女性だったら誰でも「透明感」に憧れますよね?
透明感とは何でしょうか?
「透明感が漂う人」や、「透明感のある笑顔」に欠かせないのは、「透明感を感じさせる肌」です。
英語では“ transparent skin”と表現される「透明感のある肌」とは、具体的に表すと「血行がよく、ツヤがあって、キメ細やかな肌」ということになります。
そして魅力的な女性の条件ともいえる、透明感が漂う髪やボディ。
ここでは、透明感のある肌をつくるスキンケアとメイク、透明感を演出するヘアアレンジとボディケアのコツを紹介します。
さらに、内面から透明感のある肌をつくるための食生活を加え、「透明感のある女性に必要な5つの要素」としてまとめました。
目次
1. 透明感のある肌をつくるスキンケア
1-1. 肌にやさしいクレンジングと洗顔
1-2. 美肌に欠かせない保湿ケア
1-3. 5年後の透明感が変わる紫外線対策
2. 透明感のある肌に見せるメイク
2-1. ファンデの色はデコルテに合わせる
2-2. 血色のよさを強調するチーク
2-3. 黒目を際立たせるアイメイク
2-4. 赤みのあるベージュでリップメイク
3. 透明感を演出するヘアアレンジ
3-1. 透明感カラーで遊んでみる
3-2. 髪の香りを大事にする
3-3. シャープになりすぎない髪形
4. 透明感を漂わせるボディケア
4-1. 視線が集まるデコルテのケア
4-2. ボツボツはできる部位に応じた対処を
5. 透明感のある肌に必要な食生活
5-1. 生活リズムに合わせた食事のコツ
5-2. 透明感のある肌に必要な食品
5-3. 肌の透明感の敵となる食品
1. 透明感のある肌をつくるスキンケア
「血行がよくて、ツヤがあって、キメ細やかな肌」は、正しいスキンケアなしには実現できません。
まずは、透明感のある肌をつくるための、ベーシックなデイリースキンケアを見直しましょう。
1-1. 肌にやさしいクレンジングと洗顔
スキンケアの要素で、もっとも肌に大きな負担を与えるのがクレンジングと洗顔です。
洗剤やほとんどの化粧品に配合されている界面活性剤には、本来は混ざることがない水と油をなじませて乳化させる働きがあります。
クレンジングの目的は、油性のメイクを界面活性剤で肌から浮かせて取り去ることなのです。
クレンジング後の洗顔は肌に残ったメイク汚れと皮脂をしっかり落とすために、朝の洗顔は寝ている間に分泌されて肌に広がった皮脂を落とすことが目的です。
ところが、クレンジング剤や洗顔料には多くの界面活性剤が配合されており、肌に強い刺激を与えてしまいます。
ですから、クレンジング剤を肌にのせている時間は長くても1分以内にとどめて、肌をこすらずにすむ洗い流すタイプのものを選びましょう。
洗顔料は、比較的肌への刺激が少ない固形石けんがおすすめで、これも泡を利用して肌をこすらないことが大切です。
1-2. 美肌に欠かせない保湿ケア
透明感のある肌は、常にうるおいがある状態です。
皮膚の表面にあたる角層には、体内から蒸発する水分をつなぎ止めて、肌のうるおいを維持する働きがあります。
角層の水分は、毛穴にある皮脂腺から分泌された皮脂が肌の表面に広がる「皮脂膜」が5%、角層で何層にも重なる角質に含まれている「天然保湿因子(NMF)」が15%、レンガのように重なる角質のすき間を埋めている細胞間脂質にある「セラミド」が80%を保持しています。
肌への刺激や乾燥などによって角層が傷つくと、水分保持に大きな割合を占めている細胞間脂質は流れ出してしまい、肌はうるおいを失ってしまうのです。
ですから、保湿ケアでもっとも必要とされるのは、角層のセラミドを補給することです。
セラミドは油溶性で化粧水に配合するのは難しいので、セラミドを配合した美容液が必須アイテムとなります。
1-3. 5年後の透明感が変わる紫外線対策
紫外線は、ツヤやハリがある美肌の大敵です。
紫外線を浴びると、肌は内部を守るためにメラニンという色素をつくり出します。
通常、メラニンは古くなった角質とともに皮膚からはがれ落ちるのですが、過剰につくられてしまったり、古い角質と一緒にいつまでも肌に残ったりすることによって、シミの原因になります。
また、紫外線を浴びると皮膚に活性酸素が増えて、細胞を酸化させてしまいます。
細胞の酸化は「サビる」といういいかたもされますが、肌の細胞が酸化するとハリや弾力を失うことになり、肌の老化を進行させてしまうのです。
1年を通して行う紫外線対策も、透明感のある肌には欠かせないケアです。
しかし、日焼け止めも肌への刺激が強いので、UVカット効果が高いパウダーファンデーションを使い、日傘や帽子などを活用して、日焼け止めだけに頼らないケアが大切です。
2. 透明感のある肌に見せるメイク
透明感のある肌は、日々のスキンケアで美しいツヤやキメを守り、さらにメイクのテクニックを加えることによってグレードアップします。
単に男ウケを狙うだけの厚塗りメイクではなく、本来の自分の美しさが透けて見えるような「大人のライトメイク」が基本です。
2-1. ファンデの色はデコルテに合わせる
ファンデーションの色は、首から胸元にかけてのラインである「デコルテ」に合わせると、ナチュラルなイメージになります。
顔のすぐ下に位置するデコルテが顔の色と違うと、厚化粧を感じさせてしまいます。
透明感を感じさせる人になるためには、本来、衣服の外に露出している肌が、すべて同じ色であることを目指すべきですが、それはなかなか困難です。
せめて、デコルテと顔だけは色を合わせましょう。
デコルテは顔の一部と考えるのが正解。
ファンデーションの色を選ぶときには、手の甲や首に合わせるのではなく、デコルテに合わせます。
キレイなデコルテを維持するケアが大切であることは、いうまでもありません。
2-2. 血色のよさを強調するチーク
血色の良さを演出するチークの見せ方をマスターしましょう。
まず、ピンクな頬を意識して色を見せるのではなく、ほんのり赤みのある血行のよい顔色がにじみ出るようなつけ方が大事です。
色は、赤とピンクとピーチが基本。
その日の気分でバリエーションをつくればいいのですが、質感をファンデーションに合わせてツヤを出すのがコツです。
まず、目の下にある頬骨の上ラインと、口角の少し外側の点を結んだ三角を意識して、3本の線にスポンジでポンポンとチークを置いていきます。
3本のラインがうっすらとできたら、その内側にもポンポンと置き、三角形の内側から外側に向けて薄くなるように伸ばすと、血色のよさを強調できます。
2-3. 黒目を際立たせるアイメイク
アイメイクの目的は、黒目を引き立たせることと、伏し目になったときのまぶたを美しく見せることです。
とくに、目力のある魅力的な黒目は、透明感を際立たせる大事な要素です。
アイラインを黒々と塗ったり、アイシャドウにべったり色を入れたりすると、アイメイクが黒目よりも目立ってしまい、黒目の存在感を消してしまいます。
さりげない大人のアイシャドウとアイラインのテクニックを身につけましょう。
アイシャドウは、上まぶたの黒目のやや外側をほかより濃く入れ、ここを強調してアイラインを入れるのが黒目を際立たせるコツ。
アイシャドウは、黒目のやや外側から目尻に向かってボカシていきます。
アイラインを濃くする位置を間違えるとボケて見えたり、顔がたるんでみえたりします。
アイメイクは全般的に、黒目のやや外側がポイントであることを忘れないようにしてください。
2-4. 赤みのあるベージュでリップメイク
唇もチークと同じように、べったり色をつけるのではなく、ポンポンと軽く重ねることでいろいろなカラーを自分の肌になじませることができます。
透明感の演出で大事なのは、素肌を感じさせるナチュラルメイクです。
その日の気分で色のバリエーションを楽しめばいいのですが、必須アイテムとなるのが「赤みのあるベージュ」です。
日本人の唇には、パッと見は口紅を塗っていないように見えるのに、血色がよくて華やさを感じさせるベージュが似合うといわれます。
自分の好きな口紅のシリーズで、赤みのあるベージュを1本用意しておき、大人のナチュラルメイクで透明感を演出したいときに使いましょう。
3. 透明感を演出するヘアアレンジ
顔のスキンケアと同様に頭皮のケアをしっかり行うことや、髪のダメージを防ぐヘアケアは、透明感のある美しい髪を維持するポイントです。
髪にダメージを与えないで頭皮をしっかり洗うためのダブルシャンプー、髪の内部に浸透して栄養を与えるトリートメント、熱で髪を傷めないドライヤーなどが必須です。
ここでは、日々のヘアケアをベースとした、透明を演出するヘアアレンジのコツを紹介します。
ヘアアレンジの基本は、髪を美しく見せることではなく、顔を魅力的に見せること。
だから、主張しすぎないことが大切です。
3-1. 透明感カラーで遊んでみる
黒髪は、透明感を漂わせる大人の女性を演出するアイテムとなります。
でも、カラーで遊ぶと演出のバリエーションが広がり、自分が知らなかった美しさを発見することができるかもしれません。
最近の流行である「透明感カラー」や「ハイ透明感カラー」をためしてみるのもいいでしょう。
透明感カラーとは、外国人の美しさを意識し、光が当たると透きとおるような色味で、髪全体を柔らかく見せるカラーのことで、アッシュ系、グレー系、ベージュ系などが中心となります。
ハイ透明感カラーとは、透明感カラーの中でも、明るい色を意味するハイトーンカラーをさします。
「ハイ透明感」とは、ヘアカラーの老舗ブランドである「ホーユー」から登場したヘアカラーのシリーズ「プロマスター アプリエ」が、提言した言葉です。
ハイカラーに特化したアプリエは、従来はダブルカラーで出していたような「色濃く透ける髪色」を1プロセスで実現したヘアカラーとして注目されています。
3-2. 髪の香りを大事にする
なにげなくかき上げたときに漂う髪の香りは、女性の武器といわれます。
近づいたときに、フワッと控えめないい香りがする髪は、透明感のある女性を演出します。
日頃から好きな香りのコンディショナーやオイルを使って、髪に軽く香りをつけておくようにするのです。
シュシュをもち歩いて、髪を上げ下げするのも大人の女のテクニック。
髪を触りすぎないことと、香りが強くならないように気をつけることがポイントです。
3-3. シャープになりすぎない髪形
透明感のある女性を演出するヘアスタイルに、髪の長さは関係ありません。
ウェーブなどの髪形もあまり関係がありません。
重要なのは、顔周りのラフ感です。
たとえばボブが好きな人だったら、顔周りにちょっとしたボサボサ感を出すことによって、シャープなイメージを抑えることができます。
顔周りの髪に動きを出すことで、顔の表情を立たせて、メイクの効果も引き立たせることができるのです。
前髪の長さが5ミリ違うだけでもイメージは変わりますし、流し方や分け目のつくり方でも変わるので、鏡を見ながら透明感のあるイメージを探してみましょう。
4. 透明感を漂わせるボディケア
ボディのツヤやキメは、離れたところからでも、透明感の漂う女性をアピールするポイントです。
離れたところから透明感オーラを感じさるようなシルエットがあり、近づいてみたら、素肌を感じさせるナチュラルメイクの美人だった、という大人の女性を目指します。
4-1. 視線が集まるデコルテのケア
ボディクリームを塗ってデコルテのツヤを出すと、鎖骨にツヤが反射するので、顔のツヤとの相乗効果で透明感オーラが漂います。
ポイントは、体形に応じてツヤの入れ方を調整することです。
やせ型でデコルテに鎖骨が浮かび上がっている人はツヤを少なめにし、ふっくら型でデコルテに凹凸の少ない人はツヤを多めにすると、キレイな胸元になります。
鎖骨と首の筋も、乳液やクリームで軽くツヤを与えます。
胸元を強調したい場合には、胸の上側にツヤを出すと効果的です。
デコルテは、紫外線の影響を受けやすい部位なので、日頃から顔と同じように紫外線が当たらないようにするケアを心がけましょう。
4-2. ボツボツはできる部位に応じた対処を
背中は皮脂が多いので、汗をかきやすくニキビができやすい部位です。
また、上腕部や太もも、お尻にできるボツボツは、毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)の可能性があります。
ニキビは、皮脂が毛穴に溜まり、それを栄養にするアクネ菌が繁殖して起こる炎症ですが、毛孔性苔癬は体の毛穴に角質が充満して表皮にまで盛り上がり、ぶつぶつができる皮膚疾患のことです。
背中のニキビは、清潔な衣服を身にける、入浴時に強くこすらない、油分を避けてローションなどで保湿する、ピーリングで角質ケアを行うといった対処とともに、ストレスを軽減する生活や快適な睡眠を心がけて治しましょう。
上腕部や太もも、お尻などにできる、痛みやかゆみがあまりないザラザラ、ブツブツは、毛孔性苔癬の可能性があります。
毛孔性苔癬は、必ずしも治療が必要なものではありませんが、気になる人や炎症を起こしてしまった場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
5. 透明感のある肌に必要な食生活
透明感漂う女性に欠かせない美肌は、毎日の食事でつくられるものです。
自分の食生活を見直してみましょう。
美肌を意識した食生活は、健康のためにも欠かせないもの。
透明感は、健康な身体から漂うものなのです。
5-1. 生活リズムに合わせた食事のコツ
1日3食の規則正しい食事は、健康な食生活の基本といわれますが、仕事や育児で時間に追われる生活では、なかなか実行するのが難しいものです。
成長期の10代では悪影響を及ぼしますが、大人の場合は自分の生活リズムに合わせた食生活で健康な身体をつくることも大切です。
その場合でも、1日の食事の合計を考えて必要な栄養素を摂り、過剰な摂取がないかチェックすることを忘れてはいけません。
最近は、朝食を抜く人が増えています。
本来は少量の糖質を摂取して体温を上げるとともに、脳を活性化することが望ましいのですが、どうしても食べらない場合はコップ1杯の水を飲んで胃腸を目覚めさせ、午前中に果物などでエネルギー補給しましょう。
5-2. 透明感のある肌に必要な食品
肌の材料となるタンパク質や脂質、ビタミンとミネラルをしっかり補給することが基本です。
肉を食べたくないという人も、1日に100g程度のタンパク質は必要になりますから、鶏むね肉やササミ、魚などで摂取しましょう。
脂質の取りすぎは生活習慣病の原因になりますから、植物性の良質な油を適量摂取します。
必須脂肪酸のα-リノレン酸が含まれるオリーブ油、シソ油、えごま油は、肌の乾燥を予防し、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす効果が期待できます。
ビタミンやミネラルは、できるだけサプリではなく、野菜、海藻類、豆類などから摂取します。
緑黄色野菜は、ビタミンや抗酸化成分が豊富で、繊維質が摂れるものが多いので欠かさないようしましょう。
5-3. 肌の透明感の敵となる食品
健康のためにも、美肌のためにも気をつけなければいけないのは、糖質と脂質です。
糖分は代謝されるときに、貴重なビタミンやミネラルを使ってしまうので、摂りすぎないようにしましょう。
体内では、まず糖質がエネルギーとして使われ、それから脂質が使われるので、糖質を摂りすぎていると、脂質がそのまま皮下脂肪として蓄えられてしまいます。
脂質は、質にこだわることが大事。
マーガリンなどに含まれる化学合成されたトランス脂肪酸は、肌に悪い影響を与えるばかりか、動脈硬化などの生活習慣病やアレルギー性皮膚炎を招く恐れがあるといわれます。
植物性の油でも、何回も使った揚げ油や古くなった油は、不飽和脂肪酸が酸化していることがあり、ニキビやシミの原因になります。
また、動物性の油が全般的に体に悪いわけではなく、魚類の油に多いDHA(ドコサヘキサエン酸)や、EPA(エイコサペンタエン酸)は、α-リノレン酸と同じ効果が期待できます。
まとめ
透明感が漂う女性になるためには、ここで紹介したポイント以外にも、質の良い睡眠や、運動不足を防ぐこと、血行を促すゆったり入浴などが大事なポイントになります。
また、心と肌の関係も忘れてはいけません。
ストレスが重なると体内の活性酸素が増えて、肌の老化を進めます。
ストレスには、免疫力を低下させてニキビができやすくなったり、緊張によって血行が悪化したりという悪影響もあります。
イライラのない生活や、クヨクヨと落ち込まない楽観性を心がけてください。
恋をしたり、ワクワクドキドキの体験をしたりすることが、透明感漂う美人への近道になることは間違いありません。
【参考資料】
・『スキンケア大事典』 友利新 毎日コミュニケーションズ 2010年
・『生まれつき美人に見せる』 吉川康雄 ダイヤモンド社 2015年