずさっぱりと洗うことができます。ヒアルロン酸などの保湿成分や、皮脂の分泌を抑えて毛穴を引き締める大豆エキスなども配合されています。
⑧『A アクネソープ』 NOV
低刺激スキンケアの専門メーカーが開発した、ニキビ用洗顔石鹸です。「A」は皮脂分泌の多い思春期向けラインですが、低刺激なので、一般的な商品ではつらい超敏感肌中学生にもおすすめ。混合肌の大人ニキビには「AC」というラインがおすすめです(ACは石鹸ではなく、洗顔フォームとなっています)。
⑨『ダーマメディコ セブンソープ』 ケイセイ
多くの皮膚科専門医の協力を得て作られた、敏感肌のための低刺激石鹸です。香料や着色料などの無添加はもちろん、人によっては刺激となるラウリン酸や、ニキビの原因になりやすいオレイン酸も排除しています。アトピーなどで肌が荒れていて、普通の石鹸ではしみやすいという人におすすめ。
7. 毛穴が気になる人におすすめの石鹸
毛穴の黒ずみや開きが気になる人は、毛穴の奥まで洗える酵素やクレイなどが配合された石鹸がおすすめです。
毛穴の開きは加齢や乾燥による肌のたるみも原因なので、洗顔後の保湿も忘れずに。
⑩『いつかの石けん』 水橋保寿堂製薬
タンパク質分解酵素が配合されており、蓄積した角質を分解・洗浄してくれます。毛穴の黒ずみがやわらぎ、肌色も明るくなると評判です。固形石鹸はどうしても使いづらいという方には、洗顔フォームのような練りタイプもあります。
⑪『ペリカン石鹸 泥炭石』 ペリカン石鹸
真っ黒な見た目は、洗浄補助成分として配合されている炭のせいです。微細な炭の粉末が余分な皮脂汚れを吸着して落とします。同時に、保湿成分として配合されている天然の泥成分ベントナイトが、肌をしっとりさせてくれます。すっきりしたヒノキの香りで、男性にもファンが多いようです。
8. ドラッグストアで買える、優秀プチプラ石鹸
毎日使って洗い流してしまうものに、あまりお金をかけたくない人もいるでしょう。石鹸は値段で効果が決まるわけではありません。
スーパーや身近な薬局で買える安い石鹸だって、優秀な商品がたくさんあるのです。
⑫『花王 ホワイト』 花王
どこのスーパーでも大抵買える、おなじみのシンプル石鹸。保湿性と泡立ちの豊かさを両立できる、天然やしミルク(パームやしの種子に含まれる胚乳)を原料とし、保湿成分のスクワランも配合しています。低価格ながら、泡立ちの豊かさと伸びの良さは格別。130年の歴史を誇る人気商品なのも頷けます。
⑬『白雪の詩』 ねば塾
パーム油とパーム核油だけを原料にした、無添加石鹸。パッケージには「台所用」と書かれているのですが、入浴用、洗顔用として愛用する人も多く、口コミでも高評価です。中和法で作られ、保湿剤の添加もされていないため、人によっては乾燥すると感じるかもしれませんが、逆に肌荒れが改善されたという声も多くあります。相性が合えば、最高に心強いプチプラ石鹸です。
9. メンズにおすすめしたい洗顔石鹸
肌に悩みを抱える男性も少なくありません。
女性と同じ石鹸を使っても問題ありませんが、男性は一般的に、女性より皮脂が多い傾向があります。
男性用と銘打った商品は、洗浄力の方を重視したものが多いようです。
⑭『BUSO』 株式会社ウェルネス・アドバンス
堆積土から抽出したフルボ酸の配合が特徴。肌に必要なミネラルを与え、不要な皮脂汚れを毛穴の奥から洗い流します。化学合成の防腐剤や着色料などは不使用。ヒアルロン酸やハチミツ、コラーゲンなど、保湿成分が豊富に配合されているのは男性用として珍しい点です。美肌にこだわる男性のための洗顔石鹸。
⑮『BULK HOMME THE FACE WASH』 株式会社バルクオム
固形石鹸は扱いづらい、という男性におすすめの半練り石鹸。洗顔フォームと同じように使えて、泡立ちも優秀です。2種類の天然泥(クレイ)が余分な皮脂を吸着。シルクやユズエキス、茶葉エキスなど、保湿・抗菌に有効な成分も配合されています。公式の通販サイトから、トライアル価格のセットを申し込むことができます。
⑯『薬用柿渋石鹸 柿のさち』 株式会社マックス
昔から防菌・防臭に効果ありとされてきた、柿渋エキスを配合。加齢臭や脂性臭が気になる大人の男性向けに、消臭に力を入れた薬用石鹸です。天然泥成分ベントナイトが、臭いの元となる皮脂を毛穴の奥から洗浄。ブドウ葉エキス、マロニエエキスなどの保湿成分も配合されています。洗顔用にも、入浴用にも。
まとめ
いかがでしょうか。気になる洗顔石鹸はありましたか?
口コミが良くても、効能が立派でも、自分に合うかどうかは使ってみなくてはわからない、というのも事実。トラベル用の使い切りミニサイズがあれば、そこから試してみるのも賢明です。
通販メーカーによっては、試供品やトライアルセットを用意しているところもあります。
お気に入りの石鹸に出会って、より美しく健康に、肌を磨いていけると良いですね。
【参考資料】
『スキンケア美容医学事典』 吉木伸子 池田書店 2011年
『石けん・洗剤ものしり事典』 大矢勝 ソフトバンククリエイティブ 2008年
『心と体にやさしい手作り石けんの教科書』 佐々木薫 大泉書店 2010年