美しい肌のために、毎日のお手入れは欠かせません。中でも洗顔は、美肌をつくる第一歩。スキンケアの基本です。
でも、曖昧な知識や間違った手順で続けていても、肌は美しくなるどころか、かえって衰えてしまいます。
肌を傷めず、汚れだけをしっかり落とす基本の洗顔方法を知っていますか?
どんな洗顔料を使ったらいいか、迷わず選べますか?
10年後も美しい肌でいるために、正しい洗顔の知識を深めていきましょう。
目次
2. 正しい洗顔方法を覚えよう
2-1. まず、クレンジングで化粧を落とす
2-2. 洗顔の前に顔を濡らす
2-3. 洗顔料をよく泡立てる
2-4. ひたいから鼻(Tゾーン)を最初に洗う
2-5. 目元、口元、Uゾーンへ泡を広げる
2-6. ぬるま湯でよくすすぐ
2-7. タオルで押さえて水気を取る
4. 洗顔料の選び方
4-1. 固形石鹸
4-2. 洗顔フォーム(クリーム・リキッドなど)
4-3. パウダータイプ
5. おすすめしたいのは洗顔石鹸
5-1. 自分の肌性質にあわせて選ぶ
5-2. 低価格のシンプルなもので良い
5-3. 必要に応じて有効成分にも注目
5-4. つっぱりが気になるなら、「鹸化法」で作られた石鹸を
6. 肌質別、おすすめの洗顔石鹸
6-1. 普通肌におすすめの石鹸
6-2. オイリー肌におすすめの石鹸
6-3. 乾燥肌、敏感肌におすすめ
1. 洗顔の基本は1日2回
洗顔の目的は、皮脂汚れをしっかり落とすことです。
1日2回、朝晩に、洗顔料を使って洗いましょう。
朝は水だけでOKという意見もありますが、冷たい水だけでは皮脂は落ちにくいのです。残った皮脂は酸化してシミやシワにつながったり、毛穴を詰まらせてニキビの原因になったりします。
肌の状態は人それぞれなので、水洗顔だけで調子が良い人もいますが、まずは洗顔料を使って丁寧に洗顔することを心がけて下さい。
2. 正しい洗顔方法を覚えよう
洗顔料をたっぷり塗りつけたり、手のひらでゴシゴシこすったり、乱暴な洗顔をしていませんか?
間違ったやり方の洗顔は、肌をきれいにするどころか、ダメージを与えてしまいます。
ここで一度、正しい洗顔方法を確認しておきましょう。
2-1. まず、クレンジングで化粧を落とす
化粧をした日の洗顔は、最初にクレンジングを使って、化粧落としから始めます。クレンジング剤は洗浄力の強さより、肌への負担が少ないことを優先して選んで下さい。6割くらいをクレンジングで落とせたらOK。あとは洗顔料を使った丁寧な洗顔で落とした方がいい、とする専門家もいます。
また、クレンジングなしで化粧落としも洗顔もできる便利な洗顔料もありますが、肌に負担のかかる界面活性剤の配合量が多い傾向があります。肌の弱い人は避けた方が無難です。
2-2. 洗顔の前に顔を濡らす
クレンジングの後、洗顔に入ります。クレンジングのみでは洗顔したことになりませんから気をつけて下さい。
外出せずノーファンデの日なら、ここからスタートです。ヘアバンドなどで髪を止めたら、
まず手をよく洗い、水かぬるま湯で顔全体を濡らします。洗顔料をいきなり顔に乗せてはいけません。
2-3. 洗顔料をよく泡立てる
洗顔料を取り、手の平で手早く泡立てます。大体卵1個分くらいの、きめの細かい固めの泡をつくるのが理想です。自分の手だけで作るのが難しければ、泡立てネットやスポンジを利用すると楽です。ネットは100均で買えるものでOKですし、みかんの入っていたネットで代用するのもありですよ。
泡立ては、テレビCMのようなクリーム状にこだわって必死にならなくても大丈夫です。しっかり泡を立てて欲しいのは、その方が汚れを浮き上がらせやすいから。また、泡をクッションとして、手と顔の摩擦をできるだけ減らすためなのです。
2-4. ひたいから鼻(Tゾーン)を最初に洗う
泡が作れたら、最初に皮脂量の多いひたいにのせ、鼻の方へ延ばして、軽く汚れとなじませます。泡は肌にのるだけで汚れを浮き上がらせるので、強くこする必要はありません。くるくると円を描くように、泡を転がすくらいの気持ちで行うと良いでしょう。皮脂が溜まりやすい小鼻の横も忘れずに。
2-5. 目元、口元、Uゾーンへ泡を広げる
次に、面積の広い頬やあごなどのUゾーンへ泡を広げ、なじませます。口元や目元は皮膚の薄い場所なので、最後に指先でさっと撫でる程度にします。
この順番を守ると、皮脂汚れの溜まりやすい場所ほど、長く洗顔料の泡に触れることになります。汚れも自然と浮きやすくなります。
2-6. ぬるま湯でよくすすぐ
冷たい水は汚れが流れにくく、熱いお湯だと肌への刺激が強いので、すすぎはぬるま湯でおこなうのがベストです。たっぷりのぬるま湯で、肌をこすらず流しましょう。髪の生え際やあごの下などは泡が残りやすいので、鏡で必ず確認を。流し残しがあると、それが毛穴を詰まらせて、ニキビの原因になってしまいます。
2-7. タオルで押さえて水気を取る
流し終えたら、柔らかいタオルで肌を押さえ、水気を吸い取るようにして顔を拭きましょう。ここでゴシゴシこすると、せっかく丁寧に洗ってきたのが無駄になります。肌を傷めないよう、優しく拭き上げるのを心がけて。
3. 毛穴の汚れが気になるなら、洗顔ブラシも有効
泡で包むような洗顔では満足できない、毛穴の黒ずみがどうしても気になる人は、洗顔ブラシを使ってみましょう。
洗顔料を泡立てて、おでこや鼻、頬、あごへ乗せたあと、よく濡らしたブラシを立てて、柔らかく押しつけます。ブラシの毛先を毛穴の凹凸に沿わせ、奥の汚れを取り除くのです。洗いすぎで肌を傷つけないよう、一カ所を洗うのは15秒~20秒程度に。
洗顔ブラシはどうしても肌に負担がかかるので、最初は週に一度くらいから、様子をみつつ使っていきましょう。
4. 洗顔料の選び方
洗顔料にはクリームタイプのものや、固形、パウダーなど、さまざまな形態のものがあります。それぞれの特徴を知って、選ぶときの参考にしてみてください。
4-1. 固形石鹸
シンプルな固形石鹸は汚れを落としつつ、皮脂は落としすぎないのが良いところです。皮脂が落ちすぎると、肌を乾燥から守ろうとしてかえって皮脂の分泌が活発になり、ニキビができやすくなってしまいます。
石鹸洗顔は肌がつっぱると感じる人も多いようです。これは石鹸に含まれる脂肪成分が、水の中の金属イオンと反応して起こるもので、石鹸洗顔独特のものです。つっぱるのがほんの一時的なものだったり、化粧水で保湿すれば落ち着くようなら問題ありません。洗顔直後の肌表面は皮脂や水分を失っていますが、つっぱりを感じると、新たに必要な皮脂を分泌して良い状態に戻ろうとします。肌のバリア機能活性化にもつながっているのです。
4-2. 洗顔フォーム(クリーム・リキッドなど)
風呂場や洗面所に置いておきやすい、泡立ちが良い、あるいは最初から泡状に出て来るなど、商品によってさまざまな利点があり、種類も多いのが洗顔フォームです。
ただし、合成の界面活性剤や香料など、添加物の多い商品もたくさんあります。また、しっとりタイプをうたう商品は、配合油分が多めの傾向があり、洗顔後も油分が残りがちです。自分の肌に合わなければ、すぐに使用を中止しましょう。
トラベルサイズのトライアル商品が出ていることもあるので、まずそれを使って様子を見るのも賢い手です。
4-3. パウダータイプ
パウダータイプの洗顔料には水分が含まれないため、水分の品質を保つための防腐剤添加が必要ありません。そのため、添加物による肌トラブルの可能性を下げることができます。
また、パウダータイプに多いのが、タンパク質を分解する酵素の力を借りる、酵素洗顔です。洗浄力が高い分刺激も強いので、乾燥肌や敏感肌の人は注意しましょう。
5. おすすめしたいのは洗顔石鹸
洗顔におすすめなのは、天然油脂を昔ながらの方法で鹸化したシンプルな固形の石鹸です。値段も手頃なものが多く、コストパフォーマンスが良いのも嬉しいところです。とはいえ、商品もいろいろありますから、ここでは選ぶときの注意点を4つ挙げます。
5-1. 自分の肌性質にあわせて選ぶ
自分の肌質が「普通肌」なのか、「オイリー肌」なのか、「乾燥肌」なのかをまず把握して、向いている商品を選びましょう。これは石鹸だけでなく、すべての洗顔料に言えることです。
5-2. 低価格のシンプルなもので良い
洗顔料は洗浄力が大事。あくまでも、皮脂汚れを落とすことが主な目的です。また、肌と同じ弱酸性にこだわる必要もありません。洗顔後に弱酸性の化粧水で保湿すれば、肌は弱酸性に戻ります。
ドラッグストアなど身近な場所で買える、低価格のシンプルな石鹸でも十分頼りになります。肌が丈夫な人なら、洗浄力は強めですが、1個100円程度の浴用石鹸を使っても問題ありません。
5-3. 必要に応じて有効成分にも注目
美白成分や保湿成分、毛穴の洗浄力を高めるクレイや炭など、自分の肌に有効な成分が入っているものを選ぶのも良いでしょう。ただし、材料を厳選して作られた洗顔石鹸には高いものもあります。洗顔石鹸は毎日使うものですからあまり無理をせずに。
5-4. つっぱりが気になるなら、「鹸化法」で作られた石鹸を
石鹸は、天然油脂(あるいは天然油脂からできる脂肪酸)を原料にして、「中和法」か「鹸化法」のどちらかの方法で作られます。
中和法は、原料の油脂をまず脂肪酸とグリセリン(保湿成分)に分離させ、脂肪酸だけを使って石鹸をつくるやり方です。ツッパリ感を感じやすい石鹸ができますが、機械で一気に作りやすいので、価格を抑えることができます。
鹸化法は、油脂に苛性ソーダや水酸化カリウムを加えて石鹸地に変化させる、昔ながらのやり方です。鹸化法の中にも釜だき製法やコールドプロセス法などいくつかの方法があります。時間と手間がかかる分、価格も高めの傾向がありますが、保湿成分のグリセリンもほどよく残るので、つっぱり感が苦手な人はこちらのタイプを選ぶと良いでしょう。他にも肌に有効な成分を配合するなど、個性豊かな石鹸が生み出されています。
6. 肌質別、おすすめの洗顔石鹸
どんな石鹸がいいのか迷う方のために、いくつか、おすすめの洗顔石鹸をご紹介します。ひとつの参考にしてみて下さい。ドラッグストアで買えるもの、通販のみの限定品など、いろいろあります。
6-1. 普通肌におすすめの石鹸
・カウブランド 赤箱 (しっとり)
スーパーやドラッグストアで買える、人気のプチプラ石鹸です。カウブランドでは青箱のさっぱりタイプもありますが、つっぱりが気になる人は赤箱の方がおすすめ。肌の保護成分としてミルク成分が配合されています。
・いつかの石鹸
泡立ちの良い石鹸です。酵素が配合されており、古い角質や毛穴に詰まった角栓などの老廃物を、泡で包みながら分解します。さらに配合されているミネラル成分が、洗浄後のたるみ毛穴を引き締めます。使い続けているうちに肌がワントーン明るくなると、口コミも上々です。
6-2. オイリー肌におすすめの石鹸
・コラージュA 脂性肌用石鹸
コラージュは敏感肌向けのスキンケアシリーズですが、その中で、ニキビのできやすいオイリー肌向けに特化した洗顔石鹸がコラージュA脂性肌用石鹸です。適度な脱脂力があり、汚れをさっぱり洗い落とします。すすいだときの泡落ちがよいのも美点です。
無香料・無着色の低刺激なので、オイリーだけど敏感肌、という人にもおすすめできます。
・ノブ Aアクネソープ
皮膚科医が推奨する、ニキビ対策に注目して作られた洗顔石鹸です。ニキビの原因になりづらい油分を原料にしています。また、グリチルリチン酸など肌荒れを緩和する成分も配合されています。
ノブAシリーズは思春期のニキビ肌を想定したシリーズです。若い方や、思春期と同じタイプのニキビに悩まされている方におすすめです。
6-3. 乾燥肌、敏感肌におすすめ
・ダーマメディコ セブンソープ
皮膚科専門医と共同研究を重ねて開発された、敏感肌用の低刺激石鹸です。例えば皮膚へ刺激を与えやすいラウリン酸や、ニキビの原因となりやすいオレイン酸を使わないなど、材料が厳選されています。泡立ちも良く、敏感肌で悩む人から支持されています。
・肌楽プラチナプラセンタ洗顔石けん
敏感肌のために作られた石鹸。不要な添加物は排除する反面、プラセンタやプラチナナノコロイドなど保湿・整肌のための成分が配合され、敏感肌でも美白やエイジングケアを諦めたくない人に注目されています。泡立ちを良くするため、石鹸中央に窪みがある変わった形をしています。泡立て用のネットが付いてくるのも嬉しいところ。
7. 洗顔フォーム派へのおすすめ
石鹸よりも洗顔フォーム派という人は、もちろんそちらを選んでも構いません。自分の肌質を事前に把握して、合うものを選ぶのは石鹸と同じです。洗浄力や香りの好みなどで、朝用と夜用の洗顔料を使い分けるのも良いでしょう。
肌の個性は人それぞれ、何が合うかも人それぞれなのですが、ここではいくつか口コミで評判の良い商品を紹介します。
・ロゼット洗顔パスタ 海泥スムース
1929年に日本で初めてクリーム状の洗顔料を発売したロゼットの、人気シリーズの中の1本です。ミネラルを豊富に含む海泥が配合されており、余分な皮脂や汚れを吸着して落とします。コンビニでも買える手軽さとプチプラが嬉しい商品です。
・専科 パーフェクトホイップu
泡立ちの良さとコスパの良さで、口コミでも大人気の商品が、リニューアルされて再注目。白まゆ由来の潤い成分配合やヒアルロン酸が配合されており、洗いあがりはつるつるします。さっぱりした洗い心地なので、普通肌~オイリー肌の人におすすめ。
・トワニーグロウ クリーミィソープ
大人の女性に支持者が多い「トワニー」ブランドの洗顔フォーム。水分不足ではなく、油分が不足することで肌のバランスを崩している乾燥肌・混合肌の人におすすめです。少量で泡立ちがよく、流すときは泡切れ抜群。つっぱらない、と口コミも上々です。
・エリクシールホワイト クレンジングフォーム
ビタミンC配合の顆粒が入っていて、泡立てている間に溶け込みます。これがメラニンを含む不要な角層を取り除いてターンオーバーを促し、次に使う化粧水などが浸透しやすい肌に整えてくれます。大人の混合肌向きで、スキンケアと美白を同時に期待することができます。
8. メンズのためのおすすめ洗顔料
洗顔が大切なのは男性も同じです。一般に男性は女性より皮脂分泌が多いので、面倒がらずに洗顔料を使って、丁寧に顔を洗って下さい。
男性向けにもいろいろな洗顔料が出ています。ここではドラッグストアなどで買いやすい値段のものをいくつかご紹介します。
・UL・OS薬用スキンウォッシュ
顔も身体もこれ1本で洗えるのは高ポイント。ニキビなどの肌荒れを防ぐ成分と、体臭を防ぐ成分が配合されていて、特に皮脂の臭いや加齢臭を気にしている男性に最適です。
・ルシード 薬用オイルクリア洗顔フォーム
40才からの脂取り洗顔料と宣伝されていますが、年齢関係なくオイリー肌の男性におすすめです。皮脂を溶かして浮かせる成分と高吸着パウダーが配合され、頑固な皮脂汚れをしっかり落としてくれます。
・ウーノ ホイップウォッシュ ブラック
泡立ちが良く、配合された天然クレイが皮脂を吸着します。また、余分な角質も洗い流してくれるので、テカリやニキビなどの肌トラブルが起こりやすい人におすすめです。ホイップウォッシュシリーズには、毛穴の汚れ落としに向いた「スクラブ」や保湿成分入りの「モイスト」という商品もあるので、自分に合うものを選んで下さい。
まとめ
洗顔は肌の汚れを落とし、化粧水や美容液がしみこみやすいよう、受け入れの土壌を作るものです。基本は1日2回、朝晩とも洗顔料をよく泡立てて、泡の塊をすべらせるようにして洗って下さい。決して肌を乱暴にこすらないように。
たかが洗顔と手を抜かず、毎日丁寧に積み重ねていけば、10年後もきっと美しい素肌でいられますよ。
【参考資料】
『スキンケア美容医学事典』 吉木伸子 池田書店 2011年
『美肌をつくるスキンケア基本ルール』吉木伸子(監修) PHP研究所 2010年
『正しいスキンケア事典』吉木伸子・岡部美代治・小田真規子 高橋書店 2010年